2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その3 名古屋車両区のキヤ97系
国鉄時代から在来線のレールは貨車の一種である長物車(ながものしゃ、Flatcar)に積まれたレールを機関車牽引する方式で輸送されてきました。しかし、JR東海においては貨車や機関車は製造から30年以上が経過し、老朽化が進行しており、置き換えの時期が迫っており、検査周期の問題や機関車自体が少数派となっていること、機回しなどの運用の煩雑さがあることなどから、自力走行が可能な気動車方式による動力分散構成のレール輸送車の方がメリットが大きいとの結論に達し、2007年から導入されたのがキヤ97系、レール運搬車でした。
主要諸元
25m 定尺レール用 キヤ97形0・100番台 R1-4編成:2両固定(2M) (東海道本線上で東京方が0番台、神戸方が100番台)
200m ロングレール用 キヤ97形200番台 R101編成:最大13両(8M5T)
最高運転速度 110km/h(空車)95 km/h(積車)
車両定員 非営業車両(事業用)
車両重量 定尺レール運搬用:29.3 - 30.1 t ロングレール運搬用:18.9 - 31.5 t
全長 18,200 mm(連結面間)
車体長 17,400 mm
全幅 2,800 mm(運転室基準幅)2.700 mm(荷台幅)
全高 定尺レール運搬用:3,610 mm(屋根部)ロングレール運搬用:4,080 mm
床面高さ 1,150 mm(荷台部)
車体 普通鋼
運転室部はステンレス
台車 軽量ボルスタレス台車 C-DT66形(動力)C-TR254形(付随)
軸箱支持:ウイング円筒積層ゴム+コイルばね
枕ばね:空気ばね
動力伝達方式 液体式
機関 C-DMF14HZC×1 / 両 カミンズ製N14E-Rと同型
機関出力 360PS 2100rpm
変速機 C-DW19A リターダー機能(電磁力や流体によって推進軸に抵抗を与えて車体を減速させる補助ブレーキ装置)内蔵
変速段 変速2段・直結3段
制動装置 電気指令式ブレーキ
機関ブレーキ・リターダブレーキ 自動空気ブレーキ(キハ75形、キヤ95形と共通)
保安装置 ATS-ST・ATS-PT
EB装置・TE装置
製造は日本車輛製造が担当し,豊川工場で竣工しました。R1~R4編成は2008年4月から、R101編成は同年7月から運用に就いており、R1~R4編成が名古屋車両区に、R101編成が美濃太田車両区に配置されています。
2017年からJR東日本もレール運搬車としてキヤ97系をカスタマイズしたキヤE195系を導入しており、小牛田運輸区、尾久車両センターに配置されています。
2009/3/24 枇杷島 旅客線を通過するキヤ97系R1編成
2008/9/6 清洲 名古屋~稲沢貨物線を通過するキヤ97系R4編成
これらは毎週火・木・土の週3日、稲沢~名古屋港駅間を1往復している定尺レール運搬列車に遭遇したものと思われます。
2023/7/28 ささじまライブ
名古屋車両区でレールを積載して待機するR4編成
キヤ97系の前面マスクは普通鋼、サイドはステンレス鋼となっており、検測車キヤ95系とよく似たスタイルとなっています。ロングレール輸送用のキヤ97系200番台はレールの取り卸し作業をレールに沿って行うために前面のスタイルは異なっています。
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