2024年5月28日 (火)

武蔵野線北府中駅、東芝府中工場から続々と出荷される 台湾鉄路管理局500型 電機 ( 台鐵E500型電力機車)

近鉄名古屋線の話題はまだまだ続きますが、ちょっと中休みを。

武蔵野線北府中駅は東芝府中工場(東芝府中事業所)に隣接しており、同工場で完成した鉄道車両がJR線を通って出荷されてゆくのをしばしば目にすることがあります。最近よく目にするのは台湾鉄路管理局E500型2015年から2024年までの車両更新計画で従来から活躍するE1000型電車の機関車、E200型、E300型、E400型電機の更新の一環としてE500型が68両製造されるとのことで、東芝府中工場がその製造を請け負っています。

2023年8月30日E501号機が竣工し、9月17日に花蓮港第8埠頭に到着、税関検査後、9月23日に花蓮機務段(車両基地)に到着、10月28日に潮州車両基地で新車のお披露目が行われたそうです。その後も、製造は続き、昨日(5月26日)にはE511号機が発送の準備中であるのを武蔵野線の車内から見かけました。

主要諸元

軸配置 0-6-6-0(Co-Co)
軌間 1,067 mm
電気方式 交流 25,000V 60Hz
全長 20,770 mm
全幅 2,759 mm
機関車重量 96 t
軸重 16t
主電動機 東芝SEA-116
かご形三相誘導電動機
保安装置 ATS-SN、ATS-P、ATP
最高速度 130 km/h
設計最高速度 140 km/h
出力 3,888kW[1]
最大引張力 280kN

E500型は東芝が設計から最終組み立てまで担当したもので、1435mmの標準軌の国なら波ヨーロッパ製の標準軌仕様の電機を輸入するところですが、台湾は1067mmの狭軌であり、建築基準も日本統治時代のものがそのまま残されており、架線は25kV、60Hz交流方式であるため、日本の企業が製造を担当、輸出ということになったそうで日本製の電機の輸出第一号だそうです。

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E508-2404232024/4/23 北府中駅 出場の準備をするE507号機とE511号機

ちなみにだいぶ塗装の劣化が著しくなっているED30EF65 535号機ですが、EF65 535号機の方は5月26日に見たところ、塗装が上塗りされたように見えました。

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2024年5月 1日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その37 豊明検車支区にてEL120形を撮影

名鉄では1000両を越える車両の日常検査や定期検査、車両留置のために舞木、犬山の2つの検査場の他、茶所、新川、豊明、猿投、尾張旭の5つの検査支区があります。

舞木検査場は名鉄最大の検査場で全般検査、重要部検査が行われており、1997年の鳴海駅高架化の際に鳴海工場が移転するという形で同年3月12日に開業しました。名古屋本線の名電山中駅と藤川駅の間にあり、名電山中駅側から入出場が行われます。

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2022/8/3 広見線から犬山検査場方面分岐

犬山検査場は1985年9月15日、新川工場の月検査業務を引き継ぐ形で広見線の犬山駅と富岡駅間に開設されました。犬山線、常滑線、河和線用の150両を収容可能で犬山駅側から入出場が行われています。

茶所検査支区は当時の新岐阜駅から名古屋本線で2駅目の茶所駅の岐南駅寄りに1956年12月28日に開設され、開設時から優等列車の検査を担当し、7000系パノラマカーや5500系の日常検査が実施されてきました。

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2022/8/3 須ヶ口 新川検査支区

新川検査支区は1929年、当時の名古屋鉄道須ヶ口駅に併設された車両工場で名岐鉄道時代を通じ名古屋に最も近い車両工場として重要な役割を担ってきました。2005年1月29日の空港線開業に伴い、収容能力の向上や施設の更新がなされ、名鉄名古屋駅に最も近い車両基地として活用されています。

240105

2024/1/5 豊明 豊明検査支区

豊明検査支区は1997年の鳴海駅高架化工事に伴い、鳴海検車区が豊明駅隣接後に移転したもので1999年に開設されました。

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2022/8/4 猿投 猿投検査支区

猿投検査支区は1979年7月29日の豊田線開業に合わせ、同年6月三河線の猿投駅構内に新設されました。

尾張旭検査支区は2007年瀬戸線喜多山駅付近の高架工事に伴い、同年6月30日、喜多山車庫が尾張旭駅隣接後に移転し、新たに開設された車両基地です。

2022年夏の名鉄全線ほぼ乗りつくしの旅で撮影出来なかったEL120形が普段は豊明検査支区に常駐しているとのことなので豊明駅に行ってみることにしました。

EL120形は名鉄が保線作業や新製あるいは除籍された車両の甲種輸送用にそれまで使用していた旧型電機の置き換え用として2015年に東芝に発注した電気機関車で名鉄としては72年振り、受注した東芝としても45年振りの私鉄向け電機の製造となりました。

主要諸元

軸配置 B-B
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V (架空電車線方式)
最高速度 100 km/h(単独走行時)45 km/h(牽引時)
起動加速度 3.0 km/h/s(単独走行時)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
自重 39.8 t
全長 12,000 mm
車体長 11,660 mm
全幅 2,731 mm
車体幅 2,600 mm
全高 4,095mm
車体高 3,388.2 mm
台車 新日鐵住金 FS571MB
車輪径 860 mm
固定軸距 2,100 mm
軸重 10t
主電動機 全閉自冷式かご形三相誘導電動機 (架空電車線方式)
主電動機出力 190 kW (1,780 rpm) × 4基
端子電圧1,100V(127A・60Hz)
駆動方式 歯車型継手式平行カルダン駆動方式 (WN継手式並行カルダン軸駆動方式)
歯車比 98:15=6.53
出力 760 kW
定格出力 500V
定格速度 55km/h
制御方式 3レベル方式電圧形PWM IGBT-VVVFインバータ制御
制動装置 電気指令式回生・電空併用ブレーキ (留置ブレーキ・耐雪ブレーキ・滑走防止制御付き)
電気指令によるBP管自動空気ブレーキ(貨車用)
保安装置 M式ATS

形式の120は名鉄創業120周年にちなんだものです。構造的にも、運転操作的にも電車と共通である点が特徴です。EL121とEL122の2台が製造され、導入と同時に貨車にも制御線が引き通されており、2台の機関車を貨車の前後に連結し、前位側の機関車の運転台から後位側の機関車を総括制御することも可能となりました。

El121-240105
EL121

El122-240105

EL122  2枚とも 2024/1/5 豊明

車体番号は側面に121,122と表記されており、妻面はどちらもEL120となっているようです。

豊明検車支区に配置され、、走行試験・性能確認試験、乗務員訓練が行われた後、2015年5月から本格稼働に就きました。

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2021年9月 7日 (火)

秩父鉄道の駅 その10 秩父駅

秩父鉄道の駅シリーズ、今回は秩父駅です。

210731_20210906141501 2021/7/31 駅名標

昨日の記事にあるようにこの駅は1914年10月27日に路線変更した秩父本線の宝登山駅から当駅まで延伸された際に開業しました。

100-7303-210806

100-102-210731-2

2021/8/6 ヤードの待避線で休憩する貨物列車

4000-4017-210731-3 2021/7/31 西武鉄道から乗り入れてくる4000系2編成(4017Fと4003F)も秩父駅も待避線で休憩中

駅の東側には広大なヤードのような敷地が広がっていますが、これは1925年6月に新設され、1996年6月に閉鎖された秩父セメント第一工場の跡地です。駅からの引き込み線はデルタ線を形成しており、今でも道路にその様子が残っています。

三峰口駅に転車台が設置されるまではこのデルタ線を利用してSLパレオエクスプレスC58363号機の方向転換や2000系東武5000系の方向転換もこのデルタ線で行われたそうです。

500-503-7404-210731-2_20210906141801 2021/7/31 三ノ輪線からやってきた貨物列車

7800-7901-210731-2_20210906141901 2021/7/31 下り列車は1番線に

他の地方私鉄ではよく見ることが出来ますが、秩父鉄道でも当駅は下り列車と上り列車の入線方式が右側通行方式となっているのが特徴です。

818-210731 2021/7/31 ワキ800形818号

国鉄ワキ5000形と同型の秩父鉄道ワキ800形が1両 留置線に残されています。 かつては倉庫として使われていたようですが、現在は車籍も無いようです。
国鉄ワキ5000形有蓋車は小口貨物や混載貨物を主とする特急貨物列車に使用されてきたワキ1形、ワキ1000形の後継として1965年から1969年にかけ1515両(ワキ5000~6514)が製造された30t積載貨車です。秩父鉄道にも袋詰めセメント専用貨車として1968年に日本車輛製造でワキ800形が55両製造されました。

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2021年9月 2日 (木)

秩父鉄道の駅 その7 野上駅

秩父鉄道の駅シリーズ、今回は野上駅です。

210731_20210901083201
2021/7/31 駅名標

8月26日記事で、秩父鉄道の駅と所属自治体の関係について触れました。その記述の通り「樋口駅から上長瀞駅までが秩父郡長瀞町」ですが、長瀞町は15世紀後半から16世紀に渡る戦国時代に書物に登場する野上郷で江戸時代には幕府領となった本野上村、中野上村、野上下郷村からなる野上三郷といわれた地域でした。明治以降、1871年には入間県に、1873年には熊谷県、1876年には埼玉県に属し、1879年の郡区町村編制法で秩父郡に、1889年4月1日の町村制施行で本野上村・中野上村・藤谷淵村の区域を以って野上村となり、1940年2月15日に野上町になりました。
その後、長瀞が国の名勝、天然記念物として有名になったことから町名は1972年11月1日、長瀞町になりました。

210731_202109010832022021/7/31 長大なホーム 奥が熊谷方面

7000-7001-210731_20210901084101 2021/7/31 上り列車は通常、1番線に

500-502-210731-2_20210901083601 2021/7/31 下り電車と交換のため3番線に入線する上り7104レ 貨物列車は待避線の有効長の関係から3番線に



寄居駅から先の秩父本線は1903年4月2日に波久礼駅まで開業、1911年9月14日に波久礼駅~宝登山駅(現・長瀞駅)間が開業、その際に本野上駅として開業しました。1929年12月16日、本野上駅は野上駅と改称されました。

野上駅周辺が町の中心である関係から、長瀞町役場、長瀞郵便局などが駅周辺にあります。

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2021年8月31日 (火)

秩父鉄道の駅 その5 ひろせ野鳥の森駅と広瀬川原駅(貨物駅)

秩父鉄道の駅シリーズ、今回はひろせ野鳥の森駅です。

100425_202108301412012010/5/15 駅入口

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Woodyな感じの駅舎

この駅は2003年3月27日に開業した秩父鉄道の駅の中では新しい駅で、2017年4月1日に持田駅と熊谷駅間にソシオ流通センター駅2018年10月20日に永田駅と小前田駅の間にふかや花園駅が開業するまでは最も新しい駅でした。

単式ホーム1面1線の地上駅、管理は熊谷駅が行っています。ユニークな駅名は熊谷市に住むか、務める人々への公募で174名の応募の中から決まったそうです。

100425_20210830141301 駅の西側に車両基地が見えます。

Img_2228
Img_2063
秩父鉄道で活躍する全車両が当基地の所属となっています。

Img_2144 廃車となったデキ100形101号も保存されています。

秩父鉄道の車両基地である広瀬川原車両基地の最寄り駅で、2010年5月15日に同基地で開催された「秩父鉄道わくわく鉄道フェスタ」に参加した際は同駅を利用しました。

秩父鉄道の車両基地、整備工場はかつては熊谷駅の南側に設置されていましたが、手狭となったため、1969年3月に熊谷工場が、同年6月には熊谷検車区が同所に移転しました。

Img_2139 イベントの際にはこういった駅名標も準備されました。

秩父鉄道は石灰石輸送の他に荒川で採掘される砂利の輸送も行っていたことがあり、その積み出しのための貨物駅が広瀬川原駅です。1922年5月13日に開業し、1934年4月20日にいったん廃止され、1943年9月2日に再開業しました、しかし1945年5月28日に再び廃止、同年10月13日に再々開業、1968年11月12日に熊谷からの車両基地の移転で移設となりました。

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2021年8月27日 (金)

秩父鉄道の駅 その3 熊谷駅

秩父鉄道の駅シリーズ、今回は熊谷駅です。

130928_20210826072301 2013/9/28 駅名標


現在のJR東日本高崎線の熊谷駅が開業したのは1883年7月28日のことで、日本鉄道第1期線が上野駅から当駅までを開業したときのことです。このとき、浦和駅、上尾駅、鴻巣駅が同時に開業しました。同年10月21日、日本鉄道第1期線は本庄まで延伸し、中間駅となりました。


1901年10月7日には1916年2月25日秩父鉄道となる当時の初代上武鉄道が熊谷駅~寄居駅間を開業しました。1922年8月1日北武鉄道が建設した羽生駅~行田駅間の路線が熊谷駅まで延伸、秩父鉄道に合併されました。この時点では熊谷駅を介して寄居方面、羽生方面の直通運転は不可能でしたが、1973年5月1日にホームが改良され、直通運転が可能となりました。1982年11月15日の上越新幹線開業の際に駅の構造も改良され、国鉄と秩父鉄道の改札が分離されました。

熊谷駅には妻沼までの東武熊谷線も乗り入れていました。この路線は大日本帝国陸海軍の命令により、太田市の中島飛行機への要因・資材輸送のために熊谷駅~西小泉(東武小泉線)間が計画され、第一期工事区間として熊谷駅~妻沼駅間が1943年12月5日に開業したものでした。その後、利根川の架橋工事を残して終戦を迎えました。戦後、東武鉄道としては計画通り西小泉までの全線開通も検討しましたが、赤字続きの路線、唯一の非電化路線、また熊谷駅のホームは秩父鉄道のホームを借りていたことなどから、1983年6月1日で廃止となりました。

島式ホーム1面2線の地上駅でJR駅から番線番号は続いて、5,6番線となっています。東武熊谷線があった頃は5番線のホーム中ほどで線路は分断され、上熊谷側が東武線、持田側が秩父線という使用状態でした。


1008-100425 2010/4/25 熊谷駅


1207-100515-1 2010/5/15


7500-750160001000-100425 2010/4/25


100425_20210826073501 2010/4/25

6番線の南側には留置線が4本あり、秩父本線で活躍する主力車両を眺めることが可能です。

200-201-130928-3 2013/9/28 上熊谷方の留置線

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2021年8月23日 (月)

秩父鉄道の貨物輸送 その3 武川駅と機関車検修設備

今回は鉄道ファンとして秩父鉄道を訪問する際に絶対に見逃してはいけない駅のひとつ、武川駅とその横に広がる機関車検修設備、実質的な機関区です。

210731_20210822073101 2021/7/31 駅名標

この駅は 上武鉄道が1901年10月7日、熊谷駅~寄居駅間を開業した際に、田中駅として開業しました。駅は武川村に所在したため、1903年6月24日に現在の武川に改称されました。駅は島式ホーム1面2線の地上駅で当駅から貨物専用の三ヶ尻線が分岐する関係で側線が多数引かれています。

500-505-210731-4 2021/7/31 駅北側から

210731_20210822073301 2021/7/31 駅東側の踏切から 

210731_20210822073501

2021/7/31 駅西側の踏切から

早朝には数多くのデキが休息、あるいは貨物列車の牽引に備える様子がみえます。


210731_20210822073801 2021/7/31 駅東側の踏切から東方向に3本の線路が伸びており、左は三ヶ尻線、真ん中は引き込み線、右が秩父本線熊谷方面です。

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三ヶ尻線は2つ先の大麻生21踏切の先で左方にカーブして三ヶ尻貨物駅に向かいます。

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128-210731 駅舎 駅前ロータリーは駅舎の50mほど東のエレベータ付き歩道橋がある場所にあります。

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2021年8月18日 (水)

秩父鉄道の貨物輸送 その1 三輪線

今回からは、秩父鉄道の貨物輸送、特に武甲山から算出する石灰石輸送について触れようと思います。

まずは武甲山がなぜ石灰岩産出する山となったかですが、ジュラ紀末期に南洋で噴出した海底火山や火山島がマントル対流上の海洋プレートに乗って移動するうちに火山活動が収まり、サンゴ礁が形成されました。サンゴ礁を形成した生物の堆積物が石灰岩化し、大陸のプレートと接触、大陸プレートの下に沈み込む際に、海洋プレートの堆積物が大陸側に押し付けられ、付加体を形成、大陸側に付加体が追加されていった際に雨や川によって浸食がすすみ、地表の浸食がすすむと石灰岩や緑色岩が地上に露出、産地の隆起で、突出した山となったのが武甲山と考えられています。武甲山の石灰岩の中からはコノドントと言われる原始的な魚類の歯の化石、山頂付近の石灰岩の下からは二枚貝の化石が見つかっており、約2.5億から2億年前の中生代三畳紀のものと考えられています。

210806-no3 2021/8/6 影森第3踏切

210806 同踏切から影森駅方向 左手の線路が秩父本線、右手の線路が三輪線

27-210806 同踏切の先には秩父第27番札所 龍河山大淵寺があります。

500-502-7403-210806-2 大淵寺の前の道を右に進むと秩父本線をオーバクロスする跨線橋に出ます。三輪線の方は警報機の無い踏切です。

210806_20210817153901 三輪線は左にカーブして行きます。

210806_20210817154001 暹楼に沿った道の先には秩父太平洋セメント三輪鉱業所があります。

100-105-210806 ヲキ、ヲキフを牽引してきたデキ105号機が休息する姿がありました。また貨車の入換等にかつて根岸駅の新日本石油精製専用線で使用されていたスイッチャーD502が活躍しているそうです。

100-105-7304-210806-4 やがてセメント原料の石灰石を満載したヲキ、ヲキフを牽引するデキ105が出てきました。

500-503-7404-210731-2 2021/7/31 三輪線を下ってきたデキ503牽引貨物列車が影森駅に到着し、しばし休息した後、本線を上ってゆきます。

影森駅から浦山口駅方面に線路に沿って進むと、線路は二手に分かれます。跨線橋を潜って、右手に進む秩父本線に対して、急坂を登りながら、左手にカーブして行く線路があります。この線路が三輪線でカーブの先に秩父太平洋セメント三輪鉱業所があります。かつては三輪線と秩父本線の間に1918年9月16日に開業した武甲線がありましたが、1984年2月1日に廃止されました。

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2021年8月 9日 (月)

秩父鉄道の車両たち その13 電機 ED38形

秩父鉄道の電機シリーズ、今回はED38形です。

Ed38-1-100425 2010/4/25 三峰口 秩父鉄道車両公園

拙blogでも過去に紹介していますが、このタイプは阪和電気鉄道1930年に新製したロコ1000形がオリジンです。昭和初期の私鉄電機としては大型の50t級・B-B軸配置,13m級箱型車体で電機で、1930年の阪和天王寺~東和歌山間の全通に備え、2両、次いで1931年に1両が東洋電機製造・日本車輛製造で造られました。南海鉄道との合併などで追加製造の新製が出されたものの、却下となり、国鉄買収後の1944年に1両の増備が認められました。1952年の形式称号改正でED38形となりました。

主要諸元
全長 13,400 mm
全幅 2,740 mm
全高 4,150 mm
機関車重量 50.00 t
台車 棒台枠釣り合い梁式台車
動力伝達方式 1段歯車減速吊り掛け式
主電動機 直流直巻電動機 TDK-556-A × 4基
主電動機出力 164kW(電圧750V・1時間定格)
歯車比 3.88 (17:66)
制御方式 抵抗制御、直並列2段組合せ制御 重連総括制御
制御装置 電空単位スイッチ式手動加速制御
制動装置 EL-14A自動空気ブレーキ
発電制動・回生制動併用、手用制動
最高運転速度 100 km/h
定格速度 41.0 km/h
出力 656 kW
定格引張力 5,175 kgf

動輪直径が1220mmと大きいためやや腰高な印象を与えますが、前面、屋根、側板をRで連続接合させ、要所に補強桟を配したデザインは2基の大型パンタグラフと相まって戦前の日本の電機の中でも最も美しい車両と称賛されました。また発電・電力回生ブレーキを標準搭載し、総括制御を可能としている点でも高い評価が与えられました。
戦後、老朽化で阪和線電機の置き換えが問題になりましたが、東鉄局より貸し出されたEF51形,ED17形は故障の頻発に苦しみ、EF52形は速度面では十分なものの車長が長すぎ、旧富士身延鉄道からのED20形は高速運転性能に問題があり、上越線より転配されたED16形も同様で、1959年から1960年にかけにかけ新製投入されたED60形で漸くED38の代替機となりうる状況でした。

Ed38-1-100425-3

Ed38-1-100425-2
最初にED38 4号機が1959年9月に黒部ダム建設向けセメント輸送に三岐鉄道に貸し出されるも12月には返却となり、12月21日に除籍となるも引き取り手は現れず、1964年に解体されました。
ED381~3もED60形の増備で1960年中に除籍となり、ED38 2号機は大井川鉄道に払い下げられ、ED105として客貨牽引に活躍、1,3号機は秩父鉄道に払い下げられ、旧番号のままデキ1形t共通運用にて武甲線からの貨物列車牽引に使用されました。大井川鉄道のED105は大井川水系のダム建設工事が一段落した1967年に秩父鉄道に再譲渡され、ED38 2に再改番され、3両が揃うことになりました。

1974年、ED38 2が休車となり、1980年1月31日付けで他の2機の部品取り機として廃車になりました。残る2両も新製電機の増備で余剰となり3号機が1981年3月14日に除籍・解体され、1号機は1988年に廃車されました。1号機は再整備の上、三峰口駅横の秩父鉄道車両公園に保存されていましたが、2019年公園のリニューアルで解体されてしまいました。

先従輪なしで高速運転していたB-B軸配置の機関車として国鉄がEH10形を開発する際に、本形式が詳細に調査され、EH10形のDT101 ウイングばね式ボギー台車の設計にあたっては本形式の台車構成が参考にされたそうです。


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2021年8月 6日 (金)

秩父鉄道の車両たち その12 電機 デキ1形6,7号機と同型(デッカー形電機)の東武鉄道ED10形

秩父鉄道では1925年、秩父セメント秩父工場の操業開始に合わせてイギリス・イングリッシュ・エレクトリック(車体・台車はノース・ロコモティブ社)社製のデッキ付き箱型B-B機を2機導入しました。これが同社ではデキ1形デキ6,7号機となりました。

車体は正面も側面も左右非対称の形態で制御装置は電動カム軸式、主電動機はデッカー製149.2kW(600V)×4、ブレーキはEL-14A空気ブレーキと手ブレーキを併用、台車はデッキと一体の板台枠台車を履きました。当初はパンタグラフも2基搭載していました。塗装は登場以来廃車まで茶色一色でした。戦時中にパンタグラフは1基に減らされ、1952年の昇圧で主抵抗器の結線変更がなされ、主電動機出力は186kW(750V)x4に増強されました。

昨日のデキ1-5とは異なり、登場以来、配線や補機変更などの機器更新が行われなかったため、老朽化が進み、1976年にさよなら運転、1977年1月10日付けで廃車となりました。

Ed10101-140716-2 2014/7/16 東武博物館 ED10 1号機

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東武博物館に保存展示されているED10形101号は伊勢崎線の電化、日光線の全線電化開業で導入された東武鉄道初の電気機関車でした。デッキは台車側に設置され、板台枠台車と一体構造になっています。車体が左右非対称なのは車体中央機械室が中央通路を挟み、主抵抗器と主制御器・空気圧縮機・電動発電機を配置したことに依るものです。

主要諸元
全長 10,900 mm
全幅 2,610 mm
全高 3,945 mm
運転整備重量 50.8t
台車 板台枠式
動力伝達方式 1段歯車減速吊り掛け駆動
主電動機 DK-98B
主電動機出力 149 kW
歯車比 5.33 (80:15)
制御方式 非重連、2段組合せ、弱界磁制御)
制御装置 電動カム軸式CS-10
制動装置 EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
定格出力 596 kW
定格引張力 7,120 kg

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元々は別の鉄道事業者が購入予定だったものを注文が流れ、東武鉄道が購入したもので1930年5月に入籍しています。1944年3月1日の総武鉄道との合併以前は東武鉄道にとって唯一の電気機関車でした。1955年7月の改番でED4000形ED4001となり、1970年代には貨物輸送量の減少などで運用から遠のき、1972年6月22日、除籍となり、近江鉄道に譲渡されました。

近江鉄道へは1972年7月に譲渡、1973年1月に入籍、塗装は近江鉄道電機の標準色青灰色になり、主要機器の大半が国産品に換装されました。最初は多賀町のビール工場からの貨物輸送を担当、1984年10月30日、ビール輸送が廃止になると彦根駅や住友セメント彦根工場構内の入換を担当、1986年3月末、彦根工場の鉄道輸送の全廃で用途を失い、休車、2004年7月1日付で廃車となりました。2007年に「近江鉄道ミュージアム」が開設され、再塗装、展示され、2009年東武博物館の改装で本形式を展示することになり、東武へ返還され、ED10に戻され、塗装も茶色一色となりました。

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