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2023年12月12日 (火)

伊豆箱根鉄道 駿豆線 その2 車両編 part6 ED31形機関車

伊豆箱根鉄道駿豆線では貨物輸送は行われていませんが、大雄山線5000系が大場工場に入出場する際の牽引や保線のためのバラスト輸送のために東芝製の小型電気機関車ED32, ED33形が在籍しています。

これらの機関車は1948年に東京芝浦電気が製造した40t級凸型電機で戦時設計の標準タイプでした。同系機に東武鉄道ED4010形・ED4020形や富山地方鉄道デキ14730形、名古屋鉄道デキ600形、南海鉄道ED1150形・ED5151形、日本国有鉄道ED37形などが存在します。

元々は西武鉄道が第二次世界大戦後、非電化だった川越線の電化用、貨物輸送力増強用に45t級電機4機の導入を計画したもので、その後、計画の変更等があり、電化完成の約1か月前に3両(31形31-33)として竣工しました。

主電動機は国鉄電車で制式とされたMT15(100kW)を搭載し、歯数比も電車並みの2.74としたため、牽引力が低く、定格速度が34.8km/hとこの種の機関車としては極端に高くなり、電気機関車としては扱いづらいものとなり、製造から経年が浅いものの持て余し気味となり1949年32号が降圧工事を実施の上駿豆鉄道に貸し出され、1952年には33号、1953年には32号が正式に譲渡となりました。

駿豆鉄道では1949年11月にそれまで所有していたED4012、ED4013を岳南鉄道に譲渡、その代替として西武鉄道から32,33を借入れ、1953年7月に正式に譲受、1957年にそれぞれをED32,ED33と改番しました。1959年8月には1500V昇圧に備え、再改造が施され、ED32は1972年11月にATS、1978年11月には列車無線が装備され、1983年には国鉄サロンエクスプレス東京の乗り入れに備え、ED32,ED33に重連総括制御装置が装備されました。

主電動機も当初はMT15でしたが、現在はMT30(128kW)に換装されており、歯車比も現在は2.86に変更されています。ED33にもATSが設置され、本線走行が可能となっています。

Ed32-190104
Ed32-190104-2 2019/1/4 大場工場内で休むED32, ED33

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