2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その21 静岡鉄道 車両編 1000形
静岡鉄道は静鉄グループの中核企業であり、静岡清水線の鉄道路線の経営を担っていますが、静鉄グループは日本平ロープウェイの索道事業、バス・タクシー事業、不動産事業、ホテルなどを展開しており、連結売上高は1,498億4112万円となっています(2022年3月31日現在)。日本の中小私鉄で売り上げが1000億円を越えているのは遠州鉄道1865憶2700万円、大阪市高速電気軌道1614憶円(いずれも2023年3月現在)の3社しかありません。
車両に関しては鷹匠町車庫で製造した車両、さらには日本車輛製、木南車輛製の車両を長らく使用した後、太平洋戦争中に多くの車両が被災した後は東急、近江鉄道、国鉄の車両を譲受して試使用した時期もありました。長沼工場が本格稼働してからは21形、クモハ100形・300形・クモハ350形などが製造され「静鉄形電車」の基本となりました。これらの車両は1986年まで静鉄に在籍し、熊本電気鉄道、日立電鉄、福井鉄道などに譲渡されましたが、譲渡先でも活躍しました。
これらの在来形車両を置き換えるべく1973年から投入されたのが1000形電車でした。高抗張力ステンレス鋼を車体に使用した静鉄初のオールステンレス車両でクモハ1000とクハ1500の2両固定編成が1985年にかけ12本投入されました。
主要諸元
最高運転速度 70 km/h
設計最高速度 90 km/h
起動加速度 2.2 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 280(座席96)人
車両定員 140人(座席48)人
車両重量 クモハ1000(Mc)非冷房時:31.7 t 新製冷房車:32.7 t
クハ1500(Tc)非冷房時:23.5 t 新製冷房車:25.7 t
最大寸法 (長・幅・高) 17,840 ×2,744 ×4,110 mm(新製冷房車)
車体 ステンレス鋼
台車 ダイレクトマウント式空気ばね台車 Mc車:TS-812 Tc車:TS-813
主電動機 直流直巻電動機 TDK806/6-G TDK806/6-J
主電動機出力 110 kW(一時間定格)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 84:15(5.6)
編成出力 440 kW
定格速度 35.8 km/h
制御装置 抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁 ES769-A-M ES769-A1-M
制動装置 発電ブレーキ併用全電気指令式電磁直通空気ブレーキ、直通予備ブレーキ
保安装置 i-ATS(変調方式MSK、車上パターン制御方式)、静鉄式ATS(点制御速度照査機能付)
東急車輛製造が製造を担当していることもあり、東急7200系とよく似たスタイルとなりました。ワンハンドルマスコン方式が採用されています。1975年からワンマン運転が開始されたため、それに対応する改造も施されました。また1979年以降の新製車は冷房装置搭載となりました。
1000形 編成、竣工、運用終了等データ
2016年から次世代車両としてA3000形電車の導入が進められ、同年3月の1004編成を皮切りに置き換えが開始され、現時点で活躍しているのは1008編成1本となっています。また1009,1012編成が熊本電気鉄道に、1010編成がえちぜん鉄道に譲渡されています。私も2023年12月の熊本旅行で熊本電気鉄道で活躍する元静鉄の1000形を目撃しましたが、写真に記録することは出来ませんでした。
2024/1/4 長沼
長沼車庫には1001編成のクモハ1001と恐らく1008編成と思われる編成が留置されていました。
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