2020年10月30日 (金)

2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 30 「しなの」と言う愛称を持った列車たち

今回は長野駅を発着する名古屋・大阪方面の特急「しなの」の歴史について振り返って見てみようと思います。尤も、拙Blogではキハ181系「しなの」381系「しなの」に関する記事を以前に上げております。

しなの」という愛称が列車名に登場したのは1953年11月11日のことで名古屋~長野間を結ぶ臨時準急列車としての運転開始でした。当時は機関車牽引の客車列車で、3年後の1956年11月に定期列車化されました。

1956年12月13日、同列車には当時、最新鋭のキハ55系が投入され、急行列車に格上げされました。キハ55系気動車はDMH17B 160PSエンジン2基とTC-2液体変速機搭載で高速性能を発揮しましたが、冷房装置を搭載するための電源用エンジンを搭載するスペースがなく160PSエンジン2基でも中央西線の勾配区間では非力でした。1966年に新高出力エンジンDML30HSA 500PSを1基装備したキハ91形が試作され、それが新特急型気動車キハ181系に発展して行きました。

181-750102-2b 1975/1/2 名古屋 2往復キハ181系で残された「しなの」

1968年10月1日、いわゆるヨンサントウのダイヤ改正でしなのは特急列車の愛称となり、キハ181系が全国に先駆けて投入されました。1971年4月26日、大阪~長野間の急行列車「ちくま」の昼行列車が「しなの」に統合され、大阪~長野間の「しなの」が運転開始、名古屋発着を合わせて3往復体制となりました。1973年7月10日、中央西線の電化でしなのの一部は電車化され、振り子式電車381系が初めて投入されました。この時点で「しなの」は8往復、うち2往復はキハ181系でした。1973年10月には自由席が設定されエル特急化されました。1975年3月10日のダイヤ改正で全列車381系となりました。

381-750102 1975/1/2 名古屋 新製間もない381系が投入された「しなの」まだHMは白地に文字

381-840504-2 1984/5/4 大糸線南小谷付近を通過する381系「しなの」 HMは絵入りに

1978年10月2日のダイヤ改正では1往復増発、1982年5月17日には塩尻駅が移転して、同駅でのスイッチバックが解消し、中央西線と篠ノ井線が直通化されました。1982年11月15日のダイヤ改正では「つがいけ」が特急列車化され、「しなの」に統合されて廃止。「しなの」は名古屋駅 - 白馬駅間の1往復が増発され、10往復になりました。1988年3月15日のダイヤ改正ではパノラマ型グリーン車が投入され、6往復の増発も行われました(このうち3往復は不定期列車)。

38111-140812 2014/8/12 リニア・鉄道館に保存される クロ381-11 パノラマグリーン車

1995年には制御付き自然振り子方式の383系が「しなの」にデビュー、1996年12月1日には長野発着の「しなの」定期列車は全て383系となりました。

383-a1-180831-3 2018/8/31 長野駅 6番線で出発を待つ383系A1編成 「しなの」

2016年3月26日のダイヤ改正に伴い、利用が低迷していた大阪駅発着の列車の名古屋以西が廃止されて全列車が名古屋駅 - 長野駅間の運転となりました。441.2kmを走破する当該列車の区間短縮により、2020年6月現在最長の営業距離を持つJR定期昼行特急は「にちりんシーガイア」(博多-宮崎空港間、413.1km)となりました。

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2020年3月 2日 (月)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 5 岡山駅を発着する特急車両 381系「やくも」

前回までJR西日本の105系113系115系117系213系223系、JR四国の5000系などの各停、快速電車等の車両を見てきました。

今回からは特急車両を見て行きます。最初は国鉄が曲線通過速度向上のため1970年に振り子式電車591系を試作、各種性能確認試験を実施し、1972年に量産車としてデビューしたのが381系で1973年から中央西線・篠ノ井線特急「しなの」、1978年には阪和線・紀勢本線特急「くろしお」、そして1982年から伯備線・山陰本線特急「やくも」に投入されました。製造は1973年から1982年まで、川崎重工業、日立製作所、近畿車輛が担当し、277両が製造されました。

381

主要諸元
最高運転速度 120 km/h(曲線通過時は本則+20km/h)
全長 21,300 mm
全幅 2,900 mm
全高 3,880 mm(クハ381形)
3,385 mm(モハ381形)
3,960 mm(モハ380形)
車体 アルミニウム合金
台車 板ばね式自然振子ダイレクトマウント空気ばね台車 DT42・TR224
主電動機 直流直巻電動機 MT58・MT58A
主電動機出力 120 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 4.21
定格速度 960 kW(1ユニット)
定格引張力 4,470 kg(1ユニット)
制御方式 抵抗制御・直並列組合せ
制御装置 CS43・電動カム軸接触器式
制動装置 電気ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安装置 ATS-S・ATS-B(導入当初)
ATS-ST(JR東海所属車)
ATS-SW・ATS-P(JR西日本所属車)

181-770315-b 1977/3/15 出雲市 キハ181系「やくも」

18132-770315-b 1977/3/15 玉造温泉 

伯備線特急「やくも」は新幹線岡山開業の1972年3月15日の改正でキハ181系特急としてデビューしました。「やくも」という名称が列車名に登場したのは1959年9月の米子~博多間準急が最初で、1965年11月には新大阪~浜田間(福知山線・山陰本線経由)のキハ82系特急にも使用されました。1972年3月の改正でデビューしたキハ181系は岡山~出雲市・益田間で運転されました。1975年3月の新幹線博多開業のダイヤ改正では最初の気動車エル特急に指定されました。

381-850418-2 1985/4/18 岡山 381系「やくも」

1982年7月の伯備線・山陰本線伯耆大山~知井宮(現、西出雲)間の電化で電車化されました。1982年といえば上越新幹線開業の年でもあり、当初は183系1000番台の転用計画もありましたが、上越新幹線の開業遅れ、地元の猛反対と知井宮車両基地・出雲運転区の早期建設などもあり、381系が導入されたそうです。381系のクハは「しなの」用の18両は貫通路付き0番台、「くろしお」「やくも」用は非貫通形100番台で44両となっています。

381-021221-32002/12/21 岡山

381-020329-4
2002/3/29 倉敷 先頭車はモハ381形に運転台ユニットを接合し、先頭車化した国鉄アルミ車では初の先頭車化改造車となったクモハ381、9両が改造されました。

381-020329
2002/3/29 岡山 先頭はクロ380形
様々な編成を見ることが出来た「スーパーやくも」

1994年12月3日のダイヤ改正で「やくも」のうち、停車駅の少ない速達列車を「スーパーやくも」としましたが、2006年3月18日のダイヤ改正で「スーパーやくも」は廃止され、すべて「やくも」に統一されました。

381-081209-2
2008/12/9 岡山

2010年3月13日の改正ではエル特急の指定も解除されました。運転区間も1997年3月22日のダイヤ改正で岡山~出雲市間に統一されました。列車番号は1001M~1030Mで15往復となっています。

Dsc01955
Dsc019632019/8/2 倉敷 現行塗装の「やくも」編成 下がパノラマグリーン車付き編成

Dsc02752
編成は原則は4両編成で、1号車G車、2・3号車指定席、4号車自由席で、4往復に1号車がパノラマグリーン車を連結した編成が入りますが、6,7,9両での運転もあります。2010年8月から全列車がリニューアルされた「ゆったりやくも」で運転されています。

Dsc02707 2019/8/4 岡山 先頭車は2016年3月から改造された自動解結装置取付工事施工車のクモハ381-509

現在、最後の381系特急となっていますが、2022年を目途に新型車両への置き換えがアナウンスされています。

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2015年8月 8日 (土)

速報版 2015夏の旅行 広島・山口・島根編 3日目 その5

新見駅まで来たのは2013年3月以来でした。

130321 伯備線発着ホームからみた米子方面の風景   2013/3/21 新見

駅の開設は1928年10月25日の伯備線全通時で、1929年4月14日、作備西線(後の姫新線)が岩山駅まで部分開業、1930年2月10日、三神線が備中神代駅から分岐して部分開業しました。
130321_2 同ホームからみた倉敷方面 2013/3/21

伯備線といえばD51三重連が有名です。新見機関区には当時、集煙装置装備のD51が25両配置され芸備線のC58とともに、単機、重連、逆向き補機などいろいろなタイプの蒸機牽引列車が運行されていました。なかでも有名なD51三重連列車2492レは足立駅から積み出される生石灰を姫路の新日鉄広畑工場へ運搬するD51重連の貨物列車に新見機関区に回送するD51を連結したため、三重連になったそうです。

1972年3月で三重連運用は消滅し、私が鉄道趣味を始めた頃には既に終焉を迎えていました。昨日の記事で紹介した布原駅も当時は信号所で、当時は好撮影地として大変なフィーバーぶりだったそうです(関連記事)。鉄道時代10にも布原信号所の特集記事が載っています。

150803 姫新線、芸備線発着ホームからみた備中神代方面 2015/8/3

今でも新見駅構内は2面4線の他、貨物列車が停車できる長大なホームの無い線路が2本島式ホームの間に存在します。

150803_2 駅前には特徴的なモニュメントが展示されており,最初に目をひいたのが,新見大名行列の様子でした。

毎年10月15日に新見船川八幡宮秋季大祭のひとつとして古式ゆかしく開催される伝統行事で、1697年初代新見藩主として関備前守長治が津山より移封された際のお国入りの様子を再現したものだそうです(関連サイト)。

150803_3 こちらは、「縁の広場」とあり、中世の時代、新見は京都東寺の荘園で京都から代官として祐清という僧が派遣されますが、税の取り立てを行っている最中に幕府方の領地を通りかかった際に殺されてしまいました。祐清を世話していたのが領家の役人の妹のたまがきで、彼女は祐清の亡き後、遺品を整理し、東寺に形見が欲しいと一通の書状「たまがき書状(東寺所蔵)」をしたためたとのことで、現在に残る当時の農村女性の書状として国宝に指定されているそうです(関連サイト)。

150803_4 駅前を線路と平行に流れるのは高梁川

伯備線は高梁川の渓谷に沿って敷設されており、新見以北は西川の渓谷に移ります。

115_g08_150803 岡山区所属115系G-08編成 2015/8/3 新見

新見から出雲市まで乗車したのはこのような運転台取付改造の115系2連でした。

115_g08_020329_2 115系 G-08編成 2002/3/29 倉敷

カフェオレ塗装時代にも撮影しており、

115_g08_150803_2 実は8月3日の朝、出雲市駅で最初に撮影した編成が同編成でした。

821Mとして、546に新見を出発して、米子から281Mで851出雲市到着、折り返し908発282M,米子から824Mで1258新見到着、その後、1623発831M~289Mで西出雲へという運用かと思われます。

岡山区のG編成は2001年、D編成からクハ115形を外し、モハ114形に運転台を取付、クモハ114形化したもので、8本改造されました。赤穂線、伯備線、山陰本線米子地区が守備範囲です。G07編成のみ1パンタで、後は全て2パンタ搭載です。

以前から,この切り妻断面,前パンタの顔は西武のクモハ451形、クモハ411形→クモハ401形を彷彿させましたが、末期色(地域色)になってますますという感があります。G08編成はクモハ115-1551+クモハ114-1118で、種車はモハ115-1124+モハ114-1118です。

伯備線も新見以北は殆ど単線区間となるため、831Mも交換待ちで待たされることが2度あり、最初は新見を出発して次の布原駅でした。

381_150803
二度目は下石見信号所で、約10分待つと上り特急「やくも」が通過して行きました。

115_g08_150803_3
米子では後からやって来た特急「やくも」の接続待ちで18分停車 隣のホームでは架線の下を走るDC列車1854発145D が出発待ちしていました。

150803_5 米子駅の山陰線時刻表

米子周辺ではかなり列車密度が高いことが分かります。

Jr_150803 JR西日本 岡山周辺の路線図から

289Mは1930に宍道に到着しました。1121に木次線方面に出発してから、8時間10分で1周となりました。米子~松江~出雲市間は夕方の通勤列車といった感じでかなり混雑していました。

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2015年8月 4日 (火)

速報版 2015夏の旅行 広島・山口・島根編 3日目 その1

旅程3日目は、当初この旅行を計画した際に、「山陰トワイライトEXP」が下関から大阪に戻る日であることも分かっており、益田から3泊目の宿泊地である出雲市への移動とトワイライトのスケジュールがうまく合えばということで、最初からスケジュールは空白にしておいてありました。

しかし、昨日、東萩駅で「山陰トワイライトEXP」上りのスケジュールを聞くと、14:00に到着、17:47に出発とのことでした。益田からまた萩まで戻って撮影すべきか、あるいは無視するか考えた結果、後者を選択しました。

時刻表を調べると、益田を朝1番に出る上り列車、0539発 浜田まで340D、浜田から出雲市322Dは0850に出雲市に到着、出雲市ではこの後、1時間の間に「スーパーまつかぜ」「アクアライナー」東京からの「サンライズ出雲」岡山からの「やくも」などが続々到着する撮影向きゴールデンタイムになることが分かりました。

さらに、1041発米子行き132Dで宍道まで行き、木次線列車に乗ると、三段スイッチバック越えをして、備後落合、さらに芸備線で新見へ、そして伯備線で米子から出雲市に戻ってくるとちょうど一日がかりの乗り鉄の旅が味わえることが分かりました。

ということで、3日目は朝の5時台から夜8時前まで、ほぼ15時間鉄道とべったりの一日になりました。

150803 5時39分発、出雲市行き一番列車の出発案内 益田駅改札口

150803_2
しかし、駅の営業開始は列車発車後の5時40分からとの案内が

事務所に人影はあるものの、ノックしても返事が無いので、運転士さんに18切符使用開始のサインをして貰い、乗車
120_319_180803
列車はバスのようなキハ120 300番台2連 

187_150803
早朝の益田駅に停まっていた石見キャラクターズトレインSP 2015/8/3

150803_3
途中、漁港の街、浜田、江津、石見銀山の世界遺産認定で賑わう大田市などを通り、その度に乗客が入れ替わり、0850 定刻に出雲市に到着

出雲市は1977年3月以来ですが、ホームは高架になり、随分雰囲気が変わりました。

1264_150803
1261005_150803
こちらも実物を見るまで存在すら知りませんでしたが、キハ126系 JR西日本が山陰線高速化のために開発した車両で、「アクアライナー」などに米子~益田間で投入されているそうです。詳細版でしっかりと勉強致します。

285_150803
ブルートレイン「出雲」「瀬戸」の伝統を引き継ぎ、近い将来、我が国唯一の夜行列車として残る285系「サンライズ出雲」が定刻に到着

381_150803
数分後に岡山からの381系「やくも」も到着

サンライズ出雲の285系編成は随分長い時間ホームに停車していたので、一両一両記録することが出来ました。

この後、数駅先の宍道まで行き、そこから木次線列車に乗りました。

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2012年12月 8日 (土)

1977/3 山陰、九州、そして瀬野八へ 2 381系特急 「やくも」 

続いて381系特急電車による「やくも」の歴史です。

前回の記事と重複しますが、

1982年7月1日:伯備線全線と山陰本線伯耆大山駅 - 知井宮駅(現在の西出雲駅)間電化に伴うダイヤ改正により、「やくも」がキハ181系から振り子式車両の381系電車に置き換えて電車化され、食堂車の連結が廃止となりました。「伯耆」が「やくも」に統合されて廃止され、その結果、「やくも」は8往復になりました。「やくも」の運転区間を岡山駅 - 出雲市駅間とし、益田駅発着の列車は廃止となりました。

このときに新製配置された381系は

モハユニット  66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85
                     86, 87, 88, 89, 90, 91, 92                                           27組
クハ381     127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,141, 
                      142,143,144                                                           18両
サロ381     23, 24, 25, 26, 27、28, 29, 30, 31                9両

そして編成は

TcM'MTsM'MM'MTc×9 所要6(臨時+2)
やくも(8)(臨時+2)
 休
 知井宮‥出雲市7441114岡山12101533出雲市16472009岡山
 岡山8071133出雲市12461608岡山17102027出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市10481408岡山15101830出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市636957岡山11101429出雲市15441909岡山
 岡山9241245出雲市14571809岡山19222239出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市8511209岡山13101635出雲市‥知井宮
 出雲市9161311岡山14101742出雲市
 出雲市13301711岡山18102141出雲市

381_850418

岡山駅に到着した381系特急「やくも」 381系自身新製間もない頃。 1985/4/18

381_850418_2

岡山を発車する381系特急「やくも」 こうやって岡山を出発する光景は30年近く経った今も変わりません 1985/4/18

1986年11月1日:「やくも」が1往復増発され、9往復になりました。

この改正で編成の短縮化が行われ、モハ381からクモハ381へ9両改造されています。またクハ6両、モハ6ユニットが日根野に転出し、特急「くろしお」の完全381系化に使用されました。

<クモハ381形>

「やくも」の基本編成をサロ381形を連結したままで6両編成に短縮、捻出した車両を「くろしお」全列車の381系化用に転用するためモハ381形を先頭車化改造した車両です。改造施工は吹田工場と後藤車両所で実施されました。国鉄のアルミ車両では初の先頭車化改造車です。種車の前位寄に運転台ユニットを接合し、多客期の増結を考慮して簡易構造の貫通扉が設置されました。

モハ381-78・81・76・90・88・75・66・84・72→クモハ381-1 - 9

TcM'MTsM'Mc×9 所要6(臨時+2)
やくも(9)(臨時+2)
 休
 知井宮‥出雲市8181138岡山12531602出雲市17012012岡山
 岡山9091208出雲市13321651岡山17532109出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市10361351岡山14531803出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市7361051岡山11531505出雲市15411902岡山20072221米子2335知井宮
 知井宮‥出雲市12241538岡山16532005出雲市‥知井宮
 知井宮‥出雲市637950岡山10531359出雲市14541752岡山18532207出雲市‥知井宮
 出雲市9271250岡山13521735出雲市
 出雲市11071449岡山15511928出雲市

M'MTc×3 所要2
 やくも(併結3)
 知井宮‥出雲市8181138岡山12531602出雲市17012012岡山
 岡山9091208出雲市13321651岡山17532109出雲市‥知井宮

1987年11月:知井宮駅発着列車が増発されました。なお、増発列車は臨時普通列車としました。

1988年4月10日に開通した瀬戸大橋線経由の臨時列車として高松駅発着の「やくも」1・18号、「マリンやくも」が運行されました。

1990年3月10日:「やくも」の120km/h運転開始。同年実施の国際花と緑の博覧会(花の万博)への送客対策で大阪駅 - 岡山駅間を延長運転した列車が運転されました。

「マリンやくも」の存在と塗色はこの記事を纏めるまで知りませんでいた。

1991年:「やくも」17号以外の知井宮駅発着列車および「マリンやくも」が廃止となりました。

1992年3月14日:「やくも」が1往復増発され10往復になりました。

1994年12月3日:「やくも」13往復のうち、速達列車4往復が「スーパーやくも」に変更されました。また「やくも」の一部列車が岡山駅- 松江駅間に短縮。「やくも」は9往復になりました。

381_021221

クロ380をラストに岡山に到着した特急「スーパーやくも」 2002/12/21

381_020329_5

山陽本線をオーバークロスして倉敷駅に接近する特急「スーパーやくも」  2002/3/29

1997年3月22日:早朝上りと深夜下りの1往復が増発され、14往復になりました。すべての「やくも」が岡山駅 - 出雲市駅間で運転されるようになりました。

1998年3月14日:早朝下りと深夜上りの「やくも」1往復が増発され、「スーパーやくも」7往復と「やくも」8往復の計15往復になりました。

2006年3月18日:「スーパーやくも」が廃止され、全列車「やくも」に統一されました。「やくも」は15往復になりました。すべての「やくも」にグリーン車が連結されるようになりました。

381_020329_4

倉敷駅に進入する特急「やくも」 2002/3/29

381_020329_3

岡山駅で発車待ちの特急「やくも」 2002/3/29

2007年4月3日381系のリニューアル編成(ゆったりやくも)の運転が開始されました。
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4連の短い編成も存在する現在の特急「やくも」 2013/3/20 岡山
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381系の側面に表示されているゆったりやくものシンボル

2010年3月
:「エル特急」の表記を取り消しました。

2010年8月2日:全列車が「ゆったりやくも」にて運転開始となりました(定期点検などの場合をのぞく)。

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岡山を出発後、貨物ターミナルそばに造られた北長瀬駅を通過する頃にはかなり速度が上がっている381系特急「やくも」 2013/3/22

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新見駅に進入する381系特急「やくも」 2013/3/21

381_130321_3
同編成は米子方にパノラマグリーン車クロ380を付けた編成でした。

2011年4月2日 - 4月7日
:東日本大震災の影響で車両保守部品が不足したことにより、全列車4両で運転されました。

381_130321_3_2
西日を浴びつつ岡山駅を出発して行く風景は30年前の登場時と変わりありません。2013/3/21

といった状況で381系も登場して30年が経過し、後継車の登場が期待される状況です。

以上、Wikipediaの記事と「381系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 出雲」を参考に纏めました。<2013/3の岡山旅行で撮影した写真を付加して追記>

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2012年12月 1日 (土)

1976/3 関西へ 4 阪和線3 381系電車特急「くろしお」

先日の記事で気動車特急「くろしお」について触れましたが、今回はその続編として381系による電車特急「くろしお」です。

1978年10月2日、紀勢本線和歌山 - 新宮間の電化完成に伴い、「くろしお」は新宮を境に系統分割されました。天王寺 - 白浜・新宮間の381系電車によるエル特急「くろしお」。 天王寺 - 白浜間2往復(1往復は季節列車)、天王寺 - 新宮間7往復(1往復は季節列車)。一部は改正前の9月下旬よりダイヤで先行して投入されました。非電化区間の名古屋 - 紀伊勝浦間はキハ80系による気動車特急「南紀」として3往復運行されるようになりました。

この改正で日本全国で在来線列車の号数を下り奇数・上り偶数としました。これにより、紀勢本線の終点となる和歌山市駅(→天王寺駅・難波駅)方向は奇数、起点となる亀山駅(→名古屋駅)方向となる列車には偶数の符番がなされました。

381801213
381系による特急「くろしお」 1978年の改正以降に投入されたため、絵入りHMに 1980/12/3 鳳

381系配置は

モハユニット 26~55      計30ユニット
クハ381        101~120
サロ381        10~19

TcM'MTsM'MM'MTc×10 所要7(臨時+2)
くろしお(9)(臨時+3)
 休
 日根野‥天王寺8001201新宮13181715天王寺18002012白浜
 白浜8071015天王寺11001307白浜14041615天王寺17002105新宮
 新宮10201415天王寺15001901新宮
 新宮8201215天王寺13001707新宮17502144天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺9001302新宮14201815天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺10001353新宮15441936天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺14001816新宮/新宮11151522天王寺‥日根野
 天王寺700911白浜11151323天王寺14001606白浜18152025天王寺
 天王寺8061025白浜16401856天王寺

1980年10月1日
のダイヤ改正により、「きのくに」の3往復が廃止され、天王寺 - 白浜間に「くろしお」が3往復増発されました。これにより「くろしお」は10往復、「きのくに」は季節列車を含めて6往復となりました。381系は2編成18両が新たに追加新製され、日根野配属となりました。 「きのくに」からの格上げ増発に伴い、天王寺方面行きの始発と白浜方面行きの最終「くろしお」1往復が箕島・湯浅・南部に停車するようになりました。また、天王寺 - 白浜間を途中和歌山のみ停車し、1時間59分で結ぶ列車が1往復設定されました。

増備された車輌

モハユニット  60~65
クハ381          123~126
サロ381          21,22

TcM'MTsM'MM'MTc×12 所要9(臨時+2)
くろしお(12)(臨時+5.5)
 休
 日根野‥天王寺8001201新宮13201717天王寺19002116白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜650906天王寺10001352新宮14361830天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺9001307新宮15461937天王寺‥日根野
 白浜8101033天王寺/日根野‥天王寺11001306白浜13561615天王寺17002105新宮
 新宮10201415天王寺15001902新宮
 新宮8201217天王寺13001710新宮17502146天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺9301129白浜13091508天王寺16001806白浜
 白浜8551108天王寺12001407白浜15451803天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺14001819新宮/新宮11151524天王寺‥日根野
 天王寺700916白浜10481306天王寺14001610白浜18072028天王寺
 天王寺10191235白浜15311746天王寺/白浜9161135天王寺/天王寺11301341白浜/天王寺13181534白浜18402057天王寺

1982年5月17日 関西本線名古屋 - 亀山間の電化により、「くろしお」の白浜発着1往復が季節列車化され、定期列車としては9往復に減便されました。また、新宮発着の季節列車が白浜発着になりました。

TcM'MTsM'MM'MTc×12 所要9(臨時+2)
くろしお(12)(臨時+2)
 休
 日根野‥天王寺8001201新宮13191717天王寺19002114白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜651906天王寺10001351新宮14361830天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺9001308新宮15461941天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺11001307白浜14001616天王寺17002105新宮
 新宮10201416天王寺15001902新宮
 新宮8201217天王寺13001710新宮17502146天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺9301129白浜13091508天王寺16001804白浜
 白浜8571108天王寺12001410白浜15471805天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺14001609白浜17111926天王寺‥日根野
 天王寺700917白浜10481306天王寺
 天王寺10191231白浜13191525天王寺
381850821
鳳付近ですれ違う381系 特急「くろしお」 1985/8/21

1985年3月14日
のダイヤ改正により急行「きのくに」が廃止され、「くろしお」として4往復増発。これにより16往復(3往復は季節列車、1往復は串本 - 新宮間普通列車)になりました。「くろしお」に485系電車が使用開始(4往復)。急行全廃により、紀勢本線内はB特急料金適用区間となりました。

TcM'MTs(M'M)M'MTc×12 所要9(臨時+3)
くろしお(12)(臨時+5)
 休
 日根野638728天王寺8001159新宮13211711天王寺18251905日根野
 日根野‥天王寺9001254新宮15441937天王寺20202052日根野
 日根野9571038天王寺11001303白浜13571603天王寺17002046新宮
 新宮10361426天王寺15001858新宮
 新宮8301216天王寺13001655新宮18002151天王寺22112253日根野
 日根野‥天王寺9301133白浜13111513天王寺16001803白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜651906天王寺10001350新宮14361831天王寺19002118白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜9151124天王寺12001407白浜15351742天王寺‥日根野
 日根野‥天王寺13301534白浜16531906天王寺‥日根野
 天王寺700907白浜10401302天王寺14241655白浜17412009天王寺
 天王寺8251101白浜11211402天王寺
 天王寺9031129白浜14001622天王寺/天王寺10221232白浜13271532天王寺


1986年11月1日のダイヤ改正により、定期列車は11往復(1往復は白浜 - 新宮間季節列車)になる。全列車が381系電車に統一されました。

増備された車輌

モハユニット 67, 70, 79, 82, 85, 91
クハ381    127, 131,133,135,137,143 

このときにメンバーに加わった車輌は「やくも」の編成短縮化で捻出された車輌です。

TcM'MTs(M'M)M'MTc×12 所要9(臨時+2)
くろしお(13)(臨時+3)
 休
 日根野‥天王寺10301229白浜13401541天王寺17002037新宮
 新宮6151012天王寺12001359白浜15131712天王寺18002158新宮
 新宮8411241天王寺15001852新宮
 新宮11001441天王寺16001807白浜18362047天王寺21182215和歌山‥日根野
 日根野‥和歌山623727天王寺9001257新宮13551746天王寺18181925和歌山‥日根野
 日根野‥和歌山610706天王寺8001157新宮12581642天王寺19002111白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜706911天王寺11001304白浜1506新宮15581949天王寺20182115和歌山‥日根野
 日根野‥和歌山756856天王寺10001340新宮1455白浜16431844天王寺20002204白浜‥紀伊田辺
 紀伊田辺‥白浜9361141天王寺13001655新宮17262118天王寺22182313和歌山‥日根野
 天王寺700905白浜9561213天王寺13301540白浜16521910天王寺
 天王寺7201115新宮14181814天王寺

TcM'MM'MTc×3 所要1(臨時+2)
くろしお(2)(臨時+4)
 日根野‥天王寺9301126白浜12091411天王寺14301627白浜17131916天王寺19282022和歌山‥日根野
 天王寺8261043白浜11271343天王寺14001604白浜18072017天王寺
 天王寺11301326白浜14131611天王寺16301835白浜18572102天王寺

1989年7月22日 グリーン車をパノラマ型に改造した特急「スーパーくろしお」4往復が運転開始(1往復は白浜 - 新宮間は毎日運転の臨時列車)。「くろしお」は12往復(1往復は季節列車)になる。「くろしお」「スーパーくろしお」の京都・新大阪に乗り入れ開始。なお、京都乗り入れは「スーパーくろしお」のみでした。白浜・新宮方面行きが「下り列車」、天王寺方面行きが「上り列車」になりました。これに伴い、列車号数が新宮方面を奇数、京都・新大阪方向が偶数に変更されました。

今回、サロ381のうち 10, 14, 18, 21 がクロ380- 1~4に改造

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クロ380を先頭にした特急「スーパーくろしお」 1992/3/14 天王寺
381_920314

クロ380を最後にしたの特急「スーパーくろしお」 1992/3/14 新大阪
381_920314_2

今から思えばかなり珍妙な塗装だった特急「スーパーくろしお」 1992/3/14 天王寺

1996年3月16日
 季節列車として天王寺発白浜行きの「くろしお」が1本増発されました。
同年7月31日 283系電車が投入され「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」3往復が運転開始しました。
381_030329_2
283系登場に併せるように381系の塗装もオーシャンブルーに変更 2003/3/29 新大阪
381_050708

京都発の特急「くろしお」は梅田貨物線を通って新大阪へ 2005/7/8 東淀川
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日根野を通過する特急「くろしお」 2005/8/23
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岸辺を通過する特急「くろしお」 2006/6/24

1997年3月8日
「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」の列車名が、「オーシャンアロー」に変更。地上設備改良が完了し、和歌山 - 新宮間の所要時間が約19分短縮されました。

1998年 381系がアコモ改良され塗装が変更、これによりグリーン車は全列車1号車に統一されました。
381_101210
島本を通過する特急「スーパーくろしお」 2010/12/10

2012年3月17日
のダイヤ改正により、南紀方面の特急の列車名が「くろしお」に統一され、「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」が廃止。「くろしお」の4往復に287系が運用開始6月1日「くろしお」3往復に287系が追加投入され、381系(アコモ編成)の営業運転を終了しました。

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2012年11月 2日 (金)

1975/1 名古屋へ 2 381系電車特急「しなの」

今回は国鉄電車として当時の名古屋駅で最も輝いていた振り子式特急電車381系です。

381_750102

当時は8往復設定された「しなの」のうち、6往復を担当していました。

381系電車は、国鉄が1973年から1982年の間に設計・製造した振子式の直流特急形車両です。1970年に振子式電車591系を試作し、その実績をもとに、営業列車用として1972年に本系列を開発し、翌1973年から中央本線特急「しなの」に投入しました。その後、1978年に阪和線・紀勢本線特急「くろしお」、1982年に伯備線特急「やくも」にも投入されました。

591系の試験結果から381系に導入されたもの}に関しては591系のWikipediaの記事を読むと分かりますが、
「本系列で良好な結果を得た4系統独立発電ブレーキ制御は、効果を十分に発揮するためには全電動車方式が要求され、変電所の増強などコスト面で過大となること、複巻電動機を使用した界磁チョッパ制御は回路が複雑であることから、いずれの方式も実用化は見送られ、最高運転速度130km/hでの営業運転も放棄された。パンタグラフの移動機構や、移動心皿方式台車の採用も見送られている。結局、本系列で試験された本体機構のうち、381系に反映されたのはコロ式の振子装置程度であったが、むしろ車内に少数設置された簡易リクライニングシートの方が、381系をはじめその後の国鉄特急形車両に多数導入される結果となった。」とのことです。

<車体>

振子車両に必要とされる軽量化と低重心化を図った車体構造となっており、車体は軽量化と振子作用を容易にするため、アルミニウム合金製構体を採用しました。先頭車前面は183系0番台車485系200番台車などと同様、「電気釜」と呼ばれる高運転台形状で貫通形と非貫通形があります。側面はグリーン車の窓や普通車の客用扉の数を除き183系に似ていますが、振子作用による車両限界への抵触を防ぐため183系に比べて車体下部の裾絞りが大きく、台枠上面幅は 2,600 mm となっています。

重心を下げるため重量物である冷房装置は床下搭載としており、屋根上はパンタグラフなどの必要最小限の設置物がある程度で非常にすっきりしています。客室床面高さは181系とほぼ同じ 1,105 mm で、屋根高さは 3,385 mm ですが、天井は冷房ダクトを通した平天井構造のため、床面からの高さは 2,050 mm で181系よりも低くなりました。

国鉄の電車では初めて全長を新基準の 21,300 mm としました。アルミ製車体ですが外観は183系など他の昼行特急形電車と同様にクリーム4号地に赤2号帯が塗装されています。

製造年度によって細部が異なり、1976年製造車からはクハ381形の貫通扉が廃止され100番台に区分されました。モハ381形・モハ380形・サロ381形には側面中央部付近の窓下に非常口を設置しましたが、1981年の「やくも」向け最終製造車では廃止されました。

<主要機器 電源・制御機器>

基本的にはMM'ユニット方式を採用し、M車(モハ381形)には主制御器と抵抗器 (MR123) といった主回路機器が、M'車(モハ380形)には電動空気圧縮機・集電装置といった補機類が搭載されましたが、電動発電機は床下機器設置スペースの都合と車両重量を平均化させるためクハ381形およびサロ381形に1基搭載しました。

主回路は抵抗制御を採用。主制御器は電動カム軸方式のCS43です。主制御器1基で2両8基分の主電動機を制御する1C8M方式で総括制御は90芯のKE91形ジャンパ連結器により行われます。

主電動機は591系で試験されたMT58X形(1時間定格出力110kW)を容量アップした1時間定格出力120kW(定格電圧375V、定格電流360A)の直流直巻電動機MT58形です。原設計は三菱電機が担当し、MT54形と同等の出力を確保しながら、200kg弱の軽量化を達成するため、定格回転数が2,130rpmまで上げられました。1974年12月落成車からは、リード線直出しから端子箱方式に見直されたMT58A形(重量:680kg)に変更されました。前述のように、回転数を上昇させたことにより定格トルクが57kg/mまで低下しました。

歯車比は、前述の定格トルク低下による起動加速度の確保を目的に急行形電車と同じ4.21に設定し、MT比2:1での編成を基本として山岳線区での使用に適応させました。この結果、定格速度は従来の特急形電車より若干上がって 77.0 km/h となり高速性能も軽量車体との相乗効果で向上しました。集電装置は菱形のPS16I形パンタグラフをモハ380形1両あたり2基搭載しています。サービス電源用の電動発電機(MG)は、最大4両までの給電が可能なMH128C-DM85C(容量110kVA)を採用しました。

台車は振子装置(車体傾斜用コロ装置)を組込むことから本系列専用の台車が新設計されており、形式は電動車用がDT42形、制御車・付随車用がTR224形となっています。

軸箱支持には板バネを、枕バネには空気バネをもちいたダイレクトマウント方式です。固定軸距は 2,300 mm 、車輪径は860 mmです。基礎ブレーキは、DT42が踏面ブレーキ、TR224が1軸2枚のディスクブレーキです。

中央西線電化開業に伴う1973年7月10日のダイヤ改正で、特急「しなの」8往復のうち6往復(名古屋 - 長野)で運転を開始しました。これに合わせて、長野運転所(現・長野総合車両センター)に47両(MM'x15, Tcx5, Tsx5)が配置されました。

TcM'MTsM'MM'MTc×5 所要4
しなの(6)
 長野7551115名古屋13001620長野16552016名古屋‥神領
 神領‥名古屋10001320長野14551816名古屋‥神領
 神領‥名古屋7001022長野10551415名古屋15001820長野18552215名古屋‥神領
 神領‥名古屋9001220長野12551619名古屋17002020長野

Tc×2

381_7750306
1975/3/10の改正を前に3/6の時点で特急「しなの」は381系特急電車での運行になっていました。 大阪駅

キハ181系気動車によって運転されていた2往復も、増備車(30両, MM' 16~25, Tc 13~18, Ts 6~9)の投入で1975年3月10日ダイヤ改正で381系化され、所要時間の短縮および本形式の大阪駅乗り入れが開始されました。

TcM'MTsM'MM'MTc×8 所要7(臨時+1)
しなの(8)(臨時+1)
 長野18552215名古屋‥神領
 神領‥名古屋10001320長野13551950大阪‥宮原
 宮原‥大阪8301420長野15551920名古屋‥神領
 神領‥名古屋8001120長野14551816名古屋‥神領
 神領‥名古屋9001222長野12551619名古屋17002020長野
 長野7551115名古屋13001620長野16552017名古屋‥神領
 神領‥名古屋7001022長野10551420名古屋15001820長野
 松本11151358名古屋16001853松本

M'M×1 Tc×2 Ts×1
381_801208
「くろしお」や「やくも」と同じように「しなの」にも登場した非貫通方式の先頭車 名古屋 1980/12/8

1978年10月2日
ダイヤ改正からは、1往復増発の計9往復となることから、11両(MM' 56~59, Tc 121, 122, Ts 20) が新製配置されました。このときに非貫通タイプのクハ381-121、122がしなのに投入されています。長野運転所への新製投入は計88両となりました。なお、導入後1年の時点で長野工場で検査をしたところ、振り子作用の影響による車輪の摩耗が予想以上に激しい事が判明し、予備車確保のため1974年5月から1975年5月までの間(多客期を除く)、MM'ユニット(3・4号車)を減車した7両編成で運転しました。

TcM'MTsM'MM'MTc×9 所要7(臨時+1)
しなの(9)(臨時+1)
 休
 長野8551218名古屋13001620長野17152043名古屋‥神領
 神領‥名古屋9001225長野14152007大阪‥宮原
 宮原‥大阪8301425長野16151945名古屋‥神領
 神領‥名古屋8001120長野12551623名古屋17002024長野
 長野7551115名古屋14001723長野18152137名古屋‥神領
 神領‥名古屋10001320長野15151841名古屋‥神領
 神領‥名古屋7001020野10551422名古屋15001824長野
 松本12201514名古屋15451824松本

M'M×2 Tc×2 Ts×1

381_840504
381_840504_2_3
大糸線乗り入れのため、このような名撮影ポイントでも写真が撮れるように 1984/5/4

1982年11月15日ダイヤ改正では、「しなの」1往復が運転区間延長により大糸線白馬駅まで乗り入れるようになりました。また、塩尻駅構内改良に関連して、編成の号車番号が逆転しました。さらに、上越新幹線開通によって余剰となった183系のうち84両を長野運転所に転属させるため、車両配置に余裕のある神領電車区(現・神領車両区)に88両全車が転属しました。

名シン

TcM'MTsM'MM'MTc×9 所要7(臨時+1)
しなの(10)(臨時+1)
 休
 神領‥名古屋7001016長野10501414名古屋15001825長野
 長野600925名古屋10001313長野14102000大阪‥宮原
 宮原‥大阪8301411長野15101834名古屋‥神領
 神領‥名古屋8001115長野13001625名古屋17002016長野
 長野7501117名古屋14001719長野18202137名古屋‥神領
 神領‥名古屋9001242白馬14301810名古屋19002226長野
 長野8501212名古屋13001616長野17152042名古屋‥神領
 名古屋8301215長野15501944名古屋

M'M×2 Tc×2 Ts×1

1985年3月14日ダイヤ改正では、閑散期にはMM'ユニット(5・6号車)を減車した7両編成で運用されることとなりました。

TcM'MTs[M'M]M'MTc×9 所要7(臨時+1)
しなの(10)(臨時+1)
 休
 神領‥名古屋7001012長野11031422名古屋15001819長野
 長野603927名古屋10001315長野14041944大阪‥宮原
 宮原‥大阪8301415長野15201840名古屋‥神領
 神領‥名古屋8001111長野1157妙高高原1222長野13071625名古屋17002016長野
 長野8031125名古屋14001711長野18192139名古屋‥神領
 神領‥名古屋9001232白馬1306南小谷1354白馬14251808名古屋19002219長野
 長野9031224名古屋13001615長野17162039名古屋‥神領
 名古屋10101345長野15561954名古屋

M'M×2 Tc×2 Ts×1
381_381_921021
特急「しなの」に登場したクロ381 1992/10/21 名古屋 サロ381形式を先頭車化改造した形式で国鉄最後の日に落成したグループとか

1988年3月13日ダイヤ改正では、「しなの」増発(9往復 → 13往復)が行われました。同時に編成の短縮化も行われ、1号車にクロ381形を連結した6両編成および4両編成としました。また、同年4月末までにパノラマグリーン車(クロ381形10番台)を連結した編成も用意され、3往復で運用されました。パノラマグリーン車を含む編成はP編成として限定運用となり、時刻表にもその旨が掲載されていました。その他はD編成としてクロ381形0番台とクロ381形50番台組み込み編成は共通で運用されました。同時期に普通車のアコモデーション改善も行われ、普通車全車がフリーストップ型のリクライニングシートに交換されました。

TcM'MM'MTsc×3(パノラマグリーン) 所要3
しなの(4)
 神領‥多治見808849名古屋9001202長野13041616名古屋17002010長野
 長野8051128名古屋12001502長野16111919名古屋19402014多治見‥神領
 神領‥名古屋8251154白馬‥南小谷13431806名古屋‥神領

TcM'MM'MTsc×9 所要8
しなの(12)
 休
 神領‥多治見703742名古屋8001108長野12121527名古屋16001903長野
 長野10031312名古屋14001702長野18122120名古屋21402250中津川‥神領
 神領‥名古屋9201151松本15221740名古屋18002104長野
 長野602919名古屋10251239松本14191643名古屋‥神領
 神領‥名古屋7001003長野11081427名古屋15001811長野19182225名古屋22352309多治見‥神領
 神領‥名古屋10001308長野14021936大阪‥宮原
 宮原‥大阪8421403長野15101833名古屋19002208長野
 長野9081220名古屋13001605長野17082025名古屋20402155中津川‥神領

TcM'M/M'MTsc×4 所要3
しなの(付属4)
 神領‥名古屋10001308長野14021936大阪‥宮原
 宮原‥大阪8421403長野15101833名古屋19002208長野
 長野9081220名古屋13001605長野17082025名古屋20402155中津川‥神領

TcM'MTsc×1 所要1
しなの(付属1)
 神領‥多治見703742名古屋8001108長野12121527名古屋‥神領

<追記:1993年編成表データから>

3811993
1992年の上の写真のクロ381には貫通幌が装備されていませんが、この表の編成表データではクロ381-1~7を繫いだD編成には貫通幌が付き、特に4連のD-10編成は他の6連の編成と併結して10連で運用されていたそうです。

1996年11月以降、老朽置き換え用として落成した383系(「ワイドビューしなの」)への置換えにより定期運用を失いました。クロ381形50番台組み込み編成を中心に余剰車の廃車が開始された。P編成は臨時「しなの」に優先的に使用し、廃車を逃れた車両は4両編成に組み変えられて飯田線の特急「伊那路」81号・82号(のちに「ふれあい伊那路」)として運転されたほか、373系の代走として定期「伊那路」や東海道本線の「ホームライナー」に充当されたこともあります。

1998年2月開催の長野オリンピックでの波動輸送の終了後から大規模な廃車が進み、2001年以降6両編成2本のみが残されました。

2006年に1本(P1編成)が廃車され、もう1本のP2編成も2008年5月をもって運用を終え、同年5月7日にJR東海浜松工場へ廃車回送され、5月9日から12日にかけて車籍が抹消されました。

オリジナルタイプの貫通形の先頭車は「しなの」用のみに存在しましたが2001年までに廃車されています。

以上、Wikipediaの関連記事、および「381系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 一覧」によるデータを参考にまとめました。

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