2013年3月 7日 (木)

1974,1975 北海道へ 2 北の大地のDC特急 3 「北斗」 その3

今回はキハ281系、キハ283系による「スーパー北斗」の話題です。
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2002/8/25 高架の札幌駅に進入する281系 特急「スーパー北斗」

1994年3月1日
:振子型気動車キハ281系による「スーパー北斗」5往復が運行開始。同時に「北斗」は2往復減となり6往復になりました。 このうち1往復は2時間59分で運転され、表定速度が在来線で日本一になりました。

<キハ281系>

1991年から着手された函館駅 - 札幌駅間の高速化事業にあわせてJR北海道が開発した特急形振子式気動車です。先行してJR四国が1989年から導入していた2000系気動車の仕様を基に設計され、試作車として1992年1月に先頭車2両、同年10月に中間車1両が製造され長期試験に供されました。1993年から富士重工業と日本車輌製造で量産に移行し、1994年3月1日のダイヤ改正から特急「スーパー北斗」として営業運転を開始しました。

日本国内の在来線気動車において、最高速度130km/hでの営業運転を初めて行った系列です。曲線通過速度は本則 + 30km/hで、函館 - 札幌間の最短所要時間は従来のキハ183系気動車による特急「北斗」の3時間29分から2時間59分へと大幅に短縮しました。最速達列車の表定速度は日本の在来線列車で最も高いです。

なお、その後のJR北海道における振り子式気動車の増備は、改良型であるキハ283系気動車に移行したため、本系列の製造は27両で終了しました。

<車体>

前頭部は高運転台構造で、波動輸送対応で増結しやすいよう貫通路付とされました。高運転台は重心位置の点で振子車両には不向きとされますが、見通しの向上と踏切事故時の運転士保護のため採用したもので、JR北海道が本系列以降に開発した特急形車両は、全てこの前頭形状を採用しています。先頭車の出入台は前頭部貫通路に接続しており、貫通扉には作業時の前方監視用にワイパー付の扉窓を設けています(試作車はワイパーを装備していません)。かつては貫通路と出入台との間は開放されており、乗客が前面展望を楽しむことも可能でした。運転台には721系電車・785系電車と同様、左手操作式のワンハンドルマスコンとモニタ装置を装備しています。

<走行機関>

コマツ製の直列6気筒ディーゼルエンジン SA6D125H-1(JR形式:N-DMF11HZA・355ps/2100rpm)を各車に2台装備し、液体変速機は直結3段式のN-DW15形を使用しています。

<台車>

台車はヨーダンパ付ボルスタレス式の N-DT281A形で、制御付自然振子機構を装備し、重心を下げるため車輪径を 810 mm に小径化しています。振子機構は、キハ281形試作車では381系電車や2000系気動車で実績のある「コロ式」を用いたが、耐寒耐雪能力向上のため、後に製作されたキハ280形試作車ではJR四国8000系電車試作車に用いられた「曲線ベアリングガイド式」を採用し、この方式で量産された。振子作用時の車体最大傾斜角は 5度で、曲線通過速度は本則 + 30km/hに向上しました。

<ブレーキ装置>

電気指令式空気ブレーキで、制動距離の短縮のために機関ブレーキ・排気ブレーキを併用しています。基礎ブレーキ装置は踏面ブレーキ方式で、制輪子はJR北海道苗穂工場製の特殊鋳鉄制輪子を使用しており、凍結した線路上でも最高速度から600m以内での停止が可能です。

前頭部側面には車両形式名と振子機能をイメージした「FURICO 281」のロゴマークとリサージュ図形が配されています。

なお、前頭部側面のロゴマークは、以下の変更を経ている。

HEAT 281 - Hokkaido Experimental Advanced Train 1992年 - 1994年。試作車落成時から営業運転開始まで。

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HEAT 281 - Hokkaido Express Advanced Train 1994年 - 2002年。営業運転開始時にロゴデザインと共に変更されました。

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FURICO 281 2002年 - 現在。789系電車の投入を機に、キハ283系気動車と共通のデザインとなりました。

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キハ281形試作車900番台を先頭に長都を通過する特急「スーパー北斗」 2010/6/26 試作車は貫通扉の窓にワイパーが装備されていない

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新札幌に停車中の281系特急「スーパー北斗」 2008/3/22 こちらはワイパーの装備された量産車

1998年4月11日:「スーパー北斗」の2往復にキハ283系を導入し、「北斗」1往復を「スーパー北斗」に置き換えました。12月8日:「北斗」1往復を「スーパー北斗」に置き換えました。
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札幌駅で発車待ちをする283系特急「スーパー北斗」 2002/8/25

2000年
3月30日:有珠山の火山活動に伴い、室蘭本線の一部が運転見合わせ区間となったため、「北斗」「スーパー北斗」が全列車運休。その後、函館駅 - 札幌駅間(函館本線・小樽駅経由)6往復、東室蘭駅 - 札幌駅間7往復の臨時特急が運行されました。

3月31日:有珠山で噴火が始まりました。八雲町付近を走行中だった札幌行き臨時特急を長万部駅で運転打ち切り(乗客は代行バス輸送)、虻田町町民の避難列車として使用。
6月1日:一部の特急について室蘭本線経由の運行を再開。8日より平常ダイヤに復帰。

2012年1月9日 - 10月13日:「スーパー北斗」全列車において、函館駅 - 南千歳駅間の単線トンネル内で減速運転を実施。

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2013年3月 3日 (日)

1974,1975 北海道へ 2 北の大地のDC特急 1 「おおぞら」その3

今回はキハ283系による特急「スーパーおおぞら」の話題です。

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キハ283系は石勝線・根室本線(南千歳駅 - 釧路駅間)の高速化事業に合わせ、キハ281系気動車の発展形として開発された振子式気動車です。営業最高速度は130km/h、設計最高速度は145km/hです。1995年に試作車が完成し、翌1996年から量産され2001年まで製造されました。

1997年3月22日のダイヤ改正から特急「スーパーおおぞら」として営業運転を開始し、札幌駅 - 釧路駅間の最短所要時間は、従来のキハ183系気動車による特急「おおぞら」の4時間25分から3時間40分へと大幅に短縮されました。製造メーカーは試作中間車のキハ282-2001のみJR北海道苗穂工場、他は全車富士重工業です。

車体はキハ281系と同様の軽量ステンレス製で、前頭部のみが普通鋼製。見通し向上と踏切事故時の運転士保護のため、前面貫通扉付きの高運転台構造としているほか、客用扉に気密性の高いプラグドアを採用している点もキハ281系と同様です。霧の発生日数が多い根室本線を走行するため、前照灯は計9灯(内2灯はHID)に増やされ、その他、空調装置が屋根上から床上に移されるなど、車体は徹底的な低重心化が行われ、乗り心地を大幅に改善しています。

車体外部の配色は前頭部と客用扉周囲はコバルトブルー、ステンレス地の無塗装部分との境界は萌黄色(ライトグリーン)、客用扉の窓周囲は赤としました。側窓周囲はキハ281系と異なり無塗装のままである。前頭部側面には形式称号と振子機能をイメージした「FURICO 283」のロゴマークとリサージュ図形が配されています。

台車は制御付自然振子式の諸機構を装備するN-DT283形で、傾斜機構はキハ281系と同様の曲線ベアリングガイド式です。本系列では根室本線の急曲線と脆弱な路盤に対応するため、車体支持機構に枕梁を介在させるボルスタ付台車としたうえで、自己操舵(セルフステアリング)機構を組み込みました。これは前後の軸箱に繋がれたリンクが曲線通過時に伸縮し、車軸を常に軌道と直角に保つもので、あわせて、車体の傾斜角度をキハ281系の5度から6度に拡大しました。
 これらの改良により、半径 600m以上の曲線では本則 + 40 km/hでの通過が可能です。振子動作を制御・指令するコンピュータは、摩耗による車輪径の減少によって生じる車輪回転数の誤差を自動補正し、振子動作開始地点のずれを解消する機能も有しています。また、運用開始当初は1編成の最大連結可能両数が9両であったが、乗車率の高さから増結が常態化したためコンピュータを改良し、現在では最大11両編成までの組成が可能です。

駆動系はコマツ製の直列6気筒ディーゼルエンジン N-DMF11HZA(SA6D125-H、排気量11.04L、定格出力 355ps/2,100rpm)を各車とも2台搭載し、キハ281系と同様のものですが、本系列の液体変速機は変速1段直結4段・パワーオン制御(自動車の半クラッチと類似の機構)を採用したN-DW18形を装備しています。これにより、中速域からの加速性能と登坂性能の向上、変速ショックの軽減が図られています。

ブレーキシステムは機関ブレーキ・排気ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキで、高速からの安定したブレーキ性能を有します。「マルチモードブレーキ制御システム」を搭載しており、基礎ブレーキ装置は踏面ブレーキ方式で、制輪子はJR北海道苗穂工場製の特殊鋳鉄制輪子を使用しており、凍結した線路上でも最高速度から600m以内での停止が可能です。

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2002/8/25 札幌
特急「スーパーとかち」に使用される283系900番台試作車 量産車との区別はライトのケーシングが長方形であることと連結器回りのスカートの切り込みの形態です。

1995年に先頭車2両、1996年に中間車1両が試作車として製造され、長期試験に供されました。同年に量産車20両(1次車)が製造され、1997年3月22日のダイヤ改正から特急「スーパーおおぞら」として営業運転を開始しました。

1998年に「スーパー北斗」増発用に12両(2次車)が増備されたほか、同年下期に「スーパーおおぞら」増発用として4両(3次車)が、1999年に4両(4次車)が増備されました。2000年には「スーパーとかち」にも投入されました。

2001年には20両(5次車)が増備され、札幌駅 - 釧路駅間の特急列車は、夜行列車を除いてすべて本系列による「スーパーおおぞら」に置き換えられた。この増備を最後に、本系列の製造は終了しました。これは、構造が複雑で製作や保守にかかるコストが大きいことや、製造メーカーの富士重工業が鉄道車両部門から撤退(新潟トランシスに事業譲渡)したことなどが理由とされます。なお多数が残存するキハ183系気動車の置換えは、近年では運用コストの最適化を図ったキハ261系気動車によって賄っています。

運用開始以来全車を札幌運転所に配置してきましたが、2007年10月に半数の31両が釧路運輸車両所に転配されました。

それでは特急「おおぞら」の歴史の続きです。

1997年3月22日キハ283系気動車を導入し、これによる列車を「スーパーおおぞら」として運転開始。「スーパーおおぞら」3往復・「おおぞら」4往復(うち夜行列車1往復)の体制となる。
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札幌駅を発車した特急「スーパーおおぞら」8連 2002/8/27

1998年12月8日:「おおぞら」1往復を「スーパーおおぞら」に変更する。

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上野幌を通過する特急「スーパーおおぞら」 2008/3/21

2001年7月1日:「おおぞら」の昼行全列車を「スーパーおおぞら」に変更し、「おおぞら」13・14号を「まりも」に変更する。

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同じく上野幌を通過する特急「スーパーおおぞら」 2010/6/26

2009年10月1日:ダイヤ改正により、「スーパーとかち」と「スーパーおおぞら」2・13号の基本編成が6両となる。
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南千歳に到着した釧路からの特急「スーパーおおぞら」7連 2008/3/19

2010年10月
: 「スーパーおおぞら」1・6・7・8・9・14号の基本編成が6両に戻される。

2011年5月27日:「スーパーおおぞら」14号が、清風山信号場内で脱線・炎上し、乗客と乗務員あわせて39人が負傷する事故(石勝線特急列車脱線火災事故)が発生。
7月21日:5月の事故の影響で、キハ283系気動車の機材繰りがつかなくなったため、当面の間、「スーパーおおぞら」1往復(2・13号)と「スーパーとかち」1往復(5・8号)の編成が、繁忙期をのぞいてグリーン車なしの5両編成に変更される。また、これ以外の列車についても当面の間、バリアフリー対応設備車両を連結しない編成で運行する場合がある。

キハ283系の形式番号は、製作当初は運転台の有無にかかわらずトイレ付きを283形式トイレなしを282形式として、同形の車両であっても編成内の連結位置によって番台区分していました。これは、登場当初のキハ283系が1編成単位での運用を前提としていたことによります。

しかし、「スーパーおおぞら」は列車の増結が常態化したことや、「スーパー北斗」「スーパーとかち」等への車両運用の拡大によって1編成単位での運用が次第に困難となり、2001年に運転台付き車を283形式に、運転台なし車を282形式に改め、異番台の同仕様車は通し番号に改番しました。

<キハ283形>
編成の先頭または中間に組成される、運転台付の普通車。客用扉は片側2箇所に設置。 900番台(901・902) 先行試作車。試運転時はそれぞれ釧路向き、札幌向きに分かれていたが、「スーパーおおぞら」運転開始後は、2両とも札幌向きになっている。定員48名。客用扉周囲の塗装パターンが量産車と異なり、ライトグリーンと赤を交互に配した塗り分けとしていた。 前照灯ケーシングの形状も量産車と異なる。内装ではトイレのドアの色が黄緑色、客室の床の模様が異なる。 洋式トイレと男子用のトイレを設置している。

基本番台(1 - 21) 1 - 5・12・14 - 17 が釧路向き、6 - 11・13・18 - 21 が札幌向きの先頭車である。基本的には試作車と同じで、洋式トイレと男子用のトイレを設置している。定員48名。 6 - 14は旧形式「キハ283 101 - 109」から改番された。 4・5・9・10 は1998年製の2次車で、紫色の座席モケットで落成した。 2007年10月改正での札幌運転所から釧路運輸車両所への一部転属に伴い、14・16・19の方向転換を実施した。

<キハ282形>
編成の中間に組成される、運転台のない普通車。客用扉は片側1箇所。一部は切妻形運転台を設け、番号で区分される。

基本番台(1 - 8) 車椅子対応の車両で、札幌側に車椅子対応の座席とトイレがある。ほかに、男子用トイレ・多目的室・テレホンカード式公衆電話(2009年9月30日まで設置)がある。定員51名。 1 - 5 は 旧形式「キハ283 201 - 205」から改番された。 4 は1998年製の2次車で、紫色の座席モケットで落成した。

100番台(101 - 111) トイレ・洗面所はない。札幌側に荷物置き場と喫煙コーナー兼ミニラウンジを設ける。定員64名。 103 - 105は旧形式「キハ282 1 - 3」、106・107は旧形式「キハ282 1001・1002」から改番された。 キハ280形100番台よりも定員が4名多いため、「スーパー北斗」で使用される機会は少ない。

2000番台(2001 - 2009) 途中駅等における付属編成の増解結を想定し、釧路側に保安装置付きの簡易運転台を備える。このため、付属編成の先頭車として本線での運転が可能である。 トイレ・洗面所はない。札幌側に荷物置き場と喫煙コーナー兼ミニラウンジを設ける。定員60名。他の設備は100番台と同一である。 2001 は本系列唯一の苗穂工場製。 2003・2004 は1998年製の2次車で、紫色の座席モケットで落成した。

3000番台(3001 - 3004) 2000番台と同一の車体構造であるが、易運転台は準備工事のみで、運転台窓部分に塞ぎ板が填められている。札幌側に荷物置き場と喫煙コーナー兼ミニラウンジを設ける。定員60名。他の設備は2000番台と同一である。 全車とも1998年製の2次車で、紫色の座席モケットで落成した。基本的に「スーパー北斗」の中間車として使用されている。

<キロ282形>
(1 - 8) 中間に組成される、運転台のないグリーン車。 座席数は26席で、配置は横1+2列、中央で配置が逆転する。各座席はリクライニング、レッグレスト、カーテンなどの操作が電動化され、ヘッドホン式オーディオ、パソコン用電源(1人がけ座席のみ)などの装備も搭載する。荷物棚には蓋を設けたが、使い勝手の面および荷棚蓋取扱時の安全上の問題等から後年に順次撤去された。 車端部には、車内販売準備室・車掌室・男子用および共用洋式トイレ・喫煙コーナーがある。 1 - 5は旧形式「キロ283 1 - 5」から改番された。

<特急「おおぞら」が関係したこれまでの事故>

*特急おおぞら脱線転覆事故*
1994年2月22日 JR北海道根室本線西新得信号場 - 広内信号場間で釧路発札幌行き特急「おおぞら10号」(キハ183系7両編成)が強風にあおられて、前3両が脱線・転覆・大破して28名が負傷した。この事故でキハ183-502、キハ184-11、キハ182-33が廃車となった。現場付近の風速計の故障を半年間放置し、状況が把握できない中で徐行運転を実施したからという指摘がある。 この事故をきっかけに防風フェンスを設置したほか、基準を超える風速を記録した場合運転を停止する措置を取っている(2013/8/15 一部記述を修正)。

**石勝線特急列車脱線火災事故*
2011年5月27日21時56分頃(列車脱線事故、列車火災事故) 北海道旅客鉄道(JR北海道)石勝線占冠駅 - 新夕張駅間を走行中の釧路駅発札幌駅行きの特急「スーパーおおぞら」14号(キハ283系、札幌方からキハ283-9 + キハ282-101 + キハ282-1 + キロ282-7 + キハ282-3001 + キハ283-1の6両編成)が清風山信号場内で脱線・転覆、同場構内の第1ニニウトンネル内で全車炎上した。 248名の乗客は車掌の指示で発煙があった車両から別の車両に避難したが、その後乗務員が状況確認や運輸指令との連絡に手間取り、車内に煙が充満した。乗客が勝手な判断で非常ドアコックを使用して外へ避難。煙を吸い込むなどして39名が病院に搬送された。運輸安全委員会鉄道事故調査官並びに北海道警察本部富良野警察署による事故原因調査も実施されている。 その後行われた、JR北海道による事故現場調査では、3号車(キロ282-7・札幌方先頭から4両目)の列車車両下部の減速機を支える金属部品「つりピン」(車で言えばプロペラシャフトに該当)が脱落しており、次位の2号車(キハ282-3001・先頭から5両目)についてはトンネルに入る以前から脱線していたことが判明している。事故二日前に行われた目視検査では、異常が発見されていなかった。道警は事故後、釧路−札幌間を捜索したが、脱落した部品は事故から1年以上経過した2012年現在も見つかっていない。 なお、乗務員の指示を待たずに勝手に非常ドアコックを使用して外へ避難した乗客に対して職員が激怒したことが問題になったが、これは当時の異常時マニュアルで運輸指令の指示が無いと乗客を外へ避難させることが出来なかったことが理由とされている。しかしながら、このマニュアルが皮肉にも避難誘導が遅れた原因になった。さらにこうした異常時マニュアルが部署別に多数作成されており、内容もそれぞれ異なっていることが発覚したため、国土交通大臣より事業改善命令を受けている。後にマニュアルは改訂・一本化され、現場の判断での避難も可能とされた。

以上、Wikipediaの記事(特急おおぞら、283系気動車、日本の鉄道事故 (2000年以降))を参考に纏めました。

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