東急電鉄の地下鉄線乗り入れ用車両 日比谷線用 7000系
東急電鉄は地下鉄線等を介して他社との相互直通運転を最も多く行っており、東横線はかつては日比谷線に、現在は副都心線を介して東武東上線、西武池袋線、横浜高速鉄道みなとみらい線、新横浜線を介して相鉄線とも結ばれ、広大なネットワークが形成されています。田園都市線はかつての新玉川線を介して、半蔵門線から東武伊勢崎線、日光線とつながっています。目黒線は南北線を介して埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線、さらに都営地下鉄三田線ともつながっています。
こうした東急のネットワークにおいてそれぞれの相互直通運転においてどのような車両が活躍してきたか見てゆこうと思います。
最初は1962年から1966年にかけ134両が製造された日本初のオールステンレス車両としても有名な7000系(初代)です。当初は東横線に配置され、1964年から日比谷線乗り入れが開始されました。1939年に世界初のステンレス製ディーゼル列車「パイオニア・ゼーファー」を世に出し、1959年までに3000両を超えるステンレス車両を製造していたアメリカのバット社と東急車輛の技術提携で完成に漕ぎつけました。車体は東武鉄道・東京急行電鉄・帝都高速度交通営団との3事業者で作成された「2号線車両規格」と称する乗り入れ協定による車両規格に則り、アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアの公共交通ネットワークSEPTAのM-3形をモデルとして製造されました。
主要諸元
最高運転速度 90 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 4.0 km/h/s (3.0 km/h/sとする資料もあり)
減速度 4.0 km/h/s(4.5 km/h/sとする資料もあり)
車両定員 先頭車140人(座席52人)中間車150人(座席60人)
自重 27.32t(M1) 27.18t(M2) 28.15t(M1c) 28.02t(M2c)
全長 18,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 3,790 - 4,000mm
床面高さ 1,125 mm
車体 ステンレス鋼
台車 PIII-701形
主電動機 TDK826-A HS-830-Arb(日立車)
直流複巻電動機
主電動機出力 60 kW 端子電圧187.5V(東洋車) 70 kW、端子電圧375V(日立車)
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式 (撓み板継手方式)KD-102A
歯車比 85:13 (6.54)
定格速度 35.0 km/h(日立車)
制御方式 抵抗制御
制御装置 ACRF-H860-754A(東洋車)MMC-HTR-10A(日立車)
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安装置 東急形ATS
営団WS-ATC(東洋車の一部)
台車は外側にブレーキディスクが露出した形態が特徴のパイオニアIII台車でした。制輪子の交換のし易さ的メリットはあったものの、振動の問題台車組み立ての際の問題点等から使用されるケースは減ってゆきました。7000系はオール電動車で構成されていましたが、日立製作所製と東洋電機製造性の電装品を装備した車両があり、両社のシステム、主電動機定格電圧が異なるなどから混結して運転は出来るもののユニットは組むことができないといった制約がありました。
私のこれまで70年近い人生の中で小学校6年の時(1968年度)と高校3年間(1971~1973年度)、東急東横線を定期的に利用する機会があり、7000系にはそのときにお世話になりました。ただ、カメラで撮影していなかったのが今となっては残念でなりません。
2018/3/23 貝塚 水間鉄道1001 元デハ7010 1963年製 電装品は東洋電機
2015/12/25 黒石 弘南鉄道弘南線7022 元デハ7026 電装品は東洋電機製
2015/12/21 大鰐温泉 弘南鉄道大鰐線7031 元デハ7031 電装品は日立製
2023/7/28 桑名 養老鉄道7901 元デハ7045 電装品は東洋電機製
7000系は制御電動車(Mc)デハ7000形と中間電動車(M)デハ7100形の2形式からなり、形式にかかわらず奇数番号車と偶数番号車で2両1ユニットを組み、偶数番号の車両にパンタグラフと主制御器が奇数番号の車両に電動発電機や空気圧縮機などの補機が搭載されています。
東洋車92両 デハ7000形42両 デハ7100形50両
日立車42両 デハ7000形22両 デハ7100形20両
デハ7007~7022 7025~7030 の22両が日比谷線乗り入れ対応となりました。関係各社の乗り入れ協議で「相互直通は営団と東武,および営団と東急それぞれの間に限ること」という合意があったことから、7000系直通列車の運転区間は日吉~北千住間とされ、連結両数は当初6両でした。輸送力増強で1969年から1971年にかけ北千住 - 茅場町間の各駅を8両編成対応にする工事などを施工、1971年5月31日のダイヤ改正から全列車8両編成となりました。1988年8月9日からは日吉駅改良工事のため日比谷線直通列車は菊名までの運転となりました。同年12月26日、新たな日比谷線乗り入れ車両として1000系が投入されると順次直通運用から外れ、1991年6月に東横線での営業運転から撤退となりました。
東急7000系の特筆すべき点は134両のうち、56両はVVVF化、冷房化、台車交換され7700系に改番され、76両が1988年から1991年にかけ5つの鉄道事業者に譲渡され、初号車製造から50年経過した2012年4月の時点で84両が旅客事業に供されていたことです。
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