世界で一番多い保有数を誇ったJALのBoeing747 その68 JAL機退役後も貨物機、空中消火機としても活躍した JA8086
cn25308/ln936として製造され、1991年10月25日に初飛行、11月11日にJALに引き渡されのがJA8086です。
導入当初から3クラスのコンフィグレーションを採り、欧米、東南アジア線に就航しているMAGIC-II装備機で、ニューヨーク経由、サンパウロ線などの超長距離線や、香港線、北京線、ドイツフランクフルト線などにも就航しています。
2006/5/28 NRT
2010年10月、保管状態となり、Aersale社の管理下、レジはN238ASとなりました。このときに貨物ドアが設置され-446BCFとなり、2012年2月23日からは第二の職場のEvergreen International Airlinesのフリートメンバーとなり、レジはN492EVとなりました。
Evergreen International Airlines の親会社である Evergreen International Aviationはもともと農業用の種子、肥料、除草剤の撒布・噴霧などのヘリコプター開発から出発した会社でしたが、1974年にLokked L-188 Electra2機を所有するJohnson Flying Serviceを吸収合併し、航空機運航資格を得て、やがてEvergreen International Airlines としてB747貨物機を運航する会社にまで成長しました。
一方、米国森林局は山火事などの消火用にはLokeed P3 Orionターボプロップ機などを使用していましたが、Evergreen International Aviation は B747に水や消火剤のタンクを搭載し、空中噴霧する装置を組み合わせたSuperTankerを考案しました。この構想に基づいて設立されたのがEvergreen SuperTanker Serviceでした。
最初は1974年6月、World Airways向けに製造され、Evergreen International Airlines が貨物機として運航していたN470EV (cn20663/ln237:B747-273C) をSuperTankerに改造しましたが、就航することはありませんでした。2機目は1971年デルタ航空向けに製造され、1991年からEvergreen International Airlinesが運航していたN479EV (cn19898/ln94: B747-132)が改造され、こちらは2009年のスペイン・クエンカで発生した火災の消火に使用され、さらに同年8月31日、カリフォルニア州オークグレイン火災でもその消火活動で活躍しました。
しかし2013年12月31日付けでEvergreen International Aviation は財政破綻し、N492EVは2013年12月に保管状態となりました。Evergreen Supertanker Serviceの後継会社Global SuperTanker ServiceがそれまでN479EVに設置していた噴霧タンクシステムを保管中のN492EVに移植し、3機目のSupertankerにすることにしたため、同機はレジをN744STとし、" Spirit of john muir "と命名され、最大19600米ガロン(74,000リットル)の消火剤、もしくは水を搭載し、チリやイスラエルでの消火活動、さらにはボリビアでの消火活動に活躍することになりました。
2020年11月にSupertankerとしては退役しましたが、2021年9月24日からN936CAのレジでNational Airlinesのフリートメンバーとなっており、2021年5月から9月までの保管時期を挟み、引き続き現役で活躍中です。National Airlinesへの移籍は2021年にGlobal SuperTanker Service が 経営破綻し、機体をNational Airlinesに売却したためであり、「会社は潰れても機体は解体されず生き残る」歴史を繰り返しています。
多くの-446,-446Dが比較的早期にリタイア、解体されている中で頑張り続けている機体です。
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