2022年1月27日 (木)

通勤電車シリーズ 205系 4 阪和線への投入、横浜線への進出

1988年春は発足から1年が過ぎようとするJR各社にとっては独自の方向性を打ち出し始めた時期であり、青函トンネル開業や瀬戸大橋の開通と日本列島が鉄道でひとつに結ばれる、当時のキャッチフレーズ「1本列島」の時期でした。

まだ早春の2月22日、JR西日本は近畿車輛が製造した205系1000番台、4両編成5本を阪和線に投入しました。国鉄時代に東海道・山陽緩行線に投入された0番台とは違いJR西日本独自で開発した車両でこの番台ならではのユニークな点がいくつかありました。この件に関しては2019年3月13日記事で触れいていますので、今回は触れません。

73-edited 1978年頃 八王子 発車を待つ東神奈川行

103-54-790923 1979/9/23 八王子 京浜東北線から転属してきたクハ103-500番台先頭の磯子行

103-54-810426 1981/4/26 橋本 ウグイス色の高運転台クハ103 54編成

東日本では山手線の205系化完了後、続いて投入されたのは横浜線でした。北関東で生産された生糸を横浜港に運搬するために建設された路線で1941年4月に全線電化されていましたが、1979年まで72系電車が走っており、京浜東北線や山手線から転属した103系が活躍する路線でした。

1988年9月29日から蒲田電車区に配置された7両編成7本が営業運転に就きました。
今回投入された車両の特徴は
(1) 前面に路線・種別表示幕の設置
(2) 側扉窓の上下寸法の拡大
(3) 保安装置はATC6(根岸線)、ATS-B(横浜線)を搭載
(4) 列車無線のアンテナが防護無線タイプに

205_-6185
表 横浜線に新製投入された205系 1988年9月~1989年3月

これまでは1編成は単独メーカーの製造でしたが、車種により、あるいは2組のモハユニットが別々のメーカーによるケースも出てきました。
またMM'-230とT-145は国鉄時代からの伝統を持つ大船工場による製造です。205系ではこれら3両の他、500番台のモハユニット(2組:512、513、クハ(Tc/T'c513)の製造も担当しました。東急車輛製造から構体ブロックを購入し、工場内で艤装・内装組み立てを行うノックダウン生産方式でした。

さらに1989年2月までに18編成が投入されました。第8(H8)編成以降では側窓外側への取っ手が追加され、車外から窓の開閉が可能なように窓枠が変更されました。前面行き先表示幕に路線表示を追加した2段幕も登場しました。

205-h1-120512-2
2012/5/12 長津田 H1編成

205-h8-110925
2011/9/25 東神奈川 H8編成

1988年9月から1989年2月の僅か半年の間に205系25編成が投入され、捻出された103系は京葉線、武蔵野線へ転用され、1989年2月26日に「さよなら」運転が行われました。

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2015年1月21日 (水)

通勤電車シリーズ 103系 18 横浜線の新性能化 part2

通勤電車103系シリーズ、今回も横浜線への投入で、ATC化に向けての高運転台車配置の歴史です。

103_790923
京浜東北線に投入された新製高運転台クハの103系が横浜線用の旧形車と山手線から転属した初期103系の横を発車して行きます。 1979/9/23 東神奈川

1982年11月15日のダイヤ改正で運用停止になるまで存在した駅南東に位置する研修庫、留置線が写っています。

103_06_810426
橋本付近を行くうぐいす色高運転台クハの横浜線電車 蒲田区6編成 1981/4/26

1979年、山手線に7連7本が投入され、ATC対応のクハを含む49両が東神奈川区や蒲田電車区に転入となり、横浜線の新性能化が完了となりました。山手線からの転出はすべて品川区所属の車両でした。

このときの動きを車両番号で追っかけてみると

クハ103-798が山手線への新製配置最終のクハ103であり、

クハ103-779,790  1979/8/30
            783,785  1979/9/5
            787,789  1979/9/11
            791,794  1979/9/14
            781,792  1979/9/17
            793,796  1979/9/21
            795,798  1979/9/26   を両端クハとする編成が品川区に投入され、   

その結果以下の車両が捻出されたと考えられます。   

クハ103-337,338     1975/4/25 シナ    1979/9/12 ヒナ
           -341,342     1975/5/19 シナ    1979/9/30 ヒナ
     -343,344     1975/8/5  シナ    1979/9/22 ヒナ
     -345           1975/8/21 シナ    1979/9/17 カマ
     -351           1975/7/7 シナ       1979/9/21 カマ
           -356           1975/8/26 シナ       1979/9/26 ヒナ

クハ103は-269から高運転台車となっており、1979年から大井工場でATC準備車が本格搭載改造を受けています。それらの中でATC化改造を受ける前に山手線から転出しているのは上記の番号の車両でした。

クハ103-349          1975/6/18 シナ         1979/9/9 ヒナ
     -353         1975/7/17 シナ         1979/9/13 ヒナ
     -355         1975/8/26 シナ          1979/9/26 ヒナ
     -357,358    1975/11/19 シナ       1979/10/4 カマ

一方、これらの車両は大井工場で改造を受けた後に転出しています。

モハ103/102-2         1964/5/28 イケ     1973/3/1 シナ    1979/3/3 カマ
        -5         1964/8/29  シナ                           1979/7/7 カマ
        -6      1964/8/29  シナ                           1979/3/11 シナ
        -10       1964/7/22  イケ  1973/3/1 シナ    1979/9/21 カマ
        -13,14   1964/9/10  イケ  1973/3/7 シナ    1979/9/30 ヒナ
                 -19,20    1964/10/9 シナ                           1979/9/13 ヒナ
         -21,22   1964/10/28 シナ                          1979/9/22 ヒナ
        -37,38   1964/10/7  シナ                           1979/9/26 ヒナ
        -43,44   1964/10/27 シナ                          1979/9/12 ヒナ

サハ103-13        1964/9/10 イケ       1973/3/7 シナ    1979/9/30 ヒナ
           -14        1964/9/10 イケ      1973/3/7 シナ    1979/10/4 カマ
      -21        1964/10/28 シナ                              1979/9/22 ヒナ
      -37        1964/10/7  シナ                               1979/9/26 ヒナ
      -38       1964/10/7  シナ                               1979/9/21 カマ
      -43        1964/10/27 シナ                               1979/9/12 ヒナ
       -44       1964/10/27 シナ                               1979/9/13 ヒナ

Tc-MM'-T-MM'-Tc の7編成が横浜線関係に転属となっています。

この後、1979年10月に蒲田区から東神奈川区に転属した高運転台クハもあります。

クハ103-345  1975/8/21 シナ 1979/9/17 カマ 1979/10/20 ヒナ
     -704   1977/3/29 カマ 1979/8/24 ヒナ
     -712   1977/3/15 カマ 1979/9/7  ヒナ

1980年にはATC非搭載の高運転台クハが新製される中、京浜東北線にATC付きのクハが新製され、捻出された車両が横浜線に投入されました。

クハ103-809, 816  1980/9/17 カマ  

この両端クハの編成が京浜東北線への最終新製投入となっています。

103_54_810426
同じく橋本付近を行く東神奈川区 54編成 1981/4/26

1981年6月1日に検修部門を蒲田電車区に分離し、蒲田電車区東神奈川派出所(現在の鎌倉車両センター東神奈川派出所)となりました。横浜線用の103系は全て蒲田電車区に転出しました。

1981年には中央線快速用に配置されていたATC搭載工事終了後のクハが豊田区から6両転入しています。

クハ103-311,312  1974/1/29 トタ    1981/11/11 カマ
          -313,314   1974/3/6  トタ    1981/12/2  カマ
          -315,316   1974/3/18 トタ    1981/12/6 カマ

これ以前に豊田区にはATC非搭載高運転台のクハ103最終グループが1980年4月から8月にかけて投入されています。その件は別記事にて。

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2013年12月28日 (土)

5両の保存D52を観に18切符で日帰り旅行 その4

D52を観る旅、高沢公園を後にして、沼津駅に戻り、9:51発の国府津行(2538G 313系3000番台V6編成 2連)に乗車し、次なる目的地、御殿場に向かいました。列車番号にGが付いているのはワンマン運転の意味のようです。

ここで御殿場線の歴史について触れてみようと思います。

1889年2月1日 東京~大阪間の幹線の一部として国府津~御殿場~沼津~静岡間が開通

1891年1月12日 御殿場~沼津 3月1日 小山~御殿場 複線化

1896年4月1日 東海道線と命名

1901年2月5日 国府津~山北 6月11日 山北~小山 複線化完成

1909年10月12日 主な幹線を本線と呼ぶようになり東海道本線に

1912年 富士裾野演習場が開設、物資、兵員輸送に活用

なんといっても当時の非力な蒸気機関車にとって、山回りの東海道本線は勾配のきつさが最大のネックで、その時代毎の最新鋭の機関車が投入されました。また、連結器の強度の問題から中間に補助機関車を挟んだり、あるいは平坦区間で連結されていた食堂車を切り離すといった措置も採られたそうです。

1918年 熱海線建設開始

1934年12月1日 丹那トンネル開通、東海道線のルートは熱海線経由に

1943年7月11日 山陽本線の柳井線ルートの複線化、横須賀線の横須賀~久里浜間の建設、樽見線への橋梁の転用のため、単線化

今でも沿線に、複線規模なのに単線という風景を見ることができます。

1955年9月1日 旅客列車に気動車導入
    10月1日  小田急電鉄の新松田~松田間の連絡線が開業

山北の記事で登場しますが、ディーゼルカー運転記念碑も残っており、ダブルエンジンのキハ50形はここが発祥の地でキハ51、52、55、58形式と発展していったのですね。小田急の当初の準急「あさぎり」の乗り入れ車両はキハ5000形でした。1968年6月30日に気動車準急は終了。

165_760102

再掲ですが、153系編成に連結されて保土ヶ谷付近を下る165系3連の急行「ごてんば」編成

1968年7月1日 全線電化 急行「ごてんば」運転開始、当初は165系3両編成で、1981年10月1日から167系4両編成に、1985年3月14日に廃止

小田急は電化とともに急行「あさぎり3000形SSE車で乗り入れ、1991年3月15日に急行としての運行は終了

1979年10月16日~18日 72系電車「さよなら」運転

73
御殿場線で活躍していたスカ色の72系 1977/9/23 沼津

通年半自動ドア扱いであり、4両編成の中間に入る付随車には便所が設置されていました。

73900_770923
クモハ73900先頭の編成 1977/9/23 沼津

クモハ73900はクモハ73174からの改造だそうです。

1987年4月1日 国鉄民営化でJR東海に 神奈川県内で唯一JR東海の管轄に

1991年3月16日 「あさぎり」特急化

1999年6月1日 313系を投入 12月4日 一部列車でワンマン運転開始

2007年2月14日 115系の定期運転終了 3月18日 113系の定期運転終了

1152000_b02_050821

こちらも再掲ですが、JR東海の115系 おそらくこの2000番台が御殿場線でも活躍していたのでは 2005/8/21 島田 

119系するがシャトル編成が乗り入れていたこともありました。

20000_rse_090813_2
以前、沼津に同じ時間帯に到着して20000系見つけて撮影しようとしたところ、カメラを準備している間に車庫に回送するため動き出してしまい慌てて撮ったのがこの写真でした。 2009/8/13

20000_rse_091010_2
20000系の写真、「はこね」の写真は何枚かありましたが、「あさぎり」はあとこの1枚でした。 2009/10/10 代々木上原

371_x1_090813
谷峨を通過する371系 X1編成 2009/8/13 この駅は素敵な駅舎も魅力ですね。

371_x1_091010_3
千歳船橋を通過する371系 2009/10/10 あさぎりの運用を引退してもまだ廃車にはならず臨時列車等で活躍しているのは嬉しいことです。 

2012年3月17日 「あさぎり」沼津~御殿場間廃止、371系・20000形「RSE」による相互乗り入れから60000形「MSE」による片乗り入れとなりました。 

E231系1000番台も山北駅まで乗り入れていましたがJR東日本との直通運転も廃止されました。

60000mse_131221_2
山北駅裏の鉄道公園でD5270号機を撮影していたら、60000形MSEの「あさぎり」が通過して行きました。展示機関車用のカメラで撮ったもので広角過ぎる写真です。 2013/12/21

ということで、10:25、沼津から30分強の乗車で御殿場に到着しました。

車窓からは白く雪を戴いた霊峰、そして今年 世界遺産に認定された富士山の風景を満喫することが出来ました。

今回はここまでです。Wikipediaの記事を参考に纏めました。

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2013年5月20日 (月)

2013/5/18 武蔵野線から中央線へ 後編

ぶらり高尾散策号」は時間調整のためか、南流山の中線で約15分程、停車し武蔵野線電車を2本ほどやり過ごし出発して行きました。私も、それを追う形で府中本町行き電車に乗りました。西国分寺で高尾行き快速に乗り換え、立川についてみると先ほどの「ぶらり高尾散策号」が停車しています。こちらが先に発車することになり、高尾には先着しました。

E257_m104_130518
E257系M104編成の「かいじ」 高尾駅の配線は昔から殆ど変わらずで、この2番線が上り列車の通過線ですが、「ぶらり高尾散策号」はダイヤの合間を縫う形でこのホームに到着しました。

E653_k307_130518_2
この場所でE653系はまだまだ目新しい車輌かも知れません 高尾 

E653_k307_130518_2_2
E653系は到着後、すぐに折り返し線を通って留置線へ 折り返しの9384Mまでお休み

今回の中央線訪問のターゲットは115系のM編成でM4が未撮であること、それとE351系のS5+S25編成もこれまでまともな写真が無いのでそれらを課題としました。

まずは、昔の高尾駅の写真を

76_2
76_4

79300iv

79300iv_4
これら3枚の写真は1975年頃の高尾駅です。ヤマゲタと言われた70系1956年からモハ72850とクハ79300番台が投入され、トイレが無かったためクハ76も投入されたそうです。1,2番線ホームの感じは今も全く変わりありません。京王線側は1967年に高尾山口まで開業していますが、当時の様子は今とだいぶ違います。

115_m8_130518
ヤマゲタとして活躍した70系電車1975年から1976年にかけて冷房装備の115系300番台が投入されたことによって広島運転所へ転出し、呉線で運用されることになりました。その115系300番台が既に38年になりますが、現在も活躍中です。大月まで乗車した高尾発11;01の535MはM2+M8編成でした。

115_m7_130518
高尾に10:50に到着した536MはM6+M7編成でした。

115_m1_130518
大月到着時に逢った上り542M はM1+M5編成でした。

115_m9_130518
大月の電留線にはM9編成が。

といったように、115系M編成、短時間のうちに7編成遭遇出来ましたが、未撮だったM4編成には遭遇出来ず課題は持ち越しとなりました。

Eh20023_130518
中央線名物、竜王と川崎を結ぶタンカー貨物80レはEH200-23の牽引でした。

昼食を摂った後、富士急を撮影しに駅西方へ、

5000_130518
元京王の5000系がオリジナル塗色と富士急の塗色で

6000_130518
さらにJRから購入した元205系の6000系、クモハ6501を先頭とする3連は元ケヨ22編成
205_22_081230_2
在りし日のケヨ22編成 こんなに長い編成だったのが今は3連とは(笑) 2008/12/30 蘇我

130518
駅西方の跨線橋から富士急大月駅の全景を 2000系フジサン特急もお休み中 元は165系改造のパノラマエクスプレスアルプス

115_c9_130518
長ナノのC9編成が539Mに C編成は2009年3月18日の改正で松本区から転属した6連(TcMM'MM'T'c)編成で、多くは1000番台の115系で構成されていますが、C5,C6,C9は300番台から構成されており、C13の長野よりモハユニットも300番台です。

中央線の普通電車、現在のダイヤではこの時間帯はトタの山スカ115系よりもナノの115系をよく見たように感じました。

E351_s5_130518

E351_s25_130518_6

E351_s25_130518_7

続いて通過した「スーパーあずさ」。E351系はJR東日本が1993年12月に最初にEをつけた系列名で登場させた車輌ですが、既に登場から20年近く経過し、後継車の話題も出ています。この編成はS5+S25編成で、漸くE351系もコンプ出来ました。

189
ここで大変古い写真を一枚 「あずさ」に投入された189系が1975年頃の高尾駅を通過するシーンです。 上の70系と同じ日だったかも知れません。雰囲気は今と殆ど変わっていないことが分かります。

高尾に戻り、駅周辺を散策、そこで思いついたのが帰りは「ぶらり高尾散策号」で帰ること。窓口で聞いてみると、乗車券は休日お出かけ切符で乗車可能で、牛久までの指定券(\510)を購入すればよいとのこと。

常磐線の特急電車、これまで485系651系は上野~仙台間全線乗車しておりましたが、E653系に乗車するのは今回が初めてです。しかも武蔵野線~常磐線の北小金付近の連絡線を通過するのも初めてのことでした。

停車駅は高尾を出ると中央線内は八王子、立川に停車し、武蔵野線内はノンストップで常磐線に入って、柏、取手、佐貫、牛久と停車します。中央線内で沿線を眺めていると、多摩川橋梁などの撮影ポイントではかなりのカメラの砲列が。E653系自身がまだ珍しいためかと思われます。ふだんこういう列車に乗っていないものですから、何か不思議な気分がします。

立川を出て、柏の予定時刻が1時間後だったので、とこかで長時間停車があるのかと思いましたが、南浦和で1分ほど運転停車しただけで後はほぼ一定速度で走っていました。乗務員の担当は上記の切符でも分かるように八王子運輸区の担当で、車内販売も勝田まで営業とのことでした。座席の指定される列車に乗ったのも久しぶりのことで、常磐線のグリーン車は時々利用しますが、わずか500円ちょっとの追加で現役の特急車両の指定席に100分も乗車できたのですからかなり得した気分でした。

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2012年11月29日 (木)

1976/3 関西へ 2 阪和線1 旧形国電編

片町線の次は阪和線ですが、車種も豊富ですので、数回に分けて書きます。

今回は阪和線の歴史と旧形国電で行きます。

1929年7月18日:阪和電気鉄道により阪和天王寺駅 - 和泉府中駅間(20.92km)、支線 鳳駅 - 阪和浜寺駅間(1.61km)が開業。当初から全線複線電化。
1940年12月1日:阪和電気鉄道が南海鉄道に吸収合併され、同社の山手線となる。
1944年5月1日:国有化され阪和線になる。
1950年6月1日:南紀の海の幸を輸送する急行貨物列車「銀鱗号」が天王寺駅 - 串本駅間で運転開始 10月1日:流電ことモハ52形電車によって特急料金不要の特急電車が復活する(2往復、天王寺駅 - 東和歌山駅間の所要時間55分)。
1955年12月1日:70系が運用開始。
1965年3月1日:阪和線初の有料特急列車として、特急「くろしお」、特急「あすか」が運転開始。
1967年10月1日:特急「あすか」が廃止。
1972年3月15日:阪和線で新快速が運転開始。途中停車駅は鳳駅のみで、阪和間の所要時間が戦前の超特急と同じレベルの45分になる。
1977年3月27日:羽衣線の運用車両を旧型車両から103系に置き換え。4月14日:この日限りで旧形電車の運行を終了。最後まで残ったのは70系4両とモハ72の2両であった。
1978年10月2日:新快速が廃止され、天王寺駅 - 御坊駅・紀伊田辺駅間を直通する快速列車になる。紀勢本線(和歌山駅 - 新宮駅間)の電化に伴い特急「くろしお」が電車化(381系)。なお、鳳駅以南の架線を振り子対応とするが、この改正では所要時間短縮を余裕時分に向けたので、阪和間の所要時間は、戦前の超特急と同じである。
1985年3月13日:急行「きのくに」が廃止。
1987年4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が杉本町駅 - 和歌山駅間の第二種鉄道事業者となる。
1989年7月22日:天王寺駅構内の阪和線から大和路線への渡り線が開通し、特急「くろしお」が環状線を介して新大阪駅・京都駅まで直通運転を開始。特急「スーパーくろしお」が運転開始。
1994年4月1日:223系電車が運転開始。9月4日:関西国際空港開港に伴い、特急「はるか」(281系)、関空快速が運転開始。
1996年3月16日:鳳駅以南の最高速度が120km/hに緩和され、最速列車は戦前に運転されていた超特急の所要時間を更新する39分で阪和間を走破する(表定速度94.3km/h)。7月31日:283系電車が特急「スーパーくろしお オーシャンアロー」として運転開始。
2003年4月1日:日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(杉本町駅 - 和歌山駅間)が廃止。
2011年12月11日:113系4両編成が阪和線の運用を終了(2両編成1往復は引き続き運転)。
2012年3月17日:ダイヤ改正により次のように変更。 紀勢本線の特急「オーシャンアロー」「スーパーくろしお」「くろしお」がすべて「くろしお」に列車名統一。特急「くろしお」に287系電車が投入され運転開始。朝ラッシュ時の一部の区間快速をのぞき、すべての快速が223系・225系に統一。

例によってWikipediaの記事から抜粋しておりますが、昨日の片町線に較べると路線の成り立ちは極めてシンプルですが、優等列車の種類は豊富です。中でも2年7ヶ月で廃止された「あすか」の運転が印象的です。
60150_7603クモハ60 157

モハ41形の電動機を交換しクモハ60151~に編入したグループで、関西仕様の特徴である運転台の球形通風器の位置から157と推察されます。(旧形国電の記録さまのサイト
http://www.geocities.jp/h6feet/top.html の写真から)
60_7603クモハ60 和歌山 半流スタイル

当時の鳳区(天オト)のクモハ60の配置は
001 004 006 009 023 045 048 049 051 053 057 059 061 072 077 081 083 087 088 106 119 151 153 157 でした。55800_760300
クハ55 800番台 東岸和田

800番台と推定した根拠は3と4に分かれて配置されているベンチレーターです。旧形国電の記録さまのサイトの情報から。
55_760300_2クハ55  和歌山

クハ55の配置は
001 007 031 034 047 055 060 062 071 072 303 305 309 311 312 313 332 336 338 800 802 804 806 でした。

73_7603_2

クモハ73 東岸和田?

写真はぶれていますが、よく見ると正面布抑えのない異端車のようです。旧形国電の記録さまのサイトの情報から、619 621 623 のどれかではないかと思われます。

クモハ73の配置は 181 301 605 611 613  619 621 623 でした。

79_7603_2

クハ79 300番台 364もしくは382

形態からすると旧形国電さまのサイトの情報から
「昭和29年製以降からは正式に前面窓傾斜タイプとなり窓上下の帯も廃止されました。354~420の偶数番号に加えて301~387の奇数番号車が登場しています。」に該当します。

クハ79の配置は 142 306 364 382でした。

これらの写真から、当時のオレンジ色旧国は天王寺<クモハ+クハ>和歌山といった向きで運用されていたようですね。

76_7603_3クハ76 区間快速 和歌山
76_7603_2クハ76
 区間快速 和歌山

76
クハ76 鳳

運行窓の形態から全て300番台と推察されます。

クハ76の配置は 070 079 083 090 094 307 308 309 310 311 312 313 314 315 でした。

最後に1950年10月から走り出したモハ52の現在、保存されている姿を。
52001_101205クモハ52001 2010/12/5 吹田工場玄関前で写す

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2012年11月 2日 (金)

1975/1 名古屋へ 2 名シン 中央本線のローカル 

現在は、211系5000、6000番台や313系が活躍している中央線名古屋口ですが、1975年当時はまだ103系も導入されていなく、神領区は70系や80系の旧形国電の天下でした。

「旧形国電の記録」様のサイトの情報によると、名古屋口では神領電車区に大量の旧型国電が配属されていましたが1977年4月に73系が103系に置き換えられたのを皮切りに、1978年12月に中津川まで運転されていた70系が、1980年3月には最後まで残った80系も姿を消しています。とのことで、名古屋に103系が登場したのはこの旅の2年後のことでした。

76_750102
中央西線のクハ76形 

79_750102_2
クハ79形 全金製の920番台

当時(1975.4.1)の神領電車区の配置を見ると、

新性能電車としては165系、113系、153系(サハ153のみ6両)が配置されており、旧形車は

クモハ40      800
モハ70       048  054  058  059  060  061  077  078  082  083  084  089  090  093
                         120  121  122  303  304  306  307  308  309  310
モハ72               532  534  547  558  570  616  618  635  653  659  661  671  676  683
                         695  696  697  700  713  900  927  929  930  931  933  945
モハ80               209  210  212  216  224  225  226  227  231  232  233 234  235  242 
                         243  800 801 802  803  804  805  806  807  810  811 
クハ76               013  023  024  026  027  030  031  032  033  086  089  095  101 300
                        301  302 303  305
クハ79               311  313  318  320  335  338  363  365  379  414  433  434  442 443
                        445  468  484  904  924  953
クハ85       028  032  033  034  302  303  304  305  306  307  308  309  310 311
クハ86       063  065  075  078  079  080  302  303  312  316  327  337
サハ75             104  105  107  108  109
サハ85             101  102  103

といったメンバーと
クモヤ90    804
クモエ21         008 が配置されていました。

(2013/8/21 コメントによる指摘に基づきクハ86318とあったものを316に修正、ありがとうございます。配置表から書き写す際に間違えたようです。)

Wikipediaの70系電車の記事から中央西線における70系電車の運用を見てみると、

1966年7月の名古屋 - 瑞浪間電化に伴い、横須賀線と京阪神緩行線から大垣電車区(現・大垣車両区)に転入してきたクハ68形を含む72両によって同区間における運用を開始しました。同年10月からは運行区間を東海道本線浜松 - 米原間まで拡大。客車列車の電車化に貢献した。

1968年には所属を新設の神領電車区(現・神領車両区)に移管。同年10月のダイヤ改正では中央西線では電化区間の延伸によって中津川まで拡大した。

中央西線では基本編成6両・付属編成4両で組成されラッシュ時には10両での運転も実施された。また基本編成の中間には格下げ車のサハ75形・サハ85形が組込まれており、これらの車両に等級帯がなく後に3扉化されたとはいえ横須賀線全盛期の雰囲気を漂わせていた。その後は東海道本線内の運用を80系に、中央西線ラッシュ時の運用の一部を72系にそれぞれ変更され規模を縮小。余剰車は新潟や長野に転出となった。この過程でクハ68形は全車転出。

1973年の中央西線・篠ノ井線全線電化では坂下まで、1975年には南木曽まで運用区間を延長した。1976年には新規開通した岡多線に付属編成2本が投入された。

とのことでした。

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