2020年9月18日 (金)

2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 4 諏訪市湖畔公園に保存されているD51 824号機

中央東線、茅野から先、岡谷までの単線区間には上諏訪駅、下諏訪駅があり、それぞれの駅の近くに蒸機は保存されています。しかも茅野C12,上諏訪D51,下諏訪C12,岡谷D51という順に並んでいます。

Dsc07123 2018/8/31 諏訪湖湖畔の風景 

諏訪湖は新生代第三紀の終盤からの中央高地の隆起活動と糸魚川静岡構造線の断層運動によって、地殻が引き裂かれることで誕生した構造湖(断層湖)と考えられています。面積は12.81㎢、周囲15.9km、最大水深7.2m、平均水深4.7mの淡水湖で上空から眺めるとプロペラ機の垂直尾翼のような形に見えますが、東側が諏訪市、北側が諏訪郡下諏訪町、西側が岡谷市に属しています。流入河川は31河川ありますが、流出河川は岡谷市の釜口水門から流れ出す天竜川のみです。

Dsc07132

Dsc07164 7月から9月にかけて諏訪湖では週末、花火大会が行われているため、湖畔公園の蒸機にもネットが掛けられていました。

D51824号機は上諏訪駅から歩いて5分ほどの諏訪市湖畔公園に保存されています。
沖田祐作氏の機関車表のデータでは
1943-3-16 国鉄浜松工場 製番74
配属 名古屋局
1943-3-18 浜松
1945-9-30 静岡
1949-6-26 上諏訪
1957-12-24 重油併燃装置取付 長野工場
1959頃 長野工場で切取式除煙板N-2装備 上諏訪
1960-2-6 換気装置取付
1964-3-14 松本
1964-4-3 長野
1970-7-25 二休指定
1970-8-6 長野 廃車  といった履歴となっています。

形態的特徴は長野工場で装備された長工式N-2デフレクターの装備です。長工式デフレクターはC57,D50,D51の3形式に装備され小倉工場の門デフ、鹿児島工場の鹿工デフ、後藤工場の後工デフとの違いは除煙版の下辺が水平でないことです。D51形でN-2型デフレクターが装備された記録があるのは他に197号機708号機などがあります。

Dsc07126 集煙装置は機関車本体から外されて置かれていました。

Dsc07134 潤滑油バルブはランボード上に線路と平行に並んでいます。

Dsc07136 逆転器リンクプレートの穴は小穴タイプです。

Dsc07138 浜松工場製造のD51は
1937年度 浜松工場(5両):86 - 90(製造番号19 - 23)                  89号機 豊橋動植物公園
1938年度 浜松工場(8両):D51 199 - 206(製造番号24 - 31)              200号機 梅小路蒸気機関車館
1939年度 浜松工場(15両):D51 207 - 210・245 - 250・473 - 477(製造番号32 - 46) 245号機 坂城町(今後公開予定)
1940年度 浜松工場(13両):D51 518 - 530(製造番号47 - 59)
1941年度 浜松工場(5両):D51 531 - 534・685(製造番号60 - 64)
1942年度 浜松工機部(12両):D51 686 - 689・819 - 826(製造番号65 - 76)      688号機 岡崎南公園
1943年度 浜松工機部(12両):D51 827 - 830・848 - 852・861 - 863(製造番号77 - 88)

と私がこれまで見てきたD51では4両が浜松工場製ですが、砂管のパターンでは200号機、245号機、688号機がよく似たパターンを示しています。89号機は標準形の試作的意味合いの強い個体ですので、浜松工場パターンが決まる前のスタイルだったのかもしれません。
また、潅水清浄装置は助手席側キャブから少し離れた位置に設置されています。

Dsc07151
炭水車は8-20Bタイプで軸ばねに重ね板ばねを用い、側枠を鋲接板台枠構造としたタイプです。

Dsc07143 キャブ内も見学可能でメーター類のガラスも残されていました。

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2020年8月26日 (水)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その3 小湊鉄道B10形4号

小湊鉄道五井機関区の保存機関車、最後はB10 4号です。

Dsc08135  2017/8/27 五井機関区

この機関車はC型タンク機の1号、2号とは異なり、B型、四輪連結十輪タンク機関車です。製造元や小湊鉄道に入線する履歴に関しても1,2号機とは異なります。

Dsc08130

元は英国のベイヤー・ピーコック社1894年に製造したテンダ機Pbt2/4形で製造番号は3641です。1895年日本鉄道が輸入し、94号機となりました。宇都宮機関区、上野営業事務所などで活躍し、1910年、形式称号改正で5500形5507号となりました。

Dsc07987

5500形は官設鉄道や日本鉄道により、1893年から1898年にかけて数次にわたって輸入されています。最初は1893年製の6両AF(226-231、組立完了時には142-147に)(製造番号3597-3602)で、東海道線の増強用でした。1898年に二―ルソン社製の5630形とともにD6形に改められました。

1894年には3640-3651の12両、1897年には3889-3924の36両、1898年には4014-4025の12両が日本鉄道により、輸入されました。東武鉄道でも1898年製4026-4035の10両を輸入し、B1形(3-12)としています。これらのうち、6両(7-12)は後年、総武鉄道に譲渡され、16-21に改番されました。1906年の鉄道国有化法で日本鉄道、総武鉄道は国有化され、1909年制定の鉄道院の車両形式称号規程により、官設鉄道のD6、旧日本鉄道のPbt2/4、旧総武鉄道の16-21は5500形となり、それぞれ5500-5505、5506-5565、5566-5571に改番されました。

Dsc08164
1枚目の写真と4枚目の写真を較べるとわかりますが、タンク機に改造された際に装着された側水槽の形が左右で異なるのもB10の特徴です。右側が前方上面を斜めに切り落とした五角形、左側が右側よりやや長さの短い四角形でこれは当時、真空ブレーキから空気ブレーキに変化する過程で空気ブレーキ用のコンプレッサーや空気タンクを取り付けるスペースを確保するための措置でした。この改造で運転整備重量は34.07tから48.43tに増加、軸重も11.62tから13.24t(第一動輪上)に増加しました。

Dsc07988

ローカル線の開業でタンク機の需要が大きくなったため、1929年から1930年にかけ、5500形に側水槽を新設、運転台後方に従輪を追加し、炭庫を設ける工事が国鉄大宮工場にて実施され、2Bテンダ機から2B1タンク機に改造されB10形となりました。このとき、10両 (5506, 5507, 5510, 5512, 5515, 5527, 5534, 5557, 5558, 5565)が改造されました。なお、こういったテンダ機からタンク機への改造は大正時代後期から行われており、5300形を改造した960形、6350形を改造した1000形(2代)、6200形および6270形を改造した1070形などがあり、

新旧番号の対象は5506, 5558, 5512, 5507, 5527, 5557, 5565, 5510, 5515, 5534 → B10 1 - 10 となっています。

改造後は千葉、八王子で活躍、1936年には陸軍千葉兵器支廠に譲渡されました。終戦後の1946年11月、小湊鉄道に貸渡され、1949年正式に譲渡され、1951年2月まで活躍しました。1938年からB10形の私鉄への譲渡が始まり、B109とB1010がラサ工業に、1943年にはB106が東洋埠頭に譲渡されました。一方、国鉄に残ったB10は1950年までに全廃となりました。

主要諸元
全長:11,378mm 全幅:2,061mm 全高:3,672mm
運転整備重量 48.43t 空車重量 36.3t
最大出力 550馬力
実用最高気圧 12.0kg/cm²
汽筒および衝程 406mm×559mm
制動機の種類 手用および空気制動機
連結器の種類 シャロン自動連結機
火床面積 1,330m²
焔管(径×長さ) 45.0mm×3.229m×152本
伝熱面積 73.0m²
水槽容量 6.530m³
燃料櫃容積 2.2m³

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2020年8月25日 (火)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その2 小湊鉄道2号機

今回は昨日の1号機と同時に導入された2号機です。
主要諸元のデータは1号機と同じです。

Dsc07983 2017/8/27 公開中の小港鉄道2号機 連結器は自連に交換されています。

Dsc07974
ボールドウィン機関車会社Baldwin Locomotive WorksBLW は1825年に 宝石や銀細工職人のマサイアス・ウィリアム・ボールドウィンがペンシルバニアで創業した鉄道車両会社で当初は製本機や平織り綿布(キャラコ)の捺染用のシリンダーを製造しましたが、自分用に小型の定置機械を製作するようになり、動力源として蒸気機関に関心を持つようになり、1831年にはフィラデルフィア博物館の要請で展示用小型機関車を製作しました。それがきっかけとなり、フィラデルフィア郊外の支線で使用する小型の機関車の製造を受注しました。

イギリスでリチャード・トレビシックにより、世界初の蒸気機関車が発明されたのは1802年、ジョージ・スティーブンソンのロコモーション号は1825年ですので、既にアメリカのカムデン・アンド・アンボイ鉄道(C&A)にはジョージ・スティーブンソンの息子のロバート・スチーブンソン製の蒸気機関車が輸入されニュージャージー州ボーデンタウンに保管されていました。尤も、マサイアス・ウィリアム・ボールドウィンが訪問した際はまだ組み立てられておらず、部品の寸法を測定したそうです。

当時、蒸気機関車を製作するための工具すら存在せず、大変な苦労のもとに部品の製造から始め、最初の機関車「オールド・アイアンサイド」「剛の者」が完成し、1832年11月23日、フィラデルフィア・ジャーマンタウン・アンド・ノリスタウン鉄道において試運転されたのちに営業に就き、20年の長きにわたり使用されました。

日本向けに蒸気機関車を輸出し始めたのは1887年で、日本の鉄道開通の15年後でした。


Dsc07984
その後、1928年には世界最大の機関車製造会社にまで成長しました。
ボールドウィンの経営は多角的で、機関車製造の傍ら、銃の製造も行い、蒸気機関車のみならず、電気機関車、ディーゼル機関車と手を広げましたが、それが市場占有率の低下を招き、1956年には機関車製造から撤退することになりました。以降は建設機械の製造に特化するボールドウィン・ライマ・ハミルトン社となりましたが、1965年にアーマー社の完全子会社となり、1970年にはグレイハウンド社がアーマー社を買収、1972年にはグレイハウンド社によってボールドウィン・ライマ・ハミルトン社は閉鎖となりました。

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2020年8月24日 (月)

小湊鉄道 五井機関区の保存機 その1 小湊鉄道1号機

2017年8月27日、小湊鉄道のキハ5800形の公開イベントが行われ、五井機関区に保存されている同鉄道会社の創業期に活躍し、保存されている蒸気機関車を見学する機会に恵まれました。

170827170827_20200823150301
2017/8/27 五井

機関区には現在の小湊鉄道の主力気動車であるキハ200形気動車14両、JR東日本より譲渡されたキハ40形気動車2両、DB4形ディーゼル機関車1両、ハフ101、デハ101・102、クハ101号客車が所属し、さらに今回からの記事で紹介予定の開業時から1962年まで使用されていた蒸気機関車3両(1号、2号、B104号)、そして1997年まで活躍したキハ5800形が保存されています。

2016年11月18日、機関庫および鍛冶小屋が国の有形文化財に登録答申され、2017年5月2日に正式に登録されました。

Dsc08076 3両の保存蒸機機関車 右から1号、2号、B104号

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Dsc08133

最初は1号機関車です。1924年(大正13年)にアメリカのボールドウィーン社が製造した57776号を輸入したものです。

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形式は六輪連結十輪タンク機関車で最大寸法は全長:9,867mm、全幅:2,717mm、全高:3,352mm、運転整備重量37.93t(空車重量、30.1トン)、最大出力は712馬力、実用最高気圧11.5kg/㎠、汽筒および衝程は381mm×508mm、制動機は手用および蒸気制動機、連結器はマルコ式自動連結機、火床面積は1,480m²、焔管(径×長さ)は44.5mm×2.744m×152本、伝熱面積は65.40m²、水槽容量は3.785m³、燃料櫃容積は2.785m³(これらのデータは同社のWEBサイトから)

Dsc07993 キャブ内も見学できました。

Dsc08127 ナンバーに関しては1号機は炭水車に、2号機は先頭部に表示されていました。

1956年まで活躍しました。

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2020年6月16日 (火)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 13 棚原ふれあい鉱山公園訪問 その3 保存車両 キハ702

柵原ふれあい鉱山公園の保存車両、気動車編、最後はキハ702です。

Dsc02910 2019/8/4 

この車両は元国鉄キハ07 5で片上鉄道にはキハ07 4,5,8の3両が譲渡されキハ701、702、703となりました。

キハ07形はもともとキハ42000形として昭和初期に鉄道省が開発した形式で、ガソリンカーキハ41000形を基本に大都市近郊輸送向けに車体寸法を拡大し、機関出力を強化したものでした。1935年から62両(42000~42061)が量産され、1937年にはディーゼル機関を搭載した派生形式キハ42500形(初代)も3両(42500~42502)試作されました。製造は川崎車輛、日本車輛製造、新潟鐵工所のほか鉄道省大宮工場も担当しました。これら65両のうち、戦後まで残存した車両について機関をディーゼル機関に換装し、再生改造されたグループと戦後に追加製造されたグループが二代目キハ42500形となりました。戦後は東急車両製造の参加しました。

Dsc02821

前頭部は半円柱の2次曲面で、まだガラスは通常の板ガラスによる6枚窓構成となっています。

Dsc02908 シンプルな台車

製造当時は機械式動力伝達方式のため重連総括制御は不可能で、併結運転では各車両に運転手が乗務し、ブザーの合図で連絡する協調運転方式でした。1940年1月の大阪西成線での脱線火災事故でガソリンカーの危険性が問題となり、戦争による燃料統制もあり、1937年に試作され放置されていたディーゼルエンジンの制式化でDMH17エンジン搭載の黄は42500形(二代目)改造が大宮工場、新小岩工場、長野工場、名古屋工場、多度津工場で43両に対して行われました。1957年、気動車の称号改正でキハ07形に改正されました。

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2020年6月12日 (金)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 13 棚原ふれあい鉱山公園訪問 その3 保存車両 キハ303

旧片上鉄道の保存車両、機関車は昨日のDD13だけで今回からは気動車編です。最初はキハ300形303です。

Dsc02877 2019/8/4 黄福柵原駅 

Dsc02883
Dsc02884 黄福柵原駅を発車し、吉ヶ原駅に向かう

Dsc02924
Dsc02936 吉ヶ原駅に到着 130mの運転線ですが良く整備された1934年製の旧ガソリンカーが走る姿は見事です。

この車両は1934年2月川崎車輛で機械式ガソリンカーキハ41000形、41071として製造されたもので、1950年にキハ41057、41096,1952年にキハ41071、1959年にキハ05 33の合計4両が入線しました。入線当初はキハ3001-3003・3006になり、1967年にキハ300形301-303・305と改番されました。

キハ303は1936年までに138両が製造されたキハ41000形、さらに試作ディーゼルエンジンを搭載したキハ41500形2両の中でも最後まで現役で活躍した車両です。

入線に際してディーゼルエンジンへの換装、前照灯の移設、機械式変速機の液体方式化などの改造が施されました。

動態保存されている同系列の気動車としても最古のものです。

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2020年6月10日 (水)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 13 棚原ふれあい鉱山公園訪問 その2 同和鉱業片上鉄道について

昨日の記事にあるように吉井川の水運、高瀬舟による鉱石の運搬を代替するために棚原から片上まで敷設されたのが片上鉄道でした。

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Dsc02852
2019/8/4 棚原ふれあい鉱山公園に展示されている高瀬舟 鉱石を載せて川を下り、復路は塩、魚、ミカンなどを載せて帰って行きました。最盛期は会社所有の船と個人所有の舟で100艘以上が活躍していました。ただ、初夏から秋にかけての農繁期には吉井川の水が農業用水として利用されるため水位がさがり、和気の上流6km付近の天瀬付近から下流は航行不能となるトラブルや棚原から児島湾の九蟠港までの往復に平均5日を要する問題がありました。

会社は、間762mmの軽便鉄道として1919年3月24日に鉄道大臣に出願されました。同年11月27日に片上鉄道が成立しました。やがて1922年4月17日に免許は軌間1067mmに変更され、線路の敷設が開始されます。
1931年2月1日、井ノ口~棚原間が開業し、全通しました。

路線データ
営業キロ 33.8km 建設キロ 33.997km
設計図より実測が長い場所(ダブルチェイン)が3か所、逆に短い場所(ブレイクチェイン)が1か所存在します。
駅数 17駅
全線非電化、全線単線
閉塞方式 単線自動閉塞式 ARC
踏切 108か所
橋梁 98か所
最小勾配 0.9‰ 最大勾配 28.6‰
最小曲線 半径240m 最大曲線 300m
隧道 3か所 

Dsc02903

駅名     営業キロ
片上      0.0      赤穂線(西片上駅と徒歩5分)
清水      4.1
中山      5.7
和気      8.6      山陽本線
本和気     10.1
益原      11.6
天瀬      14.5
河本      16.3
備前矢田    18.3
(貨)井ノ口  19.4     1931年2月1日廃止
苦木      22.2
杖谷      24.2
備前塩田    25.5
肥前福田    27.2
周匝      28.5
美作飯岡    29.6
吉ヶ原     32.5
柵原      33.8

経営は1950年6月20日藤田興業が片上鉄道を合併し、1957年8月1日には同和鉱業が藤田興業を合併しました。棚原鉱山からの鉱石輸送のみならず、沿線住民の足として旅客輸送も行われました。尾小屋鉄道、三岐鉄道とともに陸運統制令の枠外とし他社への事業統合を免れ、青梅鉄道や群馬鉄山専用線(後の吾妻線)とは異なり、国鉄買収の対象にもなりませんでした。鉱石輸送が主体であったため、交換駅での線路有効長は長く、PC枕木等を使用し、線路規格も高規格でした。車両、施設もよく整備されており、国鉄キハ41000形、42000形が現在も動態保存されています。

硫黄の新しい精製技術の確立やオイルショックなどで棚原鉱山の生産量の激減、貨物の取扱量の減少、旅客輸送も乗用車の普及で減少し、1987年には鉱石輸送はトラック輸送に切り替えられ、地元住民は存続希望を出しましたが、経営困難により、1991年6月30日をもって廃止となりました。

Dsc02900
廃線跡を利用して「片鉄ロマン街道」(県道703号備前柵原自転車道線)が設置され、

Dsc02901
吉ヶ原駅周辺には柵原ふれあい鉱山公園が設置されました。

Dsc02868

さらに吉ヶ原駅から旧柵原駅に向かって約100m展示運転線が延長され、2014年11月2日には黄福柵原駅が開業しました。
次回の記事から、柵原ふれあい鉱山公園に保管されている車両について紹介して行きます。

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2020年6月 9日 (火)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 13 棚原ふれあい鉱山公園訪問 その1 公園までの道程

今回の岡山・広島・鳥取・兵庫を回る旅行は毎月第一日曜日に岡山県久米郡美咲町にある棚原ふれあい鉱山公園にてかつて同和鉱業片上鉄道に在籍した車両の展示、運転会が行われているため、8月4日の日曜日に当地を訪問することを前提にスケジュールが組まれたものでした。

Img002_20200608141801 美咲町PRのために町役場が作成したパンフレット

Dsc_0052edit 美咲町のパンフレットから

まずは岡山県久米郡美咲町はどこら辺にあるのかというと、岡山から津山線で岡山方面に向かい、小原駅付近で東西に広がるのが美咲町です。2005年3月22日に中央町、棚原町、旭町が合併して現在の美咲町になりましたが、棚原ふれあい鉱山公園は旧棚原町にあり、美咲町内では南東の端に位置します。津山の町中を西から東へ流れる吉井川が南東に流れを変えて、やがて岡山市の東で瀬戸内海に注ぎますが、その途中に棚原があり、かつての片上鉄道の吉ヶ原駅が公園の中心になっています。

190803_20200608143101
アクセスは津山駅前のバス停3番乗り場から高下行きのバスに乗車し、吉ヶ原(きちがはら)で下車します。

190803_20200608143102 高下行きの朝一番は11:50発です。ですから午前中は時間が有り余っていたので、朝一番の津山線で岡山に向かい、岡山駅で列車撮影を行い、津山に戻りました。因みにバスの運賃は740円でした。

Img003_20200608143601

Dsc02956

Dsc02957
2019/8/4 吉ヶ原駅前

後で知ったのですが、5月から11月の第一日曜日(棚原ふれあい鉱山公園で公開がなされる日)は津山まなびの鉄道館と棚原ふれあい鉱山公園を結ぶバスが運行されており、無料で乗車できるようです。帰りはこのバスを利用しました。

Dsc02817 津山からの往路、バスは吉井川の流れにそって棚原に向かいます。

Dsc02820
吉ヶ原駅の駅舎

棚原鉱山は岩手県の松尾鉱山とともに我が国を代表する硫化鉄鉱の鉱山で古生代ペルム紀中期に形成された火山性硫化物鉱床と考えられており、総埋蔵量は3700万トンと見積もられていました。慶長年間に津山城を築城する際に石材を集めている過程で褐鉄鉱の露頭が見つかったのがきっかけで、明治になって本格的な採掘が開始されました。当初は掘り出された鉱石を吉井川の川舟(高瀬舟)で片上港まで輸送していましたが、次第に船では間に合わなくなり1923年1月に片上~和気間、8月に和気~備前矢田~井ノ口(貨物)間、さらに1931年2月、井ノ口~棚原間に鉄道が開業しました。これが片上鉄道です。

鉱石の質が良く、埋蔵量も豊富、鉱床が掘りやすく、夾雑物も少ないため他の鉱山に比べ競争力が高く、大正時代には日本を代表する硫化鉄鉱鉱山となりました。さらにセルロイド、硫安、化学繊維のレーヨンの需要が拡大し、硫黄の供給源として隆盛を誇りました。ところが1960年代以降石油精製の過程で硫黄が回収されることから硫黄の市場価格が暴落、さらに減反政策で化学肥料の需要が減り、オイルショックが追い打ちをかけ、1991年3月に鉱山は閉山となりました。片上鉄道も鉱山の閉山の3か月後の1991年6月30日をもって廃止となりました。

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2020年5月28日 (木)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 12 若桜鉄道の旅  その2 隼駅、安部駅

若桜鉄道の旅、郡家駅を出発すると

0.9km 八頭高校前 1996年10月1日開業 ホーム1面1線

2.4km 因幡船岡 1930年1月20日開業 ホーム1面1線 駅本屋とホームは2008年に国の登録有形文化財に登録

船岡が付く駅名では宮城県の船岡城址公園、白石川堤の一目千本桜で有名な船岡駅、京都府の山陰本線、園部駅隣の駅、北海道室蘭本線の伊達紋別の隣の駅に北舟岡駅があります。北舟岡の由来は仙台藩船岡領柴田家の人々が1870年頃入植したことから舟岡に北を付したとのことです。

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2019/8/3 駅名標

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Dsc02619既にホームには多くのライダースーツ姿の人々が

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12-030327 2003/3/27 松山 現役時代のムーンライト松山のサボ 

4.4km  1930年1月20日開業 ホーム1面1線 駅本屋とホームは2008年に国の登録有形文化財に登録
無人駅ですが、2009年から毎年8月8日頃に、「隼駅を守る会」、バイクライダー、鉄道ファンが全国から集結し、隼駅まつりが開催されています。きっかけはバイク専門誌上でスズキの大型バイクGSX1300Rハヤブサのオーナーに対して、8月8日はハヤブサの日なので、隼駅に集まろうという呼びかけがなされ、以来ハヤブサ乗りの聖地として同駅にライダーが集まるようになりました。

2010年11月25日には1954年に製造され北陸鉄道石川総泉において大日川ダムおよび大日川第1・第2発電所の建設工事の資材輸送のため東洋工機において製造された箱型30t級電気機関車ED30形1号機2010年に廃車され、その保存先として隼駅に設置されました。同駅ではライダーハウスとして使用されることになりました。
さらに2011年7月7日にはJR四国高知運転所所属だったオロ126が搬入され、ED301と連結されて設置となりました。同車両は現役時代「ムーンライト松山」「ムーンライト高知」として使用されていたことから、「ムーンライトはやぶさ」と命名されました。

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7.1km 安部 1932年2月5日開業 ホーム1面1線 2005年7月23日、登録有形文化財に登録
1991年12月21日公開の日本映画男はつらいよシリーズ44作目「寅次郎の告白」のロケ地となり、ホーム脇に記念植樹、さらにホームのベンチには寅さんのぬいぐるみが置かれています。

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2019年10月23日 (水)

関西私鉄沿線巡りと鉄道イベント参加の旅 その2 きんてつ鉄道まつり 2019 in 五位堂・高安 高安会場

2019年10月19日土曜日は近鉄大阪線の車両を受け持つ、五位堂検修車庫および高安車庫で開催される「きんてつ鉄道まつり」に参加しました。日本最大の路線網を持つ近畿日本鉄道に関しては2017年、2018年と沿線各地を訪問し、ほぼ全ての系列を撮影しましたが、五位堂や高安車庫の公開は貴重な機会なので今回参加しました。

Dsc04671 今回で26回目となる鉄道の日記念イベントで五位堂と高安の2会場で2日間にわたり開催されるのも恒例の様です。

宿泊地は大阪環状線天満駅周辺だったので、環状線で鶴橋、そこから近鉄大阪線でまずは高安に向かいました。

181201 2018/12/1 高安駅 駅名標
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高安駅、車庫は八尾市にあり、車庫は高安駅は挟んで南北に存在します。車庫の表札は駅南口すぐそばにありますが、イベント会場入口は駅から5分ほど南下し、交わる道路を右に入った場所にあります。五位堂に比べるとスペース的には余り広くなく展示物も限られていましたが、

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車両はアーバンライナー21000系12200系を塗色変更した15200系あおぞらII」が展示されていました。

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さらに公開でしかおそらく見ることができない省エネルギー車両の試作車3000系のカットモデル

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そして18400系特急車「ミニスナックカー」のカットモデルが展示されていました(最初、12200系と書いてしまいましたが、18200系Wikipediaの記事によると”高安検車区内において、先頭部をカットモデルとしての一般公開が2014年のきんてつ鉄道まつりより行われている。なお、この18400系の先頭部は復刻塗装の状態のままとなっている。”とのことなので訂正いたします。

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また今年は1969年の「奈良駅地下化」「難波線開通」「鳥羽線・志摩線直通運転開始」からちょうど50年の年で、1970年の大阪万国博覧会を前にして関西地区、あるいは伊勢志摩の観光誘致に向けて大きな動きがあったことがよくわかりました。関東では西武秩父線開業からちょうど50年でしたが。

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近鉄の新しい名阪特急車両として「ひのとり」が来年3月にデビューする予定で、

Dsc04018 シートのモックアップが展示されすわり心地を味わうことができました。

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メカ的な展示としては近鉄電車の系列ごとに使用されている制輪子が提示されており、
RD-511C     30000系ビスタカー 
UB-289B     50000系 しまかぜ 23000系伊勢志摩ライナー 22000系ACE 
UB-288CSC    5820系
UB-287FC2SC   2800系
UB-285FC4SC   5800系
UB-285FC3    20000系 楽
UB-283NFC2MSC 6400系 
NS-246      1421系
FC(鋳鉄)     モト90系
エメリーシューKT  車輪踏面修正子 滑走傷、偏摩耗などの修正を目的とした制輪子で車庫内で運転する際に車両に取り付けブレーキ操作で修正するためのもの

屋外では工事用の重機などの運転実演がありました。
30分程度見学して、五位堂に向かいました。

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