2024年4月18日 (木)

福井鉄道が自社発注したF1000形 FUKURAM

豊橋鉄道の車両の話題からだいぶ話が横道に逸れていますが、福井鉄道の車両の話題をあと1件。

福井鉄道福武線では名鉄の路面電車を2006年4月から導入することで従来車(鉄道形車両)の大半を置き換えましたが、2013年3月には低床型路面電車としてF1000形を導入しました。

豊橋鉄道が2008年に導入したT1000形の福井鉄道版であることからF1000形になったのかと思いきや、そうではなくこちらは新潟トランシス製で3両固定(3車体連接)タイプとなっています。

主要諸元

設計最高速度 70 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.4 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 155人(座席53人)
編成重量 37 t
編成長 27,160 mm
全幅 2,650 mm
全高 3,437 mm
車体 耐候性鋼製車体 (前頭部:GFRP製)
台車 独立車輪式ボルスタレス台車
主電動機 かご形三相誘導電動機 TDK6413-B
主電動機出力 100 kW
搭載数 3基/編成
駆動方式 車体装荷式直角カルダン軸駆動方式
歯車比 6.789
制御方式 VVVFインバータ制御方式
制御装置 PWM制御IGBTインバータ MAP-101-75VD250
制動装置 回生・発電併用電気ブレーキ 油圧式ディスクブレーキ

新潟トランシスは前身の新潟鐵工所時代からドイツのAEG(その後、アドトランツ、現・ボンバルディア)と業務提携し、同社が開発した車軸の無い独立車輪方式の「ブレーメン形」のコンセプトで日本仕様の車体を設計、製作し、AEGから輸入した電機品、台車を艤装し、完成品とする方式を採っており、1997年熊本市交通局9700形を納入しました。2002年にはアドトランツが新開発した「インチェントロ」の車体デザインを取り入れた9200形岡山電気軌道に納入しています。熊本も岡山も2車体連接方式でしたが、ブレーメン形の足回りとインチェントロの車体を組み合わせ、3車体連接としたのはF1000形が初めてでした。
2013年3月12日に第一編成が搬入、同月31日から営業運転に入り、2015年2月に第二編成、2016年3月に第三編成、2016年12月に第四編成とこれまでに4編成が営業運転に入っています。カラーはオレンジ、ブルー、グリーン、桜色となっています。第二編成の導入以降、1960年以来活躍してきた200形が続々と廃車となってゆきました。

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2017/10/20 福井駅前 F1004編成

さらに福井鉄道では2023年にはモ880形を置き換えるためアルナ車両が製造したF2000形電車を導入、3月27日から運行を開始しました。こちらは将来、福井を訪れる機会があれば撮影したく思っています。

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2024年4月17日 (水)

名鉄岐阜市内線・美濃町線・田神線廃止に伴って福井鉄道に譲渡されたモ880形

今回は現在、福井鉄道で活躍中のモ880形の話題です。この車両は名鉄美濃町線・田神線用に2車体連接の路面電車で5編成10両(880-881~888-889)が日本車輛製造で竣工し、1980年に導入されました。

主要諸元

起動加速度 2.0 km/h/s
編成定員 100人(座席48人)
編成重量 26.5 t
全長 10,300 mm
全幅 2,236 mm
全高 3,965 mm
車体 普通鋼
台車 FS-507・FS-007
主電動機 直流直巻電動機 TDK-8430-A
主電動機出力 38kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダン
歯車比 6.46
制御装置 抵抗制御 MM38A
制動装置 SME-3非常弁付直通ブレーキ
備考 登場当初は非冷房でしたが、1991年から1993年にかけ、三菱電機製CU127A(冷房能力10,500kcal/h)を1両あたり1基搭載し、冷房化されました。

美濃町線・田神線は直流600V、各務原線は1500Vであったため、複電圧対応車両でした。冷房化後、冷房装置は600V区間のみで作動したため、夏、新岐阜駅発車時には冷房が効かず、「サウナ電車」と呼ばれていました。デザイン的には当時、名鉄らしくないと評されるほどで、結果的には名鉄路面電車の新世代車両の出発点となりました。2000年にはワンマン運転対応改造もなされました。

2005年に美濃町線・田神線が廃止となり、運用を離脱、福井鉄道に譲渡されました。歯車比変更、弱め界磁機能の追加、単電圧化、シングルアームパンタグラフへの換装などの改造に時間を要したため、搬出は2006年3月末となり、福井鉄道では2006年4月26日から運行を開始しました。2016年3月27日からのえちぜん鉄道三国芦原線との相著直通運転開始でモ770形が乗り入れ改造されましたが、こちらは改造工事は施工されませんでした。

2021年3月に888-889編成が延命工事の一環としてVVVFインバータ制御・回生ブレーキ装備に更新されました。同様の改造は2022年5月までに882-883、886-887編成にも施工されました。

主電動機:TDK6256-A 小形・軽量・高効率の自己通風方式の三相かご形誘導電動機 1時間定格出力60 kW
VVVFインバータ:RG6039-C-M 三相2レベルインバータ SiCハイブリッドモジュールを適用したIGBT素子 1C4M

未更新車のうちモ880-881編成は2022年11月27日付で除籍となり、2024年1月10日、前面に排障器を取付け、軌道線用の除雪車として活躍することが明らかにされました。

880881-171020-2 2017/10/20 大名町 モ880-881編成
更新改造は受けずに2022年11月に除籍、その後、除雪車に

887-171020-3 2017/10/20 大名町 モ886-887編成
こちらはVVVF化改造を受け、引き続き旅客運用で活躍

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2024年4月11日 (木)

名鉄岐阜市内線・揖斐線廃止に伴って福井鉄道に譲渡されたモ770形

岐阜市内と揖斐郡大野町・揖斐川町を結ぶ路線として、岐阜市内は路面電車、揖斐線は鉄道線でしたが、両線間を直通運転する車両として1987年5月に投入された連接タイプの車両がモ770形でした。同形式は揖斐線用車両としては1930年の合併で名鉄の運営になってから最初に新造投入された車両で、1988年にかけ計4編成が投入され、大正時代から活躍していたモ510形、モ520形計7両を置き換えました。また、同線にとって初の冷房付き車両となりました。

1980年に美濃町線・田神線専用に投入されたモ880形のデザイン、基本設計を引き継いでいますが、側面窓は固定式となり、岐阜市内の急曲線通過を考慮して、車体幅はモ880形より130mm狭められました。また新製時よりワンマン運転対応となりました。揖斐線内は高速運転かつプラットホーム対応、岐阜市内線内は低速運転かつ停留所対応でステップが装備されました。

主要諸元

最高運転速度 70 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
編成定員 90人(座席52人)
編成重量 26.2 t
全長 10,100 mm
全幅 2,106 mm
全高 3,956 mm
車体 普通鋼
台車 FS-532・FS-032
主電動機 直流直巻電動機
TDK-8430-B
主電動機出力 38kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダン
歯車比 6.00
制御装置 抵抗制御・弱め界磁制御 MM38B
制動装置 SME-3非常弁付直通ブレーキ
備考 冷房装置は東芝製RPU3004AJ(冷房能力10,500kcal/h)を1両あたり1基搭載。

2005年3月末で岐阜での路線が廃止となったことで福井鉄道に4編成とも譲渡されました。譲渡にあたり、福井鉄道では高床式高速電車並みの高速性能を確保する必要から、弱め界磁率を変更し、主幹制御器も変更しました。パンタグラフはシングルアームに換装、偶数車のパンタは撤去されました。ATSや列車無線装置も福井鉄道仕様に変更しましたが、制動装置は従来通りSME(非常管付三管式直通空気制動)のままとしました。

以上の改装は名鉄岐阜工場で施工され、2005年9月末から10月初めにかけ、旧美濃町線、モ800形、モ880形とともに陸路で搬出、2006年4月1日より、運用に就きました。

771-171020
771-171020-23 2017/10/20 大名町 モ771編成

775-171019-3 775-171019-6 2017/10/20 福井駅前 モ775編成

2016年3月27日から福井鉄道とえちぜん鉄道三国芦原線の相互直通運転が開始され、当初はモ770形とF1000形が共に直通列車用に使用されましたが、定員が少ないことからF1000形のみが直通対応とされ、モ770形は直通運用から離脱し、福武線内運用となっています。

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2024年4月10日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その32 豊橋鉄道市内線 活躍中の車両 T1000形

昨日の記事で紹介した2005年8月モ800形の導入が低床式車両が極めて有用であることを知らしめ、全面低床車のT1000形の導入に繋がったそうです。

2005年11月から豊橋鉄道や愛知県・豊橋市・中部運輸局などにより協議会が組織され、超低床電車の導入、停留場の改良・バリアフリー化、ICカード乗車券の導入からなる「豊橋路面電車活性化事業計画」が策定され、車両メーカーと協議を進めた結果、2008年内に車両の製造が可能であるとの結論に至りました。

車両はアルナ車両のリトルダンサーシリーズのタイプUaで3車体連接2台車方式の超低床電車です。

主要諸元

起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 4.3 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 74人(座席29人)
編成重量 23.0 t
編成長 16,200 mm
全幅 2,400 mm
全高 3,850 mm
車体 全鋼製車体
台車 ボルスタレス台車 SS-08
主電動機 かご形三相誘導電動機
東洋電機製造製 TDK-6408-A
主電動機出力 85 kW
搭載数 2基 / 編成
駆動方式 車体装架直角カルダン駆動方式
歯車比 5.82
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 東芝製 SVF087-A0
制動装置 電気指令式ブレーキ HRD-1

2008年12月より営業運転に就き、東三河が穂の国と言われていることと、ほっとするから「ほっトラム」という愛称が与えられました。豊橋鉄道としては路線開業以来、83年振りの自社発注車であり、狭軌用路面電車車両として初めて純国産技術で全面低床化を実現した点が評価され、2009年第49回ローレル賞が授与されました。

T1000-1001a-240104 2024/1/4 赤岩口車庫

T1000形は1編成しか導入されておらず、撮影した日は赤岩口車庫で休憩中でしたのでこんな写真しかありません。

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2024年4月 9日 (火)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その31 豊橋鉄道市内線 活躍中の車両 モ800形 

豊橋鉄道のモ800形もかつて名鉄に在籍した車両で美濃町線・田神線用に2000年7月に3両投入されました。名鉄時代はかつて名岐鉄道デボ800形として1935年に投入、合併で名鉄になりモ800形となった形式に次いで2代目モ800形でした。2005年3月末で同線が廃線となったため、同年4月、モ801は豊橋鉄道に譲渡され、赤岩口工場で改造の後、8月から豊橋鉄道で運行開始、モ802、モ803は2005年4月に福井鉄道に譲渡され、2006年4月から運行開始されました。

名鉄では初となる超低床電車で床面の一部を停留場と同じ高さまで下げた部分低床車でした。

主要諸元

設計最高速度 60 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 72人(座席30人)
自重 18.9 t
全長 14,780 mm
全幅 2,220 mm
全高 3,880 mm
車体 全鋼製車体
台車 インダイレクトマウント台車 FS-567
主電動機 かご形三相誘導電動機 MB-5090-A
主電動機出力 60 kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 5.6
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 三菱電機製 MAP-062-15V91
制動装置 回生併用電気指令式ブレーキ MBS-R
保安装置 M式ATS・デッドマン装置

モ800形の開発当時、熊本市交通局の9700形(1997年導入)や広島電鉄の5000形(1999年導入)のように100%低床構造の超低床電車が普及しつつありましたが、名鉄では既存の車両と保守面での互換性を持たせることを設計の条件としたこと、国外の技術に寄らず日本初の超低床電車の作製を目指したことから14m級車体、台車間低床方式の車両となりました。2001年に第41回ローレル賞を受賞しています。

福井鉄道に譲渡されたモ802、モ803でしたが移籍後、2013年から100%低床式のF1000形(愛称FUKURAMI)が導入され、2016年までに4編成揃えられる事態となりました。収容力の小さいモ800形は乗客増加で運用がしにくくなり、経費削減の一環として運用から外す決定がなされ、2019年3月13日付で豊橋鉄道に譲渡されることになりました。

800-802-240104-3

2024/1/4 駅前 モ802

800-803-240104 2024/1/4 前畑 モ803

東田本線の井原から運動公園方面に分岐する際、井原カーブと言われる半径11mの急カーブが存在することは以前の記事で触れましたが、名鉄から導入した際のモ801はカーブを通過できない問題がありました。2018年に台車側受けを大きくし、車体の高さを少々上げる、台車カバーを外すことでこの問題が解決できることが判明し、赤岩口工場で改造工事(R11対応工事)が施工、福井鉄道から譲渡されたモ802、モ803にも同様の工事が行われ、今はT1000形以外の全ての形式がこのカーブを通過できるようになりました。

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2024年4月 4日 (木)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その30 豊橋鉄道市内線 活躍中の車両 モ780形 

豊橋鉄道モ780形1997年から1998年にかけ岐阜市内線・揖斐線直通用に名鉄が投入した日本車輛製造による名鉄モ780形2005年3月末に同路線が廃止されたことから形式名、両数そのまま豊橋鉄道が譲受したものです。

私も1990年代に岐阜を訪れた際に岐阜駅北口で同線の車両を見てはいたのですが、撮影しなかったことをいまだに悔いています。

名鉄岐阜市内線・揖斐線は岐阜市と揖斐郡大野町・揖斐川町を結んでいた路線で市内線は路面電車、揖斐線は鉄道線と性格は異なっていましたが、1967年より直通列車が運転されていました。1987年に連接車モ770形が投入され同線の近代化が進められたのに続き、1997年4月1日に4両、そして1998年4月1日に3両竣工したのがモ780形でした。

主要諸元
軌間 1,067 mm
電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
設計最高速度 80 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 64人(座席28人)
自重 19.4 t
全長 14,530 mm
全幅 2,100 mm
全高 3,770 mm
車体 全鋼製車体
台車 インダイレクトマウント台車 FS-559
主電動機 かご形三相誘導電動機
東洋電機製造製 TDK-6307-A
主電動機出力 60 kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
歯車比 6.55
制御方式 GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御
制御装置 東洋電機製造製 ATR-M260-RG629E(RG629-E-M)
制動装置 回生併用電気指令式ブレーキ MBS-R
保安装置 M式ATS・デッドマン装置

モ770形は連接車ではあったものの、最混雑時間帯に運用すると輸送力が不足、逆に昼の閑散時間帯には輸送力過剰となる問題を抱えていましたが、モ780形は朝の混雑時には連結運転で輸送力を発揮、閑散時間帯は単行運転でモ770形の欠点をカバーしました。ただ、岐阜市内線の旧曲線を通過するためには貫通幌が設置できないため、連結運転ではワンマン運転が出来ないという欠点がありました。

2005年3月31日限りで名鉄岐阜市内線・揖斐線が廃止となり、モ780形とモ800形1両の8両が豊橋鉄道東田本線に移籍となりました。まずモ781とモ801が2005年4月26日に移籍、続いて782・783が28日に、そして同年10月に残り4両が移籍しました。モ800形の残り2両も福井鉄道に譲渡の後、豊橋鉄道に再譲渡されています。なお、モ770形は福井鉄道で活躍しています。こちらも2017年140月に福井を訪れた際に撮影していますので後日、紹介します。


780-782-240104-2 2024/1/4 赤岩口車庫 モ782

780-783-240104 2024/1/4 駅前大通 モ783

780-784-240104 2024/1/4 市役所前~豊橋公園前 モ784

780-784-140813-5 2014/8/13 駅前 モ784 10年前はこんな姿でした。

780-785-240104 2024/1/4 赤岩口車庫 モ785

780-785-140813-2 2014/8/13 駅前 モ785 10年前のモ785の姿

780-786-240104-3 2024/1/4 競輪場前 モ786

780-787-240104-3 2024/1/4 駅前 モ787

名鉄時代には連結運転が行われていたため密着連結器と電気連結器が装備され、3両までの連結運転が行われていましたが、豊橋鉄道ではすべて単行運転のため、連結器類は撤去され、全長が13.58mとなりました。また豊橋鉄道では全車洗面広告車両となっているため標準塗装の設定がありません。
制御装置がGTOサイリスタ方式のため、その交換が2019年以降進められています。

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2024年4月 3日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その29 豊橋鉄道市内線 活躍中の車両 モ3500形 

豊橋鉄道東田本線(市内線)で活躍中の車両、今回はモ3500形です。3501~3504までの4両が在籍しており、元は東京都電7000形です。

都電7000形は1953年から1956年にかけ93両(7001~7093)が製造され、各路線で活躍しましたが、路線の縮小とともに1967年から廃車が始まり、「荒川線」用に1955年から1956年にかけ製造された最終増備グループの中から31両が残されました。これら31両に関しては車体をアルナ工機で製造し、台車・主電動機・制御装置・空気圧縮機・電動発電機などの機器は再利用することとしました。車体はワンマン運転対応可能なものとなり、従前の車両番号7055~7089のうち、79・80・85・88の4両を除いた31両を若い順に7001~7031へ改番し、1977年11月から1978年3月にかけ、更新工事が完了し、番号も整理されました。

車体更新後の7000形について1987年から冷房化工事が始まりましたが、6両は工事の対象外となり、1991年から1993年にかけ廃車となりました。1992年6月に廃車となった7009、7028の2両を豊橋鉄道が購入し、さらに冷房化された25両のうち、7017、7021が1999年4月に廃車となり、これらも豊橋鉄道が購入しました。かくして7000形のうち7009(旧7063)・7017(旧7071)・7021(旧7075)・7028(旧7084)の4両が豊橋鉄道東田本線へ転出となりました。

豊橋鉄道に入線するにあたり、都電の軌間は1372mmで、豊橋鉄道は1067mmですからスイングハンガー方式のコイルバネ台車のD20Aのままで軸首の長い車軸を新造し、1067mmの軌間に合わせました。主電動機も軌間変更で交換となり、日本車輌製造製・出力60キロワットのNE-60A形2基から神鋼電機製出力37.3キロワットのTB-28A形としました。駆動方式や制御方式は変更がありません。停留所の嵩上げの問題等から豊橋鉄道ではステップ付きとなり、ドアの位置もステップの設置に合わせて改造されました。3501,3502については非冷房で入線のため冷房化改造が施され、三菱電機製CU77A形集中式冷房装置が搭載されました。都電冷房車は菱形パンタグラフが搭載されていましたが、豊橋鉄道ではZ型に換装されました。

3500-3501-240104-5 2024/1/4 駅前 モ3501 赤岩口まで乗車した車両でした。

3500-3501-240104_20240402172801 車内には1978年に鉄道友の会からローレル賞を授与された際のプレートが

3500-3502-240104 2024/1/4 競輪場前 引き込み線で休むモ3502

3500-3503-140813 2014/8/13 駅前付近 モ3503

3500-3504-240104 2024/1/4 東田付近 モ3504

製造から69年、最初の更新から47年が経過し、老朽化が進んでいることから、モ3503のリニューアルが今年2月に発表され、この春にはリニューアルした車体で運行されているようです。

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2024年3月28日 (木)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その28 豊橋鉄道市内線 活躍中の車両 モ3200形 「おでんしゃ」

豊橋鉄道市内線(東田本線)では現在、モ3200形、モ3500形、モ780形、モ800形、T1000形の5形式が活躍しています。これらを順に紹介して行きます。

モ3200形は名鉄が岐阜市内線・美濃町線で運用するため、1955年から1956年にかけ、日本車輛製造に発注したモ580形1976年から1981年の同線での使用終了後(廃車後)、譲受したものです。モ581~モ584の4両が製造され、モ581、モ582が1955年3月、モ583が1956年5月、モ584が1956年9月に竣工しています。

主要諸元

電気方式 直流600 V(架空電車線方式)
車両定員 80人(座席28人)
車両重量 16.0 t
16.8 t(冷房車)
全長 12,300 mm
全幅 2,236 mm
全高 3,742 mm(ビューゲル設置車)3,690 mm(菱形パンタ設置車)4,000 mm(Z型パンタ設置車)
車体 半鋼製車体
台車 住友金属工業 KS-40J (モ581-583)日本車輛製造 NS-9 (モ584)
主電動機 直流直巻電動機 MT-60A
主電動機出力 37.3 kW
搭載数 2基 / 両
駆動方式 吊り掛け駆動方式
歯車比 4.5 (63:14)
定格速度 22.3 km/h
定格引張力 1,260 kg
制御装置 直接制御器
制動装置 直通ブレーキ (SM-3)
     
豊橋鉄道にはモ583を除いた3両が譲渡されました。1976年11月30日付で廃車となったモ584がモ3201、1980年12月15日付で廃車となったモ581がモ3202、モ582がモ3203と改番されました。豊橋鉄道での車籍登録はモ3201が1976年12月24日、モ3202、モ3203が1981年1月12日です。

豊橋鉄道入線時に以下の改造が赤岩口工場で施されました。

・ワンマン運転対応化 運賃前払いの前乗り・中降り方式
・前照灯を屋根上から正面中央窓下へ移設
・正面中央窓を、他形式と同様のHゴム固定に変更
・方向幕を再設置
・屋根上へ雨樋を新設
・Z形パンタグラフを屋根上中央部へ移設
・ストロークリーム地に赤い帯を巻いた「新豊鉄色」へ塗装変更

さらに1994年から1995年にかけ冷房設置工事が施工され、三菱電機製CU77A型が搭載され、自重は16.8tとなりました。その際、すべての窓枠のアルミサッシ化、角型尾灯への交換、雨樋の移設といった改造も施工されました。2005年にはモ3201の台車が、名鉄から譲り受けたモ570形廃車発生品のKS-40Jに取り替えられ、台車の形式は3両で統一されました。2011年2月11日のICカード乗車券「manaca」運用開始に伴い、ICカード対応運賃箱や旅客案内ディスプレイが車内に設置されました。

老朽化も進みモ3201は2019年9月19日を以って、モ3202は2020年2月11日を以って営業運転を終了し、現在はモ3203のみが在籍しており、専らイベント車両、夏は「納涼ビール電車」冬は「おでんしゃ」として活躍しています。

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3200-3203-240104-3 3200-3203-240104 2024/1/4 赤岩口の車庫で休むモ3202 「おでんしゃ」

1955年3月竣工といえば御年69歳、私より学年的には1学年上ですが、鉄道車両としてはかなりの高齢になりますが、これからも頑張っていただきたいものです。

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2024年3月27日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その27 豊橋鉄道市内線 路線の概要と歴史

2024年1月の名古屋旅行、豊橋鉄道渥美線を完乗した後は豊橋駅前から出ている豊橋市内線、正式には豊橋鉄道東田本線(あずまだほんせん)に乗車しました。

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2014/8/13 市内線沿線観光マップ3500-3501-240104 2024/1/4 車内にも停留所名と共に路線図が表示されるので非常に分かりやすいです。

名鉄の岐阜市内線・美濃町線が2005年4月1日に廃止されてからは東海地方唯一の路面電車となっており、駅前~赤岩口間4.8㎞、井原~運動公園間0.6kmの路線からなり、軌間はJRと同じ1067mmです。

現在の豊橋鉄道の前身である豊橋電気軌道株式会社が設立されたのは1924年3月17日でした。

240104_20240326081201 2024/1/4 駅前電停

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2024/1/4 かつて柳生橋線も走っていた新川~札木間、1998年頃までにセンターポール化も完成しました。

1925年7月14日、本線 駅前~神明~札木十字路間(0.8km)、支線 神明~柳生橋間が開業しました。7月21日には札木十字路~赤門前(現在の東八町)間(1.1km)が延伸、12月25日には赤門前~東田間(1.2km)が延伸しました。

780-786-240104 2024/1/4 競輪場前 手前で線路が複線から単線に

1945年6月20日の豊橋空襲では全線が不通になりました。戦災からの復興が進む中、路線の複線化も進み、1950年9月17日には東田~競輪場前間 (0.3 km)が複線で開業しました。
1952年10月5日には駅前~市民病院前間(0.4km)が開業しました。

240104_20240326081301 2024/1/4 赤岩口電停

1960年6月1日、競輪場前~赤岩口間(1.2km)が開業しました。
1969年5月15日、駅前~市民病院前間は休止となり、駅前停留場の移設が行われました。1973年3月31日には休止の駅前~市民病院前間が廃止となりました。
1976年3月7日、柳生橋支線 新川 - 柳生橋間 (0.9 km) が廃止となりました。同線は新川から渥美線が東海道線を越えるそばまで行っていた路線で、その廃止後の様子はこちらのサイトに写真と共に紹介されています。

240104_20240326083101 2024/1/4 井原 運動公園前方面分岐 この井原カーブは半径11mの急カーブのため、通行できない車両があるとのことです。

1982年7月31日、井原~運動公園前間(0.6km)が開業。日本国内の路面電車の新規区間の開業としては1968年の長崎電気軌道の思案橋~正覚寺下間延伸以来14年振りのことでした。

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2024/1/4 駅前電停はペデストリアンデッキから階段を降りたところにあります。

1998年2月19日、駅前停留場を150m移設し、豊橋駅前ペデストリアンデッキ下に乗り入れる方式に。これは1969年に休止となった市民病院前線の一部復活でもありました。

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2024年3月26日 (火)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その26 豊橋鉄道渥美線に乗車 渥美線で活躍する車両達

豊橋鉄道渥美線、以前の記事にあるように1924年渥美電鉄により開業、1940年名鉄が吸収合併し、同社の渥美線となり、1954年には豊橋市内線(軌道)を運営していた豊橋鉄道に譲渡され現在に至っており、使用された車両も名鉄7300系、5200系、モ3350形、ク2340形、3730系,3800系などが活躍していた時代もありました。特に1997年に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した際には名鉄7300系を譲受し、それまでの全ての車両を置き換えましたが、加速性能が低かったため、昇圧と同時に実施されたスピードアップに対応できない問題点が浮き彫りとなりました。

そこで2000年に導入されたのが元東急7200系1800系(2代)でした。編成は全て3両とし、下り方先頭車がモ1800形、中間車が運転台撤去のモ1810形、そしてデハ7300.デハ7400形を種車とするモ1850形、そして上り方先頭車が元クハ7500形由来のク2800形となっています。

主要諸元

最高運転速度 75 - 85 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 2.7 km/h/s
減速度(常用) 3.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両定員 先頭車140(座席48)人 中間車150(座席56)人
車両重量 モ1800形34.0t モ1850形33.0t ク2800形25.0t、25.5tまたは26.6t
全長 18,000 mm
全幅 先頭車2,744mm 中間車2,740 mm
全高 4,100 mm
台車 電動車TS-802形 付随車TS-815T形
主電動機 直流複巻電動機(110kw×4)日立HS-833Irb形 東洋TDK-841-A1形
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 86:15=5.73
制御装置 抵抗制御
制動装置 HSC-R
応荷重装置付き電磁直通ブレーキ
保安装置 M式ATS

1800

現在、10編成30両が活躍しています。これらは目蒲線で活躍していたデハ7200形15両、デハ7300形3両、デハ7400形3両、クハ7500形9両の計30両からスタートし、3両編成9本と部品取り用デハ7200形3両といった陣容でしたが、2001年大師車両基地の火災で2両が使用不能となり、部品取り車2両が整備され2代目1801Fとなり、2008年上田交通より7200系2両の譲渡を受け、残る予備車1両と共に10編成目として営業運転に就くこととしました。

1800-2801-240104-3 2024/1/4 杉山 1801F

1800-2802-240104-2 2024/1/4 大清水 1802F

1800-2803-240104-3 2024/1/4 神戸 1803F

2804-140813-3_20240325170001 2014/8/13 新豊橋 1804F

1800-2805-240104

2024/1/4 小池 1805F

2806-140813-3 2014/8/13 新豊橋 1806F

1800-2807-240104 2024/1/4 新豊橋 1807F

1800-2808-240104
2024/1/4 新豊橋 1808F
1800-2809-240104 2024/1/4 植田 1809F

10編成のうち、1810Fが未撮でした。

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