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2024年9月17日 (火)

2023年晩夏の関西旅行 大阪メトロ編 その2 中央線を走る車両 Part6 近鉄7000系

2018年3月/11月の近鉄の旅でも紹介しましたが、近鉄は同社の完全子会社の東大阪生駒電鉄が整備した長田~生駒間を1986年10月1日に東大阪線として開業、2006年3月27日には生駒~学研奈良登美ヶ丘間を延伸開業し、長田~学研奈良登美ヶ丘間をけいはんな線としました。

近鉄奈良線は戦後、大阪の宅地開発の進展で混雑が激しくなり、1963年、大阪市交通局、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道による同地区と大阪中心部を結ぶ新線の計画が都市交通審議会に提出されていました。荒本駅以西は大阪交通局が建設、京阪が八幡~交野(かたの)~星田~大和田~荒本間、近鉄が瓢箪山~荒本間を整備し、荒本駅で3社が緊密な連絡を図り、相互直通運転が可能なようにすることが望ましいと答申が出されましたが、最初に京阪が新線建設を断念、近鉄は自社線内は架線方式、地下鉄線内は第三軌条方式とする車両を開発し、相互直通する方針としたものの、大阪市が難色を示し、近鉄も新線建設を断念しました。一旦、この計画は棚上げされかけましたが、1971年に都市交通審議会が「大阪市営地下鉄中央線を延伸して生駒まで緊急に整備すべき」という答申を出し、1974年、大阪市が東大阪市長田まで地下鉄4号線を延伸、長田以東は近鉄が建設で話がまとまり、1977年、近鉄は全額出資の子会社東大阪生駒電鉄を設立、日本鉄道建設公団のP線として工事着工、1986年4月に東大阪生駒電鉄を吸収合併し、同年10月1日、長田~生駒間が東生駒線として開業しました。なお、東大阪市内の工事区間では水走(みずはい)、鬼虎川、西ノ辻、神並(こうなみ)といった遺跡が見つかっており、埋蔵文化財の調査も実施されました。

車両に関して、近鉄は当初は架線と第三軌条の両方から集電できるタイプの車両を開発する予定でしたが大阪市が難色を示したため、第三軌条方式の車両として7000系を投入することにしました。大手私鉄が地下鉄乗り入れのために第三軌条方式の車両を採用したのは初めてのケースで恐らく今後も無いのではないかと思われます。

主要諸元

編成 6両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流 750 V 第三軌条方式
最高運転速度 近鉄線内: 95 km/h 地下鉄線内: 70 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 (Tc1・Tc2)125(39)人 (M1・T・M2・M3)135(45)人
自重 (Tc1・Tc2)34.0 t
編成重量 207.0 t
編成長 108,400 mm (6両編成)
全長 18,900(中間車18,700) mm
全幅 2,900 mm
全高 3,745 mm
車体 普通鋼
主電動機 MB-5011-A
かご形三相誘導電動機
主電動機出力 140 kW×4
駆動方式 WNドライブ
制御方式 VVVFインバータ制御
制御装置
奇数編成:三菱電機製
未更新車:GTO素子 SIV-V564-M-3/4(試作機器)またはMAP-144-75V03 (A·B)
更新車:IGBT素子 MAP-142-75VD339
偶数編成:日立製作所製
未更新車:GTO素子 VF-HR-104 (A·B)
更新車:IGBT素子 VFI-HR2415J
制動装置 回生ブレーキ併用
全電気指令式電磁直通空気ブレーキHRDA
保安装置 WS-ATC デッドマン装置 備考
電算記号:HL 都市型ワンマン運転に対応

スーパー・エレクトロニック・コミューターという愛称が与えられており、6両編成、9本が活躍しています。1987年、第27回ローレル賞が授与されました。近鉄では7000番台は南大阪線(狭軌:6000番台)に次ぐ番号となっています。

7000-7101-230829_20240916101101 7000-7601-230829 2023/8/29 朝潮橋 近鉄7000系 7101F
6連はコスモスクエア側から ク7100(Tc)-モ7200(M)-サ7300(T)-モ7400(M)-モ7500(M)-ク7600(Tc)という構成となっています、

1984年7月にク7103-モ7503-モ7502-ク7602の4両が東大阪生駒電鉄の車両として先行試作され、完成部分の路線にて走行試験を行いました。トップナンバーではない車両が試作車として投入されたのは開通式をトップナンバー編成で行うためと偶数車は日立製作所製、
奇数車は三菱電機製の盛業装置を使っているため、両車を試すためでした。1986年の開業時、この4両は近鉄に編入され、量産車とともに6両編成となりました。量産車は6両編成8本(7101F~7108F:試作車も含めて)まで増備され、1989年に7110Fが増備されました。7109Fが欠番となったのは7110Fは日立製作所製の制御器を搭載しているためです。所属は7101~7105Fが軌道線、7106~7108/7110Fが鉄道線となっています。

7000-7106-181130 2018/11/30 学研奈良登美ヶ丘 7106F

7000-7108-230829_20240916101901 7000-7608-230829 2023/8/29 九条 7108F

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