JALは1995年にBoeing 737-400を導入、さらに1999年には伊丹を拠点にしたローコスト運航を目指したJEXを設立、737-400はその主力として活躍範囲を広げて行きました。
2004年4月、JALとJASが統合され、JALのローカル線は一気に拡大、さらにJASが保有していたMD-81/MD-87/MD-90がフリートに加わり、ローカル線用機材は65機体制となりました。
こうなると整備コスト、乗員養成・訓練コストが膨大なものとなるため、小型機の機材統一を目指し、機種選定を進めました。
さらに羽田空港のD滑走路の工事が進み、供用開始となれば中・小型機による高頻度運航が重要な戦略となるため、150席機はその戦略の中核に位置づけられることになりました。
そこで選定の俎上に登ったのがBoeing 737NGシリーズ、Airbus A320ファミリーの2候補でした。両者ともJALの評価ポイント的にはほぼ互角でしたが、経済性の面で737NGの方が評価が高く、737NGの導入になったそうです。
2005年2月4日、確定30機、オプション10機、737-800シリーズを発注、導入は2006年度以降と発表され、同年5月に30機をまず発注、以降3回の追加発注に加え、オペレーティングリースによる導入も進め計50機導入することになりました。
2017/4/22 HND JA301J
初号機JA301Jは2006年11月14日に受領、11月16日にボーイングフィールドを出発し、ホノルル、マジュロ、グアムを経由して11月19日に羽田に到着しました。2007年3月1日に羽田~山口宇部線に初就航しました。コンフィグはクラスJ20席、普通席145席の165席仕様でした。
ANAはBoeing 737-700の一部を内際兼用として運用し、-800は国内線専用にしているのに対して、JALのBoeing 737-800は9機が国際線仕様機となっています。それは明日の記事で触れる予定です。
2015/1/8 NRT JA308J 当時はJEXのタイトルでした。
同機2017/4/15に羽田で撮影したときはJALタイトルになっていました。
2017/4/15 HND JA323J こちらはいまだにJEXタイトルで残る
いまだにJEXタイトルの機体はこの他、JA326J、JA344Jなどを確認しています。
2011/9/4 NRT JA337J
JEXタイトルに”がんばろう日本”が加えられていました。現在はJALタイトル
2007年10月以降に受領した機体はJEXタイトルで導入となり、JEXも-800の運航を担当することになりました。JEXは2009年5月から関西~杭州、成田~杭州線の運航をJALから委託され、国際線にも進出しました。それでこの時期、成田でJEX機を見かけるようになったのですね。
2017/5/1 HND JA350J
JAL Boeing 737-800シリーズの最終号機
JALは経営破綻後も737-800の導入をペースを落とすことなく続け、自社発注機とジャクソン・スクエア・アビエーションからのオペレーティングリース機(*)も加え、ほぼ毎月1機のペースで導入が進みました。その結果、MD-87に続いて、2010年9月にMD-81、2013年3月にMD-90が退役しました。さらにJEXは2014年10月にJALに統合となり、会社は消滅、737-800はJALの単独運航機種となりました。
(*)737-800のリース機
JA306J、JA307J、JA313J、JA314J、JA319J、JA321J、JA322J、JA324J、JA325J、JA326J、JA327J、JA328J、JA329J、JA330J、JA331J、JA335J、JA336J、JA337J、JA338J、JA339J、JA345J、JA346J、JA349J、JA350J
2011/7/29 NRT JA8991
JALメインタイトルにJAL EXPRESSと入ったJEX運航委託機
一方、JALが1995年から導入し、JEXが運航していたBoeing 737-400は2005年10月28日、クラスJの設定が決まり、2006年から2007年にかけてモノクラス150席からクラスJ20席、普通席145席の165席仕様に改修されました。JTAが運航するJA8938、JA8939についても同様の改修が行われることとなりました。
2017/5/14 HND JA8995
羽田国際線ターミナルから見ていると、圧倒的に多いウイングレット付きの737-800に混じって、ウイングレットなしの737が下りてきたらJTAの737-400だったという感じです。
機首には南十字星に「うちなーの翼」、ドアサイドにはでいこの花が描かれています。
2017/4/22 HND JA8992
現在、JTAのBoeing 737-400にはこのピンクのジンベエジェットの他、青のジンベエ(JA8939)、南西航空のレトロ塗装・SWALジェット(JA8999)とスペマーが多く存在します。
JAL、JEXに新世代機として737-800が2007年3月から導入されると、JTAの737-400の退役が検討されるようになり、まずはハパグロイドから導入されたJA8953が2009年11月にラインオフ、2012年10月までに中古導入7機が退役しました。それと入れ替わるようにJALが導入、JEXが運航していたJA8991以下8機はJTAに移管となりました。
2013年4月からはJTA導入機の退役も開始され、初号機JA8523、続いてJA8524が登録抹消、2013年11月にはJA8940、2014年5月にはJA8526と続き、現在は11機体制となっています。
これらの737-400シリーズも就航から20年以上が経過し、JTAは2014年3月に後継機737-800の12機の導入を決定、JA01RK、JA02RKが2016年1月24日に那覇に到着、2月から就航しており、-400は2019年6月までに全機退役と決定しているそうです。なお、この契約では後半に受領する6機は737MAXに変更できるオプション契約となっており、もしこのオプションが実行されるとJTAが日本で最初に737MAXを運用する航空会社になるかも知れません。
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