2026年1月 8日 (木)

2024年9月の京都、嵐電と阪急沿線の旅 その19 叡山電車の車両 part7 事業用車両 デト1000形 デト1001

前回の記事までで2024年9月に叡山電鉄を訪問した際に撮影できた旅客用車両は紹介しましたが、あと1両、保線工事用に使用される事業用車両デト1000形について紹介しようと思います。

この車両は1974年に嵐電に配置されているモト1000形同様、武庫川車両で製造されました。当時はどちらの線区も京福電気鉄道で、無蓋電動貨車として、嵐山線はフモ501形フモ501,叡山線はデワ101形デワ101の置き換え用として製造・配置されました。嵐電のモト1001に関しては西院車庫の奥に停められているのか、見たことはありません。

1001-240903 1001-240903-22024/9/3 修学院車庫 デト1001

制御方式は直接制御で、主電動機は京都市交通局600形から流用、50PS(37.5kW)のものを2基搭載し、駆動方式は吊り掛け駆動方式、台車も京都市電600形のKS40Lを流用しています。出町柳よりにZ型パンタグラフが設置されています。1978年の叡山線ポール集電廃止から現在のスタイルになりました。ATSが装備されていないため営業時間中は運転ができません。

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2025年9月 3日 (水)

2024年夏の新潟旅行 その2 水上以北の上越線ダイヤの変遷

昨日の記事で水上から越後湯沢、長岡方面に向かう旅客列車の少なさに驚いたと記しましたが、昔の時刻表を調べてみると、この区間は新幹線開業前から列車本数の少ない区間であることが分かりました。清水トンネルの開通で水上~越後湯沢間が開通し、それまでの上越北線(宮内~越後湯沢)と上越南線(高崎・新前橋~水上)が一つになったのが1931年9月1日のことでした。このとき、山越え区間である水上~石打間が電化されました。

1961年10月の時刻表 列車番号、水上駅発車時刻、優等列車名、運転区間
721レ 612 水上発長岡行
723レ 752 高崎発長岡行
729レ  1009  上野発長岡行
705レ   956   準急「ゆきぐに1号」上野発長岡行
907レ  1129  準急「苗場」上野発越後湯沢行 (休日運転)
711レ  1342  上野発新潟行
701レ  1210  急行「佐渡」上野発新潟行
733レ  1536  上野発長岡行
735レ  1703  上野発長岡行
703レ  1735  急行「越路」上野発新潟行
737レ  1908  上野発長岡行 高崎までは快速,1,2等車連結
707レ  1944  準急「ゆきぐに2号」上野発長岡行
801レ   004   急行「羽黒」上野発秋田行
2601レ 027   急行「北陸」上野発金沢行
713レ  228    上野発秋田・新潟行
709レ  141    準急「越後」上野発新潟行
715レ  445    上野発新潟行

1962年6月10日、信越本線長岡~新潟間の電化完成で上野~新潟間に高崎線・上越線・信越本線経由の特急「とき」の運転が始まりました。車両は151系を山岳線向けに歯車比を22:77(=1:3.50)から19:80(=1:4.21)とし、抑速ブレーキを装備、耐寒大雪構造として161系が投入されました。ダイヤ(1964/9)は
下り 1M 上野16:50-高崎18:06/18:08-長岡20:30/20:32-新津21:15/21:16-新潟22:57
上り   2M 新潟8:30-新津8:43/8:44-長岡9:26/9:28-高崎11:50/11:52-上野13:10      でした。 

Ef16_31_751102
Ef16_11ef65_1030_751102Ef16_11_751102_4Ef16_11ef65_1030_751102_2_41975/11/2 水上 貨物列車の峠越え補機として活躍するEF16

191_751101_2191_7511011975/11/2 水上 クモヤ191/190-1 直流電気検測用試験車

1975年11月、秋も深まった頃でしたが、大学2年の倶楽部の合宿が谷川寮であるとのことで初めて水上駅に降り立ちました。バス待ちをする間、水上駅周辺を歩き回り、清水トンネル越えをするためのEF16の補機、引き上げ線に停車中のクモヤ191/190-1を撮影したのもこのときの旅でした。

この頃の上越線の時刻表(1974/12)を見ると

465M 640 水上発新潟行
9751M 731   快速「石打スキー1号」大宮発石打行(1/12-2/23休日運転)
721M   814   高崎発新潟行 長岡から437M
9701M 846   急行「石打スキー2号」上野発石打行(1/12-2/23休日運転)
9753M 911   「両毛スキー」小山発塩沢行(1/12-2/23休日運転)
8031M pass 特急「新雪」上野発石打行(1/11-2/28運転)
9701M 904  急行「石打スキー4号」上野発石打行(1/12-2/23休日運転)
2001M 835  特急「とき1号」
701M  949  急行「佐渡1号」上野発新潟行
2003M pass 特急「とき2号」
3001M pass 特急「はくたか」上野発金沢行
9705M 1055 急行「石打銀嶺1号」上野発石打行(1/12-2/23休日運転)1/2-1/5は急行「石打スキー5号」として運転
2005M 1033 特急「とき3号」
3601M 1118 急行「よねやま」上野発直江津行
9707M 1144 急行「石打スキー6号」上野発石打行(1/12-2/23休日運転)
2007M 1133 特急「とき4号」
725M  1242  高崎発新潟行 長岡から443M
2009M 1233 特急「とき5号」
2041M pass 特急「いなほ1号」上野発青森行
2011M pass 特急「とき6号」
727M  1500  高崎発長岡行
2013M 1433 特急「とき7号」
909M  1538  急行「ゆけむり5号」12/15までの土曜・休日、12/21-2/28運転
703M  1552  急行「佐渡2号」上野発長岡行
2015M 1531 特急「とき8号」
729M   1717 上野発新潟行
9769M 1641 急行「小出スキー2号」上野発小出行
2017M pass  特急「とき9号」
2043M 1704 特急「いなほ2号」上野発秋田行
8703M 1752 急行「小出銀嶺1号」上野発小出行
857M   1848 上野発石打行
2019M 1733  特急「とき10号」
8703レ   1836  急行「石打銀嶺2号」上野発石打行
2021M pass  特急「とき11号」
9211M 2010 急行「小出スキー4号」上野発小出行 1/11-2/22の土曜運転
2023M 2003 特急「とき12号」
705M  2051  急行「佐渡3号」上野発新潟行
6601レ 2231 急行「北陸1号」上野発福井行
801レ 2347 急行「鳥海」上野発秋田行
3605レ  031  急行「北陸2号」上野発金沢行
9713M  045  急行「小千谷スキー号」上野発小千谷行 1/11・14,2/8運転
803レ   145  急行「天の川」上野発秋田行
707M   230  急行「佐渡4号」上野発新潟行
9021M pass 特急「はくたか51号」上野発富山行
9717M 249 急行「小出スキー5号」上野発小出行 1/14・2/8運転
9719M 340 急行「小出スキー6号」上野発小出行 1/10-2/28運転
9721M 352 急行「小出スキー7号」上野発小出行 1/11-2/23運転
9719M 430 急行「石打スキー8号」上野発石打行 12/22、29-1/5運転
9725M 440 急行「石打スキー9号」上野発石打行 1/11,12,15,18,19,25,26,2/1,8,15,22運転

といった具合に冬のスキーシーズンであるため、石打や小出、小千谷までのスキー臨時列車は増発されていますが、定期のローカル列車の本数はほとんど変化なく、特急「とき」が増発されたダイヤでした。

そして1982年11月、上越新幹線が開業すると特急「とき」は全廃となり、

1433M  640 水上発新潟行
721M 820 高崎発長岡行
723M 942 上野発長岡行
6701M 1004 急行「佐渡1号」
3601M 1203 急行「よねやま」
2041M 1235   特急「鳥海」
443M  1305  高崎発長岡行
727M   1536  高崎発長岡行
703M   1503  急行「佐渡3号」
729M  1718 上野発長岡行
731M  2015  高崎発長岡行
705M   2104  急行「佐渡5号」
2001レ 018 特急「出羽」
3001レ 029 特急「北陸」
733M   240  上野発長岡行
801レ  139   急行「天の川」

太字で示したスジが今日も残っている長岡方面の旅客列車

その後、昼行特急、急行列車の廃止、夜行列車の廃止で現在のような、日中4時間も列車が無い状態になったようです。

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2025年5月 1日 (木)

2024年春の名古屋周辺旅行 樽見鉄道の旅と旧谷汲駅の見学 その4 樽見鉄道の拠点駅 本巣駅 

本巣駅は1956年3月20日に国鉄樽見線が大垣駅~谷汲口駅間が開業した際に「美濃本巣」駅として開業しました。駅近くには住友セメント岐阜工場があり、当駅北方から工場に接続する専用線を使って2006年3月28日まではセメント輸送が行われていました。そのため1985年当時、住友セメント所有のタキ1900形126両、タキ7300形13両、タキ11500形3両が当駅構内に常備貨車として配置されていました。

240317-edit 2024/3/17 本巣駅 駅名標

国鉄時代の1971年3月31日、貨物取扱が当駅発着の車扱貨物のみとなった時点で旅客扱いに関しては無人駅となりましたが、1984年10月6日の三セク転換時に駅名が現在の本巣駅となるのと同時に有人駅になりました。樽見鉄道の途中駅では唯一の有人駅となっています。

240317_20250430085701 駅舎

240317-2_20250430085801 出札口 無人駅時代は自動券売機が設置されていたそうですが、現在は撤去され切符の購入は出札口で購入することになったようです。

240317_20250430090101 駅舎の横には本社があります。

240317_20250430090301
車両基地も併設されており、本巣機関区という表札が下がっています。

240317_20250430090601 広大な構内には蒸気機関車時代のなごりなのか給水塔もあります。また横にいる車両は2006年12月1日に廃止された神岡鉄道から無償貸出されたDB1形除雪モーターカー2007年に正式に購入しました。冬場の除雪以外に、レール、枕木の交換工事の際に運搬車の牽引に活躍しています。

240317-2_20250430091701 大垣方面 大垣駅から当駅まではATS-STによる自動閉塞式ですが、

240317_20250430092001 樽見方面   当駅から樽見方面は棒線で交換設備はなく1閉塞区間で1列車しか入線できません。スタフ閉塞方式となっています。
2本の長大な側線は貨物輸送時代の名残でかつてはこの線路に多くのタキが停車していたものと思われます。

1日の列車ダイヤ(2022年10月1日改正)を見ても、下りの場合、
大垣~樽見間を走る列車は 5レ、13レ、17レ、19レ、21レ、23レ、25レ、27レ、29レ、35レ
   但し、21レ、23レは当駅で乗り換えが必要
大垣~神海間     3レ、31レ、39レ
大垣~本巣間     7レ、9レ、11レ、15レ、1001レ(土曜・休日運転)、33レ、37レ、41レ
本巣~樽見間     1レ

といった運転形態となっています。

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2025年1月14日 (火)

湘南モノレールの旅 part12

湘南モノレールの旅、大船から約15分で終点、湘南江の島に到着します。


Dsc09724


この駅の5階には「ルーフテラス」と名付けられた展望台があり、富士山の眺めが綺麗です。

Dsc09725 2023/12/29 湘南江の島駅の展望台「ルーフテラス」から見た富士山

駅から歩いて僅かの場所には江ノ電の江ノ島駅があり、


Dsc09734


Dsc09733


2023/12/29 江ノ島 1200形1201F 我が国の1067mm軌間の鉄道線では最後となった新造吊り掛け車


Dsc09738 さらに商店街を南に下ると江ノ島の入口に到着します。

Dsc09735 地図をよく見ると 江の島の表記も「江の島」と書かれているものと「江ノ島」と書かれているものが混在していることがわかります。

Dsc09739 小田急の片瀬江ノ島駅駅舎

1999年の鉄道記念日に関東の駅百選にも選ばれたユニークな駅舎は1929年4月1日に大野信号所(現、相模大野駅)~片瀬江ノ島駅間が開業した際に造られました。ただ免許を申請した時点では江ノ島電気鉄道の藤沢~江ノ島~鎌倉(当時は小町)間や大船~江ノ島~茅ケ崎間の建設計画(免許は東海土地電機株域会社に)があり、当駅付近で交差するため予定線が開業した際には撤去するという条件付きの仮設線、仮設駅として建設されました。ただ、江ノ島電気鉄道の大船~茅ケ崎線の免許失効期限が迫っていたことや資金力がないことが明らかだったため、実際は本設物として建設されました。2017年には駅前の都市計画道路の拡張と2020年開催予定の東京オリンピックに合わせ駅舎の建て替えが決まり、2020年7月30日に竣工しました。


Dsc09745_20250113074101 龍口寺前のカーブを行く20形

江ノ島一帯を観光した後、再び湘南モノレールで大船に向かいましたが、帰りは湘南深沢駅で途中下車し鎌倉市梶原にある深沢車庫を見学しました。


Dsc09770 湘南深沢~西鎌倉間の深沢車庫出入庫線分岐部

Dsc09771 出入庫線の先に深沢車庫があります。


Dsc09779 車庫は1階が事務所、運転指令室、2階が車体点検場、3,4階が車両屋上機器と台車の点検修理場 懸垂式のため、機器や台車は「下」ではなく「上」にあります。


Dsc09774 入庫中の5000系 5603Fと5613F

3800坪の農地を買収し、1970年1月15日に完成した車庫は7編成の留置、洗浄、検査業務を行う施設となっています。湘南深沢駅の北西側から出入庫線が分岐しています。留置スペースは18両分なので1編成は本線上の終端駅での夜間滞泊となっているのでしょう。

Dsc09780 軌道や電機関連設備の検査を行う工作車 東京モノレールでは黄色ですが、こちらはオレンジの塗装


Dsc09781_20250113081101
敷地内には2016年に引退した500形551編成のカットモデルが展示されていました。

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2024年5月 2日 (木)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その38 名鉄が JR東海から譲受したホキ80形

多くの鉄道会社が保線用砕石(バラスト)やレールの輸送を保守機械による輸送方式に切り替えている中、名鉄はEL120という新型の機関車を開発し、JR東海からホキ800形を購入し、ホキ80形に改造、EL120形2両の間に挟み、工事用臨時列車という形態で保線作業を行っています。

バラスト、セメント、小麦粉など粉状や粒状の積載物を袋詰めせずにばら積みの状態で輸送し、目的地で下部にある取り出し口を開け、取り出す貨車をホッパ車と言い車種記号は「ホ」で表しました。尚、石炭も砕石と形状は似ていますが、石炭車はホッパ車には含めないという了解がありました。最初にホッパ車が登場したのは1952年のことでセメント輸送用に有蓋ホッパ車(タキ2200形)が登場しました。当時は適切な車種が無く、暫定的にタンク車に分類され、1953年にホッパ車が制定され、タキ2200形はホキ1形(初代)に改番されました。一方、1930年、浅野造船所で浅野セメント向け鉱石車としてヲキ1形16両が製造されました。後年石炭車に類別され、セキ4000形に改められた車両も1957年にホッパ車に改められホキ4000形となりました。同車は1963年の称号規程変更でホキ600形に再改番されています。

バラスト運搬用ホッパ車として登場した貨車には北海道向けに1958年苗穂工場でセキ600形を改造して誕生したホキ1400形(1963年の称号規程変更でホキ1形(2代目)、複線用に特化した車両でバラストの輸送のみならず散布も可能な車両で1953年から1962年に三菱重工業が製造したホキ100形(1963年の称号規程変更でホキ300形に)、1957年から1959年に国鉄長野工場が製造したホキ700形、ホキ700形が軌道外側1方向のみバラストを撒布する方式だったのを軌道の内側・外側・遠近の3方向に撒布可能としたホキ800形があります。

100710

2010/7/10 東淀川 EF65PFに牽引され東海道本線を東上するJR西日本の工事用臨時列車

ホキ800形はバラスト撒布用ホッパ車の決定版として1958年度から1974年度にかけ、国鉄長野・浜松・郡山の各工場、東急車輛製造、三菱重工業、日立製作所、汽車製造で1066両が製造されました。

国鉄分割民営化の際にJR北海道105両、JR東日本407両、JR東海62両、JR西日本164両、JR四国10両、JR九州67両の計815両が承継されました。2021年4月1日時点でJR各社に在籍する車両はJR東日本100両、JR西日本45両で他の旅客会社の車両は全て除籍されました。

名鉄は2001年12月にJR東海からホキ800形、ホキ1035, 1741, 1746, 943, 942, 910を譲り受け、ホキ80形ホキ81~86と改番し、ホキ81 - 83は犬山検車区に配置され犬山線系統で、ホキ84 - 86が豊明検車支区に配置され、名古屋本線系統で使用されています。2010年に台車を台車をTR41CからTR214Bに交換し、昨日の記事にあるようにEL120形電機が登場した際に2両の機関車間に貨車を挟んで運用する際に総括制御が可能なように制御線が引きとおされました。瀬戸線用にJR東海から譲受したホキ945を改造したホキ87も喜多山検車支区に配置されていましたが、喜多山検車支区の移転に伴い2007年に廃車となりました。

84-240105 85-240105 86-240105 2024/1/5 豊明 EL120重連+ホキ84,85,86

名鉄以外にもJR各社から譲渡されたホキ800形として弘南鉄道、八戸臨海鉄道、小坂精練小坂鉄道、上信電鉄、小湊鉄道、伊豆箱根鉄道、大井川鉄道、遠州鉄道にホキ800形が在籍しています(小坂精錬小坂鉄道は2009年に廃止)。またホキ800形と同一設計で事業者が独自に製造した車両もあります。東武鉄道ホキ1形、西武鉄道ホキ81形、ホキフ71形、相模鉄道ホキ800形、富士急行ホキ800形、富山地方鉄道ホキ80形、近江鉄道ホキ10形、京王帝都電鉄ホキ280形、京浜急行ホ50形、阪神電気鉄道161形、神戸電気鉄道クホ760形、サホ760形、山陽電気鉄道クホ70形、サホ80形などがそうです。

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2024年5月 1日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その37 豊明検車支区にてEL120形を撮影

名鉄では1000両を越える車両の日常検査や定期検査、車両留置のために舞木、犬山の2つの検査場の他、茶所、新川、豊明、猿投、尾張旭の5つの検査支区があります。

舞木検査場は名鉄最大の検査場で全般検査、重要部検査が行われており、1997年の鳴海駅高架化の際に鳴海工場が移転するという形で同年3月12日に開業しました。名古屋本線の名電山中駅と藤川駅の間にあり、名電山中駅側から入出場が行われます。

220803_20240430084601

2022/8/3 広見線から犬山検査場方面分岐

犬山検査場は1985年9月15日、新川工場の月検査業務を引き継ぐ形で広見線の犬山駅と富岡駅間に開設されました。犬山線、常滑線、河和線用の150両を収容可能で犬山駅側から入出場が行われています。

茶所検査支区は当時の新岐阜駅から名古屋本線で2駅目の茶所駅の岐南駅寄りに1956年12月28日に開設され、開設時から優等列車の検査を担当し、7000系パノラマカーや5500系の日常検査が実施されてきました。

220803_20240430084301

2022/8/3 須ヶ口 新川検査支区

新川検査支区は1929年、当時の名古屋鉄道須ヶ口駅に併設された車両工場で名岐鉄道時代を通じ名古屋に最も近い車両工場として重要な役割を担ってきました。2005年1月29日の空港線開業に伴い、収容能力の向上や施設の更新がなされ、名鉄名古屋駅に最も近い車両基地として活用されています。

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2024/1/5 豊明 豊明検査支区

豊明検査支区は1997年の鳴海駅高架化工事に伴い、鳴海検車区が豊明駅隣接後に移転したもので1999年に開設されました。

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2022/8/4 猿投 猿投検査支区

猿投検査支区は1979年7月29日の豊田線開業に合わせ、同年6月三河線の猿投駅構内に新設されました。

尾張旭検査支区は2007年瀬戸線喜多山駅付近の高架工事に伴い、同年6月30日、喜多山車庫が尾張旭駅隣接後に移転し、新たに開設された車両基地です。

2022年夏の名鉄全線ほぼ乗りつくしの旅で撮影出来なかったEL120形が普段は豊明検査支区に常駐しているとのことなので豊明駅に行ってみることにしました。

EL120形は名鉄が保線作業や新製あるいは除籍された車両の甲種輸送用にそれまで使用していた旧型電機の置き換え用として2015年に東芝に発注した電気機関車で名鉄としては72年振り、受注した東芝としても45年振りの私鉄向け電機の製造となりました。

主要諸元

軸配置 B-B
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V (架空電車線方式)
最高速度 100 km/h(単独走行時)45 km/h(牽引時)
起動加速度 3.0 km/h/s(単独走行時)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
自重 39.8 t
全長 12,000 mm
車体長 11,660 mm
全幅 2,731 mm
車体幅 2,600 mm
全高 4,095mm
車体高 3,388.2 mm
台車 新日鐵住金 FS571MB
車輪径 860 mm
固定軸距 2,100 mm
軸重 10t
主電動機 全閉自冷式かご形三相誘導電動機 (架空電車線方式)
主電動機出力 190 kW (1,780 rpm) × 4基
端子電圧1,100V(127A・60Hz)
駆動方式 歯車型継手式平行カルダン駆動方式 (WN継手式並行カルダン軸駆動方式)
歯車比 98:15=6.53
出力 760 kW
定格出力 500V
定格速度 55km/h
制御方式 3レベル方式電圧形PWM IGBT-VVVFインバータ制御
制動装置 電気指令式回生・電空併用ブレーキ (留置ブレーキ・耐雪ブレーキ・滑走防止制御付き)
電気指令によるBP管自動空気ブレーキ(貨車用)
保安装置 M式ATS

形式の120は名鉄創業120周年にちなんだものです。構造的にも、運転操作的にも電車と共通である点が特徴です。EL121とEL122の2台が製造され、導入と同時に貨車にも制御線が引き通されており、2台の機関車を貨車の前後に連結し、前位側の機関車の運転台から後位側の機関車を総括制御することも可能となりました。

El121-240105
EL121

El122-240105

EL122  2枚とも 2024/1/5 豊明

車体番号は側面に121,122と表記されており、妻面はどちらもEL120となっているようです。

豊明検車支区に配置され、、走行試験・性能確認試験、乗務員訓練が行われた後、2015年5月から本格稼働に就きました。

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2024年1月24日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その3 名古屋車両区のキヤ97系

国鉄時代から在来線のレールは貨車の一種である長物車(ながものしゃ、Flatcar)に積まれたレールを機関車牽引する方式で輸送されてきました。しかし、JR東海においては貨車や機関車は製造から30年以上が経過し、老朽化が進行しており、置き換えの時期が迫っており、検査周期の問題や機関車自体が少数派となっていること、機回しなどの運用の煩雑さがあることなどから、自力走行が可能な気動車方式による動力分散構成のレール輸送車の方がメリットが大きいとの結論に達し、2007年から導入されたのがキヤ97系、レール運搬車でした。

主要諸元

25m 定尺レール用 キヤ97形0・100番台 R1-4編成:2両固定(2M) (東海道本線上で東京方が0番台、神戸方が100番台)
200m ロングレール用 キヤ97形200番台  R101編成:最大13両(8M5T)
最高運転速度 110km/h(空車)95 km/h(積車)
車両定員 非営業車両(事業用)
車両重量 定尺レール運搬用:29.3 - 30.1 t ロングレール運搬用:18.9 - 31.5 t
全長 18,200 mm(連結面間)
車体長 17,400 mm
全幅 2,800 mm(運転室基準幅)2.700 mm(荷台幅)
全高 定尺レール運搬用:3,610 mm(屋根部)ロングレール運搬用:4,080 mm
床面高さ 1,150 mm(荷台部)
車体 普通鋼
運転室部はステンレス
台車 軽量ボルスタレス台車 C-DT66形(動力)C-TR254形(付随)
軸箱支持:ウイング円筒積層ゴム+コイルばね
枕ばね:空気ばね
動力伝達方式 液体式
機関 C-DMF14HZC×1 / 両 カミンズ製N14E-Rと同型
機関出力 360PS 2100rpm
変速機 C-DW19A リターダー機能(電磁力や流体によって推進軸に抵抗を与えて車体を減速させる補助ブレーキ装置)内蔵
変速段 変速2段・直結3段
制動装置 電気指令式ブレーキ
機関ブレーキ・リターダブレーキ 自動空気ブレーキ(キハ75形、キヤ95形と共通)
保安装置 ATS-ST・ATS-PT
EB装置・TE装置

製造は日本車輛製造が担当し,豊川工場で竣工しました。R1~R4編成は2008年4月から、R101編成は同年7月から運用に就いており、R1~R4編成が名古屋車両区に、R101編成が美濃太田車両区に配置されています。

2017年からJR東日本もレール運搬車としてキヤ97系をカスタマイズしたキヤE195系を導入しており、小牛田運輸区、尾久車両センターに配置されています。

97-r1-090324

97-r1-090324-2

2009/3/24 枇杷島 旅客線を通過するキヤ97系R1編成

97104-r4-080906 974-r4-080906 2008/9/6 清洲 名古屋~稲沢貨物線を通過するキヤ97系R4編成

これらは毎週火・木・土の週3日、稲沢~名古屋港駅間を1往復している定尺レール運搬列車に遭遇したものと思われます。

97-r4-230728-2 2023/7/28 ささじまライブ
名古屋車両区でレールを積載して待機するR4編成

キヤ97系の前面マスクは普通鋼、サイドはステンレス鋼となっており、検測車キヤ95系とよく似たスタイルとなっています。ロングレール輸送用のキヤ97系200番台はレールの取り卸し作業をレールに沿って行うために前面のスタイルは異なっています。

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2024年1月18日 (木)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その2 名古屋車両区のキヤ95系

地上設備の検測を行う車両として国鉄時代はクモヤ93形493系191系193系443系495系クヤ497形などの電車タイプ、キヤ92形、キヤ191系などの気動車タイプ、そしてコヤ90形、オヤ31形、オヤ33形、マヤ38形、スヤ32形、オヤ36形、マヤ34形、オヤ36形などの客車タイプの車両が活躍しました。民営化後はJR東日本はE491系電車「East i-E」、キヤE193系気動車「East i-D」、マヤ50形客車、JR西日本はキヤ141系気動車「ドクターWEST」、DEC741形気動車、JR北海道はマヤ35形客車、JR九州は811系電車「RED EYE」などが活躍しているのに対し、JR東海はキヤ95系ドクター東海」を1996年2005年に製造(担当は日本車輛製造)し、それまで別々に行っていた軌道関係と電気関係の検測を一括して行えるようにしました。

主要諸元

編成 3両固定 キヤ95+キサヤ94+キヤ95-100
最高速度 120km/h
車両定員 非営業車両(事業用)
最大寸法 (長・幅・高) 20,900*×2,800×3,560(mm) 中間車は17,000mm
車体 ステンレス
台車 軽量ボルスタレス台車 C-DT60A形(動力)C-TR249形(付随)コイルバネダイレクトマウント台車 C-TR250形(付随中間)
機関出力 350ps(C-DMF14HZB)×2 DR1編成 360ps(C-DMF14HZC)×2 DR2編成
変速段 変速1段・直結2段
駆動方式 液体式
制動装置 電気指令式ブレーキ
機関ブレーキ・コンバータブレーキ
保安装置 ATS-ST・ATS-PT
EB装置・TE装置
備考 2M1T編成。中間車は付随車

車体はオールステンレスで側面腰部と幕板部には青の濃淡、裾部に黄色の帯が入り、正面部分は普通鋼製で、黄色一色に塗られています。冷房はディーゼル発電機を電源とする集約分散式で装置自体は 373系と同一のC-AU714形、2台構成となっています。エンジンはカミンズ社製 C-DMF14HZB (350ps) を両先頭車に各2基搭載し、変速機は新潟コンバータ製C-DW14A(変速1段・直結2段)、ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキが採用されています。DR2編成はエンジンを電子燃料制御方式のN14ER (C-DMF14HZC 360ps/2100rpm) としています。

DR1編成が竣工したのが1996年、運用開始は1997年3月30日からで、それから約8年後の2005年4月にDR2編成が登場していますが、その間の技術の進歩に合わせ、継目板監視装置、画像処理のデジタル化、位置精度の向上、軌道データ処理の精度向上、レール遊間測定精度の向上などの新技術がDR2編成には導入され、それに合わせDR1編成の測定手法も更新されました。

高い測定精度の確保、非営業列車であることなどから振子装置は搭載されていません。架線との接触状態等を確認するため、下枠交差式パンタグラフが1基搭載されており、架線検測は専らDR2編成が担当しています。

検測はJR東海全路線のほか、城北線、名古屋港線・塩浜線、伊勢鉄道・樽見鉄道・愛知環状鉄道・天竜浜名湖鉄道、あおなみ線内での検測も担当しています。

キヤ95 
東海道本線上での東京向き先頭車で架線測定など電力関係の検測を担当、検測用パンタグラフを搭載するスペースや観測用ドーム等を設置

キサヤ94 
付随車で軌道検測を担当、軌道検測用の台車(他の台車はボルスタレス台車ですが、軌道検測用台車はコイルバネによる枕ばり台車)を車両中央に搭載、車内には職員用休養室も設置

キヤ95-100
東海道本線上での神戸向き先頭車で信号・列車無線などの信通関連の測定を担当、冷房装置、車内電源のためのディーゼル発電機を搭載

95-dr1-230728-5
95-dr1-230728-13 2023/7/28 ささじまライブ 
キヤ95系 DR1編成

952-180325 2018/3/25 名古屋
キヤ95系 DR2編成

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2022年11月29日 (火)

2022年夏 名古屋遠征 名鉄ほぼ全線乗りつくしの旅 12 三柿野~犬山遊園

名鉄各務原線、三柿野駅は昨日の各務原線の歴史にも登場しましたが、1926年1月21日、同線が開業した際は終端駅で駅名も補給部でした。当時の駅は現在の場所より400mほど岐阜寄りにあったそうです。同年7月7日には各務野駅と改称され、従来の各務野駅は新那加駅となりました。1931年6月27日には各務補給部前駅と改称、このときに現在地に移転しました。1935年8月1日には航空廠前駅に、1938年12月1日、軍関係の要駅であることを伏せるため、三柿野駅となりました。

Dsc00700

2022/8/3 駅名標 両隣の駅名から「十三軒」としたら面白かったななどと冗談はさておき

現在、当駅は各務原線内途中駅で唯一折り返しが可能な構造となっており、昨日の記事にあるように三柿野止まりの普通が設定されています。かつては陸軍各務原飛行場への専用線が当駅から分岐しており、高山本線那加駅と各務原線新那加駅との間の連絡線を経由して貨物、旅客輸送も行われていました。戦後、アメリカ軍の占領時代はDED8500形(名鉄の形式名で、アメリカ陸軍が持ち込んだ電気式DL、一部は国鉄に貸し出されDD12形に)が貨車や客車を牽引していました。

Dsc00709 駅構造は1面1線の単式ホームと1面2線の島式ホームとなっており、単式ホーム(北側)から1,2,3番線となっています。名鉄岐阜から到着し、折り返す6500系4連6513F

Dsc00711
駅横には川崎重工業航空宇宙システムカンパニー、航空自衛隊岐阜基地などがあり、航空祭などが行われるときには大勢のファンが訪れるため通常は新鵜沼で折り返す快速特急・特急・ミュースカイ・急行が当駅まで延長運転されます。

Dsc00705 このクルマは軌陸車ではなく、軌道線専用のようです。

Dsc00712_20221128084101 三柿野からは10:18発、犬山行に乗車しました。

Dsc00715 犬山橋、かつては多摩川を渡る東急田園都市線の二子橋、長野電鉄の村山橋など鉄道道路併用橋がありましたが、交通渋滞の解消、安全性の問題などから次々に分離され、現在は江ノ電の神戸橋のみになりました。

鵜沼宿を過ぎ、新鵜沼の手前で併走するJR高山本線とは別れ、木曽川の鉄橋、犬山橋を渡り、再び、愛知県に。橋の先に見える、犬山遊園で下車し、犬山橋をバックに撮影をすることにしました。

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2022年10月10日 (月)

鉄道クレーン車とワゴン車の甲種輸送 川崎貨物~拝島

2022年8月の名古屋遠征の話題の只中ですが、今回は首都圏の話題を。

2022年10月1日、土曜日、表題のようにJR貨物による甲種輸送があり、牽引機は新鶴見機関区のEF65 2092号機で川崎貨物から東海道貨物支線、南武支線、尻手連絡線、武蔵野線、南武線、青梅線経由で拝島まで鉄道クレーン、コキ106-279、ワゴン車が輸送されました。

鉄道クレーン車は主に分岐器の交換等の作業に使用され、形式名はKRC810N2015年に導入されました。橋梁の桁交換等に操重車1966年製のものが長らく使用されてきましたが老朽化のため1995年1999年にドイツ・ゴットヴァルト社製の鉄道クレーン車(GS-80)が導入されました。それも老朽化したため新しく導入されたのがKRC810Nでした。従来機に比べ
・水平吊りで大きな吊り上げ能力があることから架線下でも分岐器や桁の一括架設が可能であること
・架設するものの運搬,吊荷走行が可能なこと
・専用の運搬台車を所有しており基地線から現場までホーム箇所においても分岐器や桁を運搬することが可能なこと
・隣接線干渉防止機構を有すること
・施工線のカント補正裝置を持つこと  などの能力が向上し、
・アウトリガ片側張り出しでの作業が可能
・ホーム脇等などでの施工が可能    となりました。
初仕事は2015年9月に東神奈川駅構内分岐器交換工事でした。

ワゴン車CF350HSW GS-80のワゴン車は 動力を持たなかったため、自力での回転が出来ませんでしたが、CF350HSW は自走可能で台枠上面を境目として運転室が回転することで単独での方向転換が可能となりました。

~甲122~
9777レ
川崎貨物9:55 川崎9:59 小田栄10:02 川崎新町10:03 八丁畷10:05 尻手10:08
新鶴見(信)10:15-45 梶ヶ谷(タ)10:58 府中本町11:12
分倍河原11:14 西府11:16 谷保11:18 矢川11:20 西国立11:22 立 川11:25-12:15 拝島 1231
といったスジでの運行でした。

Dsc01920edit

Dsc01922_20221009083701

Dsc01923 2022/10/1 分倍河原

通過予定時刻の30分くらい前に府中本町駅に行ってみるとすでに多くの方々が武蔵野線ホーム(2,3番線ホーム)で通過を待っている状態であり、かつ過去の経験から3番線からの撮影は武蔵野線の入線で被られることが多かったので、南武線一駅立川よりの分倍河原駅で撮影することにしました。

鉄道クレーン車MULTI TASKER KRC810N-2+ワゴン車CF350HSWはJR東日本東京工事事務所に所属し、分岐器交換等の工事の度に出動しており、その甲種輸送が目撃されています。ネットで検索すると

2019/7/2 相模貨物へ EF65 2083牽引 控車はコキ106-357 (ソース
2020/10/2  一ノ関へ EF65 2092、EH500-80牽引 (ソース
2020/10/16 一ノ関へ EH500-11牽引 控車はコキ107-1640(ソース
2021/12/27 高崎操~新座タ EH200-3牽引 さいたま新都心、西浦和での目撃情報(ソースソース
2022/7/14 一ノ関から EH500-8牽引 控車はコキ107-1161 (ソース

などが見つかりました。

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