2019年8月 7日 (水)

公園保存蒸機 C60 1号機 仙台西公園 

猛暑の中国地方から、猛暑の関東地方に戻り、一気に4日分アップして、些か脱力状態ですが、通常公開を再開します。

今回からの3記事は2016年10月第31回新幹線車両基地公開参加のためにの仙台周辺の保存車両を訪問した際のものです。思えばこの年の秋は10月15日下関総合車両所公開10月22日に仙台・利府、10月29日には高崎ふれあいデー11月5日は西武鉄道横瀬車両基地公開11月12日富士急電車祭り11月19日は幕張車両センター(マリフェス)、12月4日東武ファンフェスタとほぼ毎週のように鉄道イベントに参加し、東奔西走状態でした。

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2016/10/21 仙台青葉区西公園 訪問したのはオープンを翌日に控えた10月21日でした。

仙台西公園は青葉区桜ヶ丘にあり、裏には広瀬川が流れ、仙台駅前から続く青葉通り、広瀬通りが広瀬川に至る場所にあります。仙台市内で最も古い都市公園だそうです。

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煙室扉やエプロンの形態、九州鉄道記念館に保存されるC59 1号機と共通で、京都鉄道博物館(梅小路)のC59 164号機、広島子ども文化科学館のC59 161号機とは異なっているのがわかります。


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蒸機C60形は特甲線用のC59形が東海道本線、山陽本線などの電化後、他の路線で運用出来るように1953年から55年、60年61年に国鉄浜松、郡山工場で従台車を1軸から2軸に改造し、軸重を軽減した形式で戦前タイプのC59 1~100から改造されたものは0番台1~39、戦後型C59 101以降から改造されたものは100番台101~108とされました。

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動輪径はC59~C62まで国内蒸機最大の1750mmです。逆転器リンクプレートの形態はD51形などとは異なっています。

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炭水車に関しても台枠が見えるのが戦前形C59の特徴です。

東北と九州に配置され、東北本線、常磐線、奥羽本線(秋田以北)、鹿児島本線(鳥栖以南)、長崎本線などで活躍、東北ではヨンサントウのダイヤ改正まで、九州では1970年の鹿児島本線全線電化まで活躍しました。

C60 1号機はC59 27号機からの改造で1968年の引退後、仙台市に移管、翌年から青葉区西公園に静態保存されてきました。2007年から開始された西公園の再整備事業に合わせ車体外観の塗装と運転台内部の改修がなされ、2016年に完成しました。

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2016年6月29日 (水)

公園保存蒸機 C59 161号機 広島子ども文化科学館

全国の公園等に保存されている蒸気機関車を見て歩くシリーズ、今回は2014年12月の広島、四国西南部旅行で訪れた広島子ども文化科学館のC59161号機です。

C59_161_141218 2014/12/18  広島子ども文化科学館

以前、C6120号機の話題ででも触れましたが、前輪軸のうち、前の方は水かき付きスポークタイプ、後ろの方はプレートタイプです。

場所はこの地図からも分かるように相生橋の北側、相生通の原爆ドームの北側になります。

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C59形は我が国の旅客用パシフィック機としてC51, C53の伝統を受け継いだ本線優等列車用の機関車で1941年から1943年までに100両、1946年から1947年までに73両が製造されましたが、133-155は緊縮財政の結果、キャンセルとなり欠番となりました。ただ、軸重が重く、幹線の電化が進むと転用の可能性が限られ、一部は従台車を2軸にしたC60形に改造されましたが、1970年までに全機運用から外れ廃車となりました。

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そのため完全な形で保存された車両は 以下の4両でした。
1号機 九州鉄道記念館に保存
161号機 本記事
164号機 京都博物館 梅小路機関区
166号機 JR西日本社員研修センター 2006/9/1 解体撤去

現在は3両が残っています。

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C59形の炭水車は航続距離の確保のため、石炭10t、水25立方mの大容量タイプでそのため、戦後タイプのC59形はC62を上回る全長でした。

C59_161_141218_26 助手席側のキャブ前には潅水洗浄装置が取り付けられています。

C59_161_141218_11 キャブ内にも立ち入り可能ですが、メーター、水位計などのガラス類は殆ど欠如していました。

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2015年9月27日 (日)

40年ぶりの梅小路蒸気機関車館 18 C59 164号機

2014年8月10日、台風の接近する中、40年ぶりに訪問した梅小路蒸気機関車館、あれから1年1ヶ月、すでに来春開業の京都鉄道博物館開業に向けて新たな準備が始まっています。今回は鉄道省設計の幹線旅客用蒸機C59形164号機です。

C59_164_140810_59 C59 164号機 2014/8/10 梅小路蒸気機関車館

164号機は瀬野八の補機経験もあるため、走行解放用の開錠装置が残されています。

以前にも書いていますが、幹線旅客用蒸機は1930年代末まで3シリンダーのC53形が活躍していました。C53形は低重心とスムーズな走行性能を持つものの、複雑なグレズリ-式弁装置のため、故障等による年間の休車日数が他形式と較べ格段に多いという問題を抱えていました。

C59_164_140810_24 C59形の第一動輪 1750mm径のボックス輪心

C53形が97両まで製造された後は、当時、南アフリカ国鉄がユニオンリミテド用に設計した1830mm径動輪の16E形に対抗して1850mm径動輪の蒸機を計画したりもしましたが、結局、線路設備を考慮してC51形以来の1750mm径動輪を持つ、軸重16.8tの蒸機で設計されることになりました。

C59_164_140810_17 ボイラーはD51のボイラーを基本に設計

ボイラーはD51形のものを基本としながら、3缶胴構成、ストレートタイプ、圧力を16.0kg/cm²まで引き上げ、煙管も長煙管構造としました。ただ、長煙管のために熱効率が低いという問題点もあったそうです。

下回りは、C57形式についで2-C-1のパシフィックとしました。台枠は棒台枠、動輪はボックス輪心、弁装置はワルシャート式、先台車はエコノミー式復元装置付きLT219、従台車はばね式LT156・156Aとしました。設計上の問題点として、従台車に過度の重量負担がかかり、車輪の摩耗、タイヤの亀裂、緩み等の問題が多々発生したそうです。

C59_164_140810_25 先台車の車輪、前輪はボックスタイプ、後輪はスポークタイプ

シリンダーはボイラー使用圧力の高圧化に合わせ、C51形と同じ行程長ながら直径を縮小、シリンダーブロックは通風を穏やかにするために排気膨張室が組み込まれ、ピストンはC57形同様のH型断面のものが採用されました。

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運転台はC58形同様の密閉構造となり、炭水車は航続距離確保を考慮して石炭10t 水25立方メートルを積載可能な10-25・10-25A・10-25Bとなりました。

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これまで見てきた蒸機のなかで炭水車は高く、長い 水容積を十分に確保した構造のように感じます。

全長は21,575mmで国産最長の蒸機となりました。

C59_164_740929 1974/9/29 訪問時の写真

C59164号機、その履歴は沖田祐作氏の機関車表によると、

C59164     日立製作所笠戸工場=1999           1946-07-31 S80.30t2C1T(1067)
   車歴;1946-07-31 製造→1946-08-10 発送納入;国鉄;C59164→ 配属[達438];大阪局→
      1946-07-31 竣工→1946-08-16 配置;梅小路→1946-08-18 使用開始→
      1946-12-31 現在;梅小路→1950-08-10(8/11 着)糸崎→ 第一先輪をスポーク車輪に交換→
      1970-09-00 休車(保存予定)→1971-08-12(8/11?)奈良→
      1972-09-30 発(10/2 着)梅小路→1979-03-28 廃車;梅小路→
      保存;京都府JR 西日本「梅小路機関車館」;C59164(最終走行距離=2,002,879㎞)

落成は日立製作所笠戸工場で戦後の1946年7月31日新製配置は梅小路機関区、1950年に糸崎区に移りましたが、最後は呉線で活躍しました。

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2015年5月 2日 (土)

九州鉄道記念館訪問 その3 C59 1号機

2004年10月17日に訪問した九州鉄道記念館の話題、今回はC59 1号機です。

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C59 1 2004/10/17 九州鉄道記念館

C59形蒸気機関車は鉄道省設計によるC51形,C53形と続いた幹線旅客列車用大型蒸気機関車最後の純新製形式となった蒸気機関車です。

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梅小路蒸気機関車館の記事で紹介したC53形式は3気筒式であり、複雑なグレズリー式弁装置を搭載していたため、検修側の不慣れな部分も多く、年間休車日数が格段に多いという問題を抱えていました。現場からは保守が容易で、同等以上の性能を有する新型機関車を求める声が増していたそうです。

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当時の新型蒸機としては南アフリカ国鉄がユニオンリミテド**用として設計した1830mm径の動輪を有した16E形が有名であり、我が国でも大動輪機関車の設計が考案されたようですが、東海道・山陽線をもってしても設備的には満足でないことが明らかであり、C51形以来の1750mm径、軸重16.8tの機関車として設計されました。

**)南アフリカ共和国のUnion Limitedは今日Blue Trainとして運行されている列車の祖先にあたる列車でUnion Expressとともに首都のヨハネスブルクからケープタウンの港までを結んだ豪華列車で1923年に運行が開始されました。1933年には食堂車が1939年には冷房付きの客車が導入されました。

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C59形式はこれまでの日本の大型蒸機の進化を反映しており、

1)2気筒、パシフィック方式 2C1の軸配置

2)3缶胴式ストレートボイラー、当時設計中のD51形を基本とし、圧力を引き上げ、長煙管構造に

3)棒台枠、動輪はC57形からのボックス輪心

4)ワルシャート式弁装置

5)エコノミー式復元装置を備えたLT219先台車とばね式LT156,156A従台車

6)キャブはC58形と同じ密閉構造

7)炭水車は長距離運転可能な石炭10t、水25立方メートル積載可能タイプに
といった構成となり、全長は21.575mと国産蒸機最長になりました。

川崎車輌、汽車製造、日立製作所の3社で1941年から1943年に100両、戦後の1946年から1947年に73両が製造されました。番号は、133-155が財政難でキャンセルとなり、1-132、156-196となりました。

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C6120の記事で話題になった丸穴ウエップ付き先輪が見えます。

生まれながらの本線用旅客大型蒸機として特急列車の先頭に立ち、C62形登場後はその地位を譲りましたが、お召し列車牽引の大役はC62形登場後もC59形が担当しました。

戦前タイプを中心に運転中に発生したトラブルが3つ存在したそうで、

1)従台車の荷重負担の過大

2)ボイラーの天井板の膨潤

3)長煙管による熱効率の低下

1)は重量配分に関する設計上のミスであったようで、従台車の軸重は14.7tに達し、摩耗の進みが異常に早く,タイヤ緩み、亀裂などのトラブルに悩まされました。2)は材料に用いた鋼板の圧延品質が準戦時下で低下したことが原因とされています。3)本来、長煙管設計とともに燃焼室を設けていればなかったトラブルで戦後形では燃焼室が付加され問題が解決されたそうです。一方で、排出される蒸気の平滑化を図るために排気膨張室がシリンダーブロック内に設けられているために長煙管とともに、より通風抵抗を大きくしていたようです。

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従輪も丸穴ウエッブ付きのタイプです。

C59形は幹線用として設計・運用されたため、幹線が戦後、電化されると働き場を失って余剰が早く出ることになりました。そこで従台車を2軸化改造したのがC60形で、1953年から1955年、1960年、1961年に浜松工場と郡山工場で47両が改造され、軸重は15tとなり、亜幹線への入線が可能となりました。C59の戦前形からの改造機は1番からの番号が与えられ、1-39に、戦後形からの改造機は101番から符番され、101-108となりました。

改造されなかったC59は呉線、鹿児島本線(門司港~熊本),東北本線(上野~一関)で活躍し、C60は東北本線、常磐線、奥羽本線(秋田~青森)、鹿児島本線(鳥栖以南)、長崎本線で活躍し,特急・急行の牽引を行いました。しかし、1970年までに運用から撤退し,全車廃車となりました。

全体保存機は1,161,164の3両で、この1号機の履歴は沖田祐作氏の機関車表データでは

C591      汽車製造大阪工場=2000            1941-05-24 S80.30t2C1T(1067)
   車歴;1941-05-24 製造→ 納入;国鉄;C591→ 配属;名古屋局→1941-06-03 配置;名古屋→
      1941-06-07 使用開始→1953-12-02 姫路二→1956-11-01 門司港→
      1962-09-01(8/26?)熊本→1965-10-07 休車;荒尾支区留置→
      1965-10-22 廃車[達559];熊本→
保存;福岡県JR 九州「小倉工場」(西部支社準鉄道記念物);C591→
      2003-08-09(開館日)移管保存;福岡県北九州市「九州鉄道記念館」;C591

1941年5月24日、汽車製造大阪工場製造番号2000の車両として誕生し、名古屋に配置され,東海道本線の旅客列車牽引を担当しました。戦後は電化の進展に合わせて、姫路二、門司港と異動し、1965年10月、熊本で廃車となりました。その後は長らく小倉工場で保管されており、九州鉄道記念館開館に合わせて移管されました。

呉線で長らく活躍した164号機が動態保存機として梅小路に保存され、161号機が広島に保存されていますが,3両とも見学しているので後の2機も近々紹介の予定です。

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2015年2月28日 (土)

水郡線営業所公開 その5 C61 20号機 part1

2014年11月30日の水郡線営業所公開、最後はこのイベントの目玉であったC6120号機について触れます。

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常陸大子で休むC6120号機 2014/11/30

国鉄蒸気機関車C61形式は戦後、復員兵輸送や買い出し列車などで旅客需要が急増し、一方で終戦による貨物需要の落ち込みで、旅客用機関車は不足し、貨物用機関車は余るといった状況を解決する妙案として、機関車の新規製造はGHQの許可が必要であったので、D51を旅客用に転用改造して生み出された形式です。

あまり状態の良くなかった戦争末期製造のD51を種車として、三菱重工業、日本車輌製造によって33両が改造されました。改造名義といっても流用したのはボイラーと一部の部品で中には殆ど新造に近い機関車もあったそうです。

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表1 C61 33両とボイラーを提供したD51の対応関係 Wikipediaを参考に作成

表1のように1947年から1948年にかけて改造され、33両のうち、1~21号機を三菱重工業が、22~33号機を日本車輌製造が担当しました。

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2軸従台車

足回りはC57をベースに設計し、重量増加による軸重を軽減させるため、従輪を設計変更して2軸従台車としました。同時期にD52から改造を進めていたC62形式が労働争議により、完成が遅れたため、C61形式が日本初のハドソン軸配置の機関車として登場することになりました。
常磐線などで使用されたD51にメカニカルストーカーが装備されたという話題がありましたが、このメカニカルストーカーの装備に関してもC61形式が最初となりました。

東北本線、常磐線、奥羽本線、鹿児島本線と、首都圏から離れた地方幹線に配置され、C57形やC60形と共通に運用されることが多かったようですが、ボイラ容量が大きいメリットを生かして、優等列車牽引主体に運用されました。

特に東北本線仙台以北では特急・急行がC61,補機や各停がC60となっていたようです。デビュー当初の客車特急「はつかり」(仙台~青森)、寝台特急「はくつる」(盛岡~青森)、寝台特急「はやぶさ」の九州内など、これらの線区での特急、急行牽引の華々しい歴史に貢献しています。
私は、奥羽北線(秋田~青森)の電化直前、能代を訪問した際にC61,C60の活躍するシーンを見ているのですが、写真には記録していませんでした。

最後まで残ったのは日豊本線で、1974年の宮崎電化の前には殆どが運用を外れ、1975年1月に用途廃止となりました。

保存機は動態保存機として、梅小路の2号機とこの20号機、静態保存機は18号機の前頭部が直方市に動輪が福岡市博多区の出来町公園、19号機が霧島市国分の城山公園に保存されています。

20号機に関していつものように沖田祐作氏の機関車表のデータによりますと、

C6120      三菱重工業三原工場=659           1949-07-31 S78.10t2C2T(1067)
   車歴;1949-07-31 製造(ボイラ=D511094)→ 納入;国鉄;C6120→ 配属[達174];仙台局→
      1949-07-31 竣工→ 配置;青森→1949-08-27 鶴操通過糸崎より仙台へ→
      1949-09-01 現在;青森→1955-08-01 現在;仙台→1964-04-01 現在;仙台→
      青森→1966-12-15 仙台運転所→ 青森→1969-09-12 土崎工場全検→
      1971-09-15 宮崎→1973-08-28 休車→1973-11-18 廃車[工車976];宮崎→
      保存;群馬県伊勢崎市「華蔵寺公園」;C6120

落成後の新製配置は東北で、仙台と青森を行ったり来たりしながら、東北本線全線電化の1年後、九州に移動し、宮崎で宮崎電化の前まで働き、1973年8月28日付けで引退しました。伊勢崎市の華蔵寺公園に静態保存されました。全走行距離は286万9889kmでした。

静態保存期間中も公園管理者やボランティアの方々の努力により、良好な状態が保たれ、キャブも立ち入りが制限されていたため、運転機器類の欠品がなかったのが、復活に繋がったのでしょうか。先日のD51498の記事で触れましたように、D51498号機が2008年12月に小牛田機関区で空焚き事故を起こしてしまい、約9ヶ月間運転が出来ない事態になり、予備機の重要性が認知され、D51とC57の両車の特性を持ったC61に白羽の矢があたり、2009年6月、復元の方針が表明され、同年12月正式な発表となりました。

2010年1月19日、華蔵寺公園から離れ、大宮総合車両センターへ搬送、ボイラーは大阪のサッパボイラーで修復、動輪・車輪は住友金属工業にて整備、新造が行われました。約1年をかけて、修復工事が行われ、2011年1月27日、大宮にて火入れ式が行われ、38年ぶりの復活を遂げました。もっとも、このときの火入れはあくまで儀式で、ボイラー昇圧までは行わなかったそうで、改めて2月16日、完全整備の後、再度火入れを行い、ボイラー昇圧、汽笛吹鳴試験も行われ、2月21日には構内試運転も行われました。3月31日には車籍も復活し、大宮を出場、高崎車両センターへ回送されました。
この期間中に3月11日の東日本大震災が起こっていますが、かつてC571号機が阪神・淡路大震災の時に鷹取工場に入場中で、ジャッキ上から転落、ボイラー等を損傷する事故に見舞われたことがありましたが、電力事情の悪化等で出場に遅れが出たようです。復元行程に関しては高崎支社のサイトに詳細が示されています。

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スノープラウと仙C6120の刻印

復活にあたって重油併燃設備が付加されているのが大きな変化であり、炭水車の水容量の関係から甲板内側に収まりきらずやや上に付きだした形での装着となりました。また東北形重装備としてスノープラウが常備されています。さらにその後部のステップには仙C6120の刻印がはっきり見えます。
客車側から機関車の状態(動輪軸受けの発熱を潤滑油の油温で感知)をモニターできるように、連絡ケーブル用のジャンパ栓(KE-100)も用意されました。現役時代設置されていたメカニカルストーカーは腐食が進んでいたため復元されませんでした。保安装置はATS-PとATS-Psを装備し、首都圏各線に入線可能となっています。

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テンダーの左下隅にジャンパ栓があります。また右下隅のホース接続は給水中?

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キャブ下には家庭用石炭の袋が、果たしてこの石炭を燃料として使っているのか、今の若い人にはなじみの薄い、石炭の実物展示の意味だったのか、聞くべきだったのですが、家庭用というところがなんともユーモラスに感じました。

<特徴的な先輪に関して>

C6120号機は引退時には第一先輪がプレートタイプ、第二先輪はC59初期タイプに見られる丸穴ウエップ付き先輪が装着されていたそうです。

これは1963年頃、郡山工場入場中に第二先輪を軸焼けを起こしたC6115に回し、廃車になったC59形の丸穴ウエップ付き先輪を装着して出場し、さらに1969年の土崎工場での全般検査でもC609(C5946)の第二先輪と交換されて出場したからだそうです。

わたしもこの丸穴ウエップ付き先輪というのがいまいち実感がわかなかったので、これまで撮ったC59形の先輪を見比べてみました。

C59_1_041017_2 九州鉄道記念館の1号機 2004/10/17

このタイプが丸穴ウエップ(水かき)付き先輪とわかりました。

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広島こども科学館に保存されているC59161号機 2014/12/18

こちらは第一先輪が丸穴ウエップ付き先輪、第二がプレートタイプ先輪です。

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梅小路機関区のC59164号機 2014/8/10

こちらはは第一先輪がプレートタイプ先輪、第二先輪が丸穴ウエップ付き先輪です。

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そして現在のC6120号機は両方ともプレートタイプです。

静態保存中は第二先輪が丸穴ウエップ付き先輪でしたが、復元工事でプレートタイプと交換されたWeb付き先輪は大宮車両センターに保管されているそうです。

今回は以上です。次回part2では復活後の写真をご紹介いたします。

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2014年12月19日 (金)

速報 ただ今 広島地方を旅行中

現在、広島市内に滞在しております。

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「のぞみ7号」 東京駅の出発表示 予想したとおり、雪の影響で遅れの表示も 2014/12/18

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広島到着時の表示 雪の影響で62分遅れとなりました。

18日早朝の東京6:50発の「のぞみ7号」で広島までやって来ました。新幹線に乗るのも久しぶりで、さらに新大阪以西まで乗車したのは何年ぶりかという感じです。山陽新幹線はトンネルが多いというのも改めて認識しました。

ご承知のように北海道に居座っている強烈な低気圧の影響で浜松から新大阪まで減速運転の影響で、62分の遅れで広島に到着となりました。途中、名古屋の手前から銀世界になり、京都付近まではまさに大雪の状態でした。

今回は路面電車と公園保存車両、鉄道博物館などがメインテーマで、広島から松山、伊予西条、宇和島、高知などを回る予定です。

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現在の原爆ドーム 2014/12/18

広島市内も昨日、17日の積雪の影響が残っており、平和公園や原爆ドームなどにも少し雪が残っていました。

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C59 161 2014/12/18 広島こども科学館 

まずは原爆ドームのそばの「広島こども科学館」の敷地内に保存されているC59161号機、そしてアストラム・ラインに乗車して、「広島交通科学館」を見学しました。

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3006 2014/12/18 広島駅前

広島電鉄は走る車両博物館といわれるほど、沿線で見ていても次から次へと新旧いろいろなタイプの車両が走っています。ということで広島市電もいろいろと写して来ました。

まだこの夏の旅行の報告も終わってはいませんが、いずれこの旅行の詳細報告を致します。

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