2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 6 岡山駅に発着したJR四国の車両 8600系
JR四国では岡山・高松~松山間が完全に電化された後も、2000系気動車が「しおかぜ」や「いしづち」に投入されていました。これを解消するために8000系以来、21年ぶりに新製された特急電車が8600系です。開発には鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定の利益余剰金を利用した費用支援が行われ、量産先行車の導入に10億円が投入されました。8000系電車導入時の「瀬戸の疾風」を踏襲し、「SETOUCHI STREAM EXPRESS」がキャッチコピーとなりました。車体傾斜制御装置を2000系や8000系同様に搭載していますが、メカニズムは台車枠と車体間の左右の空気バネの内圧を制御し、車体を傾斜させる空気ばね式車体傾斜方式とし、台車構造を簡素化し、省メンテナンスを実現しました。2014年から川崎重工業で製造され、2014年6月23日から運用されています。
2019/8/4 岡山 E12編成の8602は量産先行車 ブラックフェイスは蒸気機関車を模して、力強さ・ダイナミズムを表現したとのことです。
主要諸元
最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 140 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
減速度(常用) 5.2 km/h/s
編成定員 3両編成:153名 2両編成:101名
編成重量 3両編成:113.0t 2両編成:80.5t (いずれも空車)
全長 20,800 mm
全幅 2,840 mm
全高 3,560 mm
床面高さ 1,105 mm
車体 軽量ステンレス(efACE)
台車 空気ばね式車体傾斜制御付き軸はり式軽量ボルスタレス台車(ヨーダンパ付)S-DT66・S-TR66
主電動機 全閉外扇式三相交流誘導電動機
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
編成出力 220 kW ×4 = 880 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生・発電ブレーキ併用電気指令式ブレーキ 抑速ブレーキ 直通予備ブレーキ
保安装置 ATS-SSⅡ
8600系の編成表
8000系は5両編成の基本編成と3両編成の付属編成の分割併合方式ですが、8600系では全ての車両が貫通タイプとなっており、Mc-Tcの2両ユニットの中間にTを挟み、2両と3両を組み合わせる方式としました。
8600形(Mc) 岡山・高松方 制御電動車 全席普通席 定員56名 自販機・洋式便所・男性便所
8700形(Tsc) 3両編成の松山方 制御車 グリーン(12名)・普通(17名)客室合造車 パンタ 男性便所・車椅子対応多機能便所・洗面台・ユーティティスペース・多目的室
8750形(Tc) 2両編成の松山方 制御車 全席普通席 定員45名 パンタ 男性便所・車椅子対応多機能便所・洗面台
8800形(T) 中間車 全席普通席 定員68名
車体色のオレンジとグリーンは「瀬戸内の温暖な風土」と「穏やかで美しい四国の自然」、「愛媛」と「香川」をイメージしています。
ドアは8000系のプラグドアとは違い、一般的な引き戸です。パンタはTcとTscの後位に搭載され、取付部の屋根は予讃線の狭小トンネルに対応するため通常部の3,560mmから255mm低くした3,305mmとなっています。JR四国では初となるシングルアーム式パンタグラフです。車体傾斜により架線から離線したり、狭小トンネルで建築限界へ支障することを防ぐため、車体側部を通して集電装置取り付け台と台車の間をワイヤーで連結し、集電装置の左右の動きを拘束、その取り付け台が屋根上の枕木方向に設置されたガイドレール上を移動することで、常に集電装置の位置を軌道中心とする架線追従装置を装備しています。
量産先行車の走行試験時に曲線連続区間で元空気ダメの空気圧が異常に低下する事態が発生したため、傾斜を行う曲線、制御を行う区間の見直し、空気タンクの容量を330リッターから710リッターへ、台車補助空気室の容量を45リッターから35リッターへといった改良・改修が量産車、量産先行車においてなされました。
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