広島~下関間の山陽本線直流区間で活躍した近郊形電車 その1 80系の時代
山陽本線は1964年7月25日に横川駅~小郡駅間が電化され、全線電化が完成しました。
それ以前の1960年6月1日に西宇部(1964年10月1日に宇部駅に改称)駅 - 厚狭駅間、1961年6月1日に小郡駅 - 西宇部間、厚狭駅 - 幡生駅間の電化が開業しており、1942年7月1日の関門トンネル開業時の幡生駅~門司駅間の電化と合わせて、小郡駅~幡生駅間と同じ日に電化開業した門司港駅~久留米駅間の交流電化開業で、小郡駅~久留米駅間には山陽本線広島駅~下関駅間よりも早く421系交直流電車が投入されました。
1964年の山陽本線全線電化開業で岡山運転区、広島運転所に80系電車が配置され、1972年には下関運転所にも80系が配置されました。
1975年3月31日時点での80系電車配置データ 岡山運転区、広島運転所、下関運転所
モハ80001~032は1950年1~3月製造の1次車でクハ86001~020、サロ85001~005、サハ87001~016がが同じ時期に製造されました。1950年度増備車(I)はモハ80033~036、クハ86021.022、サロ85006、サハ87017~019が製造され、クハ86は1次車と同様の半流線形状であり、かつ正面2枚窓のスタイルになりました。
1950年度増備車(II)はモハ80037~086、クハ86023~056、サロ85007~014、サハ87020~040が該当し、クハ86は前面中央部に60mmの角を付けたスタイルとなりました。
1951年度増備車はモハ80087~090、クハ86057~060、サロ85015~027、サハ87041~043
1952年度増備車はモハ80091~098、クハ86061~066、サロ85028・029、サハ87044~047
1954年度増備車はモハ800~101、クハ86067・068
1955年度増備車はモハ80102~117、クハ86069~080・082・084
1956年11月19日の東海道線全線電化完成、高崎線、上越線の客車列車の電車化用にシートピッチ拡大、側窓枠の軽合金化で新番台となり、モハ80は200番台、クハ86・サハ87は100番台となり、
1956年度 モハ80200~244、クハ86100~134(偶数)、101~131(奇数)、サロ85030~033、サハ87100~114
1957年度増備車 モハ80245~256、クハ86133~141(奇数)、136~142(偶数)、サロ85034・035、サハ87115~119
72系920番台の全金属不燃構造を80系にも適用し製造されたのが300番台で
1957年度 モハ80300~317、クハ86300~315、サハ87300~306
1957年度第2次増備車 モハ80318~393、409~425、クハ86316~351・353・364~373・375、サハ87307~327
1958年度債務車 モハ80394~408、クハ86352・354~359・361・363 サハ87328~331
80系の地方転出の際にサロ85の2等車へ格下げ改造が行われ、
サロ85001~005・007~010・013・014・021・025~029・031~033が1965年9月から1968年10月に改造されました。
さらに編成の短編成化で不足する先頭車をサハ85、サロ85を種車に改造し、1967年度から1970年度に
クハ85005・007~009・013・015~019・022・023・028・032~035が誕生しました。
1968年7~9月にはサロ85300・302・308・310・311、サハ85301・303~307・309を改造してクハ85300~311が誕生しました。
1973年5~6月にはサハ87100・101・103・107を改造し、クハ85100~103、1973年7月と1975年1~12月にはサハ87303・323・304・302・316・317・306・307を改造して、クハ85104~111が誕生しました。 1975/3/5 下関に到着するクハ86 1次車を先頭にした80系
1975/3/5 クハ86 300番台先頭の80系
1975/3/5 下関 クハ85 側窓の数からサロ85由来のクハ85
1975/3/5 下関 421系と並んだクハ85 先頭の80系
クハ86001とモハ80001は1977年11月、1985年9月にそれぞれ下関を最後廃車となった後、可能な限り、登場時の姿に復元され交通科学館に保存され、京都鉄道博物館開設に伴い同館に移動、保存されました。
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