2024年9月 5日 (木)

速報版 2024年晩夏 京都の旅 3日目 嵐電から始まり、阪急PRiVACE、JR、阪急2300系で締めくくり

京都の旅、3日目は壬生川通が嵐電と交差する「四条大宮2号」踏切で6:10発の始発から約2時間、朝のラッシュ時間の嵐電併結編成の撮影を敢行しました。6:10発の始発編成は四条大宮駅に滞泊する編成が無いために西院車庫からの回送が6:01頃やって来ます。

Dsc00363

2024/9/4 四条大宮2号踏切 モボ106+モボ101

この編成が6:10発の嵐山行で嵐山まで行き帰ってくるのが7:06でした。その間に
左の時刻が大宮方面、右の時刻が嵐山方面
6:16 625+632 6:25
6:35  104+622   6:45
6:45  631+102   7:01     
7:06  106+101   7:17
7:16  301+614   7:25
7:27  625+632   7:36
7:31  633+616   7:40
7:41  104+622   7:48
7:49  612+501   7:56
7:58  631+102   8:05
8:06  2001+2002 (8:13)      まで撮影しました。

嵐電の場合、朝の併結編成の相手はVVVF車の2000形以外は共通運用なので毎日、違う車両と併結しているようです。

Dsc00493_20240904192701 2024/9/4 梅田 9306F

嵐電を満喫した後は大宮駅にて阪急・阪神1日フリー切符(¥1600)を購入し、阪急京都線で大阪梅田に向かいました。ちょうど大宮から乗車した準特急は9300系9306Fでしたが、PRiVACEと書かれたHMの意味は、2024年7月に登場した2300系の座席指定有料サービス車両を暫定的に組み込んだ編成であることでした。9300系11編成のうち、9303F~9308Fの6編成のT2車9880~を外し、2300系の座席指定車2350~を暫定的に組み込んだ編成にこういったHMが掲示されています。

Dsc00617_20240904192801 2024/9/4 茨木市 9305Fに組み込まれた2360

2300系の製造、運用投入に関しては今年度は2300F、1編成のみですが、PRiVACEカーの2350の他に2356~2361の6両が製造され、9300系に暫定的に組み込まれ運用に入っているようです。

十三にて京都線、宝塚線、神戸線の編成を30分程度撮影した後、神戸線で三宮に向かいました。

またEF200が現役でEF66の0番台などが活躍していた頃、元町駅の神戸よりで複々線の外側線を走る貨物列車をよく撮影したものでしたが、最近はとんとご無沙汰でした。今回、富山機関区のEF510が岡山まで行き、帰りに1086レを牽引して12時32分に神戸貨物ターミナルを出発するのをまだ撮影していなかったので元町で狙うことにしました。Dsc00581 2024/9/4 元町 1086レ EF510-17
台風10号の影響でJR貨物の列車も運休が長引いたため、EF210牽引の貨物列車に関しては訳の分からない時間に通過する中、1086レはほぼ定刻にやって来てくれました。

本来は宝塚線から能勢電鉄線も訪問する予定でしたが、今回はパスして一旦、ホテルに戻ることにしました。その前に阪急の駅員に2300系編成の運行予定を聞いてみると、17:23茨木市発の準特急で走るとのこと。

夕刻、再び阪急京都線で茨木市に向かい、正雀方面から回送でやって来た2300Fを無事撮影することが出来、さらに河原町まで、そして折り返し大宮まで乗車することが出来ました。

Dsc00667 Dsc00672_20240904195001 2024/9/4 茨木市 2300F 同駅始発の準特急 河原町行
2300系と1300系を並べてみると、2300系は独特の形態の窓枠をしていることが分かります。

Dsc00670_20240904195401 梅田より4両目に2350形,PRiVACEカーが連結されています。

Dsc00681 車内は車端部を除き、転換クロス式シートで最終的に12編成まで増備され、京都線の特急車両として活躍することが運命付けられています。

Dsc00680_20240904195901

車端部はロングシートと車椅子スペースとなっています。

Dsc00689_20240904200201

運転台は大型ディスプレイが2基設置され、Tハンドルタイプのワンハンドルブレーキ・マスコンとなっています。

というわけで京都での2日間を満喫しました。明日は東海道をひたすら東上します。

 

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2024年9月 4日 (水)

速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫

新型コロナの時期を除いて、関西の旅は現役時代からよくしてきましたが、京都に宿泊するというのは随分、久しぶりの気がします。

今回、四条堀川のホテルにしたのは、旅の目的が昨年、西院で撮影し、その魅力に嵌まった嵐電(京福電気鉄道嵐山本線と北野線)の撮影を一番に考えたからでした。四条堀川から嵐電の始発駅である四条大宮へは歩いて数分の距離です。

四条大宮の交差点といえば東西南北の碁盤の目のような道路に対して斜めの後院通(こういんどおり)が北西の方向に伸びるのが特徴的な交差点ですが、嵐電四条大宮駅を1階部分に持つビルも、嵐電の線路の方向に合わせるように南西~北東を向いて建っています。
Dsc00006_20240903182501 2024/9/3 四条大宮交差点に建つ嵐電駅が1階部分にあるビル

Dsc00184_20240903182901 出札口で1日フリー切符¥700を購入

Dsc00008_20240903183201 ホームで待っていたのはモボ501+モボ502の併結編成でした。

嵐電初の冷房車として1984年に登場、都電7000形車体更新車を参考とし、ドア配置もワンマン運転を考慮し、前中扉構造としたものの、他車との配置の違いが災いし、厄介者扱いされ、リニューアル工事で扉配置が従来車と揃えられた歴史をもつタイプです。

Dsc00018
この編成で嵐山まで行き、渡月橋などを観光したのち、有栖川にて朝の併結編成を撮影、

Dsc00038 京紫を纏ったモボ106

Dsc00070 朝のラッシュ時間にしか見られないといっても過言ではないモボ301 現役最古の形式

Dsc00079 江ノ電とのコラボのモボ631

などを撮影し、懐かしい吊り掛けサウンドを満喫した後、帷子ノ辻から北野線に乗車しました。

Dsc00111 2024/9/3 北野白梅町 モボ621

こちらは一部複線区間はあるものの、殆ど全線単線で狭い用地に何とか駅を用意したという駅が何駅かある路線です。ニュースによると9月2日には脱線事故があり、今朝は始発から運行しているとのことでした。北野線を1往復して、帷子ノ辻から再び、嵐山本線へ

Dsc00141 三条通の併用区間を走る山之内電停の幅の狭すぎる安全地帯を撮影し、

Dsc00150_20240903190701

併用区間を行くモボ106

Dsc00172

最後は昨年同様に西院車庫の様子を見て、四条大宮に戻りました。

一旦、ホテルに戻った後、午後からは叡山電車の撮影に出町柳駅に向かうことにしました。

Dsc00191_202409031913012024/9/3 叡山電車 出町柳駅

四条堀川から出町柳、電車で行くなら大宮から阪急で京都河原町、四条祇園まで歩き、京阪で出町柳に向かう方法がありますが、市バスなら3系統で乗り換え無しで行けるのでバスによる方法を選択しました。幸い渋滞に巻き込まれること無く無事到着しました。こちらの鉄道にも1日フリー切符「えぇきっぷ」¥1200があります。路線は八瀬比叡山口に向かう叡山本線と宝ヶ池で分岐して鞍馬に向かう鞍馬線があります。
出町柳の出発ホームから叡山本線と鞍馬線は別れています。それは叡山本線が通常1両の運行、鞍馬線が2両編成の運行となっているためです。

Dsc00206_20240903193501 2024/9/3 元田中~茶山京都芸術大学間 叡山本線の700系 722

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宝ヶ池に到着する900系 903+904 鞍馬線

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叡山本線の終点、八瀬比叡山口に到着

Dsc00241 鞍馬線の終点、鞍馬駅

どちらの終点もかなり標高の高い地点にあるため、電車は急坂を登って到着すると言った様子でした。

Dsc00293

車両基地は修学院駅に隣接してありますが、今回のお目当てであった700系732「ひえい」の姿はどこにもありませんでした。

出町柳に戻った後は京阪電車で三条、地下鉄東西線で蹴上へ行き、南禅寺の水路閣を観てきました。

Dsc00340
琵琶湖疏水の分流として南禅寺の境内を流れる水路をローマの水道橋のように煉瓦アーチの構造物にしたもので実際に水が流れており、煉瓦アーチの風情もなかなか見応えのある構造物です。

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2024年8月14日 (水)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part5 モボ2001形

2000年の嵐山本線開業90周年を記念し、モボ501形の置き換えのため登場したのがモボ2001形でした。武庫川車両工業で2両が製造されました。それまで長く続いてきた吊り掛け駆動式から嵐電初のカルダン駆動方式(WNドライブ)となり、制御方式も2レベルIGBT-VVVFインバータ制御方式になりました。ただ、形式名は以前として1929年以来のモボが付いており、沿線への誘導障害対策から回生ブレーキは装備されませんでした。2023年になり、回生電力貯蔵装置が導入されたことから回生ブレーキが付加されました。制御方式が他の形式とは異なるため、朝夕のラッシュ時の併結運転はモボ2001+2002の併結で実施されています。

2002-230829
2002-230829-2 2023/8/29 西院 モボ2002

嵐電の車両の紹介は今回で終わりますが、2023年5月に発表された「KYOTRAM」が2024年度から2028年度にかけ計7両導入予定されており、それによってモボ101形、モボ301形が置き換えられるそうです。わたしも近いうちに再度、嵐電を訪問し、風前の灯火となっているこれらの車両を撮影しておこうと思います。

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2024年8月13日 (火)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part4 モボ631形

モボ631形1995年から1996年にかけ、ク201形の代替車両として3両製造されました。主電動機はモボ121形121-124(それぞれ45kW、4基搭載)のものを各車2基ずつ流用し、台車は新品の住友FS93を履きました。パンタグラフは631がシングルアーム型、632,633がZ型です。2000年に床下制御機器が更新されました。

632-230829

632-230829-2 2023/8/29 西院 モボ632

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2024年8月12日 (月)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part3 モボ611形

モボ611形モボ111形の台車・主要機器を流用し、1992年から1993年にかけ武庫川車両工業で6両が製造されました。吊り掛け駆動方式、間接自動制御車で最大寸法:全長15.00m、全幅2.64m、主電動機:45kWx2、制御器:電制付縦軸式主幹制御器、制動方式:SME 直通空気ブレーキ、集電装置:シングルアーム式パンタグラフです。

車体は普通鋼製で扉はモボ501形の反省から前後配置に戻されました。車体の塗色は2011年3月25日に嵐電開業100周年を機会に613号が「京紫」に塗色変更されたのを嚆矢に6両とも同色に変更されています。

2014年までに台車はインダイレクトマウント方式の住友FS-93に換装されました。

611-230829

611-230829-3

611-230829-23

2023/8/29 西院 611

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2024年8月 7日 (水)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part2 モボ501形

嵐電のモボという形式名はモータとボギー車を意味しています。今から100年前の大正から昭和初期にかけての時代、西洋文化の影響を受け、都会に出現した先端的な男女のことをmodern boy, modern girlと呼んだことがあったようですが、嵐山電気鉄道でも1929年モボ101形が登場するまでの開業時からの形式は1形(1-20:1910年3月、川崎造船所製、台車は21Eタイプの単車)、31形(31-37:1921年11月入線、元阪神1形、こちらは日本初のボギー台車)、21形(21-27、51-61:1形の改造車、1924年から改造で登場)などで形式名に「モ」や「モボ」は付いていませんでした。一世を風靡した言葉とモボという形式名、全く関係なかったのかどうかが気になります(笑)。そして2000年に製造されたモボ2001形にまで受け継がれている点も流石です。

今回の記事で紹介するのはモボ501形です。

501-230829 2023/8/29 西院車庫

モボ501形は1984年に501、502号、1985年に503,504号が製造されました。デザインは都電7000形の車体更新車を参考にしたそうです。ワンマン運転に備え、それまでの前・後2扉配置から後扉を車体中央に移動しました。また当初から冷房装置搭載でした。製造は武庫川車両工業でした。最初からZ型パンタを搭載した車両で嵐電車両では初めてでした。
走行・制御に関する主要機器類は501号はモボ114号、502-504号はそれぞれモボ129、130、128号から流用しています。台車も501号が住友KS46L形、502-504が川崎車輛BWE12形を履いていましたが、後に501号の台車はBWE12形に換装、制御機器もモボ611形、モボ631形と同じ住友FS93に換装されました。
503,504号は2000年から2001年にかけ、モボ2001形に置き換えられる形で廃車されましたが、501,502形は2016年10月、リニューアル改造されました。

運用に際してワンマン運転向けに準備された前中扉構造は他の形式と扉位置が違うことから乗客の動線の悪化を招くことがわかり、出入口の狭さも乗客の乗降に支障を招くことが判明し、以降、増備されたモボ611形以降は従来のドア配置、ドア幅に戻されました。501,502号もリニューアル工事で前後扉方式に変更され、乗務員室の左側に乗務員扉が設置されました。

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2024年8月 6日 (火)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part1 モボ21形とモボ101形

京福電鉄京都本社嵐山線部門の主力車両は1929年の嵐山本線四条大宮~嵐山間全線複線化に伴う輸送力増強と新京阪電鉄による桂駅~嵐山駅開業に対抗して製造が開始され、モボ101形(1929年製造:101-106、藤永田造船所(現、三井造船)製)、モボ111形1932年製造:111-117、田中車両(現、近畿車輛)製、モボ121形1936年製造:121-130、川崎車両(現、川崎重工業車両カンパニー)製)、ク201形1950年製造:201-203、汽車会社(現、川崎重工業車両カンパニー)製からなります。

1968年、老朽化が進んだモボ101形については台車交換、外板張替え等の修繕工事がなされ、さらに1975年には車体の更新が行われました。1980年代にはモボ111形は機器流用でモボ501形モボ611形に、モボ121形は同様にモボ501形モボ621形モボ21形に、ク201形は同様にモボ631形に生まれ変わりました。

1971年には武庫川車両工業(現、阪神車両メンテナンス)により、モボ301形(301,302)が製造されています。
以上が、モボ101形の主要機器類を踏襲した自動加速制御の吊掛け駆動車ですが、2000年、嵐山本線開業90周年記念に、モボ501形の置き換え用として初のカルダン駆動、VVVFインバータ制御のモボ2001形(2001,2002)が武庫川車両工業で製造されました。

といった経緯から、現有車両は

モボ101形:6両 101-106
モボ301形:2両→1両 301 302号は2007年3月29日に運用離脱 西院車庫に留置後、オークション等を経て、解体
モボ501形:4両→2両   501,502 モボ111形、モボ121形の機器流用車 503号,504号はそれぞれ2001年2000年に廃車解体
モボ621形:5両 621-625 モボ121形の機器流用車
モボ611形:6両 611-616 モボ111形の機器流用車
モボ21形:2両 26,27 レトロ調 電車 モボ121形の機器流用車
モボ631形:3両 631-633 ク201形の機器流用車
モボ2001形:2両 2001,2002 となっています。

26-102-230829-2_20240805090101 2023/8/29 西院車庫で休むモボ21形26とモボ101形102

モボ21形は1994年の平安京遷都1200周年記念行事の協賛の一環としてモボ621形(621-625)が製造された際に基本設計はモボ621形に倣い、装飾やダブルルーフ屋根などをレトロ調にした車両で、モボ621形の続番として下2桁の26,27とし、モボ121形の126.121の制御装置、主電動機、台車を流用して製造されました。2021年に車両更新が行われ、行き先表示器がLED式に、パンタグラフがシングルアームタイプ、台車がBWE12から住友FS93に換装されました。

モボ101形102号は前述の通り、1929年藤永田造船所製で1975年のポール集電廃止で、Z型パンタに換装、車体はモボ111形117のものと交換、1990年には冷房改造を受けました。2016年には京紫塗装になりました。

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2024年8月 5日 (月)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その2 嵐電の歴史

嵐電こと嵐山線は京都市内で軌道事業(嵐山本線・北野線)、鉄道事業の鋼索線(叡山ケーブル)・叡山ロープウェイを運営する京福電気鉄道の経営下にあります。同社はかつて京都市内の叡山本線・鞍馬線の2つの鉄道路線を運営し、福井市内でも鉄道・バス事業を行っていましたが、叡山本線・鞍馬線は京福全額出資で設立した子会社の叡山電鉄1986年に分離譲渡、福井本社傘下のバス事業は2000年に子会社の丸岡バス(譲渡後、京福バスに)へ、鉄道事業は2003年に第3セクターのえちぜん鉄道に譲渡し、現在は京都市内の軌道事業、鉄道事業(鋼索線)と福井県での小規模な不動産事業を残すのみとなり営業路線も最盛期は120kmを越えていましたが、現在は13km程となっています。

Img054 1981年頃 叡山本線 宝が池付近
1929年、京都電燈が叡山線用に増備したデナ21形21~24のうちの1両

2003-7603-edit 1976/3 福井 三国芦原線の車両

7603-edit  
1976/3 福井 勝山永平寺線の車両

関西から北陸にかけての地域をテリトリーとした京都電燈株式会社は琵琶湖疎水の蹴上発電所から生み出される大量の電力を背景に電灯の本格的普及に貢献し、京都市の産業振興にも貢献、さらに日本初の路面電車である京都電気鉄道(後の京都市電)の開通にも貢献しました。この京都電燈が太平洋戦争時の配電統制令で1942年に解散した際、陸上輸送・鉄道事業部門を継承したのが京福電気鉄道でした。譲渡は1942年3月2日に行われました。ちなみに発送電部門は日本発送電1942年4月1日に、配電部門は関西配電(後の関西電力)と北陸配電(後の北陸電力)に継承され、1944年に精算が完了しました。京都電燈から鉄道事業を京福電気鉄道が継承したタイミングで当時傍系だった鞍馬電気鉄道三国芦原電鉄が合流しました。

京福という社名は京都と福井を鉄路で繋ぐという意味ではなく京都は祇園をはじめとする夜間の電力需要が多く、福井は織物工場が稼働する昼の電力需要が多いことから、互いの電力を融通するため京都電燈が建設した「京福送電線」が語源となっているそうです。1944年には永平寺鉄道・丸岡鉄道を合併し、1950年頃には京都と福井の営業路線距離は120.9kmとなりました。

1964年8月(発坂駅西側)正面衝突事故、1977年8月(発坂駅東側)脱線横転事故、2000年12月(ブレーキ部品脱落)正面衝突事故、2001年6月(発坂駅西側)正面衝突事故など、福井の越前本線内では、わずか1kmの範囲で3度の事故とわずか半年間で2度に亘る電車同士の正面衝突事故を起こしたために、国土交通省から列車運行停止が命ぜられ、2003年に福井地区の鉄道事業から撤退を表明、越前本線、三国芦原線の廃止が決まり、えちぜん鉄道に事業譲渡となりました。

嵐山本線、四条大宮~嵐山間7.2kmは1906年12月17日、軌道特許状が下付され、1910年3月25日、嵐山電気軌道により開業しました。1918年4月2日、京都電燈が嵐山電気軌道を合併、嵐山鉄道部傘下となりました。1928年12月、全線が複線化されました。北野線、北野白梅町~帷子ノ辻間3.8㎞は1925年11月3日、京都電燈が北野~高雄口(現、宇多野)間を開業したのが始まりで、1926年3月10日、高雄口~帷子ノ辻間が延伸開業しました。

611-230829-24 2023/8/29 西院 611

嵐電の車両に関しては明日以降の記事で触れますが、京福電気鉄道の車両、京都嵐山、叡電、福井越前線の車両形式名をみてもモボ301デオ300ホデハ301とバラバラ、さらに車両番号の重複もある点が特徴でした。

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2024年8月 1日 (木)

2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その1 西院駅

2023年晩夏の関西旅行、十三駅で神宝線、京都線の阪急車両を撮影した後は京都線に乗車し、嵐電とのクロスポイントである西院駅に向かいました。

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2023/8/29 西院駅 大阪梅田方面の駅名標

阪急線の乗車のために大阪梅田駅で以前と同様に「阪急阪神1dayパス」を購入しての乗車でしたが、嵐電のホームに近い北改札口の自動改札機はこの切符は通行出来ず、西改札口から地上に出て歩くことになりました。

230829_20240731091801

2023/8/29 阪急 西院駅の案内図

230829_20240731092101
京都方面行き先頭付近にあるのが北改札口で嵐電の乗り場に近く、大阪梅田寄りが西改札口
西改札口は写真のような駅ビルの地下にあります。地下から地上に出ると方向感覚がつかみにくく、嵐電の踏切がどこにあるのか分からずに誤った方向に進む前に現在地と方向を確認することが肝要です。
左右道路が西大路通、交差するのが四条通

230829_20240731092801 2023/8/29 嵐電の嵐山方面ホームの裏手にある北改札口入口

230829_20240731093601 2023/8/29 四条通を渡る嵐電の線路 四条通の地下を阪急京都線が走っています。

嵐電の西院駅は四条通挟む形でホームが存在し、嵐山方面は北側、大宮方面は南側にあります。

嵐電の車庫は嵐山方面のホームの奥、この写真の線路に沿って路地を入っていった先にあります。

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2023/8/29 車庫の入口付近から、車庫で休む嵐電の車両を撮影しました。

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2024年4月18日 (木)

福井鉄道が自社発注したF1000形 FUKURAM

豊橋鉄道の車両の話題からだいぶ話が横道に逸れていますが、福井鉄道の車両の話題をあと1件。

福井鉄道福武線では名鉄の路面電車を2006年4月から導入することで従来車(鉄道形車両)の大半を置き換えましたが、2013年3月には低床型路面電車としてF1000形を導入しました。

豊橋鉄道が2008年に導入したT1000形の福井鉄道版であることからF1000形になったのかと思いきや、そうではなくこちらは新潟トランシス製で3両固定(3車体連接)タイプとなっています。

主要諸元

設計最高速度 70 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.4 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
編成定員 155人(座席53人)
編成重量 37 t
編成長 27,160 mm
全幅 2,650 mm
全高 3,437 mm
車体 耐候性鋼製車体 (前頭部:GFRP製)
台車 独立車輪式ボルスタレス台車
主電動機 かご形三相誘導電動機 TDK6413-B
主電動機出力 100 kW
搭載数 3基/編成
駆動方式 車体装荷式直角カルダン軸駆動方式
歯車比 6.789
制御方式 VVVFインバータ制御方式
制御装置 PWM制御IGBTインバータ MAP-101-75VD250
制動装置 回生・発電併用電気ブレーキ 油圧式ディスクブレーキ

新潟トランシスは前身の新潟鐵工所時代からドイツのAEG(その後、アドトランツ、現・ボンバルディア)と業務提携し、同社が開発した車軸の無い独立車輪方式の「ブレーメン形」のコンセプトで日本仕様の車体を設計、製作し、AEGから輸入した電機品、台車を艤装し、完成品とする方式を採っており、1997年熊本市交通局9700形を納入しました。2002年にはアドトランツが新開発した「インチェントロ」の車体デザインを取り入れた9200形岡山電気軌道に納入しています。熊本も岡山も2車体連接方式でしたが、ブレーメン形の足回りとインチェントロの車体を組み合わせ、3車体連接としたのはF1000形が初めてでした。
2013年3月12日に第一編成が搬入、同月31日から営業運転に入り、2015年2月に第二編成、2016年3月に第三編成、2016年12月に第四編成とこれまでに4編成が営業運転に入っています。カラーはオレンジ、ブルー、グリーン、桜色となっています。第二編成の導入以降、1960年以来活躍してきた200形が続々と廃車となってゆきました。

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2017/10/20 福井駅前 F1004編成

さらに福井鉄道では2023年にはモ880形を置き換えるためアルナ車両が製造したF2000形電車を導入、3月27日から運行を開始しました。こちらは将来、福井を訪れる機会があれば撮影したく思っています。

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