2024年春の名古屋周辺旅行 トヨタ博物館を見学 その4 フォード・モデルTと同時代、さらにその後継世代の車たち
フォード・モデルT(日本ではT型フォード)が自動車業界を席捲していた20世紀の初めの自動車のスタイルと言えば直方体の車体の4隅にフェンダーと車輪が付き、前後のフェンダーを結ぶ形でステップが車体の外側に取り付けられ、客室部はフロントグラスと側面ガラスに囲まれたスタイルでした。車輪は殆ど、スポークタイプでスペアタイヤをサイドフロント、もしくはリアに搭載していました。タイヤも初期は自転車サイズ、そしてリアカーサイズと徐々に太くなってゆきました。
この頃の多くの車のエンジンは前方からクランク棒をエンジン部に差し込んでクランクシャフトを回転させ、起動させるる方式でした。エンジンスタートに関しては圧縮空気を利用する方式、強いスプリングによる方式など様々方式が試されたようですが、なかなかうまくゆかず、今日のようなセルモータによる方式を初めて実用化したのは1912年に登場したキャデラック モデル サーティー(Cadillac Model Thirty)でした。全長4083㎜、全幅1860㎜、全高2286㎜、重量1568㎏、ホイールベース2940mm、水冷式直列4気筒L-頭型エンジンを搭載し、スタイルはオーソドックスでしたが、手回しハンドルによる起動から解放し、ヘッドライトも電気式になりました。
フォード モデルA
1927年、フォードがモデルTから撤退し、ヘンリーの息子、エドセルが1928年、世に出した後継者はモデルAでした。設計はすべてを新しくなり、ギアシフト方式は3段トランスミッション、ブレーキも4輪方式になりました。スタイルはリンカーンに習った上級モデルとなりました、全長3851㎜、全幅1673㎜、全高1825㎜、重量1000㎏、ホイールベース2628㎜、水冷式直列4気筒L-頭型エンジンを搭載、総排気量3286㏄、最高主力30kW/40HP/2200rpmでした。尚、フォードは1925年に横浜に工場をつくり、まずモデルTと組み立て、続いてモデルAの組み立てを行いました。車両は当時、円タクと呼ばれたタクシーに使用されました、ダット社製 ダットサン11型フェートン 全長2743㎜、全幅1197㎜、全高1556㎜ 重量444㎏ ホイールベース1890㎜ 水冷直列4気筒L-頭型エンジン
総排気量772㏄ 最高出力9kw/12HP/3000rpm 3速MT
日本初の1914年から自動車(主に大型トラック)の製造を行っていたダット自動車製造(快進社自動車工場、ダットは当初は脱兎から)が1930年の省令で排気量500cc未満の車は運転免許証が不要で自動車税も安くなるということでこの市場向けに495㏄の小型車として製造したのがダットサン・11型でした。ダットサンはトラックや普通自動車と区別するためにダットの息子(Son of DAT)という意味で付けたものでした。
総数150台がダット自動車で製造され、1933年東京石川島自動車製造所と合併し、自動車工業株式会社(いすゞ自動車の前身)となり、小型車部門とダットサンの商標は戸畑鋳物および日本産業株式会社の共同で設立された自動車製造株式会社(後の日産自動車)に継承され、製造が続けられました。
後にDATSUNとなり、日産がダットサンの製造権を獲得し、小型車ブランド名になりました。
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