柵原ふれあい鉱山公園の保存車両たち、最後は完全な車両ではありませんが、将来の展示公開に向けて整備中と思われるカットボディを2件、紹介いたします。
2019/8/4 柵原ふれあい鉱山公園
最初はこの湘南2枚窓の車体です。
電車の世界で湘南2枚窓といえば元祖は国鉄クハ86形(1950年登場の2次車86021-から)から始まり、
1951年 東武5700系/京浜急行500形/小田急1700形
1953年 京王2700形/京成1600形
1954年 東急5000系/西武501系/阪神3011形/南海11001系/小田急2200形
1955年 相鉄5000系/名鉄5000系/近鉄800系
1956年 京急700形
1957年 長野電鉄2000系/西鉄1000形
1958年 遠州鉄道30形
1960年 福井鉄道200形
1961年 西武551系/富山地鉄10020形
1962年 京王3000系/西武601系
1963年 西武701系
1969年 西武101系
1979年 西武101N系
と思いつくままに挙げても30年近くに渡り、そのスタイルを継承した車両が登場していることがわかります。
気動車の世界では
1952年 国鉄 キハ44000形キハ44100形/島原鉄道 キハ4500形
1953年 国鉄 キハ44500形/夕張鉄道キハ250形→鹿島鉄道 キハ714形 同じく水島臨海鉄道→岡山臨港鉄道キハ7000
1954年 国鉄 キハ10000形等/東武 キハ2000形
1957年 加越能鉄道キハ120形→鹿島鉄道 キハ430形
1958年 同和片上鉄道 キハ310形
1960年 大分交通耶馬渓線 キハ600→紀州鉄道キハ600形/茨城交通 ケハ600形
機関車はやはりクハ86の影響なのか
1952年 EF58改良型(35~)
1953年 DD50
1956年 DF90
といった形式が登場しています。
ということでこの車両は赤字で示した岡山臨港鉄道の主力気動車だったキハ7000形だそうです。
1982年9月に撮影された現役当時の写真がこちらにあります。
1984年 石岡~石岡南台 鹿島鉄道 714
2003/2/11 石岡駅構内 714
岡山臨港鉄道は国鉄宇野線大元駅と岡山港駅を結んでいた鉄道で1951年8月1日に営業を開始し、1984年12月30日に廃止されました。キハ7000形は水島臨海鉄道で国鉄キハ10形が大量導入されるに当り、余剰となり入線しました。同線としては列車本数が削減された末期の主力車両として活躍しました。
夕張鉄道は現在は夕鉄バスとしてバス事業を行っていますがかつては函館本線野幌駅から室蘭本線栗山駅、夕張線鹿ノ谷駅を経て、夕張本町駅までを結ぶ夕張鉄道線を営業していました。キハ250形は北海道初の液体式気動車として導入された型式で1953年に新潟鐵工所製のキハ251が導入され、1956年に座席配置・窓配置の異なるキハ252形キハ252-254が導入されました。1971年11月に旅客輸送が合理化された際にキハ252,253が廃車となり、水島臨海鉄道に譲渡され、1974年4月1日に野幌~栗山間の旅客営業休止でキハ251,254が廃車され、関東鉄道に譲渡されました。251はキハ714形714、キハ254はキハ715形715となりました。
キハ252,253は1978年まで水島臨海鉄道でキハ303,304として活躍した後、岡山臨港鉄道に譲渡され、キハ7001,7002として1984年12月31日の同線廃止まで活躍しました。ともに美作市に保存されましたが、2012年2月19日に解体が決定し、キハ7001の車体はカットボディとして柵原ふれあい鉱山公園に保存されることが決まりました。
1958年、キハ252形の増備として片運転台方式のキハ300形(301・302)が増備されました。こちらも湘南顔でした。製造は全て新潟鐵工所でした。キハ300形2両は1968年10月から倉敷市交通局(1970年2月から鉄道部門は水島臨海鉄道)に譲渡され、302は踏切事故で1975年4月に廃車となりましたが、301は1978年まで使用され、1979年6月30日からはキハ7003として岡山臨港鉄道で活躍しました。

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