昨日の「南紀」に続いて、今回は軌間統一後、伊勢中川での乗り換え無しに名古屋から伊勢志摩方面に特急を運行する近鉄に対して、国鉄が名古屋から参宮線、紀勢本線方面に運行を開始した快速列車の歴史です。
2011/12/25 名古屋 鳥羽行き 快速「みえ」 1次車
1988年7月1日、名古屋~伊勢市間にキハ82系を使用したホームライナー「みえ」の運転が開始されました。さらに土曜・休日には名古屋~鳥羽間に臨時快速「伊勢路」も運転されました。
1990年3月10日からはホームライナー「みえ」や臨時快速「伊勢路」が廃止された代わりに快速「みえ」の運転が開始されました。車両は高山本線の急行列車格上げで余剰となった急行気動車の改装車を使用しました。
名古屋~松阪間、8往復、名古屋~紀伊勝浦間1往復で全列車伊勢線経由、土曜・休日は2往復が鳥羽まで延長運転されました。
1991年3月16日、朝夕に3往復増発され12往復とし、名古屋~鳥羽3往復、名古屋~伊勢市3往復、名古屋~松阪5往復、名古屋~紀伊勝浦1往復とし、休日の名古屋発鳥羽行き、伊勢市発名古屋行き各1往復を「ナイスホリデーみえ」として運転しました。キハ58形とキハ65形各3両をリクライニングシート化し、最高速度110km/hに対応した5000番台で運転し、名古屋~松阪間は66分としました。
1992年3月14日、名古屋~紀伊勝浦間は「南紀」に格上げ
2017/8/5 徳和 2次車による快速「みえ」
1993年8月1日からキハ75形が投入されました。一部区間で最高速度120km/hの運転となり、日本最速の気動車快速列車となりました。1994年12月3日、すべての列車がキハ75形に統一されました。
キハ75形気動車は1993年から1999年にかけて、日本車輛製造で40両が製造されました。百位偶数の車両を1号車(鳥羽、新宮、下呂、多治見)、奇数の車両を2号車(名古屋、岐阜)として2両編成を組み、2両以上は1両単位で10両まで連結することが出来るため、キハ25のように編成番号は設定されていません。
車体は311系電車と同様のステンレス鋼製車体に両開き扉が片側3か所、オレンジ色の帯が2本、連続窓、低床構造でステップなしとなりました。
転換式クロスシート、乗降扉と車端部は固定式シートで、0,200,400番台は車いす対応のトイレが設置されています。
2017/8/5 鳥羽 キハ75-103+キハ75-1
エンジンはカミンズ社スコットランド工場製NTA-855-R-1(C-DMF14HZB 、350ps)を各車両に2基ずつ搭載、変速機は新潟コンバータ製C-DW14Aでトルクコンバータを用いる変速段が1段に加え、直結段が2段となっています。最高運転速度は120km/hで、キハ85系と同等の性能を有します。ブレーキシステムもキハ85系と同一の電気指令式で、その他機関ブレーキとコンバータブレーキも装備します。台車はボルスタレス式で、ヨーダンパを装備したC-DT60形です。
2017/8/5 伊勢市 キハ75-301他
連結器はJR東海の気動車として初めて電気連結器付き密着連結器が採用されました。冷房装置は駆動エンジン直結式のC-AU30形を屋根上に2基搭載しました。
番台区分
0・100番台 (1次車:1 - 6 新宮・鳥羽・下呂・多治見向き&トイレ付き、101 - 106 名古屋・岐阜向き&トイレなし)
1993年、快速「みえ」用として2両編成6本(12両)が日本車輌製造で製造された。
座席はシートピッチ940mmの転換クロスシート(一部固定)で、2000年代に入ってからはドアチャイムも設置されています。なお、0番台には車内公衆電話が設置されているが、0・200番台共、2007年3月18日以降使用を中止しました。
2017年4月1日現在、12両全車が名古屋車両区に配置されています。
200・300番台および400・500番台(ワンマン対応)
(2次車:201 - 208 鳥羽・下呂・多治見向き&トイレ付き、301 - 308 名古屋・岐阜向き&トイレなし)
(2次車:401 - 406 鳥羽・下呂・多治見向き&トイレ付き、501 - 506 名古屋・岐阜向き&トイレなし)
1999年に投入された2次車で、快速「みえ」の増発と急行「かすが」用キハ58系・キハ65形気動車の置き換え、また武豊線用の車両置き換えと東海道本線(名古屋)直通列車の増発を目的に日本車輌製造で製造されました。この増備により従来武豊線を走っていたキハ40系は名古屋車両区から美濃太田車両区と伊勢車両区に転出しました。
2017年4月1日現在、201・202・301・302の4両が名古屋車両区に配置されています。
1次車からの変更点は
・貫通扉上部に前照灯が増設され、車体最大高を3.9m→3.63mとしたこと。
・転換クロスシートは313系電車と同様の中折れ機構を持つタイプに変更され、シートピッチも940mm → 910mmとなり、乗降扉付近のスペースを広げ定員が増加したこと
・ドアチャイムの設置
などです。
1200・1300番台(耐寒対策)
2015年4月から6月にかけて、200-3+300-3, 200-4+300-4, 200-5+300-5の3編成に対して、冬季の寒冷地使用対策が施され、番号に1000がプラスされました。2017年4月1日現在、美濃太田区に1204+1304, 1205+1305の4両、名古屋車両区に1203+1303の2両が配置されています。
3200・3300番台(ワンマン対応・耐寒対策)
武豊線電化で転用される200・300番台に対し、ワンマン対応、耐寒対策が施されたもの。2014年3月に3207+3307編成、2015年2月に3206+3306、3208+3308編成が改造されています。3編成とも2015年3月10日付で美濃太田車両区に転属し、高山本線、岡多線で使用されています。
3400・3500番台(耐寒対策)
美濃太田区に転入した400・500番台全車に対して耐寒対策が施され、番号が+3000されたもの。2015年4月から6月にかけて実施されました。これで400・500番台は番台消滅しました。
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