2020年9月14日 (月)

日本工業大学工業技術博物館の2100形2109号機 その3

今回は日本工業大学工業技術博物館の蒸気機関車2100形2109号、周辺の展示物を紹介致します。

工業技術博物館は1987年、学園創立80周年記念事業の一環として開設されました。

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2017/11/20

2109号の側には、蒸気機関車のメカニズムに関する図解付きの解説がありました。

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弁装置、シリンダーとピストンの関係に関しては模型も用意されています。

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Dsc01897 動輪と主連棒の関係も模型付きで紹介されています。

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2109号が大学に寄贈されるまでの経緯も紹介されています。

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その他、鉄道の安全運行に関するシステム、信号・タブレットなどの閉塞関連システムの紹介もありました。

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2020年9月11日 (金)

日本工業大学工業技術博物館の2100形2109号機 その2

昨日の記事に引き続き、日本工業大学機械技術博物館に保存されている2100形2109号機の話題です。

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Dsc01922 イギリスで発明され、世界中に広まった鉄道において最初に使用されたブレーキシステムは、機関車と緩急車による手ブレーキで、後には列車全体を鎖でつなぐチェーンブレーキシステムに発展しました。しかし、列車全体に均等にブレーキを作用させることが出来ないという問題点がありました。一方、蒸気機関車特有の蒸気ブレーキシステムも開発されましたが、これもあまり汎用性がありませんでした。1874年にノース・イースタン鐡道の技術者J・Rスミスによって開発されたのが真空ブレーキで、機関車から列車全体にブレーキ管が引き通され、機関車側でイジェクターを操作することで管内の空気圧を真空にし、各車両のブレーキピストンを動かし、ブレーキを掛けるというものでした。ただ、このシステムは管が破れたり。連結が外れたりした際にブレーキが利かなくなるトラブルがありました。この問題を解決するためにブレーキを緩めるために管内を真空にする自動真空ブレーキシステムが開発されました。これによって事故はだいぶ減りましたが、管内を真空にしなくては列車が出発できず、真空にするためにホコリ等を吸い込み、列車が動かなくなるトラブルの頻発や編成が長い場合の応答性の悪さが表面化しました。
最終的にたどり着いたシステムが空気ブレーキでこれはアメリカのジョージ・ウェスティングハウスが開発したシステムで真空ブレーキは大気圧の1気圧と真空の気圧差を利用するものに対して、空気ブレーキは圧縮空気を利用することで1気圧以上の空気圧差を利用でき、ブレーキシリンダーの小型化に貢献出来、機関士からの応答性も格段向上しました。

明治時代に輸入されたB6形も当初は真空ブレーキでしたが、1921年に空気ブレーキの搭載が決断され、コンプレッサー、エアタンクが搭載されてゆきました。

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タンク式機関車であるB6は両サイドに大型の水タンクが装備されています。

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定期的に公開運転がなされている機関車であるため、整備も行き届いており、黒光りしています。

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前部には引き出し、押し込みようのアントが連結されていました。

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2020年9月10日 (木)

日本工業大学工業技術博物館の2100形2109号機 その1

2017年11月の埼玉県宮代町の旅、今回は昨日の町役場から歩いて数分ところにある日本工業大学のキャンパス内にある工業技術博物館(11号館)内に保存されている2100形2109号機です。

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Dsc01882 普段、2109号機が収納されている蒸気機関車館 展示運転用の線路が出ています。

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1907年に創立した東京工科学校を運営する学校法人東工学園が工業高校出身者の受け皿となる大学の設立を目指し、1967年に開学した大学です。キャンパスは宮代町と東京神田にあり、基幹工学部、先進工学部、建築学部などの学部があります。
工業技術博物館は歴史的に価値ある産業の発展に貢献した工作機械等、250台以上の機械を機種別、製造年代順に展示しており、、工作機械の7割は動態保存で、一般に公開されています。

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2100形蒸機はイギリスのダブス社が製造し、1890年に官設鉄道が輸入し、AC形154-164(偶数)と附番した6両、1891年に日本鉄道が輸入し、166-176(偶数)と附番した6両、さらに1894年に関西鉄道が輸入した3両、1903年にダブス社の後身のノース・ブリティッシュ・ロコモティブ社から輸入した2両があります。1909年の鉄道院の車両形式称号規程で官設鉄道の6両が2100-2105、日本鉄道の6両が2106-2111、関西鉄道の5両が2112-2116となりました。
2100形は性能が良好であったため、1898年から1905年にかけて、同形で動輪径の異なる2120形、ドイツ製の2400形、アメリカ製の2500形を輸入し、これら4形式をまとめてB6形としました。

主要諸元
全長 : 10,203mm
全高 : 3,658mm
軌間 : 1,067mm
車軸配置 : 0-6-2(C1)
動輪直径 : 1,219mm(1914年度版では1,245mm(2106 - 2111)、1924年版では1,250mm、1914年版以降1,270mm(2112 - 2116))
弁装置 : スチーブンソン式基本形(2115, 2116はアメリカ形)
シリンダー(直径×行程) : 406mm×610mm
ボイラー圧力 : 9.8kg/cm2(1924年版では11.3kg/cm2)
火格子面積 : 1.33m2(1924年版では1.31m2)
全伝熱面積 : 93.6m2(1924年版では92.9m2)
煙管蒸発伝熱面積 : 84.2m2
火室蒸発伝熱面積 : 9.4m2(1924年版では8.7m2)
ボイラー水容量 : 3.0m3
小煙管(直径×長サ×数) : 45mm×3140mm×192本
機関車運転整備重量 : 45.47t(1924年版では46.36t)
機関車空車重量 : 35.85t
機関車動輪上重量(運転整備時): 37.85t(1924年版では38.24t)
機関車動輪軸重(最大・第3動輪上): 12.70t(1924年版では12.93t(第2動輪上))
水タンク容量 : 7.73m3(1924年版では7.8m3)
燃料積載量: 1.65t(1924年版では1.9t)
機関車性能
シリンダ引張力 : 6,870kg
ブレーキ装置 : 手ブレーキ、真空ブレーキ

 

日本鉄道が輸入した2109号は国鉄で廃車された後、西濃鐡道に譲渡され1970年まで活躍、その後は大井川鐡道で動態保存蒸機の先駆けとして活躍、1993年に日本工業大学に寄贈され現在も月に一回の頻度で展示運転がなされています(コロナ禍の状況では休止かもしれませんが)。

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2020年9月 9日 (水)

保存蒸機 宮代町町役場に保存されている東武鉄道B4形40号(旧鉄道省5655号機)

2017年10月の九州北部の旅行の約1か月後、訪問したのは東武動物公園駅から徒歩5分ほどの宮代(みやしろ)町役場横に保存されている東武鉄道40号でした。

Dsc01871 2017/11/20 機関車は役場の建物に寄り添うように保存されています。

東武鉄道は明治32年(1900年)に蒸機鉄道として開業しました。大正13年(1924年)からは電化が開始され、その進展とともに旅客は電車になりましたが、貨物は蒸気機関車牽引が続き、1966年にお別れ列車が運転されるまで蒸機の時代が続きました。一時は延べ85両もの蒸気機関車が在籍し、蒸機王国と言われたこともありました。拙blogでも東武鉄道の蒸機は何度か登場しています。板橋区の城北交通公園のKoppel製ベビーロコ号(この車両は牽引力の小ささから本線での営業はなかったようですが)、大田区の萩中中央公園のB3形34号機、いなべ市の三岐鉄道貨物博物館の東武39号機です。

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前照灯が欠損しているのは残念ですが、車体は美しく整備されていました。

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このタイプの特徴は後部の途中から斜めに上がって行くランボードです。

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足回りはロッドのみというシンプルな構造です。Dsc01855 キャブ内部にも立ち入ることができます。

Dsc01852 大きめの炭水車です。

今回の40号機は1898年英国シャープ・スチュアート社製SSbt2/4形 で日本鉄道が6両購入し、官設鉄道5650形となった1両で、まさに三岐鉄道貨物博物館の東武39号機の兄弟機です。沖田祐作氏の機関車表のデータでは
1898 Sharp Stewart 製番4438
納入 日本鉄道212
1906-5-31現在 一ノ関
1906-11-1買収 国鉄212
1909-10-1改番 5655
1915頃 新津
1922-2-20廃車 新津
1922-2-8譲渡 東武鉄道40
1966廃車  となっており、1922年に廃車となった後、東武鉄道に譲渡され、40号と附番されました。東武鉄道では1966年まで貨物列車を牽引して活躍しました。

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2020年8月31日 (月)

直方市石炭記念館の蒸気機関車 Koppel 32号機

2017年10月15日記事でアップしたように、2日目のメインは博多駅でのクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の撮影と直方の石炭記念館訪問でした。同記念館の詳細は2018年1月13日からの記事としてアップしました。

171014 2017/10/14 直方市石炭記念館とその前庭に展示されているKoppel32号機

今回はKoppel製32号機について触れてみようと思います。

Koppel社は正式には オーレンシュタイン・ウント・コッペル (Orenstein & Koppel OHG) 社(以下O&K)といい、1876年4月1日、ベンノ・オーレンシュタインとアルトール・コッペルにより、ベルリンで設立されました。創業当時は一般的な製造業社でしたが、早い段階で鉄道分野に参入、蒸気機関車、貨車、客車の製造を手がけ、さらには建設用削岩機、貨物船、地ならし機、クレーン車、エスカレータなどの製造にも手を広げました。日本には1910年代、軽便鉄道ブームが起こった際に軽便鉄道用機関車が多く輸出されました。ドイツではドイツ帝国軍へ軍用機関車を納入するために設備が拡張されて行きました。

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煙室扉の中心がボイラーの中心と合っていないのもこの機関車の特徴

Dsc09986_20200830093301 小回りが効き、後方視界も良く、バック運転も楽なことから重用されました。

Koppel32号機は宮田町(現、宮若市)にあった貝島大之浦炭坑が同炭鉱の専用線用の資材運搬用機関車として1925年に輸入しました。1C1軸配置のタンク機で日本に輸入されたKoppel機の中でも最大級(50t)の機関車です。
同機は1976年8月の閉山まで活躍し、1977年4月に石炭記念館に移設されました。

ドイツにおけるO&Kは第一次世界大戦におけるドイツ帝国の敗戦、崩壊、ベルサイユ条約で軍用軽便鉄道の接収、製造産業と軍隊規模の制約を課されました。1925年の終わりから3ヶ月間の操業停止を課せられたものの、以後取引状況は改善し、1930年代にはタイプ50シリーズの蒸機、狭軌用、標準軌用の蒸機を製造、ディーゼル機関車の製造も開始し、ドイツ国営鉄道にも納入されました。

ナチスドイツ統治化、ヒットラーのアーリア化政策で1935年、O&Kと関連会社の株式の強制売却、1941年には政府の信託理事会の管理下に置かれました。この時代はMBAという呼称でした。ベルリンの空襲が始まると設備はすべてプラハに移転しました。第二次世界大戦後の東ドイツ時代はVEBと改名、蒸機の製造も開始しました。
しかし1981年には鉄道事業から撤退、1996年にはエスカレーター製造部門をフィンランドのコネ社に売却、建設機械部門はFiatグループに売却され、2006年にベルリン工場はその歴史の幕を閉じました。

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2020年8月26日 (水)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その3 小湊鉄道B10形4号

小湊鉄道五井機関区の保存機関車、最後はB10 4号です。

Dsc08135  2017/8/27 五井機関区

この機関車はC型タンク機の1号、2号とは異なり、B型、四輪連結十輪タンク機関車です。製造元や小湊鉄道に入線する履歴に関しても1,2号機とは異なります。

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元は英国のベイヤー・ピーコック社1894年に製造したテンダ機Pbt2/4形で製造番号は3641です。1895年日本鉄道が輸入し、94号機となりました。宇都宮機関区、上野営業事務所などで活躍し、1910年、形式称号改正で5500形5507号となりました。

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5500形は官設鉄道や日本鉄道により、1893年から1898年にかけて数次にわたって輸入されています。最初は1893年製の6両AF(226-231、組立完了時には142-147に)(製造番号3597-3602)で、東海道線の増強用でした。1898年に二―ルソン社製の5630形とともにD6形に改められました。

1894年には3640-3651の12両、1897年には3889-3924の36両、1898年には4014-4025の12両が日本鉄道により、輸入されました。東武鉄道でも1898年製4026-4035の10両を輸入し、B1形(3-12)としています。これらのうち、6両(7-12)は後年、総武鉄道に譲渡され、16-21に改番されました。1906年の鉄道国有化法で日本鉄道、総武鉄道は国有化され、1909年制定の鉄道院の車両形式称号規程により、官設鉄道のD6、旧日本鉄道のPbt2/4、旧総武鉄道の16-21は5500形となり、それぞれ5500-5505、5506-5565、5566-5571に改番されました。

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1枚目の写真と4枚目の写真を較べるとわかりますが、タンク機に改造された際に装着された側水槽の形が左右で異なるのもB10の特徴です。右側が前方上面を斜めに切り落とした五角形、左側が右側よりやや長さの短い四角形でこれは当時、真空ブレーキから空気ブレーキに変化する過程で空気ブレーキ用のコンプレッサーや空気タンクを取り付けるスペースを確保するための措置でした。この改造で運転整備重量は34.07tから48.43tに増加、軸重も11.62tから13.24t(第一動輪上)に増加しました。

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ローカル線の開業でタンク機の需要が大きくなったため、1929年から1930年にかけ、5500形に側水槽を新設、運転台後方に従輪を追加し、炭庫を設ける工事が国鉄大宮工場にて実施され、2Bテンダ機から2B1タンク機に改造されB10形となりました。このとき、10両 (5506, 5507, 5510, 5512, 5515, 5527, 5534, 5557, 5558, 5565)が改造されました。なお、こういったテンダ機からタンク機への改造は大正時代後期から行われており、5300形を改造した960形、6350形を改造した1000形(2代)、6200形および6270形を改造した1070形などがあり、

新旧番号の対象は5506, 5558, 5512, 5507, 5527, 5557, 5565, 5510, 5515, 5534 → B10 1 - 10 となっています。

改造後は千葉、八王子で活躍、1936年には陸軍千葉兵器支廠に譲渡されました。終戦後の1946年11月、小湊鉄道に貸渡され、1949年正式に譲渡され、1951年2月まで活躍しました。1938年からB10形の私鉄への譲渡が始まり、B109とB1010がラサ工業に、1943年にはB106が東洋埠頭に譲渡されました。一方、国鉄に残ったB10は1950年までに全廃となりました。

主要諸元
全長:11,378mm 全幅:2,061mm 全高:3,672mm
運転整備重量 48.43t 空車重量 36.3t
最大出力 550馬力
実用最高気圧 12.0kg/cm²
汽筒および衝程 406mm×559mm
制動機の種類 手用および空気制動機
連結器の種類 シャロン自動連結機
火床面積 1,330m²
焔管(径×長さ) 45.0mm×3.229m×152本
伝熱面積 73.0m²
水槽容量 6.530m³
燃料櫃容積 2.2m³

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2020年8月25日 (火)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その2 小湊鉄道2号機

今回は昨日の1号機と同時に導入された2号機です。
主要諸元のデータは1号機と同じです。

Dsc07983 2017/8/27 公開中の小港鉄道2号機 連結器は自連に交換されています。

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ボールドウィン機関車会社Baldwin Locomotive WorksBLW は1825年に 宝石や銀細工職人のマサイアス・ウィリアム・ボールドウィンがペンシルバニアで創業した鉄道車両会社で当初は製本機や平織り綿布(キャラコ)の捺染用のシリンダーを製造しましたが、自分用に小型の定置機械を製作するようになり、動力源として蒸気機関に関心を持つようになり、1831年にはフィラデルフィア博物館の要請で展示用小型機関車を製作しました。それがきっかけとなり、フィラデルフィア郊外の支線で使用する小型の機関車の製造を受注しました。

イギリスでリチャード・トレビシックにより、世界初の蒸気機関車が発明されたのは1802年、ジョージ・スティーブンソンのロコモーション号は1825年ですので、既にアメリカのカムデン・アンド・アンボイ鉄道(C&A)にはジョージ・スティーブンソンの息子のロバート・スチーブンソン製の蒸気機関車が輸入されニュージャージー州ボーデンタウンに保管されていました。尤も、マサイアス・ウィリアム・ボールドウィンが訪問した際はまだ組み立てられておらず、部品の寸法を測定したそうです。

当時、蒸気機関車を製作するための工具すら存在せず、大変な苦労のもとに部品の製造から始め、最初の機関車「オールド・アイアンサイド」「剛の者」が完成し、1832年11月23日、フィラデルフィア・ジャーマンタウン・アンド・ノリスタウン鉄道において試運転されたのちに営業に就き、20年の長きにわたり使用されました。

日本向けに蒸気機関車を輸出し始めたのは1887年で、日本の鉄道開通の15年後でした。


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その後、1928年には世界最大の機関車製造会社にまで成長しました。
ボールドウィンの経営は多角的で、機関車製造の傍ら、銃の製造も行い、蒸気機関車のみならず、電気機関車、ディーゼル機関車と手を広げましたが、それが市場占有率の低下を招き、1956年には機関車製造から撤退することになりました。以降は建設機械の製造に特化するボールドウィン・ライマ・ハミルトン社となりましたが、1965年にアーマー社の完全子会社となり、1970年にはグレイハウンド社がアーマー社を買収、1972年にはグレイハウンド社によってボールドウィン・ライマ・ハミルトン社は閉鎖となりました。

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2020年8月24日 (月)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その1 小湊鉄道1号機

2017年8月27日、小湊鉄道のキハ5800形の公開イベントが行われ、五井機関区に保存されている同鉄道会社の創業期に活躍し、保存されている蒸気機関車を見学する機会に恵まれました。

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2017/8/27 五井

機関区には現在の小湊鉄道の主力気動車であるキハ200形気動車14両、JR東日本より譲渡されたキハ40形気動車2両、DB4形ディーゼル機関車1両、ハフ101、デハ101・102、クハ101号客車が所属し、さらに今回からの記事で紹介予定の開業時から1962年まで使用されていた蒸気機関車3両(1号、2号、B104号)、そして1997年まで活躍したキハ5800形が保存されています。

2016年11月18日、機関庫および鍛冶小屋が国の有形文化財に登録答申され、2017年5月2日に正式に登録されました。

Dsc08076 3両の保存蒸機機関車 右から1号、2号、B104号

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最初は1号機関車です。1924年(大正13年)にアメリカのボールドウィーン社が製造した57776号を輸入したものです。

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形式は六輪連結十輪タンク機関車で最大寸法は全長:9,867mm、全幅:2,717mm、全高:3,352mm、運転整備重量37.93t(空車重量、30.1トン)、最大出力は712馬力、実用最高気圧11.5kg/㎠、汽筒および衝程は381mm×508mm、制動機は手用および蒸気制動機、連結器はマルコ式自動連結機、火床面積は1,480m²、焔管(径×長さ)は44.5mm×2.744m×152本、伝熱面積は65.40m²、水槽容量は3.785m³、燃料櫃容積は2.785m³(これらのデータは同社のWEBサイトから)

Dsc07993 キャブ内も見学できました。

Dsc08127 ナンバーに関しては1号機は炭水車に、2号機は先頭部に表示されていました。

1956年まで活躍しました。

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2019年7月 4日 (木)

城北交通公園 2015年10月訪問時 の他の展示物 Koppel製ベビーロコ号

板橋区が管理する城北交通公園には昨日の記事で紹介したD51513号機の他、ドイツ・コッペル社製のミニSL「ベビーロコ号」、都バス、都電8000系の車輪などが展示されています。さらに交通資料館内部にはC622号機の模型、HOゲージのレイアウトなどが展示されています。

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2015/10/4 城北交通公園

この説明にあるように明治45年(1912年)にOrenstein & Koppel社で製造された機関車です。同社は1876年4月1日、ベルリンにおいて創設された会社で創業後、鉄道車両、重機、エスカレータなどを製造してきました。1981年に鉄道部門から撤退、1996年にはエスカレータ製造部門をフィンランドのコネ社に売却し、建設機械製造に専念しました。しかし、建設機械部門もフィアットグループに売却し、2006年ベルリン工場は幕を閉じました。

ベビーロコは輸入後、紀州の有田鉄道で活躍、太平洋戦争後は東武東上線に移りましたが、牽引力が少なすぎたため、東上線を回送で走っただけで川越機関区で休車、放置状態でした。1958年7月以降は常盤台駅で展示されていましたが、1973年8月に城北交通公園に移されました。

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キャブ内にも立ち入り可能で、ボイラーの右上に手動のブレーキが付いています。

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2019年5月11日 (土)

横浜市電保存館を訪問 その9 吉村コレクション part1 蒸機編

2015年4月1日横浜市電保存館訪問、昨日までの記事で紹介した7両以外に57歳という若さで亡くなられた横浜市港北区仲手原に在住された鉄道模型コレクター吉村栄氏が40年かけて製作、収集された鉄道模型(Oゲージ)のコレクション、「吉村コレクション」があります。

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1983年に横浜市に寄贈され市電保存館で保存されているのは国鉄の機関車、電車、全国各地の私鉄車両で全て紙製手作りのOゲージとのことです。
今回の記事からは蒸機、電機、ディーゼル機関車の写真をいくつか紹介したく思います。

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2014/5/24 9856 鉄道博物館

9750形
日本で初めて本格的に導入された大型マレー式機関車です。

東海道本線国府津~沼津間(山廻り、現在の御殿場線区間)や東北本線の黒磯~白河間の幹線勾配区間の輸送力不足を打開するため、1911年にアメリカのアメリカン・ロコモティブ社製9020形(当初は4600形)が6両導入されました(機関車本体のみで炭水車は国内工場で製造)。
試運転に供されましたが前部台車の蛇行動が激しく、走行安定性に欠け、動輪の摩耗が大きいことが判明し、当時既に旧式だった飽和式の9020形に代わって加熱式で大量導入されたのが9750、9800、9850形3形式で、アメリカン・ロコモティブ社製が24両(9750-9773)、アメリカ、ボールドウィン社製が18両(9800-9817)、ドイツ、ヘンシェル・ウント・ゾーン社製が12両(9850-9861)です。これら54両は山北~沼津間、大津~京都間、黒磯~白河間、長野~直江津間、亀山~加茂間での貨物列車の牽引と急行列車の補機として使用され、1933年までに全廃となりました。9856が万世橋の交通博物館に保存され、2007年からは大宮 の鉄道博物館に展示されています。その後は勾配線区用にD50形が投入されることになり、我が国のマレー式蒸気機関車は4形式のみとなりました。

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C55形流線形(20-40)
C55形は1935年から1937年にかけて62両が製造されましたが、1936年に製造された2次形20-40の21両(20汽車製造、21-33川崎車輌、34-40日立製作所)はC53 43で試験された流線形デザインが本格導入され、新造されました。C53 43では大型の除煙板はありませんでしたが、C55流線形では小型除煙板に加え、写真のようにサイドスカートから連続する大型の除煙板が設置されました。21両の流線形機は四国を除く全国各地に分散配置され急行列車牽引に活躍し、特に名古屋機関区配置の24-26は臨時特急「」を牽引しました。しかし、流線形機は殆ど効果がないことが判明し、さらにケーシングがあることが現場からも嫌われ、戦後の1950年から1951年にかけて1次車と同様の外観になるよう再整備されました。

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D62形
20両のD52形1950年から1951年にかけて浜松工場で2軸従台車に改造し、線路等級の低い線区への入線を可能にした形式です。

単に従台車を交換したに留まらず、D52形は戦時設計で代用品が使用されていたものが多かったため、それを改善する目的でボイラーの整備、炭水車や除煙板の代用設計品の制式品への交換、給水温め器の移設、自動給炭機の設置などが行われました。なお、1D2バークシャーの軸配置としては日本初でした。
当初、稲沢機関区、米原機関区に10両ずつ配置され、東海道・山陽本線での貨物列車牽引に使用されました。逢坂山トンネル通過対策として集煙装置も装備されました。1958年の姫路電化で一旦全車休車となり、転用先が検討され、東北本線長町~盛岡間と決まってから、軸重軽減改造がなされ、総重量を減らさずに動輪と先・従輪を結ぶ釣合梁の支点の位置を変更し、最大軸重を16.22tから15.00tに軽減しました。改造工事終了後、1959年末に一関機関区に全機集結、ボイラー未交換車似状態不良が発生し、休車になる車両が出たものの盛岡電化まで使用され、1966年10月19日に全車廃車となりました。

廃車後、全機解体されており、保存機は全く無く、吉村コレクションのD62はそういった意味でも貴重な模型となっています。

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