「北斗」の名称は元々1950年から1965年まで上野駅 - 青森駅間を常磐線・東北本線経由で運行する夜行急行列車に使用されていました。これは当時の列車愛称命名方法の基準であった「夜行列車名は天体名にちなむ」が元になっています。
1950年10月 日本人用列車で201・202列車が運行再開。11月には201・202列車が「みちのく」、203・204列車が「北斗」の東北本線・常磐線の日本人用列車では初の列車愛称を命名されるとともに、「みちのく」では1等寝台に限り函館 - 札幌間急行1・2列車からの青函連絡船客車航送連絡を開始。
1959年9月 「北斗」を寝台車中心にした寝台列車化の編成変更を行い、「十和田」は座席車主体の組成に変更。
1965年10月1日 青函連絡船就役船の津軽丸型置換えに伴い運航時間を4時間30分から3時間50分に短縮。「はくつる」は尾久客車区移管と12両編成に増強し、一ノ関が通過になる。共通運用として「北斗」を格上げする形で常磐線経由寝台特急「ゆうづる」(5・6列車)を運転開始。
東北・常磐線の夜行急行は20系寝台特急に格上げされ、「ゆうづる」となり、「北斗」の名称は北海道のキハ82系特急(名称としては3番目)になりました。
登別を行くキハ82系特急「北斗」 1975/8
「北斗」の名称は北斗七星に由来し、北斗七星が北極星を指し示す星座とされることから、「北都 = 札幌行きの列車」とのイメージが重なり、青函連絡船からの旅客を受けて北へ向かう特急列車の愛称として採用されたといわれています。ただし、当初の運行区間は函館駅 - 札幌駅 - 旭川駅間であり、純粋な函館駅 - 札幌駅間の特急列車には、当初「エルム」と別名称が与えられました。
1965年10月1日:函館駅 - 旭川駅間を函館本線・室蘭本線・千歳線経由で運行する特急列車として「北斗」が1往復運転開始。
DcDsDdDDDDc×7 所要6
おおぞら(1)、おおとり(1)、北斗(1)
函館410-1455釧路
釧路1320-005函館
函館1115-2203釧路
釧路755-1855函館
函館1345-2027旭川
旭川940-1620函館
DcD×3 所要2
北斗(付属1)
函館1345-2027旭川
旭川940-1620函館
1968年10月1日:急行「すずらん」の1往復を特急「北斗」に格上げし、函館駅 - 札幌駅間を運行。旭川駅発着列車と合わせて2往復となる。
函ハコ
DcDsDdDDDDc×8 所要7
おおぞら(1)、おおとり(1)、北斗(1)、北海(1)
函館440-1451釧路
釧路1400-010函館
函館1135-2200釧路
釧路900-1925函館
函館930-1557旭川
旭川1020-1640函館
函館445-1116旭川1710-2345函館
DcDsD×3 所要2
おおぞら(付属1)、北斗(付属1)
函館440-855札幌1220-1640函館
函館930-1355札幌1950-010函館
DcDDDsTdDDDDc×1 所要1
北斗(1)
札幌730-1155函館1625-2046札幌
ここで特筆すべきは、尾久から転属したキサシ80-1が耐寒工事のみを施工されて、キサシの状態で北斗専用編成に組み込まれて約1年間活躍したことですね。同車は、1969年12月27日に五稜郭工場(現・五稜郭車両所)で改造され、キシ80-903になり、1975年3月13日に廃車になっています。
特急「北斗」の編成は函館よりに3両の付属編成が着いています。 1975/8 登別
1969年10月1日:特急「北斗」の札幌駅発着列車の名称を「エルム」に変更。急行「すずらん」の1往復を特急に格上げし、函館駅 - 旭川駅間の特急「北斗」を増発(「北斗」自体は2往復のまま)。 なお、「北斗」増発列車には奥羽本線特急「つばさ」をキハ181系特急用気動車に置き換えて、捻出したキハ82系気動車を使用する計画であったが、「つばさ」用キハ181系の落成が1970年2月にずれ込んでしまい本改正に間に合わず、増発した「北斗」には急行用気動車であるキハ56系気動車によって運行された。このため、特急料金の100円引きがなされた。この措置はキハ82系気動車が導入されたことで解消される。
DcDsDdDDDDc×9 所要8
おおぞら(1)、おおとり(1)、北斗(1)、北海(1)、エルム(1)
函館445-1455釧路
釧路1405-025函館
函館1145-2205釧路
釧路855-1925函館
函館940-1600旭川
旭川1020-1640函館
函館450-1110旭川1730-2400函館
札幌735-1200函館1625-2053札幌
DcDsD×3 所要2
おおぞら(付属1)、北斗(付属1)
函館445-900札幌1215-1640函館
函館940-1405札幌2000-025函館
DcD×1 所要1
エルム(付属1)
札幌735-1200函館1625-2053札幌
1971年7月1日:特急「エルム」が「北斗」に吸収され廃止。「北斗」3往復となる。また「北斗」の1往復を函館駅 - 札幌駅間の運行に短縮。
DcDsDdDDDDc×10 所要9(臨時+1)
おおぞら(2)、北斗(3)、北海(1)、オリンピア(臨時1)
函館440-1456釧路
釧路1405-025函館
函館1145-2215釧路
釧路900-1925函館
函館940-1555旭川
札幌1030-1455函館1625-2053札幌
札幌735-1200函館1420-1850札幌
旭川1025-1640函館
函館445-1110旭川1730-2400函館
函館925-1356札幌2110-230函館
DcDD×7 所要6
おおぞら(付属2)、北斗(付属3)
函館440-900札幌1215-1640函館
函館940-1405札幌2000-025函館
札幌1030-1455函館1625-2053札幌
札幌735-1200函館1420-1850札幌
函館1145-2215釧路
釧路900-1925函館
1972年3月15日:函館駅 - 旭川駅間(函館本線・室蘭本線・千歳線経由)の特急列車を「おおぞら」に移行。「北斗」は函館駅 - 札幌駅間のみ2往復となる。この改正で札幌運転区(札サウ)開設。
函ハコ担当分
DcDsDdDDDDc×10 所要9(臨時+1
札幌車と運用)
おおぞら(3)(臨時+1)、おおとり(1)、北海(1)(臨時+1)、北斗(臨時1)
函館445-1455釧路1635-2235札幌
札幌700-1253釧路1420-020函館
函館1140-2147釧路
釧路910-1930函館
函館935-1945釧路
釧路640-1640函館
函館1145-2146網走
網走900-1905函館
函館450-1105旭川1725-2355函館
札幌2320-510函館700-1121札幌1700-2125函館2355-515札幌
DcDsDDDc×3 所要2
おおぞら(付属1)、北斗(臨時1)
函館935-1539旭川1940-220函館
函館155-820旭川1030-1640函館
DcDD×5 所要4(臨時+1)
おおぞら(付属2)、北斗(付属2)(臨時+1)、北海(臨時1)
函館445-855札幌1020-1445函館1615-2038札幌
札幌2320-510函館700-1121札幌1700-2125函館2355-515札幌
札幌735-1155函館1425-1836札幌2005-020函館
函館1140-2147釧路
釧路910-1930函館
札サウ担当分
DcDsDdDDDDc×2 所要2
北斗(2)
札幌735-1155函館1425-1836札幌
札幌1020-1445函館1615-2038札幌
Dc×1 D×1 Ds×1
1972年10月に秋アキより、元「はつかり」用キロ80をキハ82に改造したキハ82-901, 902が転入
キハ82-901は1968年10月改正で特急「はつかり」の運用終了後、12月に大宮工場でキハ82に改造し、大ムコに転属、1972.3に秋アキに転属、1972.10に札サウに転属
キハ82-902はキロ80-5のまま、1969.5秋アキに転属、1970.2にキハ82-902に改造され、鹿カコに配置、9月に天ワカに転出、1972.3に秋アキに、1972.10に札サウに転属
当時 札サウに配置された元特急「はつかり」用のキロ80 1、 5からの改造によるキハ82-900番台(901, 902)を組み込んだ特急「北斗」
1973年10月1日:急行「すずらん」の1往復を特急「北斗」に格上げし、「北斗」が3往復に増発。
函ハコ担当分
DcDsDDDDc×3 所要2
おおぞら(付属1)、北斗(臨時1)
函館935-1535旭川2000-220函館
函館155-820旭川1035-1640函館
DcDD×6 所要5
おおぞら(付属2)、北斗(付属2)、北海(付属1)
函館445-850札幌1025-1445函館1615-2028札幌
札幌737-1155函館1425-1832札幌2010-020函館
函館1140-2142釧路
釧路920-1930函館
函館450-1105旭川1735-2355函館
札サウ担当分
DcDsDdDDDDc×3 所要3
北斗(2)、オホーツク(1)
札幌737-1155函館1425-1832札幌
札幌1025-1445函館1615-2028札幌
札幌700-1243網走1615-2200札幌
DcDsDDDDc×1 所要1
北斗(1)
函館740-1158札幌1700-2125函館
Dc×2 D×2
Ds×1 Dd×1
1981年10月の改正で札サウのキハ82系による担当は消滅
札幌駅で出発待ちをする特急「北斗」 1975/8
1981年10月1日:特急「おおぞら」の1往復を札幌駅で系統分割し、札幌駅以南を「北斗」としたことにより、「北斗」が4往復となる。
函ハコ
DcDsDdDDDDc×7 所要6
おおぞら(1)、おおとり(1)、北海(1)、北斗(3)
函館445-857札幌942-1414函館1900-2325札幌
札幌805-1326釧路1715-2240札幌
札幌723-1153函館1455-1916札幌2000-020函館
函館1140-2157網走
網走858-1924函館
函館450-922札幌1355-1858函館
DcDsDdDDDc×2 所要1
北斗(1)
函館740-1159札幌1736-2200函館
DcD×7 所要6
おおぞら(付属1)、おおとり(付属1)、北海(付属1)、北斗(付属3)
函館445-857札幌942-1414函館1900-2325札幌
札幌805-1326釧路1715-2240札幌
札幌723-1153函館1455-1916札幌2000-020函館
函館1140-2100北見
北見956-1924函館
函館450-922札幌1355-1858函館
Dc×8 D×18 Ds×3 Dd×2
1983年6月1日:「北斗」1往復にキハ183系を投入。食堂車の連結なし。
DcDsDdDDDDc×6 所要4
おおとり(1)、北海(1)、北斗(2)
函館445-857札幌945-1414函館1455-1916札幌2000-020函館
函館1140-2157網走
網走858-1924函館
函館450-922札幌1355-1858函館
DcDsDdDDDc×2 所要1
北斗(1)
函館740-1159札幌1736-2201函館
DcD×6 所要4
おおとり(付属1)、北海(付属1)、北斗(付属2)
函館445-857札幌945-1414函館1455-1916札幌2000-020函館
函館1140-2100北見
北見956-1924函館
函館450-922札幌1355-1858函館
Dc×2 D×6 Ds×3
183系も進出する中、老体にむち打って活躍していたころのキハ82系 特急「北斗」 1983/8 札幌
1985年3月14日:臨時急行「すずらん」を特急「北斗」に統合し、「北斗」が5往復に増発。 ただし、この1往復は1986年10月31日まではキハ82系を使用し、列車番号が6000番台の季節列車の扱いであった。
DcDsDDDc×1 所要1
北斗(1)
札幌845-1319函館1630-2047札幌
1986年11月1日:特急「北海」の廃止および「おおぞら」1往復の系統分割により、「北斗」が3往復増発され8往復となる。なお、このとき「北海」の代替の「北斗」1・16号は、青函連絡船深夜便との連絡の兼ね合いから他列車より停車駅を少なくして速達性を高め、全車座席指定席制とした。
今回はここまでです。キハ183系、キハ281、283系による「北斗」「スーパー北斗」は明日以降の記事で。
今回も、Wikipediaの東北線優等列車、特急北斗の記事、「キハ80系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 一覧」を参考に纏めました。
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