2022年5月 4日 (水)

山陽本線 瀬野八補機、EF67 最後まで残った105号機の引退

山陽本線瀬野~八本松間上り線10.6kmは22.6‰の連続急勾配区間であり、電化前は8350形、8450形、3300形、2120形 (B6)、2900形、
9600形、D50形、C52形、D51形、D52形、C59形といった蒸気機関車が、電化後はEF59形、EF61形、EF67形、EF210形300番台といった天気機関車が補機として後押しに投入されてきました。中でも電化後、EF59形重連で対応してきた1200t列車の補機仕業を1両で行えるよう、電機子チョッパ制御方式による粘着力の確保を主眼に開発されたのがEF67形式でした。

Ef67-2 撮影時期不詳 瀬野機関区 EF67 2号機 モニター屋根の形状からEF60形からの改造と判別できます。

EF67形は車体的にはEF60形0番台4次・5次車を種車に1982年から運用開始されたのが基本番台3両(1~3:EF60 104、129、88から改造)と、貨物列車の増発とEF61形200番台置き換えのため1990年から運用開始したのが100番台5両(101~105:EF65 134、131、133、132、135から改造)からなりました。

運用開始以来、全機が広島車両所に配置され、基本番台は密着自動連結器の開放機能を利用し、登坂完了後、走行中自動開放を行っていましたが、2002年3月のダイヤ改正で自動開放は廃止され、装置も撤去されました。2013年3月のダイヤ改正では後継機となるEF210-300番台が投入され、基本番台2,3号機が運用離脱、2号機が2013年3月27日付、3号機が2014年3月14日付で廃車となり、1号機も2014年5月に運用離脱となりました。

Ef67-105-040905

Ef67-105-141219

Ef67-105-040905-2

2004/9/5 天神川 EF67 105号機

EF210-300番台登場直後はEF67形と共通運用でしたが、2015年3月改正では運用が区別され、EF67形の運用数が減少、2017年になると103,104号機が運用離脱、101,102号機も2020年度までに廃車となり、最後まで残った105号機も2022年2月13日を以って定期運用から離脱、3月29日の広島貨物ターミナル~西条間でラストラン運行で引退となりました。

Ef210301-130322-4 2013/3/22 天神川 EF210-301

後継機となったEF210-300番台、当初は瀬野八の他、関西以西限定運用でしたが、2020年3月改正以降は関東地区へも姿を見せるようになり、量産も続き、2022年3月時点では339号機まで製造されています。

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2021年4月26日 (月)

2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 3 高崎線 倉賀野駅 part1 EF210-300番台

2021年春の信州の旅、高崎線列車に乗車し、わざわざ終点高崎の一つ手前、倉賀野で一旦下車したのは、以前にも記述しましたが、同駅でEF210-320号機を見かけたからでした。

Dsc02761

Dsc02755

2021/4/3 倉賀野 吹田機関区配置のEF210-320号機

Dsc02757
Dsc02759 添乗の乗務員氏は高崎からやってきた湘南新宿ライン2829Y列車で到着、そのまま機関車へ

JR貨物のEF210形は国鉄時代から直流区間標準形式のEF65形に代わる1300t牽引の主力形式として1996年から製造されており、同年3月に試作機901号機、1998年7月から11月には基本番台1~18号機が三菱電機・川崎重工業で製造されました。2000年3月以降はVVVFインバーター素子をIGBT化、制御システムを1C1M方式とした100番台101~173が同じく三菱電機・川崎重工業で2010年度まで製造されました。さらに2012年9月からは瀬野八補機として30年以上活躍してきたEF67形0番台の置き換えを目的に100番台をベースに勾配後押機関車としての機能としてシリコン油を内蔵した緩衝装置を連結器に内蔵した300番台が量産されてきました。


Ef210301-130322-2 2013/3/22 天神川 広島機関区時代の301号機

300番台の301~303号機は新製当初は広島機関区に配置されましたが、301号機が吹田機関区に貸し出され、その後、転属、302,303号機も転属し、2014年3月のダイヤ改正から、
171 吹貨西2077レ広島貨タ
172 広島貨タ後1060レ西条単1561レ広島貨タから後5080レ単597まで8往復
173 広島貨タ後1090レ西条単1551レ広島貨タから後2070レ単587まで6往復
174 広島貨タ2076レ吹貨西   といった300番台専用の運用が設定されました。

2015年には304~309号機が増備されたため、2016年3月のダイヤ改正では
171 吹貨西5085レ広島貨タ
172 広島貨タ後5050レ西条単569レ広島貨タから後1074レ単597レまで3往復
173 広島貨タ後5080レ西条単1551レ広島貨タから臨後8090レ臨単8599レまで10往復
174 広島貨タ後1090レ西条単1555レ広島貨タから後2082レ単1553レまで9往復
175 広島貨タ後1060レ西条単1569レ広島貨タから後58レ単557レまで2往復
176 広島貨タ臨後8056レ西条臨単8563レ広島貨タから後2080レ単575レまで2往復 広島貨タ1074レ大阪タ単1488吹貨東
177 吹貨西3051レ幡生操
178 幡生操3050レ大阪他73レ高松タ
179 高松タ3077レ新居浜3076レ高松タ
180 高松タ72吹貨西
と行程が増えました。

Ef210304-160904 2016/9/4 東淀川 補機運用に入るため広島へ向かう貨物列車を牽引する304号機

2017年には310,311号機が増備され、運用行程は184までに増加、2018年度には312~315号機が増備され、運用行程は187に、2019年度には316~318号機が増備されましたが、運用行程は186に、2020年度には319~329号機まで増備され、300番台専用運用は181~194に、そして吹田区の100番台とも共通運用が組まれ、103~106、110~113、118、119、122、123、126~129で東京タ、新鶴見まで顔を出すようになりました。さらに新鶴見機関区に326~329号機が新製配置されました。

Dsc02762 316号機以降は側面はこれまでのJRFロゴから桃太郎のキャラクターステッカー装飾が施されるようになりました。

2021年3月の改正以降は吹田機関区のEF210-100、-300共通運用では103~106、111~114、117~120、122、123、126~132、134~138で関東地区に顔を出しています。これらのうち、倉賀野へ顔を出すのは
117 名古屋タ3098レ稲沢1098レ新鶴見3099レ倉賀野3090レ根岸臨8571レ宇都宮タ臨8572レ新鶴見
122 幡生操1056レ新鶴見4067レ倉賀野単4967レ高崎操
123 高崎操単3096レ倉賀野3096レ新座タ69レ幡生操
135 東京タ臨8765レ倉賀野臨単8765レ高崎操
136 高崎操単4066レ倉賀野4066レ新鶴見5057レ幡生操 で

時間帯からしてEF210-320 号機は117の3099レの到着後だったのだと思われます。

一方、EF210-300番台、増備の陰でそれまでの瀬野八補機EF67形がどうなったかというと、EF60形から改造された基本番台3両は2号機が2013年3月27日に廃車、3号機が2014年3月10日に廃車、1号機も2014年5月に運用を離脱、保留車となりました。EF65形から改造の100番台5両のうち、103、104号機は2015年の検査切れで運用を離脱、2016年3月に105号機が最後の全般検査を終えてから同形式の全般検査は施行されていないことが明らかとなっています。EF67形の運用はEF210-300番台と当初は共通でしたが、2015年3月改正で区別され、4仕業となり、2017年3月改正では2仕業となりました。2021年3月改正でも2仕業残されています。

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2020年3月20日 (金)

2019年8月の岡山・広島・鳥取・兵庫旅行 7 東海道・山陽系貨物 EF210の話題 3 300番台 

EF210の話題、今回は2013年3月16日から就役した300番台です。

Ef67-1-040905

2004/9/5 天神川

この枝番はこれまでの基本番台や100番台とは異なり、瀬野八用補助機関車として1982年EF60形4次5次車の104、129、88号機から改造されたEF67形1~3号機が経年30年を超えたため、これらの置き換え用として製造が開始されたもので、301号機が2012年9月3日に川崎重工業で竣功し、1か月に渡る現車訓練と試運転を経て、広島車両所に配置され、2013年3月16日より、営業運転が開始されました。

Ef210300
EF210-300番台のデータ 電気機関車EX Vol14 EF210の現況から

基本的な構造は100番台と同じですが、勾配後押機関車として運用するため、超高粘度のシリコン油を充填したシリンダーが両エンドの連結器に緩衝装置として組み込まれています。これによって押し上げ時に発生する衝撃を緩和することが期待されています。この装置のため緩衝器が大型化し、車体長が前後で200mmずつ長くなりました。

Ef210301-160903-23 2016/9/3 千里丘

塗装はそれまでの基本番台、100番台とは異なり、写真のように青地に屋根下とサイドに黄色のラインを入れたものとなっており、ラインはルーバーで切れることなく続いています。2019年度までに316号機まで増備されています。

Dsc02661_20200319190801 2019/8/4 岡山

当初、301号機から303号機までの3両は広島車両所に配置され、勾配補機専用の運用を担当していましたが、2013年10月に3機とも吹田機関区に転属となり、吹田~広島間の運用を担当し、さらに2014年3月改正では専用の運用が設定されました。2019年3月の改正では吹田のEF210がA131~A149の運用を担当しているのに対して、300番台はそれとは別のA171~A186運用を担当しています。これらは大阪タ~幡生操間の運用とA177~A181運用が瀬野八補機運用となっており、関東方面へは足を延ばさない設定となっています。

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2014年12月20日 (土)

速報 ただ今 広島地方を旅行中 その2

広島旅行、2日目はまず市電で横川まで行き、可部線を北上しました。

 

141219

 

 


朝の横川駅 同じ漢字でも信越線の横川は「よこかわ」ですが、こちらは「よこがわ」なんですね。 2014/12/19

 

可部線といえば、2003年12月1日に可部から三段峡までの非電化区間が廃止となりましたが、地元の方々の熱心な運動により、2016年3月に可部から旧河戸までが電化の上、再開業するとの報道がありました。

 

105_k13_141219

 

 


105系 K13編成 2014/12/19 可部

 

141219_2

 

 


2016年3月には復活開業の予定の三段峡方面への線路

 

また沿線の安佐南区八木地区は今年8月19日から20日にかけての豪雨による土砂災害で死者74名、重軽傷44名の大災害が起きた場所でありました。

 

141219_3

 

 


たまたま横川から乗車した電車が梅林までだったので、接続待ちの間、梅林駅で下車して周辺を歩いてみました。

 

この災害は急斜面での宅地開発が問題となった災害だと思いますが、沿線風景をみて、横川を出発して太田川放水路を渡ってからの左手の車窓風景は関東人の私にとってはかなり高い山の中腹まで宅地開発がされており、特に梅林から先は山が山が線路際まで迫っている風景には驚かされました。

 

可部線から広島に戻った後は、天神川で
Ef210302_141219


この駅から見ることができる機関車、電車、気動車を撮影し、

 

C11_189_141219

駅から北方に歩いて5分ほどのイオンモール広島府中に静態保存されているC11189号機を見学しました。

さらに向洋で山陽本線、呉線の電車、貨物列車を狙い、

 

Ef2005_141219

EF200-5号機牽引

 

Ef67_104_141219

補機はEF67 104

そして、呉線で呉に向かい呉市海事歴史科学館(戦艦大和ミュージアム)と海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)を見てきました。

 

141219_4

戦艦大和ミュージアムのシンボルとして有名な1/10スケールの戦艦大和の模型

 

141219_5戦艦大和ミュージアムの前に鎮座するゆうしお型潜水艦「あきしお」がシンボルのてつのくじら館

 

103_d01_141219

通称末期色で最後の活躍をする103系3連 D-01編成 2014/12/19 海田市

最後は海田市で、呉線、山陽線の国鉄形電車を撮影してきました。

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2014年12月15日 (月)

EF200形電機 20号機

試作の901号機から1機ずつ、これまで撮影した写真をアップしてきたEF200形電機シリーズも今回が最終回となりました。20号機1993年4月16日、日立製作所で製造されています。

いつものように2004年頃からの写真をアップします。

Ef20020_040801

2004/8/1 北府中 当時の5084レ、梅田発越谷タ行き(A104仕業)でしたが、ダイヤの乱れで遅れて北府中を通過したため撮影できました。

 

Ef20020_0409052004/9/5 海田市 最後尾で後押しをする紅葉色のEF67の姿もちらっと見えます。

Ef20020_0508122005/8/12 浜川崎 

Ef20020_060624_2
2006/6/24 岸辺

Ef20020_090322


2009/3/22 清洲

Ef20020_101205_2


2010/12/5 千里丘

EF200の車齢は最終号機の20号機も21年を越えました。JR貨物にはまだまだ車齢の高い機関車も多くいて新しいタイプに置き換えるのも製造費がかかるので、まだEF200の活躍は続くと思われますが、これからも機会があればEF200の写真を撮って行きたいと思っています。

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2014年11月 1日 (土)

EF200形電機 17号機

EF200形電機シリーズ、今回は17号機です。製造は日立製作所で1993年4月2日に落成しています。16号機までは1992年中に落成していましたが、17~20号機1993年4月に纏めて落成しています。

いつものように2003年頃からの写真をアップして行きます。

Ef20017_030919

2003/9/19 梅田貨物線を行く単機です。 

Ef20017_040704

2004/7/4   新鶴見での休息

Ef20017_040717 2004/7/17 新鶴見を発車

Ef20017_040903

2004/9/3 補機 EF67 3号機の助けを借りて、八本松駅に進入

Ef20017_081212

2008/12/12  塗装変更後 さくら夙川を通過

 

Ef20017_091226_2

2009/12/26 八丁畷を通過

Ef20017_101210

2010/12/10 北方貨物線 新大阪付近を通過 新大阪駅にはトワイライトエクスプレスの姿も見えます。

以上です。

 

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2012年11月19日 (月)

1975/10 真鶴~湯河原へ 3 EF65 一般型について

続いてEF65です。

EF60形に続く平坦線区向け国鉄直流電気機関車の標準形式として、1979年までに国鉄電気機関車史上最多となる308両が製造されました。

今回は一般形です。

車体EF60形四次車(84号機以降)(参考としたWikipediaでは"EF60形3次車"としていますが本稿では敢えて四次としました)をベースにしつつ、走行系は歯数比を16:71 (1:4.44) から18:69 (1:3.83) へ変更、さらに新設計のバーニア付き電動カム軸式制御器を搭載することで、高速走行性能と牽引力の両立を図っています。まず歯数比を変更するにあたり、起動時の抵抗器を増強する必要があり、制御機器・制御方式関係はEF64をベースにして簡略化を図ったようであります。

一次車

昭和39年度第1次債務で中央線電化・増発、山陽本線貨物列車電化・増発、東海道本線などの増発用を名目として1 - 47号機が製造されました。EF60形四次車との外観上の相違点は、屋上モニタ屋根の形状の変更等に留まり、大きく変更されていない。製造会社は1-18 (川崎車輌)、19-35(東芝電気)、36-47(汽車会社)。
Ef65_1_770923EF65 一般型トップナンバー 1977.9.23 富士
Ef65_5_751009EF65 5 牽引貨物列車

二次車

昭和39年度第3次債務で中央線電化・増発用の名目で48 - 57号機が製造された加えて、昭和40年度第1次民有で中央線電化および山陽本線貨物列車電化・増発用を名目に58 - 72号機が製造されました。

Ef65_59_050528
Ef65_59_050528_2
大宮工場に保管されている59号機 エンドで塗色が変わっている

抵抗バーニア制御器をCS25からCS25Aに変更しているほか、スカート上部にあった通風孔が尾灯上部に移動している。製造会社は48, 67-72(川崎車輌)、49-52, 58-62(東芝電気)、53-57, 63-66(汽車会社)。
Ef65_72_850418EF65 72号機 1985.4.18 京都

三次車

昭和40年度第2次債務で宇野線完全無煙化用、東北本線等の増強用を名目に73 - 76号機が製造されました。加えて、昭和41年度第1次債務で信越本線長岡地区無煙化および長野原線電化開業用を名目に77 - 84号機が製造されました。製造会社は73,74,77(東芝電気)、75,76(日本車輌)、78-80(汽車会社)、81-84(川崎車輌)。

尾灯まわりの形状が見直され、抵抗バーニア制御器をCS29に変更しています。このCS29制御器の搭載は0番台の73-76ではなく、500番台の518~531の方が早かった様です。また、入換時に背の高い誘導係に対応するため、手掛けが上方に20cmほど延長され、機関士側のスカート部分に足掛け用の切り欠きが設けられました。

Ef65_73_000000EF65 73号機 新鶴見
Ef65_75_000000EF65 75号機 新鶴見

 

三次車のうち77-84号機は製造後まもなく浜松工場で1968年6月から9月にかけて改造されP形に編入され535-542のなったため同機らの一般形としての写真は極めてレアではないでしょうか。

四次車

昭和43年度第4次債務で信越本線直江津 - 宮内間電化開業用(18両)、赤穂線電化開業用を名目に85 - 104号機が製造されました。製造会社は85-94(汽車会社)、95-104(川崎車輌)。

三次車以前と比べて、以下の大きな変化が見られます。
•主電動機を電機子絶縁の強化を図ったMT52Aに変更
•界磁制御器をCS26からCS26Bに変更
•抵抗バーニア制御器をCS29からCS29Aに変更
•避雷器をLA15AからLA15Bに変更
•貨物列車の高速化に伴い、非常ブレーキを使用した際に作動する単機増圧ブレーキの追加
•ATS電源未投入防止、警報継続装置の新設
•主電動機風道のスライド式化
•車体前面の補強◦1967年9月30日に発生した、踏切で立ち往生した8tトラックと寝台特急「あさかぜ」(EF65 502牽引)の衝突事故により運転士が死亡した事故を受けて施工。既存車両にも同様の工事がなされました
•乗務員室内の整備

Ef65_86_041211EF65 86号機 高崎機関区
Ef65_95_801212EF65 95号機 1980.12.12 京都

五次車

昭和43年度第5次債務で東海道・山陽本線貨物・荷物列車増発用、山陽本線瀬野 - 八本松間補機増強や東北・信越方面の貨物列車増発用を名目に105 - 120号機が製造されました。製造会社は105-110 (汽車会社)、111-113 (日本車輌)、114-120 (川崎車輌)。

四次車との大きな違いは見られません。

Ef65_113_000000

EF65 113号機 新鶴見機関区

Ef65_116_061118EF65 116号機 2006.11.18 甲南山手

Ef65_117_030426_2EF65 117号機 既にリタイア? 新鶴見

Ef65_120_751009EF65 120 牽引貨物列車

六次車

昭和44年度第3次債務で121 - 132号機が、同年第5次債務で133 - 135号機が製造されました。製造会社は121-127 (汽車会社)、128,129 (日本車輌)、130-135 (川崎車輌)。

運転台前面ガラスに熱線入りガラスを採用し、全面デフロスタに変更され、ワイパーも強力形のWP50とされた。また、一人乗務に備えてEB装置・TE装置の設置がなされました。

なおEF67の100番台はEF65のこのグループから改造されており、番号の対応は
EF67 101, 102, 103, 104, 105 <= EF65 134, 131, 133, 132, 135 になっているそうです。

Ef65_121_850418EF65 121号機 1985.4.18 京都
Ef65_122_000000EF65 122号機 品川

今回は原色で活躍するEF65一般形の写真を載せましたが、2001年からデジカメで本格的に鉄復帰してから、JR貨物更新塗装になって初めて撮った機関車も結構あります。それらは後日、別の機会に掲載できればと思います。一般形で残念だったのはトップナンバーが保存されることなく解体されてしまったことですね。(テキスト部分の記載は直流機関車EF65 イカロス出版 と 国鉄電気機関車EF65形 Wikipediaの記載をベースに記述しています)

先日、EF15の際にご紹介した「鉄路100万キロ走行記 宇田賢吉著」(グランプリ出版)にEF65に関する宇田氏の感想も書かれています。

EF65は貨物列車の速度向上時代に出現し、その適応性のために長期間に渡って製作、使用された。モーターは国鉄標準としてEF60からED75まで広く採用されたMT52なので出力はEF60とかわらない。EF65の持つ適応性は2つある。ひとつは速度特性であり、定格速度45~72km/hは最高速度が75km/hの貨物列車に合致しており、設計段階ではもう少し高速性能を重視する予定であったが、そうすれば貨物列車の主力が95km/h担っても十分活躍できたはずである。二つ目はノッチ進めを自動進段にしたことであり、機関士は電機常務で必須条件として諦めていた電流計注視から解放された。これで前方注視や信号確認に専念できることとなった。

CS25主制御器は初期故障が相次ぎ、研修陣を悩ませた。システムは電車で採用しているのと変わらないが、制御段数が増加して大形になったためか誤動作の回数が多かった。一般形73号機、F形518号機から2本のカム軸に専用のモーターを装備したCS29が搭載された。CS25搭載車輌も2基のカムモータータイプに改造された。空転検知装置はEF60の主回路電圧比較方式から、各軸の速度比較方式になって検知感度は上昇した。その代わり、空転時の守護神であった再粘着装置は省略され、ノッチ自動戻しを行うのみとなった。

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2012年11月18日 (日)

1975/10 真鶴~湯河原へ 2 EF60について

今回はEF60です。

EF60は1960年に開発された平坦路線向け直流用電気機関車であり、1960年から1964年にかけて、貨物用の0番台129両と寝台特急列車(ブルートレイン)牽引用の500番台14両の計143両が製造されました。登場当時は車体塗装は0番台がぶどう色2号(茶色)の一色で、500番台が前面上部・下部および側面を青15号(濃青色)、前面窓周り・中央部と側面帯をクリーム1号とした塗装でしたが、塗装規定の変更により1965年から側面全体と前面上半部・下部を青15号、前面中央部をクリーム1号とした配色に全機が変更されました。

<0番台、一般形>

1960年に2両の先行試作車が製造された後、1号機をベースにした量産機 3-141960年7月から9月にかけて姫路 - 岡山間電化開業用を名目として製造されました。駆動方式は試作車と同様のクイル駆動方式でしたが、異常振動等の問題があり、後年、リンク式駆動装置に改修されました、この駆動装置の問題により試作機を含めた14両は本形式他車と運用が分けられ、EF65形が投入された1970年代には8両がEF61形200番台に改造されました。
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EF60 9号機 このグループの唯一の写真です。

当時、このグループは岡山機関区に集中配置され、運用も糸崎、宇野、梅小路の範囲専用であったと思います。そのため、関東ではお目にかかることがなく、関西に旅行したときに列車の窓越しに撮った証拠写真のみに終わってしまいました。

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1985年4月の二度目の瀬野八訪問で、EF61 206に改造されたEF60 6の姿を写真に収めることができました。

二次グループは1962年5月から8月にかけて東海道・山陽本線増発用を名目として15 - 46号機が製造されました。駆動方式は吊り掛け駆動方式に設計変更され、主電動機は1時間定格出力425kWのMT52形に変更し、それに合わせて台車もDT115A形・DT116A形(軸距を2,800 mmまで延長)に変更されました。外観上の相違としては、前照灯まわりが一次グループの樽形ケーシングから台形のケーシングとなりました。

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EF60 18号機 大宮
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EF60 22号機

現在でもこのグループの一員の19号機が高崎車輌センターにて現役で活躍しているのは喜ばしい限りです。

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やすらぎ塗色で活躍していた頃
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最近は一般貨物機塗色になり、1エンド側ライトもオリジナルの単灯に改造済み

三次グループは1963年7月から1964年3月にかけて東海道・山陽本線増発用、岡山 - 広島間の貨物列車電化用を名目とし47-83号機が製造されました。

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EF60 47号機  保土ヶ谷
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47号機

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47号機カットモデル 大宮工場
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EF60 51号機 六甲道

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EF60 76号機

四次グループは1964年4月から7月にかけて山陽本線旅客電化用、甲府 - 上諏訪間電化開業用、上越・高崎・東北本線貨物列車増発を名目として84 - 99号機が製造されました。このロットから外観に大きな違いが現れました。前照灯が2灯シールドビームに変更され、側面は通気口の上に明かり取り窓を配した構造となりました。その後に製造されたEF65形も同一形状です。側窓も白Hゴム支持となり、運転室機器類の一部変更され、避雷針をLA15に変更されました。このグループから88号機がEF67 3に改造されました。
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EF60 97号機 1977.3.19 瀬野~八本松間 瀬野西トンネル西出口

五次グループは1964年7月から10月にかけて上越・高崎・東北本線貨物列車増発用、山手線貨物列車増発用を名目として100 - 129号機が製造されました。後年、104号機がEF67 1に、129号機がEF67 2号機に改造されました。

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EF60 100号機

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沼津で休む125号機

四次グループ以降のEF65との相違点はモニター屋根の端が斜めになっているのがEF60垂直なのがEF65

<500番台、寝台特急牽引用>

1963年から1964年20系客車寝台特急牽引用EF58形の置換え用して製造されたグループで501 - 514が該当し、車体は501 - 511が3次量産車に、512 - 514が四次量産車に準ずる形態をしている。

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EF60 506 1979.5.19 西国分寺

 

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EF60 507 八王子
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EF60 509 飯田町
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EF60 510 市ヶ谷

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510号機は特急塗装を纏って大宮工場に保管されており、2011年9月頃にはお色直しが行われたようで、大宮駅のホームから見える場所に顔を出していました。
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EF60 511 沼津

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EF60 513 一般形の4次量産車以降のスタイル号機が製造されました。

 

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特急塗装に復元されて碓氷峠鉄道文化村に展示されている501号機

製造当初は、基本番台が東海道・山陽本線の高速貨物列車に、500番台が東京 - 九州間寝台特急列車に投入されましたが、本来はEF15形・EH10形の後継となる貨物機で定格速度は低く、定期の旅客列車とりわけ特急列車の牽引には不向きな形式でした。

後継で標準機となったEF65が登場すると一般貨物を担当するようになり、1970年代後半からは旧型貨物用電気機関車の置き換えで首都圏の中央本線・高崎線・両毛線などにも投入されました。

1980年代に入ると、老朽化や貨物列車の減少などにより徐々に淘汰が進行し、最後に残ったのは高崎第二機関区(現・高崎機関区)に配置され首都圏発着で高崎線・両毛線を通る貨物列車で運用されていた車両と1986年3月から竜華機関区にも配属され阪和線・紀勢本線で運用された数両で、これら残存車は分割民営化直前の1986年11月のダイヤ改正で定期運用がなくなり、大部分はJRグループに承継されず廃車となりました (Wikipedia 国鉄EF60形電気機関車の記述を参考に書いています)。

先日、EF15の際にご紹介した「鉄路100万キロ走行記 宇田賢吉著」(グランプリ出版)にEF60に関する宇田氏の感想も書かれています。EF60はEF15に較べると全てに余裕を持って申し分のない機関車として登場した。初期の1~14号機はMT49モーターを装備して発車などの重負荷時には悲鳴のようなモーターの唸りだけでEF60であることが判った。15号機以降はMT52モーターに替わって、出力増大と定格速度変更があり、性能上では別形式であった。EF15との比較では出力の増大を主に牽引力増大に当てて、バランスの取れた形式であった。ノッチ手動進段という旧来の方式のまま新機軸を採用したため、運転操作からはEF15の改良形であった。空転再粘着装置やノッチ細分化のバーニア装置は使用する機会がなく宝の持ち腐れであった。

晩年は貨物列車の速度が向上したため、定格速度の低いEF60は機関士に敬遠された。
運転室の環境は大幅に改善され、マスコンをはじめ、あらゆる機器が新系列になって今までの常識が一新された。細かい点ではスペース縮小のため運転室への出入りが窮屈になった。隙間風は機械室のドア改善で少なくなったが、機械室の負圧による吸い込みはそのまま残された。
ワイパーは窓の上装備になったが、清掃範囲が凹形になるのは不自然であり、使用しないときに重力で中央部に垂れ下がるのは目障りだった。ワイパーを窓下に移せば解決できたが、計器盤のの点検の邪魔になるので敬遠されたようだ。

とのことです。

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