国鉄時代、岡多線には旅客用として70系電車(1976年4月の開業から1978年12月まで)、その後を継いだ113系電車(1978年12月から1985年3月まで)、さらに165系電車(1985年3月以降、1988年1月30日の転換前日まで)、神領電車区所属の車両が乗り入れ、貨物列車の牽引は浜松機関区配置のEF60形、EF61形、そしてDD51形が担当していました。
愛知環状鉄道が導入した車両は開業前年に日本車輛製造で製造された車体長19m、片開き3扉セミクロスシーとの100系でした。車体と台車は新製でしたが、電装品は当時、廃車が進んでいた国鉄101系の廃車発生品を流用しての製造でした。塗装はクリーム色の地にオレンジと青の帯をまいたスタイルでした。
←高蔵寺100形(Mc)+200形(Tc)岡崎→の2両編成が9本、と増結用、緊急時の救援用に301・302、1992年に追加で303~305の計5両が両運転台車として製造されました。
乗降扉が片開き3扉で混雑時に不都合な面があったこと、101系の廃車発生品の電装部品のため老朽化が進んだことなどで2002年、2000系が投入されると置き換えられ、2005年11月13日のさよなら運転を以って運用を終了、全車廃車となりました。
23両全車がえちぜん鉄道に無償譲渡されましたが、2両編成の100形、200形は100形に200形の運転台部分を移植・接合することで両運転台化したため、14両がMC6001形(2003年8月25日)、MC6101形(2004年から2006年)となりました。
番号対照
MC6001形
6001 - 旧100形103
6002 - 旧100形108
MC6101形
6101 - 旧100形101
6102 - 旧100形102
6103 - 旧100形104
6104 - 旧300形302
6105 - 旧300形301
6106 - 旧300形303
6107 - 旧100形107
6108 - 旧100形109
6109 - 旧100形105
6110 - 旧100形106
6111 - 旧300形304
6112 - 旧300形305
改造工事は岡崎の名鉄住商工業舞木工場で施工され、同工場から福井口駅にトレーラーで陸送され、試運転の後、営業運転に投入されました。
ちなみに愛知環状鉄道は1500V電化ですがえちぜん鉄道は600Vであり、主回路は永久直列回路のため、モーターの端子電圧が低すぎる問題があり、力行時、モーター4個から3個使用に回路を変更したものの、MT46では出力が足りなかったので、JR東日本からMT54モーターを購入、2003年11月19日までに全車換装しました。出力は2割、上がりましたが、従来の京福時代の車両に比べると加速性能は劣勢は否めませんでした。
MC6101形の主要諸元
車長 - 19,000mm
車幅 - 2,850mm
車高 - 4,100mm
自重 - 40.6t(空車時)
定員 - 123名(うち、座席52名)
台車 - 日本車輌製造ND-708型軽量ボルスタレス式空気バネ台車
歯車比(ギア比) - 82:17 (4.82)
電動機 - MT54形直流直巻電動機、端子電圧200V時64kW(架線電圧1500V下では端子電圧375V時120kW)×4
制御方式 - 永久直列電動カム軸式抵抗制御、3・4ノッチ時弱め界磁制御付、空転検出器付
主制御器 - ES-791A(永久直列8段、弱め界磁4段、発電制動13段)
駆動方式 - 中空軸平行カルダン駆動方式
制動方式 - 発電制動併用電磁直通空気制動(応荷重制御器、保安ブレーキ、自動空気ブレーキ付)
冷房装置 - 交流式ユニットクーラー(屋根上に設置)


2017/10/20 福井 MC6106 元300形303 元々、両運転台で製造されたタイプ
2017/10/20 福井 MC6107 こちらは100形107の車体に200形の運転台部分を移植・接合したタイプ
2017/10/20 福井 MC6112 こちらは元300形 305

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