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2024年9月25日 (水)

2023年晩夏の関西旅行 JR西日本編 その3 683系から289系へ M-Tpユニットのメリットを生かした転換

683系基本番台は北陸地方で運用されていた485系の置き換え用として2001年から6両基本編成6本、3両付属編成6本が製造され、2001年3月3日のダイヤ改正から、681系の増備車として特急「サンダーバード」での運用が始まりました。2002年には「しらさぎ」「加越」用として、683系2000番台、5両編成12本、3両付属編成9本が川崎重工、近畿車両、日立製作所、日本車輛製造にて製造されました。当初はShirasagi、Kaetsuのロゴが車体に入れられていましたが、2003年10月1日のダイヤ改正で「加越」は「しらさぎ」に統合されたため、消されました。

6832000-53-6822000-050705-2 2005/7/5 枇杷島 クロ682-2000を最後尾に基本編成5連と付属編成3連の併結8連

6832000-35-6833500-050705-5_20240924090201 2005/7/5 枇杷島 名古屋に向かう683系2000番台8連の特急「しらさぎ」

6832000-5-6833500-080905-1_20240924090401 6832000-5-6822000-080905-1 2008/9/5 芦原温泉 こちらは基本編成のみの5連

編成の構成は
←富山・名古屋                                        米原→   
クロ682-2000(Tpc')+モハ683-3400(M)+サハ682-2200(Tp)+サハ683-2500(T)+クモハ683-3500(Mc) 基本編成
クハ682-2700(Tpc')+サハ683-2400(T)+クモハ683-3500(Mc)                   付属編成 
でした。
編成記号は基本編成S01~S12、付属編成S21~S29で、金沢総合車両所に全車配置されました。

ちなみに681系と同様に’p’はパンタグラフ付きを意味しており、電動車(M/Mc)に直流電車相当の機器のみを搭載し、それとユニットを組む付随車(Tp・Tpc')集電装置・変圧器・整流器などの交直流対応装備が搭載されるM-Tpユニット構成が特徴です(この方式は681系量産車から)。電動車は直流電車と機器の共通化が容易となり、保守の上からも特高圧機器と高低圧機器の混在によるトラブルが防止できます。M-Tpユニット間にT車を挟むことも可能です。

68320004000-1007092010/7/9 吹田 683系2000番台 R編成 

なお、2005年に「サンダーバード」増結用として3両編成4本(R10~R13)が増備され、こちらは方向転換され、金沢総合車両所に配置されました。
←和倉温泉                     大阪・金沢→
クハ682-2700(Tpc')+サハ683-2400(T)+クモハ683-3500(Mc)

これらの編成は同じ2000番台でも編成の向きは681系と揃えられており、「しらさぎ」用とは逆向きでした。

2015年3月14日のダイヤ改正で北陸新幹線の長野~金沢間が延伸開業した際に、特急「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」に投入されていた381系を置き換える目的で「しらさぎ」で活躍していた683系2000番台を681系(一部、北越急行からの683系8000番台と)に置き換え、捻出し、交直両用から直流専用に改造することとなりました。

系列・形式名は289系とし、

5両基本編成12本   →  6両5本 「くろしお」              J01-J05 吹田総合車両所京都支所
              4両7本 「こうのとり」「きのさき」「はしだて」 FG401,403,406,408-411 福知山電車区

3両付属9本      →     3両3本 「くろしお」              I01-I03 吹田総合車両所京都支所
              3両6本 「こうのとり」「きのさき」「はしだて」 FH301-FH306      福知山電車区

6連化されたJ編成を組成した際、サハ683-2509、-2510が余剰となり、-2510は一旦、サハ289となりましたが、両車とも2016年7月11日付で廃車となりました。

289-fg401160903 2016/9/3 千里丘 FG401編成

289系かされた当初は交流機器が残されていましたが、2016年から2018年にかけ、交流機器が撤去されました。一方でFH301,FH306編成は交流機器の撤去はされず、2019年4月・6月に683系に復帰し、金沢総合車両所に再転属しました。これら2編成はサンダーバード増結用として2005年に製造されたR10~R13編成の続番のR14,R15編成としてサンダーバード波動用としての使命が与えられましたが、2024年3月16日付で京都支所に再転属となり、N01, N02編成となっています。

289-fg401-8 289-fg401-7 2016/9/4 新大阪 交流機器撤去前のFG401編成
「こうのとり」「きのさき」「はしだて」向け編成はダークレッドの帯となっています。

←新大阪・京都/天橋立                        城崎温泉・宮津→
クモハ289-3500(Mc)+サハ288-2200(Tp)+モハ289-3400(M)+クロ288-2000(Tpsc')   FG編成
クモハ289-3500(Mc)+サハ289-2400(Tp)+クハ288-2700(Tpc')              FH編成 

また、昨日の記事にあるようにクロ682形から改造されたクロ288形2000番台は交流機器撤去と同時期に前位より客室の普通室化が行われ、グリーン車定員15名、普通車定員18名の半室グリーン車となり、クロハ288-2000番台となりました。

289-j01-160903 289-j01-160903-2 2016/9/3 野田 289系 J01編成 サハが1両組み込まれ6連化された基本編成

289-i02-180325 2018/3/25 野田 6+3併結編成の特急「くろしお」
くろしお向けの編成は287系と同じオーシャングリーンの帯となっています。

←京都                                                  新宮→
クモハ289-3500(Mc)+サハ289-2500(T)+サハ288(Tp)+モハ289-2400(M)+サハ289-2500(T)+クロ288-2000(Tpsc) J編成
クモハ289-3500(Mc)+サハ289-2400(T)+クハ288(Tpc') I編成

JR西日本は国鉄から承継した485系を直流化改造し、183系にしたり、七尾線電化用に113系に交流機器を搭載して415系化したりとJR各社の中では最もこの手の改造を頻繁にやっているように感じます。一旦、289系化されかけ、交流機器も撤去されかけた683系が再び、683系として復帰するのを見て、まさに需要に応じた改造が出来る工場を持つ会社だと感じました。

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