2022年8月15日 (月)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part6 副都心線への進出から全廃へ

制御機器の更新がその後の7000系各編成の運命を分けることになりました。1次車及び3次車として10連化された1~20編成のうち、制御機器の更新を受けなかった7108F、7111F、7117F、そして3レベルVVVFインバータの7106F、7107F、7112F、7114F、そして10連で落成した3次車7121F~7126Fは副都心線対応更新の対象外となり、廃車となりました。

7000-7022-091031 2009/10/31 朝霞台 3次車7122Fに添付されたYマーク

副都心線開業直前の時点で同線に入線しない編成には2008年6月より、先頭車両と中間車3・8号車の側面にYマークが添付され、有楽町線オンリーであることが示されました。

副都心線開業後は東急東横線渋谷方向を1号車に統一するため、7000形側が1号車とする号車番号の変更もありました。そして、7000系、21編成のうち、6編成(7101F、7102F 、7104F、7105F、7110F、7118F)が5M5Tの10連とし、15編成(7103F、7109F、7113F、7115F、7116F、7119F、7120F、7127F~7134F)が4M4Tの8連で残されました。

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8連化にあたり、7600,7700形は各編成から抜かれ廃車となり、制御機器類は7128F、7131F、7132Fの制御器更新の際に再利用されました。また各車両の編成内での連結位置が変更されました。1次車で広幅貫通路で製造された車両も菅通路の幅が狭められ、貫通扉が設置されました。
7000-7001-160211_20220814144801 2016/2/11 石神井公園 7101F 10連 2021年10月30日に運用離脱しましたが、まだ木場に保管されているようです。

7000-7102-200229 2020/2/29 所沢~西所沢 7102F 2021年4月19日に廃車に

7000-7103-170910-2 2017/9/10 多摩川 7103F 2021年9月27日、廃車に

7000-7033-170910 2017/9/10 学芸大学 7133F 2022/4/4 廃車に

そして、7134Fが2022年4月18日に廃車となり、7000系の活躍は1974年から48年に及ぶ活躍は幕となりました。

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2022年8月11日 (木)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part5 制御機器の更新

7000系6000系の電機子チョッパ制御の改良タイプで、逆導通サイリスタ素子を使用したAVF(Automatic Variable Field)自動可変界磁式チョッパ制御で登場しましたが、B修繕工事(20年程度の車両に施工する大規模な更新工事)の際に省エネルギー化、メンテナンス性の向上のために、制御機器の更新工事も始まりました。

初期(1996年度途中まで)のB修繕では制御器の更新は行われませんでしたが、1996年度後半のB修繕から、VVVF化更新が始まり、初期の更新では3レベルインバータ方式(三菱製の素子耐圧1,700V - 400A 日立製の素子耐圧2,000 - 325A)が採用されました。7102F・7106F・7107F・7112F・7114F編成がこの方式で更新されました。これら5編成は2回目のB修繕で2レベルインバーターに更新される計画でしたが、7102Fのみが更新されたものの、あとの4編成は更新されず2009年に廃車となりました。

1999年度からは2レベルインバータ方式(素子耐圧3,300V - 1,200A)が採用され、小型軽量化されました。ここまでは主電動機出力160kW,1C2M4群方式でMT比は6M4Tでした。

2003年度からは05系13次車に準じたPGセンサセレスベクトル制御方式、純電気ブレーキに対応した2レベル方式(素子耐圧は3,300V - 1,200Aを踏襲)が採用され、1C4M2群/1群制御方式となり、7000形が電装解除され、MT比が5M5Tとなりました。この方式が導入された編成はブレーキ装置が均一ブレーキ制御からT車遅れ込め制御方式に変更となりました。7101F・7104F・7105F・7110F・7118F編成などがこの方式の更新を受けています。

なお、10両編成で新製された第3次車の7121Fから7126Fは、以前にも記述しましたが、B修繕を受けることなく、7121Fから7123Fが2010年4月にインドネシアへ譲渡、7124Fから7126Fが2008年11月から2009年5月にかけ、全車廃車となっています。

1999年にB修繕された 7108F, 7117F, 7111Fの3編成は制御器更新を受けず2008年から2010年にかけ廃車となっています。

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最初のB修繕を受けた年月日順になっています(一部、正確な年月日が不明な編成もあります)。

7000-7117-070330 2007/3/30 所沢 1999年にB修繕を受けたものの、制御器の更新は受けず2010年に廃車となった7117F

7000-7004-150429 2015/4/29 朝霞台 最初のB修繕では制御器の更新は受けず、2度目のB修繕で5M5T化され、10連で最後まで活躍した7104F

7000-7002-130101 2013/1/1 大泉学園 最初のB修繕で3レベルVVVF化更新を受けた5編成のうち、他の4編成が計画変更で廃車となる中、唯一、2レベルVVVF化の再更新を受け10連のまま副都心線対応となった7102F

7000-7028-120407_20220810135801 2012/4/7 ひばりヶ丘 製造時期から最初のB修繕後に副都心線対応となり、8連化された7028F

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2022年8月10日 (水)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part4 最後の増備車となった第6次車

7000系の増備も1989年に竣工した第6次車、第33,34編成で最後となりました。これら2編成は輸送力増強用として東急車輛製造が製造を担当しました。前面方向幕にローマ字表記の追加、自動放送装置、車内案内表示器、ドアチャイム、車外案内用スピーカの搭載等、これら編成から開始された装置類は千代田線用6000系第35編成や半蔵門線用8000系第10編成でも踏襲されました。パンタグラフ減数化のため、7100形のパンタは新製時から省略され、3次車以降各車に2個ずつ搭載していた屋上換気扇も廃止され、側扉窓は外部からの支持方式となり、室内側は平滑化されました。また7034号車はバケットシートの試験車として落成しました。

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7000-7133-070330

7000-7033-070330 2007/3/30 所沢 第33編成

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7000-7134-070812-3 2007/8/12 所沢 第34編成

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2022年7月27日 (水)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part3 東上線相互乗り入れ対応の第4次車、全線開業対応の第5次車

1987年8月25日、和光市~営団成増間が開業し、東武東上線との相互乗り入れが始まりました。この時、営団側の車両は東武出入庫車は森林公園まで、その他は川越市までの運転となり、先だって製造されたのが第27編成(4次車)でした。3次車までの車両は落成時には東上線乗り入れ用ATSや列車無線などが搭載されていませんでしたが、乗り入れ開始に先立って施工工事がなされました。4次車では室内の配色が変更されました。1980年から工事を進めていた和光検車区が1987年8月12日に開業し、それまで飯田橋検車区に配置されていた第27編成までの編成は和光検車区に配置換えとなりました。

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1988年6月8日には新富町~新木場間が開業し、有楽町線は全線開業となりました。これに先立ち製造されたのが第5次車で第28から32編成が登場しました。新製時より冷房装置搭載での登場となり、1988年6月1日より、冷房運転が開始されました。第28編成が営団初の新造冷房編成となりました。

我が国地の夏の暑さ対策として1971年7月1日から営団地下鉄では銀座線でトンネル冷房を行いそれなりの効果を上げて来ました。そうなった理由は地下鉄の場合、車両から排出される熱気がトンネル内に充満し、駅などの乗客が大変なことになるからというものでした。私も当時、大学に通う際の丸ノ内線などでトンネル内に冷房装置が設置されているのを目撃しました。国鉄、民鉄各社が冷房車の導入を進める中、営団地下鉄はしばらくこの方式に拘ってきましたが、1987年10月に全線の車両冷房化決定という歴史的大転換が起こりました(オーバー)。1988年10月に日比谷、東西、千代田、有楽町、半蔵門の各線で車両の冷房化が開始されました。銀座線、丸ノ内線はトンネル断面の大きさの関係もあり導入が遅れ、1990年開始となりました。営団地下鉄の車両、相互乗り入れの車両,100%の冷房化率達成は1996年でした。一方、長年活躍したトンネル冷房装置は1998年に廃止の方針が決定し、2006年の丸ノ内線、淡路町~大手町間を最後に姿を消しました。

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非冷房で登場した第27編成までの冷房改造

7000-7027-120428 2012/4/28 清瀬 7127編成 

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2017/10/9 秋津 7127編成

副都心線対応で帯色が茶系になり、VVVF化され、7600,7700形が廃車、8連化された後の姿(この辺の変化については後日の記事で)

7000-7028-120407 2012/4/7 ひばりが丘 7128編成

7000-7128-091031 2009/10/31 朝霞台 7128編成
営団初の冷房車編成ですが、なぜか編成番号表示の取り付け位置が他の編成に比べて、両先頭車とも低い位置にあるのが特徴

7000-7029-091031 2009/10/31 朝霞台 7129編成

7000-7130-180319 2018/3/19 練馬高野台 7130編成

7000-7131-160430 2016/4/30 中目黒 7131編成

7132-131006-2 2013/10/6 多摩川 7132編成

有楽町線全線開業に際して落成した第5次車、7128~7132編成ですが、「若い編成=最後まで残る」といった予想に反し、第4次車の7127編成も含めて、副都心線開業時、VVVFへの更新時でもありましたが、編成が10連から8連に短縮されてしまいました。3次車の10連新製編成、7121~7126編成のように全車廃車よりは良かったかもしれませんが。

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2022年7月26日 (火)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part2 5両編成の10両編成化と、編成増備の第3次車

1983年6月24日、営団成増~池袋間が延伸開業しました。これとほぼ同じタイミングで第1~第20編成を10両編成化するために第3次車が製造されました。中間車は7200形から7600形と附番されましたが、当時すでに落成していた8000系の仕様を取り込んだため、側扉の窓ガラスは大きくなりました。10両編成化された7000系は営団成増開業の1週間前から営業運転に投入されました。

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車両番号がイタリックになっているのは既存の車両(第1次、第2次車)、非イタリックで示された車両が第3次車

1・2次車は非冷房車として落成しましたが、3次車からは冷房搭載準備車として落成しました。側窓は1・2次車では上段下降・下段上昇式の2段式で田の字スタイルでしたが、3次車からは大きさが拡大され、一段下降式の窓となりました。貫通路も1・2次車は大型断面の広幅貫通路でしたが、3次車以降は基本的に狭幅貫通路となり、各妻面に貫通路が設置されました。ただ、1・2次車と連結される部分に関しては広幅貫通路となりました。5両の追加中間車のメーカは第19編成まで(第1次車分)は一致していますが、第20編成は先頭車を含む5両は川崎重工、追加中間車は日本車輛となりました。

5両追加の中間車両の他、7121~7126編成までが新たに10両貫通編成として4社で竣工しました。ちなみにこの当時はすべての車両が飯田橋検車区配置でした。和光検車区が発足し、転属したのは1987年以降です。

有楽町線の全列車が10連化されたのは1983年7月9日でした。同年10月1日には西武有楽町線小竹向原~新桜台間が開業しましたが、西武鉄道には乗り入れ対応車両が無かったため、7000系の1編成を借りて運行していました。西武6000系が有楽町線に乗り入れたのは1994年12月7日からです。

7000-7104-070908
22007/9/8 北朝霞 7104F

7000-7015-070330 2007/3/30 所沢 7115F

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2007/3/30 所沢 7117F

7000-7022-091031 2009/10/31 北朝霞 7122F

7000-7125-070812  2007/8/12 所沢 7125F

いずれの写真も東武東上線、西武池袋線相互乗り入れ後のものですが、7000系3次車までの車両の黄色帯時代の写真を集めてみました。なお、7122FのYマークは副都心線に入線予定のない車両に表示されていました。1次車のうちで制御装置更新がなされなかった08,11,17編成、3レベルVVVFインバータ制御のままだった06,07,12,14編成、そして10両で落成した21~26編成は副都心線対応更新対象外となり、2009年頃廃車となりました。

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2022年7月25日 (月)

静かに去っていった東京メトロ 7000系 part1 5両編成で登場した第1次車・第2次車

東京メトロ7000系電車は1974年10月30日の有楽町線開業に合わせ登場しました。7000系は1971年に量産が開始された千代田線用6000系をベースにしていますが、制御方式は電機子チョッパ方式を改良した自動可変界磁(Automatic Variable Field:AVF)式チョッパ制御方式とし、さらなる電力消費量の抑制が図られました。製造は日本車輛製造、東急車輛製造、川崎重工業、近畿車輛の4社が担当し、1989年までに34編成計340両が製造されました。

12

製造は6次に渡ってなされ、1次車は池袋~銀座一丁目間開業用として1974年3月から10月にかけ4社で、5両編成19本が製造されました。将来の10連化を見越してか、車両番号は7200~7600番台を開けての登場でした。1980年3月27日には銀座一丁目~新富町間が延伸開業し、これに合わせて第2次車1編成が川崎重工業で竣工しました。
1次・2次車は側窓が田の字窓でした。また私もよく記憶していますが、車両間の貫通扉がなく、菅通路がキノコ型の構造をしていました。

7114-7909291979/9/29 池袋 5両編成の7114F 銀座一丁目行 01S

当時は大学院修士課程の2年生で大学へは西武新宿線~高田馬場~東西線~大手町~千代田線~根津のルートで通っていましたが、9月29日は土曜日でしたので、大学からの帰り道、飯田橋で有楽町線に乗り換え、撮影のため池袋まで乗車したのではと思います。

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2022年4月25日 (月)

西武2000系 最後の8連 2007F 池袋~芦ヶ久保~拝島 親子連れツアー運転

2022年4月24日、ロシアのウクライナ侵攻から2か月が経過し、前日の23日土曜日には知床沖でウトロから知床半島先端部往復の遊覧船(KAZU 1)が浸水し救助を求め消息を絶つという不穏なニュースが流れ、一夜が明け、4名が救助されるもいずれも意識不明というニュースが流れる中でしたが、西武2000系8連の2007Fが引退前に池袋線を走るとのことで、石神井公園、西所沢で同編成を撮影しました。

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8時少し前、所沢にて2007Fの所在を西武鉄道アプリで調べると回9960レとして東長崎で退避している模様。ツアー列車は985レで池袋出発は8:30の予定なので準急で石神井公園に向かうことに。ひばりが丘で急行に乗り換え、石神井公園へ。

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Dsc08748 練馬からの複々線区間は急行線を走ってきたようですが、石神井公園では列車の退避の関係で2番線へ

Dsc08749 Dsc08751 石神井公園の列車案内は「臨時」、妻面・側面の表示は「団体専用」

Dsc08754 2022/4/24 石神井公園
メトロ17000系の8連は初めて眼にしましたが、この各停でひばりが丘、さらに急行で西所沢へ

Dsc08770
Dsc08772 2022/4/22 西所沢
かくして、2007Fにとってはおそらく最初の池袋線運用を記録することができました。

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その後、アプリで列車位置を確認すると、芦ヶ久保到着後は横瀬にいったん引き上げ、11:40頃、芦ヶ久保駅を出発、飯能、所沢でスイッチバックし、小平まで(986レ)、小平で引き上げ線に入り、折り返し、987レとして拝島に向かいました。

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2022年2月 3日 (木)

通勤電車シリーズ 205系 9 山手線に6扉車 サハ204の投入

1990年代初頭,2年半弱つくばからドア・トゥー・ドア、2時間かけ毎日、霞が関に通った時期がありましたが、当時の山手線・京浜東北線の上野~秋葉原間の混雑は凄まじいものでした。その約20年前の高校時代(1971年4月~1974年3月)にも高田馬場から渋谷まで山手線を毎日利用していましたので、混雑には慣れていましたが、上野駅で既に戸口まで人の壁ができている車内に入るのは抵抗感を感じたものでした。JR東日本ではこう言ったラッシュ時の混雑緩和と乗降時間の短縮を目的に、山手線205系編成に6扉車両を導入することにしました。

5000-5555-191020-2_20220202082701 2019/10/20 寝屋川車庫で休む5555編成 

5000-191020_20220202083001 5000系の可動式座席 3扉時 5扉として運用する際はこの座席は上昇し、上部に格納されました。

混雑緩和の目的で通勤車両の扉数を増やした車両としては京阪電鉄が1970年に導入した5000系が最初かと思います。5扉車ではありますが、ラッシュ時以外は扉2か所の部分が座席になる点が極めてユニークでした。デビュー当時から存在は知っていましたが、なかなか写真に収めることができず、引退直前に乗車し、記録することができました。

03-109-170217-3 2017/2/17 西新井 東京メトロ03系 09編成

首都圏では営団地下鉄日比谷線を走る営団03系1990年9月に5扉試作車編成(09編成、8両編成のうち、両端の2両 1・2・7・8号車を5扉車としました)が登場、効果が確認されたため、第28編成まで5扉車として量産されました。

20050-28851-151206 2015/12/6 越谷 東武20050系

日比谷線に乗り入れる東武鉄道も1992年から20000系の部分5扉車20050系を投入しました。

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1993年3月18日時点での山手電車区 205系編成表

山手線への投入にあたり、6扉車のモックアップが作製され、座席の折りたたみ構造、扉間の座席定員、手すりやつり手の位置、暖房方法が検討され、この結果に基づき、まずサハ204-901,-902の2両が1990年3月に近畿車輛で製造されました。扉は両開き、扉間の側窓は1か所で出入り扉の高さを1800mmから1850mmに拡大、側窓と扉窓の天地寸法も拡大し、室内への採光を増やしました。そのため幕部のビートの位置も従来車とは異なっています。

 扉と扉の間にはプロテクターを巻いたスタンションポールが設置され、つり手の数を増やし荷棚にも手すり状の部分を設け、掴まる場所を増やしました。座席は跳ね上げ式で乗務員室からロックの指令を出せる方式とし、所定時刻にロックを解除、乗客が手動で座席を引き出す方式としました。定員は154名、座席30名、座席跳ね上げ時は定員157名でした。暖房は座席下に設置できないため、床暖房方式としました。冷房はAU717(50,000kcal/h)を一台搭載、室内冷気流出防止のためサーキュレーターを設置しました。出入り扉の第2,5扉を締め切り扱いとし、4か所開閉扱いにすることも可能でした(量産車では省略)。戸閉機械は直動式とし、かもい部に設置しました。台車はTR241Bを履きました。

 試作車は10両編成(ヤテ42編成)のいろいろな位置に組み込まれテストした後、1990年3月10日から2,9号車に組み込まれ営業運転を開始しました。1990年6月からは車内情報サービスを行うため、各扉上部にモニター画面を設置、屋根上通風機に受信アンテナ、床下にチューナー、制御用コントローラー、ゴーストキャンセラーを搭載し、-901では5インチ液晶、-902では6インチCRTを設置しました。

 1991年秋からサハ204形量産車の製造が始まり、12月1日から9日にかけてすべての編成の10号車に6扉車が組み込まれ、53編成の11両編成化が完了しました。11両編成化で冷房用電源の不足が懸念されたため、量産車からDC-DCコンバータが床下に搭載され、試作車でも同様の改造が施されました。

205-24-020427 2002/4/27 恵比寿 ヤテ24編成 前から2両目が6扉車

205-25-020427 2002/4/27 五反田 ヤテ25編成 

 登場時は「詰込み電車」、「戦後の酷電を思い出す」などと酷評されましたが、徐々に浸透し、JRでは横浜線の205系(後日、記事にします)、209系E231系などでも登場、私鉄では京王帝都電鉄も1991年6000系で5扉車、東急電鉄も田園都市線の5000系に6扉車を2005年から組み込みました。これら多扉車もその後の新線の開通による混雑の緩和と駅ホームドアの整備による開口部の問題等で歴史から消え去ることになりました。

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2021年12月 9日 (木)

東京メトロ半蔵門線の車両 その3 18000系

1980年から1994年にかけ製造され、半蔵門線および相互直通乗り入れ先の東急田園都市線、東武伊勢崎・日光線で活躍してきた8000系の老朽化置き換え用として、車両のさらなる安全・安心かつ高品質な輸送サービスを提供するために2020年から製造され、2021年8月7日から営業運転に投入されたのが18000系です。

18000-18001-211207

18000-18101-211207 2021/12/7 二子玉川 18101編成

日立製作所が製造を担当、有楽町線・副都心線に投入されている17000系と同様、アルミニウム合金を使用したダブルスキン構造の車体、接合部には摩擦攪拌接合法(FSWFriction Stir Welding)(摩擦熱で母材を軟化させ、工具の回転力で接合部周辺を塑性流動させ練り混ぜることで複数の部材を一体化させる接合法)が採用されました。

18000-18002-211105-2 2021/11/5 西新井 18102編成

主電動機には1時間定格出力205 kWの東芝製の永久磁石同期電動機を採用し、MT比は4M6T、地下鉄区間の駅間の短さ、急勾配・急曲線に対応し、高加速、高減速の高頻度使用に耐えるため高トルク出力が出せるように、相互直通運転区間は設計最高速度120km/hを満たすため歯数比を7.07に設定しました。

18000-18003-211207 2021/12/7 二子新地 18103編成

主要諸元
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,508人
車両定員 先頭車:142人(座席45人) 中間車:153人(座席51人)
自重 26.7 - 32.8 t
編成重量 298.4 t
車体長 先頭車:20,005 mm 中間車:19,500 mm
車体幅 一般部:2,780 mm 車側灯間:2,828 mm 沓摺り部:2,786 mm
車体高 一般部:3,635 mm 空調ユニット部:4,022 mm パンタ折畳み高さ:4,080 mm
床面高さ 1,140 mm
車体 アルミニウム合金製オールダブルスキン構体 (A-train)
台車 ボルスタ付きモノリンク式空気バネ台車 FS-781形(全車共通)
主電動機 全密閉式永久磁石同期電動機 (PMSM)
主電動機出力 205 kW(16台/編成)
駆動方式 平行軸歯形継手式(WN式)
歯車比 99:14 (7.07)
制御方式 フルSiC-MOSFET素子適用VVVFインバータ制御(PGレス2レベルベクトル制御方式)
制御装置 三菱電機製 MAP-214-15V336[4]
制動装置 ATC連動電気指令式電空併用ブレーキ(回生ブレーキ併用)
TISによる編成総括回生ブレンディング制御
保安装置 新CS-ATC・ATC-P・東武形ATS・無線列車制御システム (CBTC)

18000-18004-211207 2021/12/7 二子新地 18104編成 ちなみに18104編成はこの日が営業運転初日だったようです(情報)。

18000系は18101Fが2020年10月5日に長津田に到着したのを皮切りに、2020年12月6日に18102F,2021年7月19日に18103F,2021年11月14日に18104Fとこれまでに4編成が納車され、4編成共に運用に入っています(情報はこちら)。2019年の時点で今年度中に10~12編成、来年度に7~9編成が営業運転に入るとアナウンスされていましたが、搬入完了予定は2025年度までに延期となったそうです。

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2021年12月 8日 (水)

東京メトロ半蔵門線の車両 その2 08系

2003年3月19日、半蔵門線の水天宮前~押上間開業と東武伊勢崎線・日光線の相互直通運転の開始による必要編成数の増加で投入されたのが08系でした。日本車輛製造が担当し、10両編成6本が製造されました。営団地下鉄最後の形式であり、0x系といった系列名で登場した最後の車両となりました。

08-001-160826 2016/8/26 二子新地 01編成

1999年度から投入された東西線用05系第25編成以降、いわゆる05N系をベースに「人や環境に快適でやさしい車両」をテーマに設計されており、2000年3月8日に発生した日比谷線中目黒駅構内脱線衝突事故を踏まえ、車体構造が見直され、側構体を従来のシングルスキンからセミダブルスキン構造に変更、安全性の向上を目的に改良を加えた新設計の台車(住友金属工業のSS台車から日本車輛製のND台車へ)が採用されました。

08-102-160206 2016/2/6 西新井 02編成

08-103-160312

2016/3/12 曳舟 03編成

主要諸元
最高運転速度 80 km/h(半蔵門線内) 110 km/h(東急線内) 100 km/h(東武線内)
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,500(座席522)人
車両定員 先頭車141(座席48)人 中間車152(座席54)人 車いすスペース付中間車153(座席51)人
自重 21.5 - 32.1 t
編成重量 269.6 t
全長 20,240 mm(先頭車) 20,000 mm(中間車)
全幅 2,780 mm
全高 4,022 mm 4,080 mm(パンタグラフ付き)
車体 アルミニウム合金
台車 モノリンク式ボルスタレス台車 ND-730形
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 定格出力 165 kW × 4基
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 87:14=6.21
制御方式 VVVFインバータ制御
制御装置 三菱電機製IPM方式インバータ(IGBT素子)
制動装置 TRT-11型回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、保安、対雪ブレーキ付き
保安装置 新CS-ATC・ATC-P・東武形ATS

08-104-150429-2 2015/4/29 小菅 04編成

08-105-160625 2016/5/25 五反野 05編成

08-106-160306-2 2016/3/6 東武動物公園 06編成

編成構成はMT比5M5T、VVVFインバータ制御装置は2レベル方式・ベクトル制御による1C4M1群/2群制御とし、乗り入れ先における高速性能を向上させるため、従来の営団車両の設計最高速度である110km/hから120km/hに向上させました。主電動機は165kW品を採用、合わせて歯車比を6.21として高速性能の向上と主電動機の回転数を抑えることで車外騒音を低減させました。

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