2023年晩夏の関西旅行 近江鉄道彦根駅の風景
BS-FUJIで放映されている鉄道伝説、2013年1月12日の第1回放送以来、13シーズン目に入り、11月17日には第151回、近江鉄道~上下分離方式で再生を目指せ~が放映されました。
最近では西武鉄道から2000N系2連,2451F,2453Fが譲渡され、番組内でも紹介されていました。番組のメインテーマは累積赤字に苦しみ、廃線か存続かの危機的状況にあった同社が2024年4月から上下分離方式、鉄道運行に関しては近江鉄道が担当、施設の維持・管理は沿線10市町で構成される一般社団法人近江鉄道線管理機構が担う方式に移行するまでの取り組みの紹介でした。
鉄道事業者は社会的インフラを担う存在としていくら経営状態が悪くても一存で路線の廃止を決定することは出来ません。近江鉄道の場合も鉄道事業に関して1994年度以来営業赤字が続き、2016年度には過去30年で最大の約3憶円の営業赤字を計上するに至りました。2017年12月、鉄道事業を維持するのが困難になるとして、沿線自治体に協議を求めていることが明らかとなり、2019年2月4日には、鉄道の存廃を巡って滋賀県、及び沿線5市5町による会合が持たれ、地域公共交通活性化再生法に基づく法定協議会を同年10月に設置する方針となり、自治体の支援により存続した場合の維持費等と鉄道を廃止し、バス転換した場合の新たな設備費用を検討した結果、2020年3月に全線(本線と2つの支線)を存続する方針となりました。鉄道施設の維持・管理に関しては沿線10市町で構成される一般社団法人近江鉄道線管理機構がになうことになりましたが、運行に関しては果たしてどの鉄道会社に任せるのかという問題になりました。
果たして近江鉄道が引き続き鉄道運行を担っていけるのか、あるいは別の会社が担うことになるのか、3年間かけて「試される」ことになりました。近江鉄道としてはこれまで駅の無人化などで地域との連帯感が薄くなってきている状況を考慮し、さまざまな施策を展開しました。ひとつはタイムリーな「お得な切符」の発売、イベントの開催、シニア層に対してのパスの発売などでした。それらが功を奏する形で近江鉄度が第二種鉄道事業者として運行を担当することが決定しました。ちなみに日本の私鉄において創立以来社名を一度も変更せずに存続しているのは近江鉄道と東武鉄道、島原鉄道のみだそうです。 西武3000系由来の300形(手前)と101N系由来の100形(奥)
西武401系由来の800系 3枚とも2023年8月31日 JR彦根駅ホームから
今後、新たに加わった2000N系2連の活躍も楽しみであります。
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