2020年12月10日 (木)

2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 54 東急8500系、長野電鉄でも8500系 その1

長野電鉄では老朽化した2000系および3500系の置き換え用として東急田園都市線で活躍していた8500系2005年から導入しました。

まずは東急における8500系の製造に至る経緯、活躍について見て行こうと思います。

8002-040501

8001-040501 2004/5/1 下神明 5連化され、大井町線で活躍していた頃の8000系トップナンバー編成

1969年5月11日、渋谷~二子玉川園間、二子玉川園~砧本村間が廃止され、渋谷~二子玉川間は新玉川線として地下線で建設されました。開通は1977年4月7日でした。新玉川線用の車両としてA-A基準を満たした車両として1969年から導入されたのが8000系でした。新玉川線は営団半蔵門線との相互乗り入れすることになり、東急・営団の共通車両規格、路線識別用の赤帯の貼付、機器取り扱いの変更、電動車比率の向上による先頭車の電動車化に対応した系列として1975年から導入されたのが8500系でした。
通勤電車として技術的に集大成された車両として1976年、東急としては初めての鉄道友の会「ローレル賞」が授与されました。

8500-8506-160826
2016/8/26 二子新地 貫通扉ガラス窓のKのマークは東武鉄道非乗り入れ車両を示しています。
上の8000系の写真と較べて、運転台が150mm高くなり、正面窓は小さくなり、行先表示幕の両側に、種別表示幕、運行番号表示幕が設置されたのが分かります。

1979年から田園都市線~新玉川線~半蔵門線の全列車直通運転の開始による編成両数の増強で1991年までに東急車輛製造にて400両が製造されました。2003年からは田園都市線~半蔵門線~東武伊勢崎線・日光線の3社直通運転が開始され、この直通運転に使用される車両として運行範囲が拡大され、最多の在籍数を誇る系列となりました。

主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 10両 1,424人 5両 704人
車両定員 先頭車136(座席56 - 48)人 中間車144(座席64 - 51)人
自重 電動車31.0 - 36.0 t 付随車28.3 - 30.0 t
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,100 mm
台車 軸ばね式ダイレクトマウント空気ばね台車 TS-807M・A・C TS-815M・A・C形
主電動機 直流複巻電動機 130 kW 8642編成の一部はかご形三相誘導電動機 170 kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 5.31 VVVF車うちデハ0718-デハ0818ユニット 6.07
制御方式 界磁チョッパ制御 一部はVVVFインバータ制御
制御装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(ATC連動形)
保安装置 田園都市線用:ATC-P・新CS-ATC・東武形ATS(東武線対応車のみ)大井町線用:ATC-P

8500 編成は田園都市線は10連(8M2T)、大井町線は5連(4M1T)です。

8500-8614-170506 2017/5/6 鷺沼 伊豆急風の8614F

8500-8637-160701 2016/7/1 小菅 青帯の8637F

8500-8538-130119 2013/1/19 中延 大井町線用5連

8500-8542-160826 2016/8/26 二子新地
8642Fは1編成中に界磁チョッパ、試作型のVVVFインバータ、量産型のVVVFインバータと3つの異なる制御装置を搭載しており、東武での乗務員教習の手間を少なくするため、東武線には乗り入れない編成となっていました。

田園都市線では
2003年度から置き換えが開始され、5000系の導入、8590系・2000系の転属で
2003年度…8601F・8602F
2005年度…8603F
2006年度…8605F・8604F・8608F・8611F
2007年度…8607F・8610F・8613F
2008年度…8612F・8609F・8618F・8624F が廃車となりましたが、5000系の導入は当初35編成の予定が18編成で打ち切られたため、24編成が引き続き運用されることになりました。
2017年3月2020系の導入が発表され、
2019年度…8620F・8642F・8632F・8633F・8621F・8623F
2020年度…8606F・8626F・8614F・8615F・8627F が廃車となりました。

大井町線でも田園都市線への2020系導入に伴う2000系(→9020番台)の転属によって
2018年度…8639F・8640F・8641F
2019年度…8638F  と4編成全てが廃車となりました。

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2020年12月 7日 (月)

2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 51 日比谷線3000系から長野電鉄3500・3600系へ その1

1992年、長野電鉄では長野オリンピックの開催を6年後に控え、普通列車の増発と老朽化した2500系、0系の置き換え・車種統一を目的に営団3000系を導入しました。

3007-150704
2015/7/4 地下鉄博物館の展示から 写真の1次車では側面乗務員ステップ一体形のスカートが設置され、連結器はスカート内に収容されていました。

まずは営団地下鉄における3000系の歴史について。ちなみに3000系と系列名で呼ばれるのは千代田線用6000系の誕生以降であり、登場時は個別の形式名で呼ばれていました。

営団地下鉄において銀座線、丸の内線は第三軌条方式で他社線との相互乗り入れ運転は考慮されませんでしたが、日比谷線は東武伊勢崎線、東急東横線との相互乗り入れが考慮されたため、3事業者間で規格が協議され、設計・製造が行われました。基本性能は丸の内線300形を発展させ、地下線、地上線走行における性能を満足させる車両としました。
それまでの営団車両は単車での走行を基本としていましたが、本形式からは2両を1単位(ユニット構成)とし、将来、中間車を増結し、輸送需要の増大に対処することしました。

3001-150704-3
3001-150704-2
1961年から1971年までに汽車製造・東急車輛製造・近畿車輛・川崎車輛・日本車輌製造・日立製作所において304両(+事故廃車の代替車1両)が製造され、1994年まで運用されました。
車体はセミステンレス製でコルゲート処理が施されました。これはアメリカ・バッド社の方式では無く、汽車製造のものが採用されました。

主要諸元
最高運転速度 日比谷線 70 km/h (運用当時)
東武線内 95 km/h
東急線内 90 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 4.0 km/h/s
減速度(常用) 5.0 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
車両定員 先頭車120(座席48)人 中間車128(座席56)人
9次車のみ座席55人
自重 31.0 - 33.0 t
全長 18,000 mm
全幅 2,790 mm
全高 3,730 mm (1 - 7次車)3,875 mm (8・9次車)3,995 mm (パンタグラフ付き車両全車)
台車 アルストムリンク式 FS-336形 ミンデンドイツ式FS-348形→SUミンデン式FS-510形
主電動機 直流直巻電動機
主電動機出力 75kW×4 (端子電圧375V)
駆動方式 WN平行カルダン
歯車比 98:15=6.53
編成出力 2,400 kW
制御方式 バーニヤ抵抗制御
制動装置 ATC連動電磁直通ブレーキ・発電ブレーキ(HSC-D形)
保安装置 WS-ATC 東武形ATS・東急形ATS 一部編成にはATO(試験用)

起動加速度 4.0km/h/sは東急7000系とともに関東の電車において現在に至るまで破られていない最大値だそうです。

車種はいずれも電動車の4形式が準備されました。
3000形 (CM1・CM2) 制御電動車 奇数が中目黒、偶数が北千住向き、パンタグラフ搭載 3001~3078
4000形 (M1・M2) 4両編成化用中間電動車 4001~4078 パンタグラフ無し
4500形 (M1・M2) 6両編成化用中間電動車 4501~4578 奇数車にパンタ搭載、8連化に際して4533・4534・4555・4556に簡易運転台が設置され 3500形3501~3504に改番
3500形 (Mc1・Mc2) 8両編成化用中間電動車 車庫内での分割運転のため簡易運転台を設置 3501~3574 奇数車にパンタ搭載

1次車 1960年度製 南千住~仲御徒町間開業用 CM1ーCM2 2連8本 3001~3016
2次車 1961年度製 北千住~南千住・仲御徒町~人形町間延伸開業用 4両編成6本 1次車の中間車2両ユニット8本 =>4両編成14本
    3017~3028・4029~4056
3次車 1962年度製 人形町~東銀座延伸開業用
    3057~3060・4061~4064
4次車-1 1963年8月製 輸送力増強用4両編成2本
    3029~3032・4001~4004 これまでは形式に関係なく連番方式で付番されてきたものを3000形、4000形で空き番を埋める方式に
4次車-2 1963年度製 1964年3月霞ヶ関~恵比寿間(7月中目黒)開業用 4両編成7本と全線開業用の増備車(6両編成9本と4次車-1までの車両の6両化用中間車13編成分)
    3033~3056・3061~3068・4005~4028・4057~4060・4065~4068・4501~4548
    6両編成24本 4両編成10本
5次車 1964年度製 輸送力増強用の車両で6両編成2本と、以前の車両の6両化用中間車3編成分
    3069~3072・4069~4072・4549~4558
    6両編成29本、4両編成7本
6次車 1965年10月製 6両化用中間車3編成分
    4559~4564
    6両編成32本、4両編成4本
7次車 1966年度製 6両編成2本と6両化用中間車4編成分
    3073~3076・4073~4076・4565~4576
    6両編成38本
    4576号が1966年12月、東武線内の衝突事故で廃車されたため、同一番号で代替新造
    このグループの増備で千住検車区は手狭となり、東武鉄道西新井電車区を譲り受け、営団「竹ノ塚検車区」が発足しました。
8次車 1968年度製 輸送力増強用の6両編成1本
    3077・3078・4077・4078・4577・4578
9次車 1970年度製 8両編成化用
    千住検車区の拡張工事完成で8両運転が可能となり、編成を分割して運転する簡易運転台付き3500形を35本分70両新造
    3505~3574 6両編成に組み込み8両化
    2本の6両編成から2両を抜き、4両化 これを2本合わせて 8両化
    抜いた中間車に簡易運転台を設置し、3500形化改造(3501~3504) 8両編成化 2本
    これらにより、8両編成38本

4576号の廃車:1966年12月15日深夜に東武伊勢崎線西新井駅構内において、西新井駅到着の大師線電車(2両編成)が曲線部で脱線し、隣の伊勢崎線下り線を走行中の本形式の6両編成による竹ノ塚行き電車の3両目に衝突しました。この事故で営団3000系も3両が脱線、大破しました。

3000_20201206101901  

3000系 編成表 KBは東急・東武線対応ATS装備、Kは東急線のみ、Bは東武線のみ

30003055f-9407251994/7 八丁堀
日比谷線の3000系の写真は撮っていたいため、動画で撮影したもののキャプチャーを
さよなら運転を間近に控えたマッコウクジララッピング編成(3055F)です。

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2020年1月31日 (金)

大阪市交通局(大阪市高速電気軌道)66系電車

2019年10月の近鉄、京阪の鉄道イベントにかけて、阪急、阪神、京阪各線を乗り歩き、それぞれの路線で活躍中、あるいは以前に撮影した車両の紹介は昨日の京阪京津線の800系をもって終了しました。今回の旅では阪急千里線に乗り入れる大阪市交通局(大阪市高速電気軌道)の車両や、阪神線に乗り入れる山陽電鉄の車両、さらに近鉄の車両も撮影していますので、そちらもこの機会に紹介しておこうと思います。

まずは大阪市交通局(大阪市高速電気軌道)の66系電車です。

60000-66602-191018
2019/10/18 北千里 第02編成

Dsc03709 66602の内部 更新済み

1969年の堺筋線開業、京阪神急行電鉄京都線・千里線との相互直通運転開始時に投入されたのは60系でした。川崎重工業、日本車輛製造、汽車製造、日立製作所の4社により、5両編成18本が製造されました。アルミ合金製18.9m3扉車体で前面デザインは当時としては非常に斬新で、小田急9000形などにも影響を与えたデザインで、1970年度第10回ローレル賞を鉄道友の会より授与されました。1980年代に入ると阪急の車両の冷房改造が進み、1985年には全車冷房化されたのに対して、大阪市営地下鉄の車両には冷房が無く、乗客から冷房化の要望が寄せられました。それを受け1990年から第01、02、03、11、12編成が冷房改造されました。しかし、冷房装置は搭載されても内装が阪急の車両に比べて見劣りすることなどから、1990年に冷房未搭載の編成の置き換えを進めることになり、製造されたのが66系でした。川崎重工業と近畿車輛が製造を担当しました。

60000-66905-191018
2019/10/18 淡路 天神橋筋6丁目方面から進入 この光景も高架化が完成すれば見られなくなります。

主要諸元

最高運転速度 堺筋線内 70 km/h 阪急線内 110 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
編成定員 1,108人
編成重量 225.5 t
全長 18,900 mm
全幅 2,845 mm
全高 4,080 mm
台車 SUミンデン式ボルスタレス台車 SS-120・SS-020
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 180 kW
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 98:17 (5.76)
編成出力 2,880 kW
制御方式 GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御(第1 - 第12編成)
IGBT素子VVVFインバータ制御(第13 - 第17編成および前期型更新車)
制動装置 回生ブレーキ(純電気式)併用電気指令式ブレーキ
保安装置 WS-ATC、阪急型ATS

編成は8両で
←天下茶屋
66600-66000-66100-66700-66800-66300-66200-66900
 Tec1   Ma1     Mb1     Tp'      T'        Mb2    Ma2    Tec2
SIV      VVVF                                             VVVF   SIV
CP         PT                 CP                            PT       CP
BATT                                                                  BATT

01(1990年)~ 05編成(1992年)は6連で製造され、1993年までに66100形と66700形が挿入されました。1993年に06~08編成、1994年に09~12編成が製造され非冷房の60系を置き換えました。2002年に老朽化が進んだ冷房改造の60系を置き換えるため、2003年までに13~17編成が製造され、現在の8連17本体制となり、60系を完全に置き換えました。

60000-66616-191018
2019/10/18 淡路 第18編成 未更新のためスカートがありません。

更新工事は2012年から開始され、以下の変更が行われました。
・スカートの取り付け。
・識別灯・尾灯をLED式への交換。
・行先表示器を30000系と同様のフルカラーLEDに変更(優等種別や嵐山、河原町なども表示可能、2018年度施工車からは側面の行き先表示器 に駅ナンバリング記号も付与された表示に変更)。
・前面のVVVFマークを撤去し、車号表示をVVVFマークのあった場所へ移動。
・30000系や新20系改造車に準じたグラデーションの帯が採用された(カラーリングは茶⇒オレンジ)。
・シート端のポールの2本化、床面配色の変更、バケットシートの採用など、30000系に準じた車内となった。
・VVVFインバータ装置と補助電源装置(SIV)のASSY交換を実施。いずれもIGBT素子を使用したものに
・種別表示設定機器に阪急京都線内の全種別を追加。行先表示設定機器に高槻市から先の長岡天神・桂・河原町・嵐山を追加。
・車内照明のLED化(2014年度以降の施工車)。

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2019年8月19日 (月)

仙台市電保存館を訪問 その3 路面電車から地下鉄へ

 8月12日(月)記事で市電後史の展示に触れましたが、1976年3月31日で市電全路線が廃止されたのち、市電の軌道はアスファルトに埋め込まれましたが、時間の経過とともにアスファルトがすり減り、軌道が露出、スリップ事故が起こるようになりました。一方で、市内の公共交通はバスが一手に担っていました。

Dsc04877
2016/10/21 市電時代の電停標識

仙台市における地下鉄の検討は1960年代からで1963年に設置された仙台市交通対策委員会は1967年に提出した報告書で路面交通の代替として地下鉄を検討すべきと報告しました。同委員会は将来を見据えた交通体系として、「大量高速輸送機関」の整備を諮問し、1972年には全7路線、総延長45.5kmに及ぶ地下鉄網を1985年を目標に整備すべきとの報告を出しています。その7路線とは

1 北仙台線 仙台駅前~七北田 7.34km  
2 長町線  仙台駅前~鍋田  4.98km
3 川内線  仙台駅前~泉ヶ丘 8.09km
4 七北田だ線 七北田~桂島  4.76km
5 鶴ヶ谷線 瓦山~鶴ヶ谷   3.76km
6 茂庭線  鍋田~茂庭    8.82km
7 名取線  鍋田~小泉    7.90km でした。このうち、北仙台線と長町線の一部が現在の南北線に相当します。

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Dsc04927
昭和から平成にかけての南北線の歩み

1000-1610-161021
2016/10/21 南北線の車両 1000系 2M2Tの4連 軌間1067mm DC1500V 1985年から1996年にかけて川崎重工業で21編成が竣工
IGBT素子VVVFインバータ制御方式 1988年にローレル賞受賞、2004年度より更新工事が行われ現在は1000N系となっています。

161021-2

長町駅 駅名標

1975年に泉市(現、仙台市泉区)と仙台市内結ぶ輸送手段として、地下鉄が計画・認可され、1981年に着工、1987年7月15日に地下鉄南北線富沢駅~八乙女駅間が開業しました。1992年7月15日には八乙女駅~泉中央駅間が延伸開業しました。

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東西線のあゆみ

第二の路線として2003年9月、東西線事業が認可、2007年11月東西線本体工事着工、2016年12月6日、東西線八木山動物園~荒井間が開業しました。

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東西線は鉄輪式リニアモータ方式の地下鉄となっており、以前の記事で触れたように駆動方式、トンネル断面の狭小化などの特徴を持っています。

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2019年6月28日 (金)

日立製作所水戸事業所 さつきまつりに初参加 その7 小型地下鉄用リニアモータ台車

日立製作所水戸事業所「さつきまつり」の展示物、今回は昨日の記事で触れた国鉄がヤード継走式貨物輸送を行っていた時代に操車場での貨車の仕分業務を効率化するために開発されたL4形貨車加減速装置のリニアモータシステムから発展した小型地下鉄用リニアモータ台車の紹介です。

Dsc01277
2019/6/1 日立製作所水戸事業所

従来の地下鉄車両がモータを回転させ、その動力で車輪を回し、レールとの粘着で推進力を得ているのに対し、リニアメトロは誘導電動機の外側のコイル(ステータ)を台車に装荷し、内側の回転子(ロータ)に相当する部分を軌間にリアクションプレートとして敷き、推進力を得る(車上1次リニアモーター方式)方式で、L4カーで実用化されたリニアモータ―方式にヒントを得ており、リニアモーターは最大高さ寸法20cmの極めて薄いものでした。

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車軸の下側にある薄型の箱が1次コイル側(ステータ)で、枕木からコの字に固定されているのがアルミ製のリアクションプレート(誘導電動機のロータ)です。

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台車全体としては住友金属製になります。

この薄型リニアモータシステムは1973年のオイルショック以降の物価高騰、地下鉄の建設費の高騰で小断面地下鉄構想が提唱された時代に床下のモーター、台車を小型化した車両の開発に大きく貢献しました。さらに御堂筋線の混雑対策として混雑緩和に役立てるためのサブメトロの建設や人口80万から100万人程度の地方中核都市の地下鉄建設に建設費が抑えられる小断面地下鉄の検討とも重なり、リニアメトロ構想が大きく前進しました。

Dsc01280
リニアメトロのメリットとしては

1)台車などを小さくできるため、車体を小さく出来、建設費が縮減できる。
2)車輪粘着式の場合、30‰勾配が限界とされていますが、誘導式リニアモーターでは80‰まで対応可能
3)左右の車輪が一本の軸で繋がっている必要がないため、左右の車輪間に回転差を持たせることが可能であり、カーブの曲率に合わせて各車輪がカーブに適応した方向を向くセルフ・ステアリングシステムを採ることが可能で、カーブの曲率を小さくすることが出来る。用地買収などにも有利。
デメリットは
1)誘導式リニアモーターの構造上、漏れ磁束が大きく、1次側と2次側の距離があるので。磁界の強度を保つため大きな電流(励磁電流)が必要となる。
2)従来型の鉄道との相互乗り入れが出来ない。
などが挙げられます。

現在までにリニアメトロ方式で建設された路線は

1990年3月 大阪市営地下鉄鶴見緑地線・京橋~鶴見緑地間
1991年12月 東京都営地下鉄12号線・練馬~光が丘間
1996年12月 大阪市営地下鉄鶴見緑地線・心斎橋~京橋間延伸
1997年8月 大阪市営地下鉄鶴見緑地線・大正~心斎橋間、鶴見緑地~門真南間延伸
1997年12月 東京都営地下鉄12号線・新宿~練馬間延伸
2000年4月 東京都営地下鉄大江戸線・新宿~国立競技場前間延伸
2000年12月 東京都営地下鉄大江戸線・都庁前~国立競技場前間延伸
2001年7月 神戸市営地下鉄海岸線 新長田~三宮・花時計前間
2005年2月 福岡市地下鉄七隈線・橋本~天神間
2006年12月 大阪市営地下鉄今里筋線・井高野~今里間
2008年3月 横浜市営地下鉄グリーンライン・日吉~中山間
2015年12月 仙台市営地下鉄東西線・八木山動物公園~荒井間 で、6都市、7路線です。

大江戸線の場合、建設がバブル経済期と重なり、工期の延伸もあり、最終的な建設費は環状部で約1兆円と通常の地下鉄と大差ない300億円/km以上に膨らんでしまいました。さらに小規模地下鉄であるため、一部区間で混雑が激化しているというデメリットが目立つ結果にもなっています。ただ、小規模地下鉄方式で建設された故に今日、路線が存在するということも忘れてはいけません。

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2019年4月 7日 (日)

東京メトロ 千代田線北綾瀬支線の10両対応 本線直通運転開始

昨日に続き、この3月のダイヤ改正での変化です。

千代田線の綾瀬~北綾瀬間2.1kmは1971年4月20日に綾瀬~北千住間2.6kmが開業し、常磐緩行線との相互直通運転が開始されてから、しばらくは1969年12月に開業した綾瀬検車区への引き込み線(車庫線)でした。1978年5月17日に地方鉄道敷設免許の申請が行われ、同年9月1日に免許取得、1979年12月20日に綾瀬~北綾瀬分岐線として開業しました。駅はそれまで信号所だった北綾瀬(C20)のひとつでホームの有効長は3両分であり、綾瀬~北綾瀬区間運転専用の3両編成が対応していました。

5041-4810
000-6000800308

1980/3/8 2枚とも  開業当初は写真のように中線の2,3番線が北綾瀬行きのホームでした。車両は5000系3両編成やの試作車が運用されていました。
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2009/6/7 1985年3月14日に現在の0番ホームが使用開始され、3両編成は専用ホームから発着となりました。同線でワンマン運転が開始されたのは2002年3月23日のダイヤ改正からでした。 

05-113-140716-2
2014/7/16 05系がこの区間に投入されたのは2014年4月28日からでした。東西線用05系を改修し、機器は千代田線用16000系と同等の永久磁石同期電動機(1時間定格出力205kW)を東芝製IGBT素子のよるVVVFインバータ制御方式に一新しました。05-101、103、106、113の4編成が投入されています。

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2019/3/18 10連化以降も多くの北綾瀬行きは3連で運行されています。

Dsc09022

本線から直通の北綾瀬行きは時刻表では毎時3本ほどあるようです。

2019年3月16日のダイヤ改正に合わせて本線用の10両編成が停車出来るようにホームの延伸工事がなされ、同時に北綾瀬発代々木上原方面、あるいは代々木上原方面から北綾瀬直通の列車運転されることになりました。

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2019年3月27日 (水)

3月最終週、四谷から九段下にかけて桜見物

3月も早、最終週になり、東京も桜の季節到来ですが3月25日、月曜日、小平からつくばへの移動の際に皇居周辺の桜の様子を見てきました。


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2019/3/25 四ツ谷  この道はソフィア通りというそうですね。


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2019/3/25 四ツ谷 上智大学の横、土手の桜


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土手に登り、丸ノ内線ホームを見るとちょうど2000系03Fが入線していました。2000系は2月19日から運行が開始されました。


続いて、一番町を通り英国大使館の横を抜けて、千鳥ヶ淵の交差点から戦没者墓苑と千鳥ヶ淵の間の緑道へ


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毎年恒例の千代田さくら祭りの公式ガイドブックが配られており、千鳥ヶ淵緑道のライトアップは27日から4月7日までとのことです。


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このように満開状態の木もありましたが、


Dsc09082


堀の周りの桜が満開になるのは今週末あたりかと感じました。


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緑道の桜も七分咲きでした。


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好天でかなりの人出がありましたが、平日でもあり8割方は外国人観光客のようでした。


今週末の好天が期待されます。


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2018年1月 4日 (木)

2017年10月の福岡旅行 2 福岡市交通局 3000系

2017年10月の福岡旅行では、空港線に続いて、天神にて下車し、七隈線も訪問しました。

3000_10_171013 2017/10/13 天神南

福岡市交通局によるルート番号では2号線が箱崎線(中洲川端~貝塚)で、七隈線(橋本~天神南)は3号線となります。2005年2月3日に現区間が開業しました。軌間は1435mmで、日本で4番目に開業した鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄(リニアメトロ)です。

現在、日本の鉄輪式リニアモーター地下鉄とその開業年は
・大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線 1990年
・都営地下鉄大江戸線 1991年
・神戸市営地下鉄海岸線 2001年
・福岡市営地下鉄七隈線 2005年
・大阪市営地下鉄今里筋線 2006年
・横浜市営地下鉄グリーンライン 2008年
・仙台市地下鉄東西線 2015年

これらの地下鉄は一般的な地下鉄とモノレール・バスの中間的人員輸送能力が期待されており、わが国独自のシステムでもあります。一般の地下鉄に較べて建設費が廉価な小断面トンネル、小型車体を採用し、浮上せず鉄車輪で走行する非粘着のリニアモーター駆動のため、再急勾配は60%(一般の鉄道では35%)、最小曲線半径は50m(一般の鉄道では160m)まで許容されています。

福岡市中心部と西南部を結ぶ路線であり、都心部は1975年に廃止された西鉄福岡市内線の地下を走っています。現在、博多駅までの延伸工事が行われていますが、新設工事中の2000年に続き、2014年、2016年に道路陥没事故が発生しています。特に2016年11月8日の事故は全国的にも大きく報道され、記憶に新しい事故でした。

その七隈線に開業時から投入されているのが3000系です。空港線、箱崎線とは建設規格、旅客数に違いがあることから1000系2000系とは大きく異なった車両となりました。

←橋本
3100-3200-3500-3600

日立製作所笠戸事業所製造の4両編成17本が橋本車両基地に配置されています。

車体はアルミニウム合金製、片側3扉、車長17m弱、幅2.5m弱の小型です。台車は全車電動車の4両編成で中央に中間車(電動車1ユニット)を増結し、6両編成での運用も可能です。ATOを装備し、全自動運転、無人運転が可能です。制御装置は全電気ブレーキ付IGBT素子によるVVVFインバータ制御です。ワンマン運転のため、車掌は乗務せず、後部になるときは使用しない運転席を二人掛け通常座席としています。

3000_10_171013_2
座席はロングシートですが、座布団と背もたれが1人分ずつ分割されており、しかも背もたれは高めにセットされ窓位置も高くなっています。

2006年に第46回ローレル賞が授与されています。

仕様
最高運転速度     70 km/h
起動加速度     3.2 km/h/s
減速度(常用)     4.0 km/h/s
減速度(非常)     4.5 km/h/s
編成定員     378人
車両定員     Mc(制御電動車)89人/M(中間電動車)100人
編成重量     105.1 t
全長     先頭車 16,750 mm
中間車 16,500 mm
全幅     2,490 mm
全高     3,145 mm
主電動機     三相リニア誘導電動機
主電動機出力     150 kW 相当
駆動方式     リニア駆動方式
制御方式     VVVFインバータ制御
制動装置     回生ブレーキ(全電気ブレーキ付)併用電気指令式電磁直通空気ブレーキ、応荷重装置付き
保安装置     ATC、ATO、SR

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2018年1月 3日 (水)

2017年10月の福岡旅行 2 福岡市交通局 2000系

福岡市交通局は1993年3月3日の空港線博多駅~福岡空港駅間の開業に備えて、1000系の増備車両という位置づけで2000系を導入し始めました。

2000_1_100825 2010/8/25 筑前前原

車体は骨組みも含めてステンレス製としたオールステンレス構造となりました。配色は1000系と同じ無塗装に青と白のストライプで、1994年以降の製造車両は青・白・青のストライプとなりました。先頭部は1000系に較べて丸みのある形状になり、前照灯、尾灯は角形横一列配置となりました。前頭部も普通鋼製ではなく、ステンレスで造形されています。

2000_1_100825_2 2010/8/25 筑前前原

台車はボルスタレス空気バネ、SUミンデン式軸箱支持方式の住友金属製SS-131、SS-031A,SS-031Bです。制御方式はGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御となりました。1998年製の第24編成からはIGBT素子のVVVFとなりました。

編成は1000系と同様に両先頭車がTc,中間車がすべて電動車の4M2T方式で
←姪浜
2500(奇数)-2000(奇数)-2100(奇数)-2000(偶数)-2100(偶数)-2500(偶数)

編成番号に対して車両番号下2桁は偶数車はx2、奇数車はx2-1となっています。

1000系同様ATOを備え、空港線・箱崎線でワンマン運転が実施されています。

1992年 19-21編成 近畿車輛
1994年 22編成 川崎重工
1997年 23編成 川崎重工
1998年 24編成 日本車輌製造

全車姪浜車両基地に配置

2015年末から2016年10月にかけて内装などを中心にリニューアル工事が施工されています。

仕様

最高運転速度     85 km/h
設計最高速度     110 km/h
起動加速度     3.5 km/h/s
減速度(常用)     3.5 km/h/s
減速度(非常)     4.0 km/h/s
編成定員     854人
車両定員     146人(先頭車135人)
編成重量     197 t
全長     20,000 mm
(先頭車 20,500 mm)
全幅     2,860 mm
全高     最高 4,135 mm
主電動機     かご形三相誘導電動機
主電動機出力     150 kW
駆動方式     中実軸平行カルダン方式
制御方式     VVVFインバータ制御
(19~23編成:GTOサイリスタ素子、24編成:IGBT素子)
制動装置     回生ブレーキ併用電気演算形電気指令式ブレーキ
保安装置     ATC・ATO(地下鉄線内)
ATS-SK(筑肥線内)

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2018年1月 2日 (火)

2017年10月の福岡旅行 2 福岡市交通局 1000系

筑肥線で活躍するJR九州の車両に続いて、今回は福岡市交通局の車両です。

1000_17_850419 1985/4/19 姪浜 
登場して間もない頃の第17編成、現在の姿と較べると全面非常口扉の窓が小さいことがわかります。更新の際に大型化されました。

空港線・箱崎線用に交通局が1981年に投入したのが1000系でした。空港線が開通したのは1981年7月26日のことで、天神駅~室見駅間がまず開業し、当時は1号線と呼ばれていました。1000系の仕様に関しては当時の国鉄の意向も取り入れられました。

筑肥線は海岸近くを走行するために1000系の車体は骨組みは普通鋼、外板はステンレスのセミステンレス製とし、車体側面はビートプレス加工され、玄界灘をイメージした白と青のストライプが配されました。

全長20m、4扉構造、窓は固定式で登場当初は一部の窓が開閉式でしたが、リニューアルの際に全固定式になりました。

台車は国鉄201系のDT46系台車と似た構造の車体直結空気バネ台車で、制御方式は落成時は電機子チョッパ方式でした。運転方式はATOが装備され、1984年1月20日から日本の地下鉄としては初のワンマン運転が開始されました。

編成は両先頭車がTc,中間車がすべて電動車の4M2T方式で
←姪浜
1500(奇数)-1000(奇数)-1100(奇数)-1000(偶数)-1100(偶数)-1500(偶数)
   Tc             M1               M'1               M2               M'2                T'c

編成番号に対して車両番号下2桁は偶数車はx2、奇数車はx2-1となっています。

1982年に鉄道友の会第22回ローレル賞が授与されました。

1981年 01-08編成 近畿車輛
1982年 09-15編成 川崎重工
1984年 16編成 日本車輌製造
1985年 17編成 東急車輌製造
1986年 18編成 日立製作所

1000_11_171013_3 2017/10/13 姪浜

1985年8月7日に筑肥線内で大型トレーラーとの衝突事故が起こり、1522が廃車、1986年に2代目が製造されました。

1997年から2004年にかけて機器の更新工事が施工され、電機子チョッパ方式は素子の老朽化が進み、主電動機のフラッシュオーバーも発生し始めたため、IGBT素子によるVVVF方式に変更されました。主回路構成は1C4Mx2群構成とし、2000系との互換性も考慮されました。VVVF化改造後は1000N系と福岡市交通局のサイトでは紹介されています。

1000_15_171013_2 2017/10/13 筑前前原

仕様

最高運転速度     85 km/h
設計最高速度     90 km/h
起動加速度     3.3 km/h/s
減速度(常用)     3.5 km/h/s
減速度(非常)     4.0 km/h/s
編成定員     854人
車両定員     146人(先頭車135人)
編成重量     224t(09編成 - 18編成は222.4t)
全長     20,000 mm (先頭車 20,500 mm)
全幅     2,860 mm
全高     最高 4,135 mm
主電動機     直流直巻電動機(登場当初)
かご形三相誘導電動機
主電動機出力     150 kW
駆動方式     中実軸平行カルダン駆動方式
制御方式     電機子チョッパ制御(登場当初)
IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置     回生ブレーキ併用電気演算形電気指令式ブレーキ
保安装置     ATC・ATO(地下鉄線内)、ATS-SK(筑肥線内)

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