2023年晩夏の関西旅行 南海電鉄編 来年4月からは南海電鉄になる泉北高速鉄道の5000系
高度経済成長期の昭和30年代から40年代にかけ、大阪府においては北大阪の千里ニュータウンを始めとして国鉄阪和線、南海高野線に挟まれた地域に新しい街を創る構想から泉北ニュータウンが建設されました。泉北ニュータウンと大阪都心を結ぶ鉄道路線として大阪市営地下鉄1号線(現、大阪メトロ御堂筋線)の延伸案、国鉄阪和線、南海高野線、近鉄南大阪線からの分岐案が検討され、営業エリアとしての問題や輸送能力の余力から南海高野線からの分岐案が採用されました。ただ、南海直営とすると多額の投資が必要となることから、当時、トラックターミナルを運営していた大阪府の第三セクター大阪府都市開発が1969年3月に中百舌鳥~光明寺池間の敷設免許を取得、1971年4月1日に中百舌鳥~泉ヶ丘間、1977年8月20日に光明寺池まで開業しました。その後、和泉ニュータウン構想が持ち上がり、トリヴェール和泉として結実、和泉市中南部の人口が増加したことで1995年4月1日には和泉中央駅まで延伸しました。
南海高野線からの分岐線が泉北ニュータウンの路線になると決定した際に南海が直接経営にタッチできなかったのは1960年代から1970年代にかけ、南海電気鉄道線において重大事故が頻発し、重い負債がのしかかっていたためでした。1971年の開業時、全業務は南海に委託され、2008年からは株式の売却が始まり、2014年7月1日に株式が南海電鉄に譲渡され、商号も泉北高速鉄道と変更され、南海電鉄の一員となりました。そして2024年11月1日には国土交通省が泉北高速鉄道の南海電鉄道の合併を認可し、2025年4月1日に吸収合併されることが決まりました。以降は南海電気鉄道泉北線となります。
今回紹介する5000系は1990年から導入している系列で、和泉中央への延伸での所要増に向けて8両編成5本が川崎重工業、東急車両製造で製造されました。これまで大阪府都市開発の車両は南海電鉄の車両をベースに設計されていましたが、本系列はそこから脱却した初の完全自社設計の車両でした。拙Blogでも2018年8月11日の記事で紹介しています。
2023/8/31 新今宮 5505F かつては「ハッピーベアル」のラッピングを纏っていた車両です。
2023/8/31 新今宮 5509F
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