2019年12月12日 (木)

阪急電鉄 路線について その2 箕面線

阪急電鉄の路線シリーズ、今回は宝塚線と同時(1910年3月10日)に開業した箕面線です。

Dsc03723
2019/10/18 駅名標

Dsc03725
頭端式の石橋阪大前駅 5番線ホーム 4両編成の折り返し車両用のホームで箕面地区の観光散策地図が掲出されています。

Dsc03728
一方、こちらは4番線(奥)と3番線(手前)ホーム 大阪梅田方面直通列車用の8両編成分の長さがあります。 箕面方面
Dsc03729
大阪梅田方面、複線の線路がカーブの先で宝塚本線に合流します。

Photo_20191211192801石橋阪大前~牧落間は江戸時代の西国街道に並行し、桜井は宿場町・瀬川の最寄り駅です。

Dsc03742
2019/10/18 箕面駅 駅名標 箕面駅は箕面公園の入り口で正面の山には温泉ホテルがならび、阪急の駅では最も標高と高い駅です。

池田市の石橋阪大前駅(2019年10月1日から現駅名に、それまでは石橋駅)から箕面市の箕面駅までの4.0kmの路線で全線複線、駅数は起終点駅を含めて4駅です。

開業当時は梅田から石橋を経由し、箕面、箕面から石橋、宝塚を結ぶ運行形態をとっていたため、石橋駅はデルタ線、箕面駅はループ線の線路形態だったそうです。

また、阪急電鉄は宝塚線の混雑緩和のため、中間の桜井駅から分岐し、西国街道(現在の国道171号線、大阪外環状線、イナイチ)沿いに東進し、千里線千里山駅に至る路線の事業免許を1961年12月に取得し、新線建設計画(千里山延長線)を立てていましたが、大阪府からの要請で千里線が北千里方向に延長されたことと、宝塚線の輸送力増強などにより、この計画は消え、免許も1972年12月に破棄されました。

運行形態は平日の朝ラッシュ時に大阪梅田駅直通の普通列車がありますが、それ以外は10分間隔の線内折り返し運転となっています。

5100-5134-191018-2_20191211193501
この日が運用に入らず、箕面駅で休んでいた5134F

6000-6114-191018_20191211193901 2019/10/18 箕面駅に到着する6014F

車両は箕面線専用の4両編成が用意されており、
5100系 5132F 5134F
6000系 6014F 6024F
7000系 7031F
8000系 8040F+8041F(2連の併結)

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2019年12月11日 (水)

阪急電鉄 路線について その1 宝塚本線

今回からは阪急の路線についてです。

Dsc03592 2019/10/18 大阪梅田 ぶれた写真ですが、9本の線路が並ぶ大阪梅田駅、京都線ホームが1~3番線で番線表示の色はグリーン、宝塚線が4~6番線でオレンジ、神戸線が7~9番線でブルーであることがわかります。

Dsc03765 2019/10/18 宝塚 駅名標 

Photo_20191210183901
宝塚線路線図 (Wikipedia 阪急宝塚本線の地図から)


まずは阪急のルーツである宝塚本線、大阪梅田と兵庫県宝塚市を結ぶ24.5kmの路線です。

尼崎を起点に福知山・舞鶴方面への鉄道路線を営業していた阪鶴鉄道が国有化される際に事前から温めていた大阪乗り入れ計画を引き継いだ箕面有馬電気軌道1910年3月10日に梅田~宝塚間を一気に開業したのが同線の始まりです。路線は大阪梅田から川西能勢口までは北西に向かって進み、ここから尼崎から北上してきたJR福知山線とほぼ並行して宝塚に至ります。大阪梅田から豊中付近までは淀川・神崎川の沖積平野で、車窓には住宅、工場があふれ、豊中付近から右手に千里丘陵が近づき、川西能勢口からは北摂山地の南縁に取り付き、宝塚に至ります。開業当初は全線にわたり、細かなカーブの多い路線でした。

当初は宝塚からさらに西の有馬温泉を目指して路線を延長する計画がありましたが、電車が通じることで日帰りが可能となり、宿泊客が減少することを恐れた有馬温泉旅館業者の猛反対や、宝塚~有馬間は六甲山系の起伏のある地形で建設コストがかかることなどから1913年の時点で断念されました。
建設当初は沿線に大きな町が無く、畑の中をすすむような路線であったため「ミミズ電車」と皮肉られ、採算性にも疑問の声が上がりましたが、同社の専務、小林一三は沿線開発に力を入れ、住宅地や、娯楽施設を作り上げることで乗客獲得に成功し、日本の私鉄経営モデルの規範となりました。

Photo_20191210184701
駅名も結構難読な駅がおおく、十三も初めて見たときは「じゅうそう」とは読めませんし、蛍池は「ほたるがいけ」、売布神社は「めふじんじゃ」、清荒神「きよしこうじん」も読めません。

現在、駅数は起終点駅を含め19あり、大阪梅田から十三までは複々線(といっても東側複線は京都本線が使用、用地はかつて路面電車だった北野線の軌道跡)、十三~宝塚間が複線となっています。

太平洋戦争後、沿線の急激な人口増加と貧弱な設備のため、ラッシュ時の混雑が深刻な問題となりました。十三~川西能勢口間の主要区間における高架化、急カーブの緩和が進められ、2000年に三国駅に残っていた30km/h制限のカーブが廃止され、路線の営業最高速度が100km/hに達しました。ライバル福知山線もJRになってからサービスが飛躍的に改善され宝塚線にとって大きな脅威となり、阪急は線形では劣るため直通客よりも、中間駅の利便を重視するダイヤとなっています。

現行の列車種別は

Photo_20191210191001

といった形になっています。

6000-6000-191018_20191210191701

2019/10/18 大阪梅田 幕の地の色が黄色が急行 6000系

1000ii-1009-191018 2019/10/18 大阪梅田 地の色、黒が普通 ちなみに特急 日生エクスプレスは地の色が赤、準急は緑です。

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2019年12月10日 (火)

阪急新性能車の系譜 VVVF制御方式 IGBT素子+永久磁石密封式電動機

1990年代になり、インバータ制御方式による車両がJR,大手民間私鉄で導入され、主電動機はかご型三相交流誘導電動機(Induction Motor:IM)となりました。IMは電磁石の固定子の内側に銅の棒が環状に配置された回転子を挿入した構造となっており、固定子に(位相が120度ずつずれた)三相交流を流すことにより、回転磁界が発生、回転子には回転磁界による誘導電流が発生し、磁界の動きに合わせて回転が起こります。三相交流の周波数と回転数が対応しているため、周波数を上げると回転速度は速くなります。交流誘導電動機の直流モータに対する優位性は、構造が簡単であること、ブラシを持たないため摩耗する部品がないこと、メンテナンス性に優れており、高速運転にも対応可能なことなどが挙げられます。

登場から20年以上が経過し、かご型三相交流誘導電動機はVVVF制御との組み合わせにおいて成熟した技術となりました。これを今後如何に省エネルギー化・メンテナンスフリー化するかということで開発されたのが永久磁石同期電動機(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM) です。PMSMにおいては回転子内部に永久磁石が埋め込まれています。IMでは回転子に電流が流れるため電気抵抗により発熱し、エネルギー損失が見込まれました。PMSMでは回転子が永久磁石であるため電流は流れずエネルギー損失が殆どないそうです。

電流が流れないことにより、モータの冷却は密閉した状態のみで空気を循環させることで可能となり、外枠に走行風を当てる冷却方式が可能となりました。IMで必須だった軸直結の冷却ファンは不要となり、風切り音による騒音も減少しました。

永久磁石はネオジム-鉄-ホウ素を組み合わせた希土類磁石で磁力が大変強く、完全密封構造になっているので内部にホコリなどは入らず、PMSMは製造されてから廃棄させるまでの間、分解せずに使用することが可能となりました。

PMSMは固定子の回転磁界の位置と回転子の位置が完全に一致しないと正常に回転できないため、1個の制御器で1台のモータを制御する必要があります。そのために制御器の台数が増えてしまうので制御器の冷却器を2台で1台とするなどの対策が取られています。また回転子が永久磁石であるため、惰行中は発電機となるため、ブレーキがかかってしまうので、モータのトルクが0になるように電流を流し続ける必要があります。高速走行時はモータの発電電圧がインバータの供給力を上回り、それ以上加速することができなくなるのを防止するため、回転子の磁力を打ち消す「弱め磁束制御」機能も備わっています。万が一、インバータトラブルが発生した際にモータから逆流した電気がインバータ素子を破壊しないようにモータとインバータの間に電気的に分離させるためのスイッチも挿入されています。

永久磁石故に複雑になる部分はあるものの、それを上回る省エネ、省メンテナンス効果が期待されているのがPMSMです。

1000and1300

阪急電車では2013年から営業を開始した1000系II(神宝線用)1300系II(京都線用)に190kW、定格回転数2,000 rpmの全閉自冷式永久磁石同期電動機(PMSM)が採用されました。

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2019年12月 9日 (月)

阪急新性能車の系譜 VVVF制御方式 IGBT素子による現行VVVF 

インバータ制御方式が鉄道車両に導入された1980年代中盤IGBT(Insulated ate Biopolar Transistor)素子は産業用インバータの主回路素子として既に存在していましたが、耐電圧特性が1400V以下で鉄道車両用の高電圧・大電流用としては容量的に不足していました。

GTO(Gate Turn Off Thyristor)素子は高耐圧、大容量で1990年代には耐圧4500V、可制御電流4000Aまで大容量化が進み、インバータ装置1台で主電動機8台まで制御することが可能になりましたが、動作速度の限界から高周波化が難しく、制御のために大きなドライブパワーが必要で、スイッチングでの駆動仕様が難しいことなど高度な技術力を必要とするものであり、インバータのスイッチング周波数に起因する制御装置、主電動機のうなり音の低減などが必要とされました。

インバータの大容量化と共に制御単位を小型分散化し、1台のインバータで1台ないし2台の主電動機を制御し、システムの冗長性を増す方式への対応が期待されていました。そこで注目されたのがIGBT素子によるインバータ制御装置ですが,当時の産業用IGBTは耐圧が1400Vでそれを2000Vまでアップさせたのが日立製作所により開発されたIGBT素子インバータでした。

特徴としては,駆動システムの騒音を低減し、主回路素子の絶縁構造を改造し,冷却にフロン系冷却を使用しないこと、制御の無接点化をはじめマイコンによる自己診断機能を充実され、保守作業を省力化し、複数のインバータを有機的に結合し,運行信頼性の高いシステムを構築することを目標としました。

9000and9300

阪急電車で最初にIGBT素子による純電気ブレーキ対応VVVFインバータ制御装置を搭載して登場したのが9300系でした。6300系に代わる京都線特急用車両として2003年から2010年にかけて88両(11編成)が日立製作所笠戸事業所で製造され、一部の艤装はアルナ車両が担当しました。

制御装置に関しては日立製作所のIGBTインバータ制御装置ではなく、京都線の慣例により、東洋電機製造製のIGBT素子VVVFインバータ制御装置がとうさいされました。9301Fからは理論上0.3km/hまで回生ブレーキが使用可能な純電気ブレーキ(電気停止ブレーキ)が採用されました。

一方、9000系2006年から2013年にかけて88両が製造され、神戸線、宝塚線に投入されました。すべて8両編成という編成形態でした。駆動方式は神宝線らしくWNドライブ方式がメインですが、一部TDドライブの車両も導入されました。

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2019年12月 8日 (日)

阪急新性能車の系譜 VVVF制御方式 GTO素子による初期VVVF 

1980年代中盤から1990年代中盤にかけて、チョッパ方式に代わる制御方式として登場したのがVVVFインバータ制御方式で架線からの直流電圧1500Vを一旦交流に変換し、さらに電圧と周波数を起動から一定速度に至るまでに交流誘導電動機に適切なトルクを発生させるように制御します。周波数と電圧を調整するスイッチング素子は初期の頃はてGTO(Gate Turn-Off thyristor)が主流でした。

1985年、2200系にVVVF試験車として2720、2721が追加された際は東芝製のGTOサイリスタ素子のVVVFインバータ(BS1425-A)が搭載され、主電動機はかご型三相誘導電動機(SEA310A)出力150kWでした。このVVVF試験車は1995年1月17日の阪神淡路大震災の際に今津北線宝塚南口駅付近を走行中で、脱線し、2721は復旧不可能な損傷を受け、廃車となりました。2720は後日、電装解除され、6762に改番され、6000系に組み込まれました。廃車となった2721の代替として6772が新造され、2200系は形式消滅しました。

2200系でのVVVF試験の結果は8000系、8300系にフィードバックされ、これらの系列において量産化されました。

8000and8300

8000系は1988年から1997年かけて98両が製造されました。インバータ制御装置は東芝(府中工場)製GTOサイリスタ素子(4500V/2500A)が搭載され、主電動機は定格出力が7000系の150kWから170kWに上げたものが搭載されました。定格回転数は1800rpm、最大回転数5000rpmで,2000系以来となる低速制御装置も装備されました。
8001Fに関しては2012年8月からGTO-VVVFインバータを取り外し、東芝製4in1 IGBT-VVVFインバータに換装、さらに主電動機も定格出力190kW,定格回転数2000rpmの永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)を搭載し、試験が行われ、従来の誘導電動機とGTOサイリスタ素子を用いたインバータと比較して、力行の消費電力量約10%削減、回生電力量約85%増加、トータルで約50%の消費電力量削減結果を得られることが実証されました。この結果は1000系IIや7000系更新車でのPMSMの本採用に繋がりました。

8300系は京都線版8000系と言われる車両で1989年から1995年にかけ、84両が製造されました。こちらは東芝製ではなく東洋電機製造製GTOサイリスタ素子インバータ装置が搭載されました。主電動機は定格出力170kWのTDK6125-Aが搭載されました。
2014年10月から8315F、8320F、8330F+8310Fにおいてインバータ制御装置と主電動機をセットで交換するASSY交換が行われ、IGBT素子のインバータに、主電動機は定格出力190kWのTDK6128-Aとなりました。

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2019年12月 7日 (土)

阪急新性能車の系譜 チョッパ制御方式 2200系における本格的試験から7000系、7300系にて量産化

チョッパ制御は営団地下鉄6000系で実用化された電機子チョッパ方式と、民鉄会社で広く採用された界磁チョッパ方式がありますが、阪急電車の場合、電機子チョッパ方式は東芝製の制御装置を搭載した2300系の2311ー2331においてAFEチョッパ制御(RG608)の試験が行われ、さらに5300系5863(1973年製造)において回生ブレーキ付きの電機子チョッパ制御装置の試験搭載が行われ、1975年に製造された2200系の2700, 2710において同様の試験が行われました。2200系においては1985年にVVVFの試験車両(2720)も追加製造されましたが、高速域からの減速時に発生電圧過大で回生失効が起きやすいこと、高価な大容量・高耐圧のスイッチング素子が必要で車両制作費が嵩むことから、量産化はごく限られた系列に限られ,阪急の場合も安価に回生ブレーキが使用可能な界磁チョッパ制御方式が量産化されました。

界磁チョッパ方式はまず2800系1969年3月に竣工した2847)において東洋電機製の試作品が搭載され、長期試験に供され、続いて2300系1978年から1981年に車両更新を受けた際に分巻界磁制御器を交換し、搭載されました。6300系では6330Fが界磁チョッパ制御方式で製造され、7000系、7300系が当初から界磁チョッパ制御方式で製造されました。

7000and7300

7000系6000系をベースに1980年から1988年までの長期間、神宝線に210両投入された系列で阪急では同一系列最大製造両数を誇る系列となりました。制御装置は2両ユニット分を1台の制御器で制御する1C8M方式で直並列切替を行うことで低速域まで回生ブレーキ効果が得られるようにしました。尤も,後年には増結車では1C4M方式の1M車も製造されました。7011F以降の電気指令式ブレーキ(HRD-1R)では付随車のブレーキも負担する遅れ込めブレーキが採用され、省エネ効率の向上が行われました。

車体に関しても当初は鋼製車体で製造されましたが、1984年製造の7011F ,7021F以降、アルミ合金車体を本格採用したのも7000系の特徴でした。
更新工事において制御装置が界磁チョッパからIGBT素子方式のVVVFインバータ制御に置き換えられ、主電動機も全閉自冷式永久磁石同期電動機(PMSM)が採用される例(7013F)などが出てきています。

7300系1982年から1989年にかけて83両が製造された7000系の京都線版と言える系列です。ただ7000系がWNドライブ駆動方式なのに対してこちらはTD平行カルダン駆動方式であったり、歯車比が7000系が5.31なのに対して5.25である点はこれまでの慣例が継承されているようです。7000系同様に1985年以降に製造された車両ではブレーキに遅れ込め制御が追加され、省エネ効率が上昇しました。さらに1986年製造の7310は東洋電機製造のGTOサイリスタ素子のVVVFインバータが試験搭載されましたが、2018年度のリニューアル工事の際に電装解除されました。車体は7302F以降、アルミ合金製となりました。リニューアル工事でIGBT素子のVVVFインバータ制御に改造が進行中です。

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2019年12月 6日 (金)

阪急新性能車の系譜 抵抗制御方式 その5 6000系、6300系

再び、阪急電車の話題です。阪急の6000番台の系列は最後の抵抗制御の系列となりました。
6000系は神宝線用として5100系の電装品と2200系の車体を組み合わせた系列で、宝塚線用には8連(4M4T)編成が準備され、神戸線にはホーム有効長が6連分しかない、山陽電鉄乗り入れを考慮して、6両の基本編成と2両の付属編成による6M2T編成が準備され、1976年から1980年までに126両、1985年に神戸線10連化用に付随車4両が製造されました。

6


宝塚線用編成 
←大阪 Mc   T      M'     T      T       M      T      M'c 宝塚→
   6000 6550 6500 6560 6570 6600 6560 6100
          PT     BATT    MG              BATT    PT                 MG
       Cont                CP                         CONT             CP
                            BATT                                           BATT
神戸線用編成
←大阪 Mc      M'c     Mc       M'       T        T        M        M'c    神戸→
   6000 6100 6000 6500 6550 6550 6600 6100

2200系から編入された車両も存在しました。

63

同じ6000番台系列でも京都線に投入された6300系2800系に代わる特急車両として6000系よりも1年早い1975年から製造され、1978年までに8両編成7本が製造され、1984年に追加で1本6330Fが製造されました。

←大阪 Tc      M       M'       T       T       M       M'     T'c   京都→
   6350  6800  6900  6850  6860  6810  6910  6450

6330F
←大阪 Mc      M'       T         T       T       T       M       M'c   京都→
        6330   6930   6950   6960  6970  6980  6830  6430
6330Fでは制御方式が当時最新の界磁チョッパ方式となりました。

6351F~6353Fの3本は京都線特急運用を9300系に譲った後、2008年から2009年にかけて嵐山線用に転用され、
←大阪梅田 Tc      M       M'    T'c    嵐山→
     6351 6801 6901 6451

といった4連になり、内装も改められました。

6354Fは京とれいんに改造され
←大阪梅田 Tc      M       M'     M   M'  T'c    嵐山→
              6354   6804   6904    6814   6914   6454

といった6連になり、内装も改められ、2011年3月19日から、快速特急「京とれいん」運用に就きました。2019年1月19日のダイヤ改正で十三駅にホームドアが設置され、6354Fは適合しないため、十三駅を通過する快速特急Aに充当されることになりました。


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2019年11月30日 (土)

阪急新性能車の系譜 抵抗制御方式 その4 5000系、5100系、5200系、5300系

3000番台に続いて登場した系列は5000番台でした。日本の民鉄では多くの会社が4で始まる系列番号は忌避するようで、阪急の場合もそのようです。
5000系は神戸線の輸送力増強、神戸高速鉄道東西線・山陽電気鉄道本線乗り入れ計画の具体化で架線電圧が1500Vに昇圧されて最初に投入された形式で単電圧化、居住性や乗り心地の向上のため足回りの改善を眼目に新規に設計された車両でした。電動車はユニット方式とし、大阪方に制御電動車を配置する方式に戻りました。駆動方式はWN駆動方式で歯車比は3000系と同じ5.31に設定され、定格速度も高く設定されました。


5

ちょうどこの時代は通勤電車の冷房化が各社で開始される時代で、関西では京阪2400系が初の冷房車として登場し、阪急でも冷房化の機運が高まった時代でした。5000系の増備車として5014 6連が製造されることになりましたが、試作的要素が非常に多かったので新たに系列番号を起こし、5200系としました。5200系での試作成果を量産化させたのが、5100系でした。この時代、神戸線と宝塚線の規格は統一され、5000系が両線に配置され、5100系もその量産冷房車として両線に投入されました。ですから3100系までの宝塚線仕様モードの100番台と,5100系の100番台は全く意味が違っています。そして5100系の場合、京都線車両としての規格統一もなされ,全線での運行が可能な設計となりました。

京都線では大阪市営地下鉄堺筋線乗り入れ対応への考慮から5100系の機器を持った車両として5300系が製造されました。この車両から従来京都線の車両は1番から付番していましたが,神戸線、宝塚線同様に0から付番するようになりました。

主電動機は5100系同様、140kWとなり、駆動装置は中実軸、TD撓み板継手方式となり、WN歯車継手との互換性が確保されました。1973年製の5863では東芝製回生ブレーキ付き電機子チョッパ制御装置が試験的に搭載され,2年間実用試験が行われました。後に2200系に本格搭載されました。

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2019年11月29日 (金)

阪急新性能車の系譜 抵抗制御方式 その3 3000系、3100系、3300系

初代1000系から始まった阪急電鉄の新性能車、3000番台は1967年の神戸線、1969年の宝塚線1500V昇圧に対応し、2000系時代に作られた2021系の機器の構造が複雑すぎる問題を解決するためにより簡素な昇圧対応車として製造されました。

3_20191128185601
3000系、3100系は昇圧対象外となった小型車の廃車置換対象車としての増備もあり、合わせて154両が製造されました。3000系は600Vでも高速性能を発揮するため、主電動機は170kW、駆動方式はWN駆動、歯車比は5.31とされました。一方、3100系は主電動機定格出力は120Kw、歯車比は6.07とされ、それら以外の性能は3000系と同じでした。
←大阪
      Tc     M      T      Mc     Tc    Mc
 3050 3500 3550 3000 3051 3001
     CP  PTx2            MG    CP   MG

2021系まではモーターの有無で形式が分かれていましたが、3000系・3100系からは運転台の有無で形式区分されるようになり、中間車は500番台が付与されました。
昇圧切り替えを簡便、かつ確実に実行するため,600VではM車単独で運転が可能なものの、1500VではMM'と2両連結し、一方を高圧車、他方を低圧車とする「おしどり方式」が採られました。
昇圧完了後、おしどり方式は解消され、1975年から冷房化改造が開始され、各車に集約分散式冷房装置が3基搭載されました。電装関係は3000形・3100形の制御装置を撤去、3500形・3600形に1C8M方式の主制御器を搭載、3050形、3150形のMGは撤去され、3000形、3100形に大容量のMG(出力120kVA)が搭載されました。

京都線は既に1500Vで電化されていたため、昇圧問題とは関係なく、同線に登場した3300系は大阪地下鉄堺筋線乗り入れ対応車として設計されました。3300系の設計は1968年に登場した神宝線用5000系と共通点の多いものとなっています。
3300系の特徴は地下区間での故障時推進が可能な様に電動車比率を高くしていることで、主電動機出力は130kWに下げられました。駆動方式は京都線の慣例に従って中空軸平行カルダン方式(歯車比は5.25)となり、電動車はMM'方式となりました。
冷房化は他系列から大幅に遅れて1981年から開始され、集約分散式冷房装置が各車両当たり3台搭載されました。

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2019年11月28日 (木)

阪急新性能車の系譜 抵抗制御方式 その2 2000系、2100系、2021系、2300系、2800系

今回は昨日に引き続き、2000番台の系列です。

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年代的には1960年代初頭から1970年代中期までで、最初に神戸線にデビューした2000系は回生制動と定速運転制御機能を持ち、「人工頭脳電車」「オートカー」と言われた電車でした。そしてその車体構造は1997年から製造された8000系の最終グループまで引き継がれ、以降の阪急におけるスタンダードとなりました。前世代の1000系、1010系が全電動車タイプの編成であったのに対して、制作費の高騰からMT編成とし、鉄道車両の法定耐用年数が20年から13年に短縮されたこともあり、工程を可能な限り簡素化し、車両寿命が短くなることを承知の上で、製造・維持コストの圧縮を図ったのがこの系列軍の特徴でした。
神戸線用2000系が東芝製定格出力150kWの主電動機、WNドライブ・歯車比5.31、電力回生制動併用のHSC-R電磁直通ブレーキ装備、制御方式は電動カム軸式制御器に分巻界磁制御器を付加し、1C4M方式で直並列の切り替えを行い、MGと同軸に取り付けた昇圧機を主電動機の分巻界磁と直列に接続し、マスコンの位置、指令速度、実速度、主回路電流によって決まる増幅率を磁気増幅器で演算し、他励界磁電流として制御しました。当時の自動制御技術としては最新の技術で、乗客数、勾配、電圧の高低に関係なく定速で運転することも可能となりました。ただ、実用化後、磁気増幅器の応答性が必ずしも良好ではなかったことや昇圧機が架線電圧の変動に影響されるMGを動力源にしていたことなどから各車で増幅率の調整が難しく、保守上の問題となり、1500V昇圧時には分巻界磁制御器が廃止される一因ともなりました。

宝塚線用派生系列2100系では同線の特性に合わせ、主電動機定格出力は100kW、歯車比は6.07に設定されました。定速運転機能は600V専用だったため、昇圧後は同機能、回生ブレーキは撤去されました。

以前にも触れましたが、1963年に神戸線、宝塚線の架線電圧昇圧が決定され、600/1500V対応用として両線向けに製造されたのが2021系でした。複電圧車といっても走行中に切り替えることはできず、車庫、若しくは工場で各車床下の主回路、補助回路の切り替えSWを切り替えるか端子盤の結線変更を行うもので、2000系同様定速運転機能も有していましたが電気関係、主制御器の構造が複雑であったため、電動車2021形、制御車・付随車2071形が21両ずつ製造されたあとはより構造が単純な3000系、3100系に移行しました。昇圧後は1500V専用車になりましたが、電気配線や制御器関係のトラブルが相次ぎ、最終的には電装解除され、冷房化に際しての改番で2071系となりました。

京都線に投入された2300系は2000系、2100系の姉妹車ですが、新京阪時代からの慣例で東洋電機製造製の電装品を使用し、主電動機は150kW 、駆動方式も東洋電機製造開発の中空軸並行カルダン方式(歯車比5.25)となっています。制御器は東洋電機製造製ES-755Aで、電動カム軸制御器による抵抗制御と分巻界磁制御で構成され、分巻界磁電流の調整は、分巻界磁と直列接続した227段の界磁抵抗器(FR)の端子を円筒状に配し、その上をサーボモーターで駆動する接触子を移動することで行い、抵抗値を変更する方式でした。このサーボモーターの制御をトランジスタを用いた増幅器で行うのが2300系の最大の特徴でした。主電動機4基は永久直列接続されました。ブレーキは回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキHSC-Rです。既に1500Vだった京都線から、宝塚線十三~梅田間を走行する際のために600Vに対応する電圧変換器が装備されていました。

1963年の大宮~河原町間延伸に際し、1964年、阪急初の特急専用車として登場したのが2800系でした。それまでは2扉クロスシートの710系、1300系に加え、増備中だった2300系が特急運用を担当していましたが、3扉ロングシートは不評であり、ライバルの国鉄京阪神快速は80系から113系に置き換えられ、京阪は淀屋橋延長を機に2扉クロスシートの1900系を投入し、客を奪われる状況にありました。機構的には2300系をベースに2扉・転換クロスシート車としたのが2800系でした。形式番号2800は、後に3000,3100としてデビューした昇圧即応タイプの車両が本来は2500,2600として当時、計画されており、これに300を加えた2800としたのが由来だそうです。
1969年竣工の2847は界磁チョッパ制御の装置が試用されました。

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