115系の話題、今回は1000番台です。
1000番台の特徴は耐寒耐雪構造とシートピッチの拡大ですね。1977年から1982年にかけて製造されました。尚、1000という番台区分は寒冷地用として好評を博していた485系1000番台 のイメージを踏襲することを狙ったそうです。
300番台をベースに設計がなされていますが、シートピッチに関しては1978年に設計・製造された417系と設計思想を統一したそうです。4人掛けボックスシートは狭いと評判が悪かったので座席の幅を930から1040mmに、間隔を1420から1490mmとして当時の急行形車輌並みに拡大されました。
因みにシート拡大は115系1000番台と明日記述予定の2000番台以外では、113系1500・2000番台・415系100番台・キハ40系気動車でも採用され、「シートピッチ改善車」と呼ばれ以後の標準となりました。
仙台地区で活躍した417系電車 写真はK-2編成 2006/7/11 東仙台
冷房に関しては長野、新潟地区投入車は国鉄の財政難で冷房準備工事車となりました。客室暖房容量向上が実施されたことから、冷房準備工事車も新造時から160kVA MGを搭載しました。後年、これらの準備工事車はすべて冷房化されました。
極寒冷地での夜間滞泊による水管割損を避けるため、485系1000番台で採用された自動給排水装置を搭載しました。
電動車では、浸雪対策として主電動機の冷却方式を変更。車体側妻部の取入口を廃止し、冷却風は1・4位側車端部に設置された「雪切室」に導く構造としました。 雪切室設置と同時に配電盤などを収めた扉も取付られたことから、車端部は従来のボックスシート+3人掛けロングシートから5人掛けのロングシートに変更となりました。 雪切室にはルーバーが設置されました。
高崎センター所属のT1041編成 2009/9/5 高崎 昨日の記事で300番台の写真であった連結面側の戸袋窓の横の小窓がシートの変化に対応して無くなっているのが分かります。
クモハ115 1000番台を含む3連 T1040編成 2006/8/26 伊勢崎 乗務員室扉後方に大型の空気取り入れ口とルーバーの存在がわかります。
クモハ、クハの運転台付き車輌の貫通扉には膨張性シールゴムを設けて運転室の気密性向上を図りました。小学生の頃から、先頭車両で前方展望を楽しんでいると必ず、ヒューという風の進入音がして、その後、貫通扉にガムテープを貼って、目張りをしているのも見かけましたが、その対策がこのゴムだったのですね。
クモハ115形1000番台+モハ114形1000番台ユニットは松本運転所(現・松本車両センター)・同北松本支所・長岡運転所(現・長岡車両センター)・新前橋電車区・三鷹電車区(1ユニットのみ)に限定新製配置されました。
上越線水上までの列車に活躍する高崎所属の115系1000番台 T1044編成 2010/5/1 屋形原踏切 SLみなかみを撮りに行った際についでに写したものです。
クハ115形は偶数向(クハ115-1001 -・1201 - )奇数向(クハ115-1101 - )に番号区分され、トイレは偶数向きの1001 -にのみ設置とし、採光窓も小型化されました。 後に奇数向きもクハ115-1142以降(昭和54年度第2次債務車)ではトイレ設置に設計変更されました。
サハ115形のトイレ設置は廃止されました。
信越線横川までの区間で活躍する高崎のT1091編成 2010/4/29 松井田~西松井田 SL碓氷号を撮りに行った際についでに写したものです。
1982年に製造された伯備線電化用はグループでは屋根布がポリウレタン樹脂の塗屋根に設計変更されました(昭和55年度第2次債務車)。また外板腰板部をステンレスとするなどさらなる腐食防止対策も施工されました(昭和56年度第1次債務車)。
1000番台は1982年までに651両が製造されました。
形式別の車輌番号は
クモハ115 1001-1084
モハ115 1001-1127
モハ114 1001-1211
クハ115 1001-1099、1201-1243 (偶数向き) 1101-1159 (奇数向き)
サハ115 1001-1028
吾妻線で活躍する115系1000番台
1979年の配置表をみると、1000番台は
長岡 6連 McM'TMM'T'c 14本
4連 McM'TT'c 8本
3連 McM'T'c 1本
新前橋 7連 TcMM'TMM'T'c 4本(0番台、300番台混成)
3連 McM'T'c 18本
小山 4連 TcMM'T'c 4本
7連 TcMM'TMM'T'c 4本(0番台、300番台混成)
松本 5連 McM'MM'T'c 14本
3連 McM'T'c 7本
岡山 6連 TcMM'MM'T'c 14本 +TcMM'T'c
といったように配置されていました。西トタの1000番台はまだ未配置でした。
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