2024年9月 4日 (水)

速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫

新型コロナの時期を除いて、関西の旅は現役時代からよくしてきましたが、京都に宿泊するというのは随分、久しぶりの気がします。

今回、四条堀川のホテルにしたのは、旅の目的が昨年、西院で撮影し、その魅力に嵌まった嵐電(京福電気鉄道嵐山本線と北野線)の撮影を一番に考えたからでした。四条堀川から嵐電の始発駅である四条大宮へは歩いて数分の距離です。

四条大宮の交差点といえば東西南北の碁盤の目のような道路に対して斜めの後院通(こういんどおり)が北西の方向に伸びるのが特徴的な交差点ですが、嵐電四条大宮駅を1階部分に持つビルも、嵐電の線路の方向に合わせるように南西~北東を向いて建っています。
Dsc00006_20240903182501 2024/9/3 四条大宮交差点に建つ嵐電駅が1階部分にあるビル

Dsc00184_20240903182901 出札口で1日フリー切符¥700を購入

Dsc00008_20240903183201 ホームで待っていたのはモボ501+モボ502の併結編成でした。

嵐電初の冷房車として1984年に登場、都電7000形車体更新車を参考とし、ドア配置もワンマン運転を考慮し、前中扉構造としたものの、他車との配置の違いが災いし、厄介者扱いされ、リニューアル工事で扉配置が従来車と揃えられた歴史をもつタイプです。

Dsc00018
この編成で嵐山まで行き、渡月橋などを観光したのち、有栖川にて朝の併結編成を撮影、

Dsc00038 京紫を纏ったモボ106

Dsc00070 朝のラッシュ時間にしか見られないといっても過言ではないモボ301 現役最古の形式

Dsc00079 江ノ電とのコラボのモボ631

などを撮影し、懐かしい吊り掛けサウンドを満喫した後、帷子ノ辻から北野線に乗車しました。

Dsc00111 2024/9/3 北野白梅町 モボ621

こちらは一部複線区間はあるものの、殆ど全線単線で狭い用地に何とか駅を用意したという駅が何駅かある路線です。ニュースによると9月2日には脱線事故があり、今朝は始発から運行しているとのことでした。北野線を1往復して、帷子ノ辻から再び、嵐山本線へ

Dsc00141 三条通の併用区間を走る山之内電停の幅の狭すぎる安全地帯を撮影し、

Dsc00150_20240903190701

併用区間を行くモボ106

Dsc00172

最後は昨年同様に西院車庫の様子を見て、四条大宮に戻りました。

一旦、ホテルに戻った後、午後からは叡山電車の撮影に出町柳駅に向かうことにしました。

Dsc00191_202409031913012024/9/3 叡山電車 出町柳駅

四条堀川から出町柳、電車で行くなら大宮から阪急で京都河原町、四条祇園まで歩き、京阪で出町柳に向かう方法がありますが、市バスなら3系統で乗り換え無しで行けるのでバスによる方法を選択しました。幸い渋滞に巻き込まれること無く無事到着しました。こちらの鉄道にも1日フリー切符「えぇきっぷ」¥1200があります。路線は八瀬比叡山口に向かう叡山本線と宝ヶ池で分岐して鞍馬に向かう鞍馬線があります。
出町柳の出発ホームから叡山本線と鞍馬線は別れています。それは叡山本線が通常1両の運行、鞍馬線が2両編成の運行となっているためです。

Dsc00206_20240903193501 2024/9/3 元田中~茶山京都芸術大学間 叡山本線の700系 722

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宝ヶ池に到着する900系 903+904 鞍馬線

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叡山本線の終点、八瀬比叡山口に到着

Dsc00241 鞍馬線の終点、鞍馬駅

どちらの終点もかなり標高の高い地点にあるため、電車は急坂を登って到着すると言った様子でした。

Dsc00293

車両基地は修学院駅に隣接してありますが、今回のお目当てであった700系732「ひえい」の姿はどこにもありませんでした。

出町柳に戻った後は京阪電車で三条、地下鉄東西線で蹴上へ行き、南禅寺の水路閣を観てきました。

Dsc00340
琵琶湖疏水の分流として南禅寺の境内を流れる水路をローマの水道橋のように煉瓦アーチの構造物にしたもので実際に水が流れており、煉瓦アーチの風情もなかなか見応えのある構造物です。

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2022年2月 3日 (木)

通勤電車シリーズ 205系 9 山手線に6扉車 サハ204の投入

1990年代初頭,2年半弱つくばからドア・トゥー・ドア、2時間かけ毎日、霞が関に通った時期がありましたが、当時の山手線・京浜東北線の上野~秋葉原間の混雑は凄まじいものでした。その約20年前の高校時代(1971年4月~1974年3月)にも高田馬場から渋谷まで山手線を毎日利用していましたので、混雑には慣れていましたが、上野駅で既に戸口まで人の壁ができている車内に入るのは抵抗感を感じたものでした。JR東日本ではこう言ったラッシュ時の混雑緩和と乗降時間の短縮を目的に、山手線205系編成に6扉車両を導入することにしました。

5000-5555-191020-2_20220202082701 2019/10/20 寝屋川車庫で休む5555編成 

5000-191020_20220202083001 5000系の可動式座席 3扉時 5扉として運用する際はこの座席は上昇し、上部に格納されました。

混雑緩和の目的で通勤車両の扉数を増やした車両としては京阪電鉄が1970年に導入した5000系が最初かと思います。5扉車ではありますが、ラッシュ時以外は扉2か所の部分が座席になる点が極めてユニークでした。デビュー当時から存在は知っていましたが、なかなか写真に収めることができず、引退直前に乗車し、記録することができました。

03-109-170217-3 2017/2/17 西新井 東京メトロ03系 09編成

首都圏では営団地下鉄日比谷線を走る営団03系1990年9月に5扉試作車編成(09編成、8両編成のうち、両端の2両 1・2・7・8号車を5扉車としました)が登場、効果が確認されたため、第28編成まで5扉車として量産されました。

20050-28851-151206 2015/12/6 越谷 東武20050系

日比谷線に乗り入れる東武鉄道も1992年から20000系の部分5扉車20050系を投入しました。

204s
1993年3月18日時点での山手電車区 205系編成表

山手線への投入にあたり、6扉車のモックアップが作製され、座席の折りたたみ構造、扉間の座席定員、手すりやつり手の位置、暖房方法が検討され、この結果に基づき、まずサハ204-901,-902の2両が1990年3月に近畿車輛で製造されました。扉は両開き、扉間の側窓は1か所で出入り扉の高さを1800mmから1850mmに拡大、側窓と扉窓の天地寸法も拡大し、室内への採光を増やしました。そのため幕部のビートの位置も従来車とは異なっています。

 扉と扉の間にはプロテクターを巻いたスタンションポールが設置され、つり手の数を増やし荷棚にも手すり状の部分を設け、掴まる場所を増やしました。座席は跳ね上げ式で乗務員室からロックの指令を出せる方式とし、所定時刻にロックを解除、乗客が手動で座席を引き出す方式としました。定員は154名、座席30名、座席跳ね上げ時は定員157名でした。暖房は座席下に設置できないため、床暖房方式としました。冷房はAU717(50,000kcal/h)を一台搭載、室内冷気流出防止のためサーキュレーターを設置しました。出入り扉の第2,5扉を締め切り扱いとし、4か所開閉扱いにすることも可能でした(量産車では省略)。戸閉機械は直動式とし、かもい部に設置しました。台車はTR241Bを履きました。

 試作車は10両編成(ヤテ42編成)のいろいろな位置に組み込まれテストした後、1990年3月10日から2,9号車に組み込まれ営業運転を開始しました。1990年6月からは車内情報サービスを行うため、各扉上部にモニター画面を設置、屋根上通風機に受信アンテナ、床下にチューナー、制御用コントローラー、ゴーストキャンセラーを搭載し、-901では5インチ液晶、-902では6インチCRTを設置しました。

 1991年秋からサハ204形量産車の製造が始まり、12月1日から9日にかけてすべての編成の10号車に6扉車が組み込まれ、53編成の11両編成化が完了しました。11両編成化で冷房用電源の不足が懸念されたため、量産車からDC-DCコンバータが床下に搭載され、試作車でも同様の改造が施されました。

205-24-020427 2002/4/27 恵比寿 ヤテ24編成 前から2両目が6扉車

205-25-020427 2002/4/27 五反田 ヤテ25編成 

 登場時は「詰込み電車」、「戦後の酷電を思い出す」などと酷評されましたが、徐々に浸透し、JRでは横浜線の205系(後日、記事にします)、209系E231系などでも登場、私鉄では京王帝都電鉄も1991年6000系で5扉車、東急電鉄も田園都市線の5000系に6扉車を2005年から組み込みました。これら多扉車もその後の新線の開通による混雑の緩和と駅ホームドアの整備による開口部の問題等で歴史から消え去ることになりました。

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2020年1月30日 (木)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 800系II

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は800系IIです。

800-801-191020

2019/10/20 四宮車庫 801-802編成

800-804-191020
2019/10/20 四宮 803-804編成
これら2編成の塗色は登場時からの琵琶湖をイメージしたパステルブルーと灰白をベースに染物由来の色であり、京津線のラインカラーを表す「苅安色」(黄色)の帯を巻いています。

812-120913-3
2012/9/13 京阪山科 旧塗装の頃の811-812編成

1997年10月12日に京都市営地下鉄東西線への直通運転が開始され、同時に架線電圧が1500Vに昇圧されたため、80型等の在来車両が使用不能となり、代わって導入されたのが800系です。欧米ではよく見かける併用軌道区間と地下鉄区間を直通することが出来る車両で、日本では唯一です。さらに京津線には66.7‰の急勾配区間もあり、登山電車的機能も備えており、地下鉄線内運転用にATO装置も装備しています。

4両固定編成で2両が1ユニットの2ユニット全動力車となっており、1ユニット故障時でも走行が可能です。従って、4つの形式が連結され、一つの編成を構成することからこれまでの形から系となりました。因みに初代は琵琶湖鉄道汽船時代の1927年に日本車輛製造本店で製造した100形が京阪でき鉄道と合併後、800型に改番された通勤型電車でした。

VVVFインバータ制御方式で素子は京阪電車では初のIGBT素子となりました。制動装置で特徴的なのはブレーキシューが価格が安く高速域から安定した減速力が得られるレジンではなく連続急勾配や天候変化に強く、低速での併用軌道走行中の急減速性能に優れた鋳鉄製であることです。パンタグラフは京阪で初めてシングルアーム式PT-7201が装備されました。地下区間の低い架線から併用軌道区間の高い架線まで対応可能です。

車体の幅、高さは従来車と同じですが、長さは16.5mとなり、側扉も3扉となりました。京阪本線の7200系のミニチュア版ともいえるデザインです。

800-810-191020

2019/10/20 四宮 809-810編成
2017年度から2020年度にかけ京阪本線の一般車両と同じ「シティー・コミューター」色に変更されることとなり、下の表のように.801,803編成以外が既にこの塗色となっているようです。

主要諸元

最高運転速度 75 km/h
設計最高速度 90 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 4.2 km/h/s
編成定員 386人
車両定員 先頭車88人・中間車105人
編成重量 112 t
全長 16,500 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,475 mm
車体 普通鋼
台車 モノリンク式空気ばね台車 FS558
主電動機出力 90 kW[1]
駆動方式 TD継手平行カルダン式
歯車比 71:14 (5.07[1])
編成出力 1,440 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ優先全電気指令式電磁直通ブレーキ HRDA-1
保安装置 京阪形ATS、CS-ATC、ATO

Photo_20200129135701

800-815-191020-2
2019/10/20 四宮車庫 815-816編成

運用区間は当初、京津線~御陵~京都市役所前間でしたが地下鉄の延伸で太秦天神川まで乗り入れるようになりました。石山坂本線には営業運転では乗り入れませんが、近江神宮前駅に隣接する錦織車庫までは回送運転で入線します。さらに試運転では坂本比叡山口~近江神宮前間の運転もあります。逆にびわ湖浜大津~石山寺間は車両限界の関係で入線できません。2020年1月28日に札幌で市電とバスが衝突、市電が脱線する事故がありましたが、京津線の併用軌道区間でこういった事故が発生し、地下線内に封じ込まれた場合は運転再開まで東西線の醍醐車庫に留置となるそうです。2002年11月30日からは、それまで京津線内ではツーマン運転でしたが、全線でワンマン運転となりました。

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2020年1月29日 (水)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 700形III

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は700形IIIです。

700-701-191020-3

700-702-191020
2019/10/20 びわ湖浜大津 80型復刻塗装

昨日の記事で紹介した600形は1988年までに2両編成10本が製造され、1月25日の記事で紹介した80型についても1989年から1990年にかけ冷房工事が施行され、大津線における非冷房車両は260型、350型、500型の27両となっていました。京津線から京都市営地下鉄東西線への乗り入れに関しては1990年に車両規格が決定し、京津線の車両規格の大型化と同時に石山坂本線を含んだ架線電圧の600Vから1500Vへの昇圧も決定しました。従来は600形の増備の予定でしたが、昇圧を考慮した複電圧車の増備に計画が変更となり、1992年から1993年にかけ、錦織工場で、350型4両、500型6両の車体を流用して製造されることになったのが700形です。700形も3代目であり、1928年1580型として登場し、1929年に改番されたのが初代、1968年から1970年にかけ製造されたのが二代目でした。

主要諸元
電気方式 直流600 V→1,500 V (架空電車線方式)
編成定員 190人
車両定員 95人(着席38人、40人)
車両重量 21.0 t
編成重量 42.0 t
全長 15,000 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
台車 FS-503A
台車中心間距離 9,000 mm
動力伝達方式 TD平行カルダン駆動方式
主電動機 TDK 8760A(三相かご形誘導電動機)
主電動機出力 70 kw
歯車比 6.92
出力 280 kw
編成出力 560 kw
制御方式 分巻界磁位相制御
制動装置 全電気指令式電磁直通ブレーキ(HRD-1)

700-708-140811 2014/8/11 京阪膳所 導入当時の塗装

700形の前面スタイルは京阪本線に導入された7000系をベースにしたとのことです。

700
700形の場合、5編成のうち、2編成は350型の車体を流用しました。350型は1966年から1967年にかけて11両製造された型式で、351~355は両運転台、356~361は片運転台車でした。両運転台車のうち、352~355の4両は1970年8月に集電装置をポールからパンタに交換したタイミングで片運転台化され、356~361の6両と2両編成になりました。351は両運転台のまま残存し、錦織車庫の入換車や故障時の予備車として余生を送りました。700形が導入されるタイミングで700形と同じ全電気指令式電磁直通ブレーキ(HRD-1)に交換され、乗務員の習熟訓練用に使用されました。

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2020年1月28日 (火)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 600形III

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は600形IIIです。

600-602-191020

2019/10/20 唐橋前 601-602編成 1次車

京阪電気鉄道では1984年まで車両の形式に「型」をつけていました。1986年から登場した形式は「形」をつけるようになりました。600形は500型の記事でもありましたが、1980年代に入り、一般形車両も冷房サービスが当たり前の時代となり、従来の非冷房の車体を流用し、新たに製造された運転台、台車、機器を組み合わせ1984年から1988年にかけ製造された車両でした。製造は錦織工場で行われ、601-608は300型の車体、609-620は260型の車体が流用されました(詳細は下の表に)。なお、600形としては3代目となり、1927年1550型として登場し、1929年に改番で600型となった初代、「ロマンスカー」という言葉が登場するきっかけとなった車両でした。昭和30年代に慢性化する通勤ラッシュ対策として1650型を基本に18m級全金属の車体と初代600・700型の主要機器を組み合わせて更新されたのが二代目600系(制御電動車600型601 - 606, 611 - 626・中間電動車680型681 - 685・中間付随車650型651 - 664の計41両)でした。

600-613-191020
2019/10/20 比叡山坂本口 613-614編成 3次車

主要諸元

電気方式 直流600 V→直流1,500 V (架空電車線方式)
最高運転速度 60 km/h
車両定員 95人(着席40→38人)
車両重量 21.0 t
全長 15,000 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
車体高 3,512 mm
車体 鋼製
台車 住友 FS-503A
固定軸距 1,900 mm
台車中心間距離 9,000 mm
動力伝達方式 TD平行カルダン駆動方式
主電動機 TDK-8565A(150 V、410/65A、1,150 rpm)(登場時)TDK-8760A(改造後)
主電動機出力 53 kw(登場時)70 kw(改造後)
歯車比 6.00(登場時)6.11(改造後)
出力 212 kw(登場時)280 kw(改造後)
制御装置 ACRF-M853-788A(電動カム軸式、抵抗・直並列・界磁位相制御)(変更前)
分巻界磁位相制御(8M1C)
制動装置 非常直通式空気ブレーキ(SME)(登場時)
全電気指令式電磁直通ブレーキ(HRD-1)(変更後)(回生ブレーキ・発電ブレーキ併用)

600-619-191020 2019/10/20 唐橋前 619-620編成 4次車

600_20200127185901
600形の製造次数と流用元260型の関係
窓は2次車では前面窓がパノラミックウインドウに、3次車では側面窓の下段が固定化されました。なお、2次車も1992年から1993年にかけて側面窓の下段が固定化されました。

600形は1997年の京都市営地下鉄東西線への片乗り入れ後も使用されることが決まっていたため、1993年に昇圧に向けた改造が行われました。主電動機、駆動装置、制動装置、補助電源装置、CP、標識灯などが交換され、主要諸元の項で赤字で示したのが改造後の変化です。

 

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2020年1月27日 (月)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 500型

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は500型IIです。

504-801211 1980/12/11 蹴上

この記事で紹介する2代目の500型は1月24日記事で紹介した260型の4次車281-286(1968年製造)を錦織工場で改造し、1979年に2両、1981年に4両が導入されました。種車の側窓、扉の配置はそのままに、運転室の面積を拡大し、先頭部は非貫通式の2枚窓となり、左側には電照式行先表示器も設置されました。これらのデザインは600形や700形にも継承されました。

京津線のそれまでの優等列車用車両は上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッドの京阪特急色で塗られていましたが、500型は上半分がライトグリーン、下半分がダークグリーンの 一般色で登場しました。これ以降、他の車両も同様の塗色となりました。車内はロングシートで冷房は非搭載でした。

台車は京阪線1000系で使用実績のあるFS-309を基に小型化したFS-503を採用し、枕バネにダイヤフラム式空気バネを用い、軸箱は側梁緩衝ゴムによって支持されていました。台車を小型化したために、床面の高さが80mm低くなり、プラットホームとの段差が減少し、荷重による車両の撓みも減少しました。駆動方式もTD平行カルダン方式となり、大津線初の高性能車となりました。制動装置は従来車とおなじ直通空気ブレーキ(SME)でしたが、従来は非常時のみに使用していた発電ブレーキを通常時(速度抑制、停止)にも使用することで、最大66.7‰の急勾配でも安定した制動力が確保出来るようになりました。集電装置はパンタグラフを用い、奇数番号の車両は運転台側、偶数番号の車両は連結面側の屋根上に1台設置されました。

主要諸元

車両定員 95人(着席46人)
車両重量 23.5 t
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm(集電装置含)
台車 FS-503
動力伝達方式 TD平行カルダン駆動方式
発電機 TDK-356 1/B(4.5 kVA)
主電動機 TDK 8560A(300 V、230 A、1,300 rpm)
主電動機出力 60 kw
歯車比 6.00
出力 240 kw
制御装置 ACDF-M460-776A(電動カム軸制御)
制動装置 発電ブレーキ併用非常直通式空気ブレーキ(SME)
備考 廃車後の車体は700形に流用

Photo_20200126084901

改造登場当初は京津線の急行や準急で活躍し、1981年の浜大津駅の移設で方向転換され、1984年に大津線初の冷房車600形が登場すると石山坂本線の普通列車運用に回りました。冷房車のニーズの高まり、さらに京都市営地下鉄東西線との直通運転で1500V昇圧に機器が対応していないことが明らかとなり、昇圧用複電圧車700形の種車として500型の車体が流用されることが決まり、1992年から1993年に形式消滅しました。260型からは改造という扱いで500型になりましたが、700形には代替新造という扱いになりました。

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2020年1月26日 (日)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 300型

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は300型IIです。

304-801211
1980/12/11 三条

京阪大津線では1957年260型が導入されて以降、車両の近代化が進められていました。その一環として二代目300型は1965年から1968年にかけ、2両編成4本、計8両が川崎車輌で製造されました。260型 3次車同様の全長14.9m級、両開き2扉、前面は3枚窓貫通扉付き、片運転台方式でした。 当初は京阪特急色(上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッド)を纏っていましたが、1979年以降、写真のような上半分が若草色(ライトグリーン)、下半分が青緑色(ダークグリーン)の一般色に変更されました。

Photo_20200125081101

 

 

 

 

 

台車や一部の主要機器は1924年に導入された木造車1000型(初代)(10両、1929年の大改番で300型(初代)に改められ、第二次世界大戦で304、305の2両が焼失しました)から流用されました。初代307から310の4両から機器が流用され、二代目301-304が竣工、301-303、306は1963年に大津線に転属し、二代目300型登場後は310型(311-314)と改番し、1965年に廃車となり、1967年から1968年に竣工した二代目305-308に流用されました。台車はブリル製のMCB-2が引き継がれましたが、ボールドウィン製78-25Aは引き継がれず、ブリル製MCB-2Xが使用されました。

主要諸元
編成 2両編成(Mc + Mc)
車両定員 95人(着席46人)
車両重量 25.0 t
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
台車 ブリル MCB-2(301 - 305)ブリル MCB-2X(306 - 308)
動力伝達方式 吊り掛け駆動方式
主電動機出力 58 kw
歯車比 2.75(55:20)
出力 232 kw
制御装置 電動カム軸制御
制動装置 発電ブレーキ併用非常直通ブレーキ(SME)、手ブレーキ
保安装置 デッドマン装置
備考 主要機器は300型(初代)から流用。

大津線にも冷房車ということで、600形の導入が決定すると、300型の車体を流用することになり、600形の竣工で300型が廃車となって行き、1984年10月22日、607-608が301-302の車体を流用し、竣工したことで形式消滅となりました。

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2020年1月25日 (土)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 80型

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は80型IIです。

81-801211

82-801211_20200124195802 1980/12/11 81-82編成 パンタを嵩上げした頃 上 蹴上 下 三条

60型の記事でも出て来た、1949年8月7日未明に起こった四宮車庫の火災で併用軌道区間に投入されていた多くのステップ付き低床在来車が被災しました。復旧過程で三条~浜大津間の各駅停車列車には残った低床ステップ車が投入され、浜大津直通急行・準急運用については高床・乗降ステップなしの一般車充当されましたが、1956年11月19日の東海道本線全線電化完成以降、国電区間が延長され、京津線沿線でも宅地開発が進み、乗客数が急ピッチで増加しはじめました。在来の低床ステップ車では明らかに輸送力不足に陥ることが明らかとなり、1961年8月から京津線の各駅停車列車用に製造されたのが80型IIでした。尚、80型としては二代目で大津電車軌道の1型電車が京阪との合併後名乗ったのが初代80型でした。81~96までの16両が近畿車輛にて製造されました。

84-801211 1980/12/11 蹴上

主要諸元
編成 当初1両、後に2両固定化
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600V(架空電車線方式)
最高運転速度 60 km/h
起動加速度 3.2 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
車両定員 95名(座席40名)
自重 20.0 t
全長 15,000 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
床面高さ 910 mm
車体 普通鋼
台車 KD-204 空気バネ台車
車輪径 660 mm
固定軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,200 mm
主電動機 複巻整流子電動機TDK-543/1-B
主電動機出力 45 kW
搭載数 4台/両
端子電圧 150V
駆動方式 吊り掛け駆動
歯車比 59:14 (4.21)
編成出力 360kW(2両固定編成)
制御方式 抵抗制御
制御装置 電動カム軸式抵抗制御
ACRF-M445-256A/B
制動装置 SME非常直通式空気制動 (回生制動併用)手用制動
保安装置 京阪形ATS
備考 自重は冷房改造以前の数値。

準張殻構造の15m級軽量設計の両運転台車両でラッシュ時対策で3扉車となりました。94-96の3両は片運転台車として竣工し、非運転台側妻面は切妻構造となり、貫通路が設置されました。

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86-801211_20200124200002 1980/12/11 85-86編成 上 三条 下 蹴上

昨日の記事にもありましたが、1970年8月23日に大津線の全車両のパンタグラフへの一斉変更が行われた際に、車体高が低いのをカバーするため台座に円柱状のパイ府を装着し、嵩上げした上にパンタグラフが搭載されました。また同年7月から両運転台車であった81-93について81-82、83-84と言った具合に2両固定編成化が行われ、奇数車の三条方運転台、偶数車の浜大津方運転台が撤去され、貫通路が新設されました。93は94とペアが組まれました。1981年4月の浜大津駅移転では、260型同様に錦織車庫の転車台で方向転換が行われ、奇数車が三条向き、偶数車が浜大津向きとなりました。京都市営地下鉄東西線の建設で併用軌道部分が廃止される際に本形式も廃車になる予定でしたが、地下鉄工事が遅れたため、1989年より、冷房改造工事が開始されました。

1997年10月12日の京都市営地下鉄東西線開通に伴う京津線三条~御陵間廃止、ならびに大津線全線の1500V昇圧で全車廃車となりました。礼帽装置は600形の冷房装置更新で再利用されました。廃車後、多くの編成が解体される中、81-82編成は350形357-356とともに浜大津駅付近の側線出約5年留置後、82は完全な状態で、81はカットボディで錦織車庫にて静態保存されました。2015年に82は車庫から搬出され、81のカットボディのみが現存しています。

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2020年1月24日 (金)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 260型 

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回は260型です。

276-801211 1980/12/11 三条付近

大津線の近代化を図るため木造・半鋼製の200型の機器・台車を流用し、1957年から1968年にかけ26両がナニワ工機、日立製作所、近畿車輛にて製造されました。

主要諸元
車両定員 95人(着席44人)(261 - 273)95人(着席46人)(274 - 286)
車両重量 23.8 t(261 - 273)23.5 t(274 - 286)
全長 14,900 mm
全幅 2,380 mm
全高 3,980 mm
動力伝達方式 吊り掛け駆動方式
主電動機 9-C(600 V、90 A、652 rpm)
主電動機出力 45 kw
歯車比 2.95
出力 180 kw
制御装置 EC-260(電動カム軸制御、直並列組合せ制御)
制動装置 発電ブレーキ併用非常直通ブレーキ(SME)、手ブレーキ(1971年 - 1973年以降)

製造は4次に渡り、
1次車 261-267 1957年製 両運転台車 片開き扉 ナニワ工機
2次車 268-273 1959年製 両運転台車 両開き扉 日立製作所 運転台窓の形状変更 上部開閉可能なスライド窓
3次車 274-279 1961年―1963年製 片運転台 両開き扉 日立製作所
4次車 280-286 1968年製 片運転台 両開き扉 近畿車輛 ウインドウシル無し 前照灯2灯
形態はこのように変化して行きました。

1965年に制御装置が200型譲りの電気制御した空気シリンダーで接触器を動作させるカム軸の回転を制御する電空カム軸制御方式から、他の車両同様のカム軸を電動機で回転させ接触器を動作させる電動カム軸制御方式に変更されました。さらに制動装置は発電ブレーキ併用空気ブレーキから発電ブレーキ併用非常直通ブレーキ(SME)に変更されました。4次車はこれらの仕様で製造されました。

1970年8月、大津線の集電装置がポールからパンタグラフに変更され、260型には東洋電機製PT-4303Aが1台設置され、これに合わせて運転台側の先頭窓が2段式となり、大津線の全列車が2両編成化され,261-269は片運転台化されました。同年、267の台車はブリルのMCB-2Xに交換されました。

1979年から1981年にかけて281 - 286は500型に改造され、その際に捻出したボールドウィン製台車(BW形)は261 - 266へ転用されました。

浜大津駅におけるスイッチバックの解消、同交差点の混雑緩和を目指し、同駅が1981年4月12日に移設された関係で、京津線と石山坂本線の車両の向きが逆向きになり、両線を直通する車両間の連結や編成の組み換えに支障をきたすことが予想されたため、同年6月18日まで、錦織車庫に設置された仮設のターンテーブルで260型の一部の車両が方向転換することになりました。方向転換後、両運転台で残っていた270-273も1982年に片運転台化されました。これで全車2両固定編成となり、連結面の連結器は棒連結器となり、前照灯の2灯化、正面運転台窓枠のHゴム化、貫通幌の撤去、貫通扉下部の通風口設置などが行われました。

製造時から上半分がマンダリンオレンジ、下半分がカーマインレッドの京阪特急色でしたが、500型に改造された281 - 286は上半分が若草色(ライトグリーン)、下半分が青緑色(ダークグリーン)の一般色になっており、これに合わせ260型も1985年以降、同様の変更が行われました。
両開き扉を有していた2次・3次車は600形に車体を供出するため1987年から1988年にかけて廃車され、最後まで残ったは片開き扉の1次車と4次車の280でした。これら8両で2両固定編成4本が組まれ、1997年10月12日の京津線部分廃止と大津線1500V昇圧時に全車廃車となりました。

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2020年1月23日 (木)

京阪乗り歩きの旅 2 車両編 60型 びわこ号

京阪電気鉄道の車両シリーズ、今回からは京津線、石山坂本線関係の車両で、最初はびわこ号として活躍した60型です。

60-63-191020-14客用扉は2種類あり、運転台後方の扉は高床ホーム用、連接部よりは低床ホーム用

60-63-191020-13
低床ホーム用扉には開閉式昇降階段が設置されています。

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連接部のD-13台車 両端台車はD-12 帯鋼リベット組立イコライザー台車

2019/10/20 寝屋川車庫

1934年、日本車輛製造製の我が国初の連接構造の電車であり、当時の流行でもあった流線形車体を持った電車で日本の鉄道史にしっかりと足跡を残した車両で寝屋川車庫に1編成が復元保存されており、イベント等で内部を見学することも可能です。

大阪から京阪本線、三条を経由し、琵琶湖岸の浜大津まで直通の電車を運行しなくてはならない理由が当時の京阪にはありました。
1)京阪本線の五条以北は京都市が市電建設を企図して特許を取得した区間であり、京阪はこの区間を20年契約で琵琶湖連絡を目的とし、京津電軌との連絡を円滑に行うという条件で借り受けたものでした。
2)1920年代初頭に京津電軌が京阪に対して合併話を持ち掛けました。
3)阪急嵐山線の記事でも登場した京都電燈が軌道事業だけではなく、電力事業も展開していた京津電軌の電力事業を獲得しようと画策し始めました。また京都電燈傘下の叡山線の出町柳~三条大橋延長も計画し、京津線との直通、電力事業の合併を主張する一派が京津内部に存在しました。
4)京津電軌を巡って、京阪と京都電燈の間で争奪戦が起こるところでしたが、電力事業は京都電燈に、軌道事業は京阪が継承するということで決着が図られました。
こういった経緯から京阪による琵琶湖連絡、阪津間直通は京阪の軌道事業取得に説得力を持たせると同時に、重要な責務となりました。
一方で、三条~五条間の免許借り入れ契約は1935年に失効が迫り、それまでに契約を更新する必要がありました。この時期、京都市議会では一部の議員から、「京阪電鉄は京阪間連絡に限定し、三条にターミナルを置く必要はない」「五条以北は京都市電に置き換え、市内交通の一元運営にすべき」との意見が出され、京阪としては路線維持の観点から京阪本線~京津線を直通運転し、琵琶湖連絡する列車を一刻も早く運転開始しなくてはいけない状況となりました。

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奥行き405mmの浅いロングシート

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連接部の独特な構造

そこで登場したのが60型61-63の3編成でした。車両の構想は1925年の京阪・京津合併時に計画されており、1931年には日本車輛製造本店では軽量構造大型車体の江若鉄道C4形気動車(18m級120人乗り)を製作しており、その設計が60型の設計にも影響を及ぼしたと考えられています。車体は半鋼製で流線形としては1935年製の国鉄52形電車よりも早い登場となりました。車体幅は京津線の車両限界から2200mmとし、クロスシートの設置は断念し、浅めのロングシートとなりました。さらに車体の連結部、通常の幌では逢坂山付近の急曲線区間に対応できないため、中間台車と回転軸を同じくする金属製貫通路が設置されました。

60-63-191020-3
片隅式運転台
高速走行が求められる京阪本線用に新京阪のP-6に装備された弱め界磁が追加されており、また京津線内の連続急勾配66.7‰に対応するため、発電ブレーキが装備され、大容量の抵抗器が擬装スペースいっぱいに搭載されています。

60-63-191020-4
車内は木製で、右側から書く書体も昭和初期の雰囲気を出しています。


主要諸元
編成 2車体連接車
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600 V (架空電車線方式)
車両定員 112人(座席60人)
車両重量 26.4 t
全長 12,380 mm
全幅 2,356 mm
全高 4,000 mm
台車 日本車輌製造 D-12, D-13
主電動機 東洋電機製造 TDK-517-SA1(72.0 kw)
駆動方式 吊り掛け駆動方式
歯車比 2.87(66:23)
出力 288.0 kw
定格速度 48.6 km/h
制動装置 空気ブレーキ、発電ブレーキ(電空併用ブレーキ)

1934年4月に特急「びわこ号」として天満橋~三条~三条大橋~浜大津間で運転が開始されました。途中停車駅は転線と、集電装置切り替えの必要な三条、三条大橋に限られ、後には三条大橋だけとなりました。定期列車1往復と臨時列車2往復の最大3往復が設定されました。1940年9月頃には戦時体制移行で直通運転が中止となり、1944年には61.62が資材・人員不足で休車に追い込まれ、63が終戦頃まで天満橋~守口間の区間運転に従事しました。戦後の1946年、京阪本線の編成両数延伸などで60型は守口車庫から四宮車庫に転出しました。1949年8月7日、深夜四宮車庫の火事で入庫車27両中22両が全焼する大惨事になりましたが、60型は幸いにも難を逃れました。その後、京津線、石山坂本線でも運用されましたが、1969年には三条駅構内の連絡線が撤去され、京津線にATSが設置される際には対象から外され、1970年7月30日、「びわこ号」としてお別れ式が行われ、1970年10月5日、最後まで残っていた63号が廃車となりました。

60型の電装品や台車は2代目1000系を種車に製造が進められていた700系車体更新車に流用され、3編成から発生した9台の台車は電動車3両と付随車1両に使用されました。車体と台車は錦織車庫に留置となりました。700系は架線電圧昇圧で車体のみを流用した1000系3代目に更新されることとなり、このとき不要となった60型由来の機器、台車で1980年京阪電鉄創業70周年事業の一環として63を新造時の姿に復元する工事が実施されました。復元された63は長らく「ひらかたパーク」に静態保存されていました。2000年、ひらかたパークのリニューアルで設置場所が無くなるため、寝屋川車庫に移動となり、2010年には京阪と寝屋川市が「びわこ号復活プロジェクト」として動態復元を目指すことが発表され、2014年11月19日、寝屋川車庫構内での旧70型による牽引・推進での運転が実現しました。

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