東武20000系の4連化、20400系へ 東武日光線南栗橋以北、宇都宮線のローカル電車は20400系に
東武20000系は伊勢崎線と営団地下鉄日比谷線との相互乗り入れ用車両として活躍していた2000系の後継車として1988年3月25日から営業運転を開始した系列でアルナ工機・東急車輛製造が製造し、20000型、20050型、20070型の3形式が存在しました。車体は18m、制御車と電動車の6M2T・8両固定編成でした。
20000型は1988年から1992年まで13編成が製造され、オールステンレス製軽量車体でボルスタレス台車が採用されました。制御方式はAFE(自動界磁励磁制御)式主回路チョッパ制御で出力140kWの直流複巻電動機を搭載しました。20050型は朝のラッシュ時の混雑緩和を目的に前後各2両を5扉車、主回路制御方式もGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御方式としたマイナーチェンジ車で1992年から1994年までに8編成が製造されました。2000年3月8日に中目黒駅構内で発生した脱線衝突事故で21852Fの中間車(モハ23852・モハ24852)が被災し、代替製造されました。20070型は列車増発用に1996年から1997年にかけ3編成製造され、扉はすべて3扉とし、パンタグラフをシングルアーム式、車内案内表示器をLEDスクロール式に、補助電電装置を東芝IGBT式SIV(190kVA)、戸閉装置を変更し、側扉のガラスを複層ガラスとした編成でした。
2022/1/9 東武宇都宮 21421
2017年、日比谷線直通編成は20m級車体7両編成の70000系に置き換えが開始され、20000系の3形式は4両編成・ワンマン化改造工事を受け、20400系に改造、東武日光線南栗橋以北、宇都宮線、鬼怒川線等に投入されることとなりました。改造工事は日立製作所と津覇車輛工業が担当し、22編成への改造が予定されました。
2022/1/9 東武宇都宮 21421車内
主な改造内容
・帯色はSL大樹をイメージした濃紺色とし、扉位置の視認性向上のためドア横に黄色の横縞を加える。先頭車の前面窓下部には濃紺色の上に黄色を配置する。
・ワンマン化対応改造、主幹制御器は左手操作式ワンハンドルマスコンに
・運転台のモニター装置は日立製 Synaptra に変更、放送装置には自動案内放送装置を新たに設置
・接客設備は内張り・床材・腰掛けを70000系の意匠をベースとしたものにリニューアル、浅草方から2両目と3両目の連結面側にフリースペースを設置
・パンタグラフは浅草方から2両目に1基増設する形で2基搭載
・東武鉄道初となる客室扉の個別ドア開閉ボタン(車外は開ボタン、車内は開閉ボタン)を設置
・M車用台車に増粘着装置(ミュージェット)を新設
20400系は種車により、20410型(先頭・中間車とも20070型)、20420型(先頭車は20000型、中間車が20070型)、20430型(先頭・中間車とも20050型、SIVはGTO素子)先頭車は5扉を3扉に改造、20440型(先頭車が20000型、中間車が20050型、SIVはGTO素子、中間車の1両は5扉車からの改造車)と4形式になりました。
制御装置は東洋電機製造製GTOサイリスタ素子式インバータ(ATR-H8150-RG642A)、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(HRDA-2)、駆動装置はTD撓み板継手中実軸平行カルダン(TD-88)、主電動機は三相交流かご形誘導電動機 TM-92 出力150 kWとなっています。
20410型3編成、20420型3編成、20430型8編成、20440型8編成の改造が2022年3月末に終了、2018年9月3日より宇都宮線での営業運転を開始し、これにより2019年5月12日をもって宇都宮線8000系は淘汰されました。2019年9月24日からは日光線南栗橋~新栃木での運用も開始し、2020年6月6日ダイヤ改正において南栗橋~新栃木の10000系を置き換えました。2020年11月9日からは新栃木~東武日光の6050型運用置き換えを開始を開始し、2021年7月1日の運用拡大では区間急行運用や鬼怒川線運用も誕生しました。2021年11月15日の運用拡大では急行運用が誕生し、2021年12月7日の運用拡大では急行運用が全て20400系となりました。
2022/1/9 南栗橋 21421
まさに北関東、東武日光線を走るローカル車輛は20400系一色になってしまった感があります。
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