天竜浜名湖鉄道では国鉄二俣線から第3セクターとして転換後、15両のTH1形レールバスが活躍してきましたが、如何せん車両が小型で輸送力に乏しいという問題がありました。さらに新駅が開業し、輸送量の増加が見込まれたため、1995年12月に富士重工で大型車体のTH3000形が2両(TH3501,TH3502)製造され、1996年2月7日から運用に入りました。
主要諸元
車両定員 115名 (座席58名)
自重 30.2 t
全長 18,500 mm
車体長 18,000 mm
全幅 3,090 mm
車体幅 2,700 mm
全高 4,100 mm
床面高さ 1,240 mm
車体 普通鋼
台車 枕ばね:上枕空気ばね 軸箱支持:軸ばね式 FU50D/T
車輪径 810 mm
固定軸距 1,900 mm
台車中心間距離 13,000 mm
機関 カミンズ製NTA855-R1ディーゼルエンジン
機関出力 257 kW (350 PS) / 2,000 rpm
変速機 新潟コンバーター製液体式(TACN-22-1614)
変速段 変速2段、直結1段
制動装置 機関、排気ブレーキ併用SME
富士重工製の軽快気動車LE-DCシリーズで18m車体は平成筑豊鉄道200形・300形、甘木鉄道AR200形などと同じです。
車体
前面は貫通式、乗務員室は左側で、乗務員室側にのみ乗務員用扉が設けられ、運転台窓は視界拡大のため角部に回り込んでいます。前照灯、尾灯は一体のケースに入った角形のものが採用され、900 mm幅の引き戸の客用扉が片側2か所、両車端に設けられました。扉間には上段固定、下段上昇の幅1,200 mmの窓7組が設けられましたが、戸袋窓は省略されました。トイレの装備はなく、沿線の緑に映えるよう、白をベースとし、オレンジの濃淡のストライプ3本が窓下に入る塗装が採用されました。
車内
4人掛けボックスシート10組を備え、扉付近のみロングシートとし、後位乗降口付近には車椅子スペースが設置されました。座席表布はレンガ色となり、上部には同色のヘッドレストカバーが設けられました。カーテンは横引き式でつり革は出入り口付近にのみ設けられました。天井は平天井で、屋根内に空調用ダクトが通され、ワンマン運転用の装備も従来車より改良の上装備されました。
従来車との併結は可能で、1996年2月から本形式登場と共に設定された快速列車に優先的に投入され、2000年に快速列車の運行は終了となり、2005年にはトロッコ列車牽引用に改造されたTH211が廃車されたため、TH3501がトロッコ列車牽引用に塗装変更、砂撒き装置の追加などの改造が行われました。TH3502は2008年2月以降、休車扱いとなり、2010年9月に廃車となり、解体されました。
TH3501は2015年10月18日以降、マリメッコの生地を使用したカーテン、ヘッドレストカバーに交換の上、「スローライフトレイン」として運行されていましたが、2020年12月3日に故障で営業運転ができなくなり、2021年5月23日をもって運転を終了しました。
2022/8/27 天竜二俣
廃車後も解体されることなく天竜二俣駅の側線に停まっているTH3501
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