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2024年5月16日 (木)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その46  系列名が細かい近鉄一般車 その4 通勤冷房車の草分け 2680系、2610系、そして2800系

特別料金なしで乗車可能な通勤車の汎用冷房車は名鉄5500系が日本初であり、登場は1959年でした。名鉄5500系は転換式クロスシート車で、ロングシート車としての初は1968年に運転を開始した京王帝都電鉄(当時)の5000系でした。国鉄では1970年山手線103系に試作冷房車が1本導入されました。
近鉄一般車の新造冷房車は2680系として試作冷房編成3連2本が1971年に登場したことから始まります。2680系の元となった系列は1970年に日本初の片側4扉、全席クロスシート、トイレ付で登場した2600系です。

2600
2702_750102 1975/1/2 近鉄名古屋 2702

乗降扉間に2ボックスの対面固定式クロスシートが設置され、ボックス長は国鉄近郊形車両の標準1420mmよりも100mm短い1320mmで背摺りもロングシート並みに低い設計でした。空調はラインデリアでした。トイレはクとサに和式が設置されていました。主電動機は三菱電機MB-3110-A (155kW)で駆動方式はWNドライブでした。 1979年に冷房化、内装も近代化されましたが、2002年2月から2004年1月にかけ廃車されました。

2680

2680-2684-180324

2018/3/4 今里 2684「鮮魚列車」

2600系を基本に冷房導入に関する基礎データ収集を目的に3両編成2本が製造されたのが2680系でした。当時近鉄では特急車の冷房装置は東芝製でしたが、2680系では三菱電機製を採用、8500kcal/hの集約分散式ユニットクーラーCU-14形を1両に5台搭載しました。ラインデリアも併設され、熱交換型換気装置(ロスナイ)も1台設置されました。台車は新造でしたが、制御装置・主電動機は1971年に廃車された初代ビスタカーからの流用品を用いました。2002年8月、2681Fが廃車、2683Fは2001年1481系の廃車代替として鮮魚列車に改造されていましたが、2020年3月の同列車廃止で廃車となりました。

2610

2600系、2680系の量産版として1972年に登場したのが2610系でした。1972年11月から1976年10月にかけ、4両編成17本が製造され、ボックス長は1400mmとなり、背摺りの高さも当時一般的なクロスシートと同等になりました。1991年から1995年にかけて行われた車体更新では2611F - 2620F・2622F - 2625Fの座席がロングシート化され、トイレ前対面固定式クロスシートのシートピッチ拡大が行われ、1997年までに全編成に車体の内外装材交換と車体側面の方向幕設置とトイレの室内改修を中心とする車体更新が行われました。

1996年から1997年にかけ、2621F、2626F、2627Fが車体更新された際にL/Cカーに改造されました。

2800

2610系のロングシート仕様、あるいは昨日の2430系の新製冷房車として1972年7月から1979年11月にかけ2連2本、3連4本、4連11本計60両が製造されたのが2800系でした。トイレの設置は当初、全編成で省略されましたが、1987年に2817F、1997年に2811F・2813F・2815Fのサ2950形に設置されました。1997年に2811F、2813F、2815FがL/Cカーに改造されました。2006年7月、2809Fが名古屋線に転属した際にサ2959が抜かれ、廃車解体されました。

2800-2901-220802
2022/8/2 米野 2901

2800-ax04-ctycns-230728

2023/7/28 米野 2804 アートライナー”CTY・CNSラッピング”

2800-2809-240105

2022/8/2 米野 2809 名古屋線転属の際に4連から3連になった編成

2800-2815-220802 2022/8/2 米野 2815

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コメント

B767-281様お早うございます。なるほど前にご紹介いただいた時にも思いましたが、形式が細かい❗️しかも2680から2610に戻っているのも面白いです。

近鉄の一般車の系列が細かく分かれているのは他社なら同一系列とするものを分けて定義している点が大きそうですね。

細井忠邦さま、おはようございます。

近鉄の場合、一般車は4桁、特急車は5桁の系列番号とし、さらに標準軌、狭軌、ナローゲージ(かつては)とあり、さらに標準軌も大阪線、名古屋線、京都・奈良線と別系列になっており、気前よく系列番号を振っていったら、あっというまに使い切ってしまうという心配があるのではと思います。
かつて本格的カルダン車として1470系が登場、その増備車として1480系が出て、さらにその3連固定版として2470系として+1000の系列番号を使ったことがありましたが、あとから2400系、2410系、2430系が出てきておかしな番号順になったこともありました。その辺の経験からできるだけ細かく系列を振っているように感じます。

kaipanさま、こちらにもありがとうございます。

細井様へのコメントにありますが、近鉄の路線延長の長さ、それぞれの線区に別々の系列、4桁に制限された一般車といった条件がああいった細かい系列番号になっているように感じます。
最近のニュースではこの秋からA8という一般車の新車が登場するようで450両以上ある、昭和40年台車を徐々に置き換えるという話ですが、その辺、これまでのスタンスから脱皮して各線共通の新システムで行くことになるのでしょうか。

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