2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その2 嵐電の歴史
嵐電こと嵐山線は京都市内で軌道事業(嵐山本線・北野線)、鉄道事業の鋼索線(叡山ケーブル)・叡山ロープウェイを運営する京福電気鉄道の経営下にあります。同社はかつて京都市内の叡山本線・鞍馬線の2つの鉄道路線を運営し、福井市内でも鉄道・バス事業を行っていましたが、叡山本線・鞍馬線は京福全額出資で設立した子会社の叡山電鉄へ1986年に分離譲渡、福井本社傘下のバス事業は2000年に子会社の丸岡バス(譲渡後、京福バスに)へ、鉄道事業は2003年に第3セクターのえちぜん鉄道に譲渡し、現在は京都市内の軌道事業、鉄道事業(鋼索線)と福井県での小規模な不動産事業を残すのみとなり営業路線も最盛期は120kmを越えていましたが、現在は13km程となっています。
1981年頃 叡山本線 宝が池付近
1929年、京都電燈が叡山線用に増備したデナ21形21~24のうちの1両
1976/3 福井 勝山永平寺線の車両
関西から北陸にかけての地域をテリトリーとした京都電燈株式会社は琵琶湖疎水の蹴上発電所から生み出される大量の電力を背景に電灯の本格的普及に貢献し、京都市の産業振興にも貢献、さらに日本初の路面電車である京都電気鉄道(後の京都市電)の開通にも貢献しました。この京都電燈が太平洋戦争時の配電統制令で1942年に解散した際、陸上輸送・鉄道事業部門を継承したのが京福電気鉄道でした。譲渡は1942年3月2日に行われました。ちなみに発送電部門は日本発送電に1942年4月1日に、配電部門は関西配電(後の関西電力)と北陸配電(後の北陸電力)に継承され、1944年に精算が完了しました。京都電燈から鉄道事業を京福電気鉄道が継承したタイミングで当時傍系だった鞍馬電気鉄道・三国芦原電鉄が合流しました。
京福という社名は京都と福井を鉄路で繋ぐという意味ではなく京都は祇園をはじめとする夜間の電力需要が多く、福井は織物工場が稼働する昼の電力需要が多いことから、互いの電力を融通するため京都電燈が建設した「京福送電線」が語源となっているそうです。1944年には永平寺鉄道・丸岡鉄道を合併し、1950年頃には京都と福井の営業路線距離は120.9kmとなりました。
1964年8月(発坂駅西側)正面衝突事故、1977年8月(発坂駅東側)脱線横転事故、2000年12月(ブレーキ部品脱落)正面衝突事故、2001年6月(発坂駅西側)正面衝突事故など、福井の越前本線内では、わずか1kmの範囲で3度の事故とわずか半年間で2度に亘る電車同士の正面衝突事故を起こしたために、国土交通省から列車運行停止が命ぜられ、2003年に福井地区の鉄道事業から撤退を表明、越前本線、三国芦原線の廃止が決まり、えちぜん鉄道に事業譲渡となりました。
嵐山本線、四条大宮~嵐山間7.2kmは1906年12月17日、軌道特許状が下付され、1910年3月25日、嵐山電気軌道により開業しました。1918年4月2日、京都電燈が嵐山電気軌道を合併、嵐山鉄道部傘下となりました。1928年12月、全線が複線化されました。北野線、北野白梅町~帷子ノ辻間3.8㎞は1925年11月3日、京都電燈が北野~高雄口(現、宇多野)間を開業したのが始まりで、1926年3月10日、高雄口~帷子ノ辻間が延伸開業しました。
嵐電の車両に関しては明日以降の記事で触れますが、京福電気鉄道の車両、京都嵐山、叡電、福井越前線の車両形式名をみてもモボ301、デオ300、ホデハ301とバラバラ、さらに車両番号の重複もある点が特徴でした。
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