2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 6 岡山駅に発着したJR四国の車両 8000系
JR四国8000系は1992年3月の予讃線観音寺~新居浜間の電化完成で試作車(8001+8101+8201)が登場、同年8月に臨時特急「しおかぜ」(岡山~新居浜)、臨時特急「いしづち」(高松~新居浜)として営業運転を開始しました。1993年3月18日の改正で新居浜~伊予北条間が電化され、高松から伊予市までの電化が完成し、高松~松山間が高速化され、量産車が登場しました。製造は日本車輛製造と日立製作所笠戸事業所が担当し、量産車は1998年までに45両製造されました。量産車の登場で試作車8001はL1編成に、8101+8201は向きが方向転換され、S1編成に組み込まれました。
2002/3/29 岡山 「しおかぜ」5+3の8両編成 先頭は8000形量産タイプ 振り子制御装置やSIVを搭載しているため、クロハでありながらパンタがあります。
2002/3/29 8400形貫通タイプの先頭車
主要諸元
最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 試作車:160 km/h 量産車:140 km/h
編成定員 L編成 : 18(グ)+263(普)=281人 S編成 : 168人(普)(リニューアル前は172人(普))
編成重量 L編成 : 183.2t S編成 : 109.2t
試作車 : 109.6t
全長 8000形・8500形 : 22,600 mm その他 : 21,300 mm
全幅 2,820 mm
全高 3,360 mm
車体 ステンレス
台車 制御付自然振子装置組込コイルばね+円錐積層ゴム式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)
試作車 : S-DT59・S-TR59 量産車 : S-DT60・S-TR60
主電動機 三相交流誘導電動機
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
編成出力 L編成 : 200kW×8=1,600kW S編成 : 200kW×4=800kW 試作車 : 150kW×8=1,200kW
制御方式 GTO素子によるVVVFインバータ制御 試作車は1C8M、量産車は1C1M
制動装置 発電ブレーキ 電気指令式ブレーキ 直通ブレーキ 抑速ブレーキ
保安装置 ATS-SS
・2000系気動車と同じ制御付き自然振り子方式
・パンタグラフが離線するのを防ぐため、車体側部を通して台車とパンタグラフ台座の間をワイヤーで結び、常にパンタグラフが真上を向く架線追従装置が装備されました。
・空調装置の熱交換器は重心を下げるため床下に搭載されました。
・試作車では設計最高速度を160km/hとしたためレールブレーキを採用しましたが、量産車ではレールブレーキは採用されず、試作車のレールブレーキも営業運転までに撤去されました。
1993年当時の8000系編成
1993年の登場時は半室グリーン車が1号車の5両編成5本と4両編成1本(ともにL編成)に、付属編成となる3両編成(S編成)5本で、5両、4両+3両、5両+3両と編成はバラエティに富んだ構成でした(黄色が試作車)。
1997年11月29日のダイヤ改正で多客時を除く、昼間の電車特急は多度津駅で「しおかぜ」「いしづち」の分割併合作業が行われることになり、L2編成に挿入する8300形8309と3両編成1本S6編成が新製されました。1998年3月14日のダイヤ改正から岡山方面の所要時間短縮のため宇多津駅構内のデルタ戦で編成の方向転換が行われ、半室グリーン車(8000形)が8号車となりました。
2014年3月14日のダイヤ改正から2000系気動車とグリーン車の位置を同じ場所に統一することから再度方向転換が行われました。S1編成は2018年3月31日付で廃車されました。
8000 8100 8150 8300 8400+8200 8300 8500
Thsc M2 M1 T Tc2 Mc T Tc1
8000形と8500形が流線形先頭車で8400形と8200形が貫通タイプの先頭車となっています。試作車と量産車では流線形の非貫通タイプの場合、フロントガラスのサイズに違いがあり、量産車は車体にワイパーの取り付け軸が付いているのに対して、試作車(8001)はガラスを貫通して軸が取り付けられています。さらに連結器カバーが試作車では運転台からの操作で開く方式となっているため、カバー縦筋が入っています。
2008/12/9 岡山 手前の8000形は試作車8001
リニューアル工事は2004年10月から実施され、2006年11月に全編成で終了しました。グリーン車・普通車指定席のみで施工され、「S-Seat」と呼ばれるより上質な難燃木材製座席への取替え、パソコンテーブルや車両の最前部のみであるがコンセントの設置、S編成は全車両禁煙化により喫煙室を1箇所設置(2011年3月廃止)等でした。車体のドア周りの塗装を普通車指定席はオレンジ、グリーン車は赤のグラデーションとなりました。リニューアル工事を施工した編成は、2005年度の財団法人日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞しました。
2019/8/4 岡山 二度目の方向転換で貫通型先頭車が大阪向きとなっている現在の姿
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