毎年1月に開催されるゲノム、遺伝子関係の学会参加で2000年代に入ってからSan Diegoにはよく出張し、そのついでに空港でのスポッティング、市内でのTrolleyなどの鉄道の撮影をしました。
空港で撮影した旅客機の写真、アメリカのメジャーキャリアの写真は他の空港でも撮影しているので避けてきましたが、ネタも底をついてきましたので今回からは既に他空港の写真で紹介済みのメジャーキャリアの写真を紹介しようと思います。
最初はデルタ航空のBoenig 767-300です。
N129DL Boeing 767-332 cn 24079 ln 209 2003/1/13 SAN
デルタ航空はジョージア州アトランタ (Hartsfield–Jackson Atlanta International Airport)に本拠地を置く航空会社です。航空連合ではスカイチーム(他にAir France -KLM, Alitalia, Virgin Atlantic, Virgin Australia)の創設メンバー、中心的な航空会社でもあります。日々5400便を運航し、六大陸の64カ国、334を目的地とするネットワークを構築しています。ローカルサービスは傘下のDelta Connection が担当しています。

1924年5月30日にHuff Daland Dusters, Incorporated という作物の散布作業会社としてジョージア州Maconで設立し、1928年9月13日、買収により、ルイジアナ州モンローに移転しDelta Air Serviceと改名しました。
社名はミシシッピーデルタに由来するそうです。1929年6月17日から旅客サービスを開始し、1941年アトランタに移転しました。世界で6番目に古い航空会社であり、現存するアメリカの航空会社としては最長の歴史を持つ会社です。ちなみにデルタ航空の歴史において吸収されたWestern航空は1926年に、Northwest航空は1927年に旅客サービスを開始していました。
デルタ航空の86年間の歴史は合併に次ぐ合併の歴史でもあり、それを見てみると
1) Chicago and Southern Air Lines 1933年に設立 1953年統合 1953年に合併し、2年間Delta-C&Sの社名が使われました。
2) Northeast Airlines 1931年に設立 1972年統合
3) Northwest Airlines 1926年に設立 2010年統合 Northwest Orient Airlinesの時代もありました。
4) Republic Airlines 1979年に設立 1986年に Northwestが統合
5) Hughes Airwest 1968年 Air Westとして設立 1970年にHughes Airwestに 1980年 Republicと統合
6) Bonanza Airlines 1945年に設立 1968年にAir Westと統合
7) Pacific Air Lines 1941年に設立 1968年にAir Westと統合
8) West Coast Airlines 1941年に設立 1968年にAir Westと統合
9) North Central Airlines 1944年にWisconsin Central Airlinesとして設立 1952年に改名 1979年にRepublic Airlinesと統合
10) Southern Airlines 1944年に設立 1979年にRepublic Airlinesと統合
11) Pan American World Airways 1927年に設立 1991年の倒産時にDeltaが資産とルート権を購入
12) Atlantic, Gulf, and Caribbean Airways 1927年に設立 1928年にPan AMと統合
13) American Overseas Airlines 1937年に設立 1950年にPan AMと統合
14) Aviation Corporation of the Americas/American International Airways 1926年設立 1928年にPan AMと統合
15) National Airlines 1934年に設立 1980年にPan AMと統合
16) Western Airlines 1925年に設立 1987年にDeltaと統合
17) Standard Airlines 1927年に設立 1930年に Western Airlinesと統合
まさに資本主義国家アメリカを象徴する食いつ食われつの統合劇の繰り返しのように見えます。
N1200K Boeing 767-332ER cn 28457 ln 696 2002/1/17 SAN
第二次世界大戦の際には米軍への協力を余儀なくさせられ、戦後は規模を急速に拡大させました。
1955年、アトランタにおける「ハブ&スポーク」の乗り継ぎシステムが確立し、1960年代にはDouglas DC-8などのジェット機を導入し、1970年代には機材はジェットで統一されました。
1987年、太平洋路線に進出し、DC-10でポートランドから成田に就航、1991年にはPan AMから大西洋線とヨーロッパ路線を買収しました。
2005年、原油価格高騰による燃料費増加で収益が悪化、さらにハリケーンカトリーナにより、地盤のアメリカ南部が被害を受け、経営危機に陥りましたが、2007年5月1日には連邦倒産法からの脱却に成功し、ニューヨーク証券取引所への再上場も果たしました。
Boeing 767フリートは
N101DA ln6 からN115DA ln 83までの-200タイプ 20機 すべて-232 (5機は発注のみ)
N116DL ln136 から N143DA ln 721までの-300タイプ 30機 すべて-332
N171DN ln 304 から N1613B ln 847までの-300ERタイプ 60機
N828MH ln 791 から N845MH ln874までの-400ERタイプ 21機 すべて-432(ER)
-200は既に全機リタイアしており、多くはABX Airで第二の機生を送っています。N102DAは"The Spirit of Delta" として有名な機体で保存されています。
-300の約半数は未だ現役ですが、初期の機体はハワイアン航空に売却され、N594, 596, 597, 598HAのレジで登録されています。
写真のN129DLもまだ現役です。
-300ERは一機N179DZ cn 30597 ln 797 がB-4025になり、中国空軍機になった機体があるもののそれ以外は全て現役です。上の写真のN1200Kも現役です。
N830MH Boeing 767-432ER cn 29701 ln 803 2003/1/20 LAX
-400ERは以前、ORDとEWRの話題でも出てきましたが、-300の胴体を21.1ft (6.43m)延長し、ウイングスパンも14.3 ft (4.36m) 拡大し、raked wingtipsを装着し、脚長も再設計し、操縦席を777タイプにした機体で、まさにデルタ航空の要望で作られた派生型でした。エンジンはP& W PW4000 とGEのCF6が選択できました。結局、デルタとコンチネンタルのみが購入し、バーレーンの王室がVIP機として購入した以外は売れなかった機体です。

にほんブログ村

最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
最近のコメント