2023年11月14日 (火)

2023年 北九州旅行 その68  最後は新山口から山陽・東海道新幹線で

今回の九州北部旅行、最終日6月3日、土曜日は小倉駅で早朝の列車を撮影した後、鹿児島本線、山陽本線の各停で幡生まで移動、同駅で山陽本線最西端で活躍する115系、キハ47形等を撮影した後、さらに新山口まで移動、そこから山陽新幹線で東京方面に帰ることにしました。

折しも5月20日にグアムの南東で発生した台風2号が中心気圧を905hPaまで下げ、最大風速60m/sの猛烈な勢力となって、フィリピンの東に至り、北寄りに進路を変更し、宮古島のすぐ東を通過、6月1日から2日にかけ、黒潮の流れに沿うように日本列島の南側を通過し、6月3日15時に伊豆諸島付近で温帯低気圧に変わりました。この台風の接近の影響で6月2日午前中には中国・四国地方で、6月2日午後から3日午前中には東海地方で線状降水帯が発生し、大雨となり河川の増水、低い土地の浸水、土砂災害が起こりました。東海道新幹線も6月3日午前中は名古屋以東が運休となりました。

新山口から新幹線に乗車することにしたのは幡生駅での写真撮影を考慮したのと、山陽本線西部の風景を楽しみたかったのと、さらに自由席にしたのは時間によって列車を変更できる自由度を確保したかったからでした。

Dsc04074
2023/6/3 新山口駅 列車案内版
午前11時ごろ、この時点では名古屋以東が大雨の影響で不通になっていたため、本来東京駅まで行くはずの「のぞみ22号」は新大阪止まりとなっています。

後から思えば、あの時何で早く家に帰りたかったのだろうか、当初の予定通り、1時間後に出る「のぞみ26号」に乗車していれば東京まで座って行けたのにと感じましたが、11:11発の”新大阪止まり”の「のぞみ22号」に乗車してしまいました。乗ったときはもしかしたら途中で、行き先が東京に変更になるのではという淡い期待もありました。

500-w4-230603-2 500-w4-230603-4 2023/6/3 新山口 500系 W4編成

新山口駅では久しぶりに山陽区間で活躍する500系新幹線W4編成の姿を見ることができました。

淡い期待も空しく「のぞみ22号」は新大阪で運転打ち切りとなり、車内アナウンスでは「同じ名前の列車が別のホームから出発するので新大阪以東に向かわれる方はそちらに乗り換えてほしい」とのこと、混雑する中をかき分けて別のホームから出発する「のぞみ22号」に乗ろうとしましたが自由席車両はデッキまで人が立っている状態。その後は1時間あとに新大阪に到着した「のぞみ26号」に何とか乗車しましたが、こちらもどの車両も溢れんばかりで、新横浜まで立ちんぼ状態、名古屋駅、東京駅での列車渋滞による遅延で特急料金は払い戻しとなりましたが、最後はトンだ結末となりました。

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2023年10月 5日 (木)

2023年 北九州旅行 その56  山陽新幹線 小倉駅で見られる車両の変化

山陽新幹線、岡山~博多間が開業したのが1975年3月10日のダイヤ改正でした。早いものであれから48年半が過ぎていますが、山陽新幹線でしか見られない車両も変化して来ました。

230531_20231004043801
2023/5/31 小倉 新幹線小倉駅野駅名標 JR西日本のスタイル

230531_20231004184601 2023/5/31 現行(2023年3月18日改正)の小倉発上り列車時刻表

朝8時台から19時台にかけて、ダイヤはほぼパターン化されており、毎時31分と52分は東京行「のぞみ号」、2分、もしくは10分と39分は九州新幹線から新大阪に直通する「さくら号」もしくは「みずほ号」、12分は岡山までの「こだま号」となっています。31分発ののぞみ号は福山停車、52分発ののぞみ号は新山口停車と別れています。みずほ号が九州新幹線内は鹿児島中央、熊本、博多と通過型に対し、さくら号は鹿児島中央~熊本間を各駅に停車します。

230531-2_20231004190701  22023/5/31 小倉 新幹線編成表
のぞみ号のみが16両で、他の列車はすべて8両です。

230531_20231004191001 2023/5/31 小倉 新幹線改札口の列車案内版

のぞみ号は黄色、さくら号はピンク、みずほ号はオレンジ、こだま号は青に色分けされています。

0-r61-041017-4edit 2004/10/17 小倉 0系 R61編成による「こだま」

100-k53-041017-2 2004/10/17 小倉 100系 K53編成による「こだま」

700-railstar-e6-230531 700-railstar-e6-230531-2 2023/5/31 小倉 700系-7000番台 Rail Star 「こだま851号」

N700-r4-230531-2 N700-r4-230531-6 2023/5/31 小倉 N700系 R4編成 「さくら560号」

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2021年4月30日 (金)

2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 4 北陸新幹線 高崎~軽井沢

本来、この区間は前回2018年の旅の逆ルートを辿る予定でしたが、武蔵野線電車の遅れのため、急遽、新幹線の利用となりました。

Dsc02768 2021/4/3 高崎駅新幹線ホーム

Dsc02771 同駅は2本のホームの中間に通過本線がある構造で、E7系などが減速することなく駆け抜けてゆきました。

Dsc02781 上り線にはこの秋で引退となるE4系Maxの姿も

Dsc02789_20210429162101 定刻にあさま303号が到着 F6編成でした。

高崎駅8:22発の「あさま603号」に乗車すると、8:30に安中榛名に停車、8:42に軽井沢に到着します。高崎から僅か、20分で軽井沢に到着します。新幹線開業前の1985年の時刻表で比較すると、上野を7:00に出発した「あさま1号3001M」は大宮7:22、高崎8:12、磯部8:27、横川8:42、軽井沢8:59となっています。碓氷峠時代は高崎から47分かかっていました。そのうちの17分が碓氷峠通過でした。

北陸新幹線は北海道新幹線(青森市~札幌市)、九州新幹線(福岡市~鹿児島市)、東北新幹線(盛岡市~青森市)、九州新幹線(福岡市~長崎市)の計5路線で整備新幹線として決定されました。

高崎~長野間のルートは両者を直線的に結ぶ鳥居峠経由の「長野原ルート」と信越本線に沿って進む「信越本線沿いルート」がが考案されましたが、前者は草津白根山に長大トンネルを建設する必要があることから施工は不可能となり、信越本線沿いルートとなりました。しかし、高崎~軽井沢間の標高差は840mあり、信越本線は碓氷峠を通過し、66.7‰の勾配でしたが、新幹線規格の12‰勾配で建設するためには延長70kmの迂回ルートとなるため、工費や所要時間の拡大が見込まれました。建設を担当する日本鉄道建設公団は高崎を出て左に進み、松井田駅上空を橋梁で通過、物見山の下をトンネルで抜け、佐久方面に抜ける南周りのルート案を当初考えましたが、これは軽井沢を経由しないため、国鉄が難色を示しました。最終的に高崎を出て、登り始め30‰の勾配で軽井沢に向かい、中間に途中駅を設けられるように1km程度の水平部分を設けるルートに決定しました。
以前、小諸駅の記事で触れましたが、北陸新幹線の高崎~軽井沢間は標準(フル規格)、軽井沢~長野間は新幹線直通線(ミニ新幹線)で建設する計画が当時の運輸省案でした。しかし、1990年の「整備新幹線着工等についての政府・与党申合わせ」において長野までのフル規格での建設が決定しました。

Dsc02794_20210429162301 高崎を出発して8分で安中榛名に停車

高崎を起点として18.5kmの地点に設置されたのが安中榛名駅です。整備新幹線建設において、群馬県内の各自治体は県内に駅が設置されない場合は地方負担分の拠出に対応しないと主張していましたが、当初、新安中という名前で駅が企画されることになり、誕生したのがこの駅です。

JR東日本によるとこの駅の開業以来の1日平均乗降客は270人前後で北陸新幹線では最小、JR東日本管内の新幹線駅でもいわて沼宮内に次いで2番目に少ない駅となっています。いわて沼宮内駅の場合、IGRいわて銀河鉄道の乗降客が1日1000人程度あるので、新幹線と合算すると同駅が最少となります。駅周辺にはかつてはコンビニエンスストアがあったそうですが2013年に閉店し、それ以降商業施設は全くない状態となっています。榛名と駅名に冠されていますが観光地である榛名山に向かうバス等もありません。

Dsc02795_20210429162301 東京発7:24で軽井沢着8:42、昔に比べるとずいぶん速くなったと感じます。

Dsc02797_20210429162801 新幹線改札口には自動改札機も設置されており、どこか首都圏の駅と錯覚しそうです。

東海道新幹線は、富士川を境に50Hzと60Hzの商用交流周波数の違いを越えていますが、車両に供給される交流の周波数は60Hzに統一されていました。これは1964年当時の技術では車両側における周波数の切替が難しかったことによるせいですが、北陸新幹線においては高崎~金沢間において、軽井沢~佐久平間の新軽井沢き電区分所で東京電力から中部電力に切り替わり、周波数も50Hzから60Hzに切り替わります。さらに上越妙高~糸魚川間の新髙田き電区分所で東北電力から供給を受けるために50Hzになり、糸魚川~黒部宇奈月温泉間の新糸魚川き電区分所で北陸電力に切り替わり、周波数も再度、60Hzになります。
事故等で新上越変電所が供給を停止した場合は隣接する新長野変電所または新黒部変電所からの延長き電により60Hz電力が供給されることになっています.そのため,同区間にある新桑取補助き電区分所、新能生補助き電区分所、新梶屋敷補助き電区分所の電気設備は50Hz/60Hz両用となっているそうです(情報源)。

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2021年4月22日 (木)

2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 1 概要編

2018年晩夏の信州の旅の記事を書いていて、その後、しなの鉄道にデビューした115系S9編成台湾鉄路管理局「自強号」色を撮っておかなくてはと思い2020年12月28日に長野日帰り旅行を行いましたが、2021年3月ののダイヤ改正ではSR1系一般車200番台がデビューしており、さらに小海線沿線を旅するプランもあり、2021年4月3日土曜日、日帰りで小平~高崎~軽井沢~戸倉~小諸~中込~野辺山~小淵沢~高尾~国分寺と周りました。その旅の様子を今回から数回にわたりレポートします。

この旅、当初の予定では、
新小平 524
南浦和 550/553
さいたま新都心 602/606
高崎 729/730
横川 803/810 JR関東バス
軽井沢 844/853 快速長野行    

と軽井沢まではJR東日本在来線とJR関東バスを乗り継いでゆく予定でした。

Dsc02748_20210421162201 2021/4/3 新小平駅の武蔵野線西船橋方面列車案内 この後、524過ぎに突然、列車遅延の案内が

Dsc02752_20210421162501 南浦和では遅れは挽回できず、604発に乗ることに この直後、本来乗る筈だった高崎行E233系が列車線を通過して行きました。

ところが旅の出だしの新小平駅で524発の府中本町始発の武蔵野線海浜幕張行が5分遅延とのこと。余裕を見て一本前の509発に乗るようにしておけばよかったと思ったのも時すでに遅し、南浦和で京浜東北北行には乗れず、横川~軽井沢間のバスは一本やり過ごすと次は1010発となることから、急遽予定を変更し、高崎~軽井沢間は北陸新幹線を利用することにしました。

Dsc02792_20210421163101 18切符の一日分の運賃(¥2410)に対して、新幹線2駅分の乗車券+特急券はこういう値段になっています。

新小平 524+5
南浦和 555/604
浦和 607/618
倉賀野 743/752          倉賀野で下車したのはJR貨物のEF210-300番台を撮影するためです。
高崎 757/822 あさま603号
軽井沢 842/853 快速長野行
戸倉 948

戸倉まで行ったのは前回の2018年の旅行ではしなの鉄道線の車両基地を訪問していなかったからです。

戸倉駅北側西南側に広がる車両基地の様子を見学、SR1系200番台をじっくり見学した後は小諸まで戻り、小海線に1204発の230Dは2007年から小海線に投入されているハイブリッド式気動車キハE200系でした。

小諸 1204
滑津 1227/1322
中込 1236/1406
野辺山 1536/1621 HIGHRAIL2号
小淵沢 1656/1723
高尾 1944

滑津では佐久市旧中込学校と隣接する成知公園に保存されるC56101号機と佐久鉄道のキホハニ56を見学、野辺山では野辺山歴史民俗館のC5696号機を見学、ちょうどこの日は快速HIGHRAIL2号の運転日でもあったので、小淵沢までの指定券を購入し、乗車しました。

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2018年2月18日 (日)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その8

新幹線博多総合車両所の公開、今回は車両工場らしい部品の展示です。

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鉄道車両の輪軸や台車枠など鉄鋼製の物体は磁場中におくと材料内部に磁束が通り、表面や内部に磁束を遮断する欠陥があると、欠陥の両端に磁極が現れ、磁束が表面空間に漏洩します。ここに鉄粉や着色磁粉をかければ磁場に吸引されて欠陥の幅が拡大され容易に欠陥の存在が分かります。これが磁粉探傷検査の原理です。
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一方、超音波探傷検査は超音波探傷器から高電圧の電気パルスを超音波探触子の振動子に送信させ、超音波パルス信号として、機械的は振動を金属材料の表面や内部に伝播させることで、音響的に不連続部分からの反射信号や反射強度、伝播時間などで、材料内部の傷、長さ、形状を評価する技術です。蒸気機関車で動輪や下回り部品をハンマーで叩いて感覚的に音の違いから傷や緩みを見つけていた技術の発展型かも知れません。医学検査で行われる超音波エコー検査もこれに通じるものがあります。

この展示を見たあとで、2017年12月11日の「のぞみ34号」の台車亀裂インシデントが同車両所の検査体制から発生していた事実を考えるとちょっと複雑な気分ではありますが。

Dsc00414 700系 M車 輪軸

Dsc00416 700系 T車用輪軸

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台車枠、空気バネを乗せて重量が1200kg

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輪軸が装着された状態

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こちらはM車の台車から取り出された交流誘導電動機ですが、2016年10月22日に仙台のJR東日本の車両センターで展示されていたE5系などのモーターに較べるとかなり大きい感じがします。

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台車の各部品、装着されているときは大きく見えますが、単体にすると結構小さいものです。

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検査を終えて再度組み立てられた台車でしょうか。説明板はありませんでしたが、台車枠や空気バネの形から0系の台車ではないかと思います。

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以上が2017年10月15日日曜日のJR西日本博多総合車両所公開「新幹線ふれあいデー」の様子でした。
まだまだ福岡旅行の話題は続きます。

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2018年2月17日 (土)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その7

2017年10月15日、日曜日の新幹線博多総合車両所の公開、今回からは屋内での各種展示の紹介です。

まずは、座席の比較展示で、

0系グリーン車

Dsc00384 2017/10/15

0系のグリーン車がいつ頃まで活躍していたか、16両編成のH・NH・N編成として1996年までは11,12号車に15形(Ms)16形(M's)が連結されており、それ以降はJR東海のこだま用YK・Y編成と車内設備を揃える関係でグリーン車の連結位置は9,10号車となりました。

一方、「ひかり」で運用されていた12両のSK・S編成では8号車に16形(M's)が連結されており、「ウエストひかり」の登場で転用されました。しかし、2000年に「ひかりレールスター」が登場したことで消滅しました。

ウエストひかりの座席

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12両のSK編成をベースに2+2列シートの編成をWK編成、7号車にシネマカーを連結した編成がWKV編成と呼ばれました。

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こちらは500系900番台WIN350の座席です。

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続いては解装場、聞き慣れない言葉ですが、車体に付いている各種装備を取り外す場所で

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九州新幹線直通用N700系7000番台S13編成が入場し、781-7013が身ぐるみ剥がれていました。

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続いてコックピットのATC速度計の展示もあり、

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0系、100系、300系と歴代の系列のATC速度計が写真と共に展示されていました。

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2018年2月16日 (金)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その6 ドクターイエロー2

昨日に続いて2017年10月15日、日曜日の新幹線博多総合車両所での923系ドクターイエロ―T5編成(3000番台)の話題、今回は7両編成の中身をそれぞれの車両ごとに見てみます。

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1号車:変電/電車線/信号/通信測定台・電気/施設測定機器

7号車も同様ですが、先頭部には、前照灯の下方、車体中央に前方監視カメラが設置されています。尾灯はこのカメラの左右に配置され、営業用の700系では尾灯となっている左右の2灯も前照灯となっています。このため、前照灯は700系の4灯に対し6灯となり、視認性の向上が図られています。

車体色はT3編成までの黄色5号からマリーゴールドイエローになり、明るく鮮やかなものとなりました。

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2号車:高圧室・電気関係測定機器

6号車も同様ですが、集電用に1基、検測用に1基のパンタグラフが搭載されており、長大なパンタグラフカバーが外観の特徴となっています。通常測定走行において測定用パンタは進行方向前方の車両のものを使用し、集電用は後方の車両のものを使用するため、同じ車両のパンタを両方上げることはないそうです。

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3号車:観測ドーム・電気倉庫・電力データ整理室

1号車M1c、2号車M'、3号車M2の3両で1ユニットを構成し、5号車も同様ですが、この3両が電気試験車機能を持っています。

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4号車:(軌道検測車)軌道検測室・施設データ整理室・施設倉庫

従来、軌道検測車は3台車方式の車体で3台車の傾きから軌道の異常を感知しており、車体長も17.5mと短車体でしたが、923系からはレーザー光線での検測となったため、2台車方式で他の中間車両同様の25m長の車体となりました。

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ただ。台車は外観的に非常に特徴的な形態をしています。
また、各車両の扉は測定機器の搬入を考慮して、700系11号車と同様の1050mmの大型扉が設置されています。

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5号車:多目的試験・電源供給・観測ドーム・休憩室
観測ドームは目視での観測が可能なように座席が高い位置に配置されています。VVVFの主制御装置を搭載しています。

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6号車:ミーティングルーム・高圧室・電気関係測定機器
2号車と6号車には動力電源用のトランス、主変換装置が搭載されています。トローリー線の摩耗は回転ミラーと高速レーザーによる測定で50mm間隔で測定します。

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7号車:電気/施設測定機器

両先頭車には前頭部両側面の青帯内に対向列車検知装置が設けられており,対向中の列車の動揺が測定データに影響を与えるので、その間のデータを切り分けられるようにしてあります。

JR東海、西日本では923系による検測車を、JR東日本はE926形East-iによる検測を行っていますが、JR九州はこういった検測車は保有せず、営業用の800系編成に軌道や電力、信号、通信系の検測機器を搭載して対応しているそうです。

N700A系では台車の振動加速度を取得し、異常振動を検知することを目的としたシステムが搭載されており、2016年導入の編成ではパンタグラフの状態監視機能も追加されました。これらの機能が発展すれば、ドクターイエローのような専用編成なしで、精度の高い検測が可能になり、また700系自身が2019年度末で全廃される予定で、ドクターイエローの先も長くはないと考えられています。

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2018年2月15日 (木)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その6 ドクターイエロー1

2017年10月15日、日曜日の新幹線博多総合車両所公開の話題、今回は923系3000番台T5編成、通称”ドクターイエロー”の話題です。

Dsc00276 2017/10/15 総合車両所の門を入ったら南のはずれに黄色い車体が見えました。

ドクターイエロ―と呼ばれる新幹線電気軌道総合試験車に関しては名古屋のJR東海リニア・鉄道館に展示されている922系20番台T3編成紹介をしたときに、その歴史を振り返りました。

923系はT2,T3編成の老朽化、300系以降の250km/h超の高速編成の増加で,270km/hでの走行が可能な計測車ということで700系C編成をベースに開発されました。

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編成は7両からなり、1-3号車は日立製作所笠戸事業所、4-7号車は日本車輛製造豊川製作所で製造されました。0番台のT4編成は700系3次車に準じ。先頭車の連結器周りのカバーが2分割のタイプであるのに対し、3000番台T5編成は4次車以降の6次車で営業車両では連結器カバーが3分割になっているのに対し、T5編成ではT4編成に合わせて2分割とされています。

040828 2004/8/28 東京貨物ターミナルにある検測車庫

T4編成が2000年に登場し、JR東海所属、T5編成は2005年に登場し、JR西日本に所属となりました。年間40回程の計測を分担して行う関係で。両編成ともJR東海の管理下にあり、東京仕業検査車両所内の検測車庫がねぐらとなっています。車体検査は浜松工場で行われています。

923_t4_070329 2007/3/29 田町 T4編成の走行シーン

T4編成とT5編成の外観上の違いは営業用車両でも見られる編成ジャッキアップポイントと7号車の天井に屋根上機器試験用のハッチがT5編成には設けられていることです。

7両編成が2ユニットに分けられ、1~3号車が1ユニット、4~7号車が2ユニットになっています。

1号車:M1c 変電/電車線/信号/通信測定台・電気/施設測定機器
2号車:M'  高圧室・電気関係測定機器
3号車:M2  観測ドーム・電気倉庫・電力データ整理室
4号車:T(軌道検測車)軌道検測室・施設データ整理室・施設倉庫
5号車:M2  多目的試験・電源供給・観測ドーム・休憩室
6号車:M'   ミーティングルーム・高圧室・電気関係測定機器
7号車:M1c 電気/施設測定機器
添乗室があり700系普通車と同様の車内。カラーの大型プラズマディスプレイも備える)

明日の記事ではT5編成各車両の写真を紹介します。

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2018年2月14日 (水)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その5

2017年10月15日の博多新幹線総合車両所公開の話題、、今回は屋内展示の100系グランドひかり」用食堂車の話題です。

Dsc00344 2017/10/15

Dsc00345
1987年4月の分割民営化の時点で100系はJR東海に継承されたX・G編成のみで、JR西日本には0系しかありませんでした。旅客サービスの向上と到達時分の短縮を目指し、JR西日本独自の100系として製造されたのが100系V編成「グランドひかり」編成であり、1989年から1991年にかけて6次に渡り9編成製造されました。番号は3000番台に区分されました。

Dsc00347 内部も公開されていました、1階部分の通路

東京~博多の長距離運用に就くためG編成では省略された食堂車(8号車)を復活させ、7,9,10号車を2階建てG車とし、2階建て車両4両は付随車、それ以外の12両は電動車(G・X編成は両先頭車は付随車)としました。

Dsc00349 キッチンスペース

こういった点から100系と敢えて区別して100N系とも呼称されています。

保存されている168-3009号はV9編成の8号車として組み込まれた2階建て食堂車で川崎重工業製で1991年12月12日にV9編成に組み込まれています。

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その後、300系のぞみ」のデビューなどで、最高速度が40~50km/h遅い100系はダイヤ作成時の足かせとなり、2002年5月18日に定期運用から離脱、2002年11月23日に新大阪~博多間でさよなら運転を行い、消滅しました。

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2018年2月12日 (月)

2017年10月の福岡旅行 7 新幹線博多総合車両所公開 その3

2017年10月15日の新幹線博多総合車両所の話題、昨日は500系量産車V2編成のEVA特別塗装車の話題でしたので、今回はその試作車にあたるWIN350の話題です。

Dsc00399 2017/10/15

形式称号は500系900番台となっています。

山陽新幹線にとって関西と福岡を結ぶ航空路線は強大なライバルであり、それまで国鉄が開発した0系100系を運行してきたJR西日本にとって新幹線の高速化は必須の課題でした。そこで高速化の目標速度を350km/hとして技術的検証を行う実験車両として開発されたのが500系900番台でした。新幹線の場合、こういった量産先行車は量産車が登場したのち、量産化改造を経て、営業運転に投入されることが多く、9000番台を名乗るケースが多いですが、500系試作車の場合は純然たる試作車の位置付けで900番台を名乗り、500系量産車就役前に廃車となってしまいました。

Dsc00403 500系量産車に似ているようでよく見れば似ていないWIN350 500-906

技術的課題の検証のためには最低6両編成が必要との結論から、
博多方
1号車
500-901(M'1c)-500-902(M'1p)-500-903(M1)-500-904(M2)-500-905(M'2p)-500-906(M2c)
6号車
の6両編成で製造されました。3両を1ユニットとする全電動車方式です。主回路制御方式は300系と同じGTOサイリスタによるVVVFインバータ制御です。

Dsc00408

車体は営業用に投入しな前提で車体高は3,300mm」と300系にくらべ35cm低く、最大幅は3380mmと高さより幅の方が大きい車体となりました。アルミ合金の大型押出形材を使用したアルミハニカム構造で、軽量化を図りました。窓や扉の段差が騒音に及ぼす影響も調べるため、窓の無い車両とフル装備した車両、さらに極力平滑化した先頭部(1号車)と勾配をなだらかにして運転台部をキャノピー形状に張りださせた先頭車(6号車)が用意されました。

Dsc00407
米原の方も公開時に見せてもらえるようですが、両先頭車の形態の違いがよく分かります。

台車も軸箱支持の方式が異なる3種類(901と905がWDT9101、902と906がWDT9102、903と904がWDT9103)が用意されました。さらに曲線で空気バネにより、車体を傾斜させる制御方式とアクチュエーターにより振動を防ぐ2種類のアクティブ制御の試験が行われました。

パンタグラフは3種類のパンタを3カ所に搭載し、集電性能の向上よりは低騒音化の試験が主に行われました。

1992年4月に落成し、6月8日からW0編成として、試験走行が実施されました。地上設備を試験用に整備した小郡~新下関間で高速試験が開始され、8月8日には当事国内最高速度の350.4km/hが達成されました。

Dsc00410
断面の形状から車高の低さが分かります。

低騒音型のパンタグラフに関しても。シングルアーム、さらには箱形のカバーの装着などもテストされました。

1995年に試験は終了し、量産先行車W1編成登場の後、1996年5月31日付けで廃車となり、両先頭車を除いて中間車は解体されました。博多方先頭車はJR米原駅そばの鉄道総合技術研究所風洞技術センターの敷地内の、新大阪方先頭車が当所に保存となりました。

営業用車両で最高速度を350km/hに上げるとパンタグラフから発生する風切り音が環境庁の騒音基準(線路中央から20mで75dB以下)を超えてしまうことが判明したことと、車体傾斜装置が未搭載で曲線区間通過時の遠心力の問題も未解決であったため、営業最高速度は320km/hに改められ、さらに1995年の阪神淡路大震災で非常制動距離の厳守が必須となったため、さらに300km/hに改められました。

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