2024年1月2日、羽田空港 海保機・日航機衝突事故の中間報告書が公表されました。
運輸安全委員会は(JTSB: Japan Transport Safety Board)は2024年12月25日、1月2日に羽田空港C滑走路で発生した海上保安庁所属ボンバルディア式DHC-8-315型JA722Aと日本航空株式会社所属エアバス式A350-941型JA13XJの衝突事故調査の中間報告を公表しました(報告書のファイル)。同報告書は158頁に及ぶ長大なもので、まだ全文は読んでいませんが、NHKの夕刻のニュースなどでも中間報告書の公表について報じられていました。
残骸から回収されたボイスレコーダ(CVR)の解析から推察される事故の原因に関しては、
1)海保機の機長、副機長が管制官からの「C5誘導路の停止位置で待て、あなた方がナンバーワンだ」という指示を滑走路の停止位置で待つのと誤認し、滑走路に進入してしまったこと。
前日に発生した能登半島地震の救援物資の輸送などが飛行の目的であったため、離陸内の機内の会話、羽田基地とのやり取りもその点がメインとなっており、急いで現地に向かわなければという気持ちが誤進入につながったとも推察される。
2)担当管制官は海保機が滑走路に進入した際にたまたまモニター画面から目を離しており、警告が点灯していたのを見落とし、別の管制官が気付いて注意したにも関わらず、それがきちんと伝達実行されなかったこと。
3)着陸してきた日航機も海保機の衝突防止灯の灯火が白色であったため、他の照明などと紛れ、滑走路上の期待を視認できず着陸復航で回避できなかったこと。
の3者、それぞれのミスが重なって大事故に至ったのではないかとしています。
これらのことは事故直後から想像されたことであり、「マッハの恐怖」などで柳田邦男氏が書いておられますが、これまでの航空機事故の調査でも再三、指摘されてきたように大きな事故はミスが(不幸な偶然が)二重三重に重なった際に起こるものですが、今回の事故もまさにそういった感じがしました。
起きてしまった事故と失われた命は取り返しがつきません。二度とこのような事故を起こさないために、人間が犯しやすいミスを如何に機械(あるいはAIなどが)バックアップするか、どうすればフェイルセーフ機構を確実にできるか、失われた尊い生命を無駄にしないために、人類が知恵を絞っていかなければならない課題だと感じます。
2024年は元日の能登半島地震、2日の羽田衝突事故と大きな災害、事故からスタートした年となり、あと1週間弱で新しい年を迎えようとしています。拙Blogも今回の記事で今年の分は最後となりますが、1年間。お付き合いいただいてありがとうございました。2025年は1月6日からスタートする予定です。それでは、よいお歳を。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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