羽田空港C滑走路衝突事故 続報
1月2日夕刻に羽田空港で起きたJAL機と海保機の衝突事故の続報ですが、
国土交通省は事故時の羽田空港の管制官と着陸機、離陸機の交信記録(ATC Communications)を公開しました。
羽田空港のTower交信周波数 AからD4本の滑走路で異なる周波数となっています。下の交信記録は124.35Mhzのものです。
2024/1/2
衝突事故直前のRWY34への着陸機JL516、JL166、離陸機JA722A、DL276、JL179と管制塔(Tokyo Tower卓)とのATC交信記録
・海保機は1月2日に4回ほどフライトを行っており、災害救援という任務からこの回の離陸の際も混雑する状況の中で最優先で離陸を許可されると思い込んでしまい"1st"という言葉を聞いて、C5停止位置で停まるべきところを間違ってRWYに入ってしまったのか?そして40秒も滑走路上に留まってしまいJAL機の衝突に至ったのか?
・管制官は海保機が停止の指示に反して、滑走路に進入したのをなぜ見逃したのか?管制官卓上のディスプレイにはこういった誤進入に際して警告する装置があり、今回もそれは正常に作動していたのになぜ見逃したのが?
・着陸態勢に入っていたJAL機の機長、副操縦士はRWY上の海保機をなぜ見逃したのか?(追記:この点に関してはAirbusA350XWBに装備されているコックピットのガラスに計器盤の内容を表示するヘッドアップディスプレイの表示が夜間の滑走路上の機体の視認を妨げた可能性も指摘されています)。
事故というのはあり得ないミスがいくつか重なって起こること、特に航空機事故の場合は過去にもそういった例が知られていますが、なぜ今回それを防ぐフェイルセーフ機構が機能しなかったのか? が正に問題です。
事故直後、消火活動などのため、羽田空港の全ての滑走路の運用が停止となり、羽田空港に向かっていた航空機は成田、茨城、セントレア空港にダイバートされました。消防車100台以上で消火活動が行われ、東京消防庁からは総勢115隊が出動し、3日午前0時10分頃、JAL機の火は消し止められました。2日21時30頃にはA、B、Dの3本の滑走路は運用が再開されましたが、日本一Trafficの多い羽田空港は3本の滑走路では発着を捌ききれず、その後、JAL,ANA,その他の会社の国内線、国際線の便が連日200便以上が欠航となりました。
海保機、JAL機の残骸の撤去が終わり、1月8日午前0時からC滑走路の運用が再開となりますが、JAL機が事故の際にRWY16Lの進入角表示灯を損傷したため、復旧まで約1か月の間は南風運用時の都心上空通過ルートが運用不可能となり、千葉県上空通過の頻度が上昇する可能性が考えられます。
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B767−281様 こんばんは。事故というものはいくつものミスが重なって起こるもので、この事故も海保機ばかりを責められないと思っています。日本人の特性なのか事故が起きたら刑事責任を問うのが第一になっているような気がします。そうではなく多角的に見て何故起きてしまったのかを調べないと次の安全につながりません。そんなことを考えていたら海の向こうでアラスカ航空の737MAXが非常ドアを脱落する信じがたい事故を起こしました。もともと曰く付きの機種で一番乗りたくない飛行機です。ネット上では発注がそれなりに多く、生産を早めるため無理な製造がなされている、というようなこれまた信じられない情報もあります。いずれにしても飛行機への信頼が早期に回復していただきたいです。
投稿: 細井忠邦 | 2024年1月 8日 (月) 20時21分
細井忠邦さま、おはようございます。
確かに今回の羽田空港の事故、状況が分かってくるにつれ、不思議なことが多い事故です。なぜ海保機は管制からの許可なく着陸機がある滑走路に進入してしまったのか、管制官はそれになぜ気づかなかったのか、日航機もそれを視認することなく着陸してしまったのか、3者のうち誰かが異常事態に気づいていれば、事故は回避できた可能性があります。
仰るようにアラスカ航空の事故は別の意味でぞっとする事故ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2024年1月 9日 (火) 04時25分