2024年9月 3日 (火)

速報版 2024年晩夏 京都の旅 1日 台風の進路に悩まされた往路

2週間前の新潟の旅に引き続き、18切符の残り2日分を使って京都の旅を敢行しています。

今回ほど台風の進路に悩まされたことはありませんでした。8月22日午前3時にマリアナ諸島で発生した台風10号(サンサン)は発生時点では鹿児島付近に上陸後、日本列島を縦断する形で進み、8月中には北海道方面に抜けて行くと予想されていました。日本近海の海水温が平年よりも高かったことにより、台風は発達し、勢力を強め、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸したものの、台風を流す風の力が弱く、移動速度は著しく低下しました。そのため、九州から関東にかけて発達した雨雲が断続的にかかり、宮崎県のえびの高原也静岡県の天城山では総雨量が900mmを越えるなど各地で記録的な大雨となりました。結局、台風10号は九州から四国へ、さらに東進し、9月1日正午に東海道沖で熱帯低気圧になりました。台風から熱帯低気圧になる条件は最大風速が17.2m未満になることです。また熱帯低気圧は海上の強い日差しで発生した水蒸気が上昇気流となり、出来た渦によるもの、温帯低気圧は南の暖気と北の寒気の温度差で起きた渦によるもので、熱帯低気圧に寒気は関与していません。

私も今回の京都旅行の出発を控え、先週、列車の運行状況が気になっており、特にJR東海の在来線の運行状況を毎日のようにチェックしていましたが、9月2日朝の時点で、東海道本線静岡~掛川間が雨による規制で列車の運行が止まっていました。

いつもなら関西に行く場合は、東京発6:30の1521E熱海行、熱海から沼津1423M、沼津から豊橋755M、豊橋から大垣2319F、大垣から米原229F、米原から京都3483Mで京都に15:43に到着出来るのですが、静岡~掛川間がいつ復旧するか出発時点では読めなかったので、中央線塩尻経由で名古屋まで行くことにしました。

Dsc09902

2024/9/2 早朝の国分寺駅 中央線列車案内 東海道経由の場合は5:28発の東京行に、中央線経由の場合は5:32発の高尾行に
      塩尻での接続待ちを考慮するともう少し遅い高尾方面でも間に合ったはず

Dsc09906 2024/9/2 高尾 1450M 高尾から塩尻まで 塩尻着9:18

Dsc09940_20240902194801 2024/9/2 塩尻 しなの3号 A102+A202

Dsc09944 Dsc09948_20240902195101 2024/9/2 塩尻 しなの6号 A204+A3

Dsc09959_20240902195401 2024/9/2 塩尻 あずさ5号 

Dsc09960 2024/9/2 塩尻 2080レ EH200-19

塩尻では90分の接続待ちとなり、その間に中央西線の特急「しなの」、中央東線特急「あずさ」、さらに南松本から蘇我までEH200が牽引する2080レなどを撮影

Dsc09962 2024/9/2 塩尻 313系 B504編成 1826M

塩尻から中津川間は東海道でいうと沼津~豊橋間のような、編成両数も運行本数も少ない区間ですが、景色は絶景です。

Dsc09974_20240902200201 2024/9/2 中津川 315系C6編成 

中津川から先は名古屋近郊区間で最新鋭の315系8連が投入されています。13:16に出発して14:36に名古屋駅に到着。東海道経由より、2時間弱の遅れです。塩尻での接続を短く、すれば乗車時間的には殆ど同じかも知れません。

あとは東海道新快速で大垣、大垣から米原、米原から新快速で京都駅には17:12に到着、堀川四条のホテルには18時前に到着しました。新幹線を使えばドアtoドアでも4時間弱の旅ですが、中央線、東海道経由の鈍行の旅も色々な見聞があるものです。

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2024年3月21日 (木)

速報版 3月15日から名古屋を訪問中 帰路は中央線経由で、途中 明知鉄道を訪問

2024年春の名古屋旅行、土日の暖かさはどこへ行ったのか18日、月曜日は名古屋も朝から強風が吹き、気温が冬に逆戻りです。さすがにお彼岸も近くなり、夜明けも大分早くなりました。

Dsc03487 2024/3/18 名古屋駅の東海道線上下1番列車は3番ホームに入線した313系4+4連の分割から始まります。

名古屋駅の東海道線の初発が313系の3番線の豊橋方面と大垣方面の切り離しで始まるのはダイヤ改正も続いており、5:29に100Fとして豊橋行がまず出発、続いて5:37に301Fとして大垣行が出発します。いずれの列車もこれまで乗車したことがあります。

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今回は同じホームの4番線側から出発する315系8連の5:40発多治見行に乗車します。中央西線、名古屋~中津川間は2022年3月5日315系8連が投入されて以来、C1~C23編成まで増殖し、特急以外の車両は315系に統一されてしましました。

Dsc03485 2024/3/17 名古屋 315系C104編成 区間快速 武豊行

余談ですが315系4連に関してはC101~C112まで増殖し、2024年3月15日からは武豊線にも投入されました。

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多治見で乗り継ぎ、明知鉄道の起点駅、恵那には7:25に到着しました。この駅は1902年12月21日大井駅として官設鉄道が多治見駅~中津川駅間を開通させたときに開業しました。1906年12月5日、岐阜県最初の私鉄である岩村電気軌道が駅前に乗り入れ、1928年12月3日北恵那鉄道大井線が乗り入れました。1933年5月24日、国鉄明知線が阿木駅まで開通しますが、1934年9月15日には北恵那鉄道、1935年1月30日には岩村電気軌道が廃止となりました。以前、天竜浜名湖線の記事で触れましたが、国鉄明知線は静岡県掛川から二俣、愛知県大野、武節を経て岐阜県大井に至る遠美線の一部として開業したものでした。1963年11月1日、大井駅は現在の恵那駅に改称となりました。

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明知鉄道の乗車にはRYDE PASSの「あけてつ全線フリー切符](¥1380)を購入しました。

明智線は1934年1月26日に阿木~岩村間、6月24日には岩村~明知(1985年11月16日、明知鉄道開業の際に駅名は町名に合わせて明智に改称)間が開業しました。岩村電気軌道が廃止になったのは国鉄明知線の開業で乗客が激減したためでした。

なお恵那から岩村までのルート、岩村電気軌道は恐らく国道257号に沿ってほぼ真南に下っていたのに対し、国鉄明知線は飯沼、阿木を通るルートを採ったため、峠越えとなっています。恵那駅を出発すると気動車はエンジン全開で山路に挑んでゆく感じです。途中、飯沼駅は1991年の開業から1996年まで普通鉄道としては33‰の最急勾配で有名な駅でした。ちなみに現在、普通鉄道における最急勾配駅は京阪京津線の大谷駅で1996年に移設された時からで、ホームは40‰の勾配となっています。

Dsc03536 唯一の列車交換は岩村駅で アケチ10号

唯一の交換可能駅である岩村駅の一つ手前の極楽駅も駅名(駅近くに存在した極楽寺に由来)にちなみプラットホームには地蔵菩薩像や、地元岩村藩出身の儒者・佐藤一斎の『言志四録』の一文を刻んだ碑文が置かれ、觔斗雲を上部にいただいたベンチ付き待合所、後光が差すように写真撮影できるスポットもあります。

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1934年6月24日の岩村~明知間開業時に遠山駅として開業し、1956年12月20日に現駅名に改称となった山岡駅で下車しました。目的は同駅に長らく留置され、2016年7月15日に森の列車カフェに改装されたアケチ1号に会うためでした。ただ、残念なことに月曜日は定休日で森の列車カフェも山岡駅かんてんかんもお休みでした。

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Dsc03585 Dsc03593 明智駅 駅舎

晴れてはいるものの冷たい風が吹くため、待合室で約70分待ち、次の明智行(5D)で明智に向かいました。明智駅には明知鉄道の本社や車両基地があり、日本大正村の玄関駅ともなっています。時間の関係で折り返しの10D、10:26発で恵那に戻りましたが、2回の峠越えのある路線で非常に魅力を感じました。次回、チャンスがあればじっくり時間をかけて楽しみたい路線でした。

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2024年1月17日 (水)

2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その1 ささじまライブ駅から名古屋車両区を観察 

2023年5月末から6月初めにかけての九州北部旅行に続いて、7月末には名古屋を2泊3日で訪問しました。さらに今月、4日から6日にかけても名古屋を訪れています。2022年夏の名古屋旅行で名鉄ほぼ全線を巡った程、大きな目的はありませんでしたが、この2回の旅行では2022年夏の旅行で見逃していたいくつかのポイントを抑えることができました。それをこれから紹介して行こうと思います。

最初は2022年夏の旅行で訪問した近鉄名古屋線米野駅のすぐそばにある名古屋臨海高速鉄道あおなみ線ささじまライブ駅そばにあるJR東海名古屋車両区の様子です。ちなみに名古屋車両所というのは新幹線の基地で名古屋駅を新大阪方面に向かって出発し、名鉄栄生駅のあたりから回送線に入り、庄内川に沿ってあります(情報はこちら)。

名古屋車両区は1884年2月に設立された名古屋機関庫を嚆矢とするもので同区は中区古渡町にありましたが、1886年7月に現在、JPタワーがある場所に移転、さらに1909年5月に名古屋検車区が設立され、1914年5月に当時の笹島駅構内に移転、さらに1935年11月に現在地に移転しました。1936年9月、機関庫から機関区となり、1951年4月には検車区が客貨車区になり、1969年12月には機関区が第一(蒸機など)と第二(電機など)に分区、1986年11月には貨車関係業務は稲沢貨車区に移管、客貨車区から客車区となり、第一機関区の乗務員が第二機関区に転出となり、1987年3月1日には第一機関区が名古屋南運転区になり、4月1日には国鉄からJR東海に継承され、1988年3月、南運転区と客車区が統合され車両区が発足しました。現在、配置を示す略号は海ナコです。

2023年4月1日現在で電車の配置はなく、気動車153両で内訳はキハ85系29両(但し、2023年7月9日を以って運用終了)、HC85系54両、キハ11形4両(名松線で運用される車両で2016年3月をもって廃止された伊勢車両区からの転入車両)、キハ25形36両(紀勢本線、参宮線で運用)、キハ75形16両(快速みえ、参宮線内の普通列車用)、キヤ95系6両(検査用、3両編成2本)、キヤ97系8両(定尺レール25m運搬用、2両編成4本)となっています。

230728-2 2023/7/28 近鉄名古屋線、名古屋車両区出入区線、関西本線、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線を越える歩道橋

Hc85-230728 2023/7/28 上の歩道橋上から撮影した早暁の名古屋車両区

7月9日で1989年以来の運用から引退し、数両が残るのみとなったキハ85系、それに対して「ひだ」「南紀」に投入され勢力を拡大しつつあるHC85系、さらには定尺レール運搬車キヤ97系などの姿が見えます。

3153000-c102-230728 2023/7/28 ささじまライブ 架線のある引き上げ線から出区する315系3000番台 C102編成

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2023/7/28 ささじまライブ 
特急「しなの」として到着後、名古屋車両区に入区する383系A9+A103編成

313-b522-230728
2023/7/28 ささじまライブ
関西本線を四日市方面に向かう313系1300番台B522編成

このようにささじまライブ駅周辺では名古屋駅の常連の旅客列車を多数観ることができ、時間の経つのを忘れるほどです。

さらに名古屋車両区には上記のようにキヤ95系やキヤ97系のようなJR東海特有の事業用車両が配置されており、さらにあおなみ線には名古屋貨物ターミナルとの間を行き来する多くの貨物列車が設定されています。それらを以降の記事では紹介してゆきます。

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2022年8月22日 (月)

2022年夏 名古屋遠征 JR東海 通勤車両の新しい顔 315系

この夏の名古屋遠征の話題、最初に取り上げるのはこの春のダイヤ改正で中央西線快速にデビューした315系です。JR東海はこれまで国鉄が設計した211系、213系の民営化後の製造、独自の設計による311系、313系の製造を行ってきましたが、315系は近郊形として導入された211系、213系、311系を置き換えるべく製造されたJR東海としては初めての通勤形電車となりました。

日本車輛が製造を担当し、車体は同社の次世代ブランド「N-QUALIS」が採用され、平滑な外板が特徴となっています。車体はオールステンレス製ですが、前面は事故時の修復を容易にするため鋼製となっています。

主要諸元

最高運転速度 130 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
減速度(常用) 4.3 km/h/s
減速度(非常) 5.1 km/h/s
車両定員 133(クハ314形)139(クハ315形)156(中間車)
自重 クハ315-0:33.9t クハ314-0:34.5t モハ315-0:37.0t モハ315-500:34.9t サハ315-0:30.4t サハ315-500:31.0t
編成重量 273.6 t(8両編成)
全長 20,100 mm
全幅 2,978 mm
全高 4,020 mm
車体 ステンレス (前頭部のみ普通鋼)
台車 付随台車:C-T257 電動台車:C-DT69 タンデム式軸箱支持方式ボルスタレス台車
駆動方式 WNドライブ駆動方式
制御方式 SiC素子VVVFインバータ制御
制動装置 電気指令式(直通・回生・抑速)T車遅れ込め制御・耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-ST・ATS-PT EB・TE装置

座席はオールロングシート、客室窓にはUVカットガラスが採用され、カーテンは省略されました。空調装置は国内の鉄道車両で初めてAIが使用されました。

315c1c7

現時点では8両編成7本(C1~C7)が神領車両区に投入されていますが、東海道本線、関西本線にも投入が予定され、2021年度から2025年度にかけ、8連23本、4連42本が製造予定とのことです。

Dsc00425
2022/8/2 名古屋 315系C1編成 311系や313系を見慣れているとなにか「シンプル過ぎる」印象の顔です。

Dsc00431 20m 3扉車のため扉間のシートはかなり長くなっています。

Dsc00432 台車は付随台車:C-T257 電動台車:C-DT69 タンデム式軸箱支持方式ボルスタレス台車です。

Dsc00427
Dsc00430
Dsc00435 315系8連はJR東海製造の在来線車両としては最長となる貫通編成です。

315系の投入によって神領車両区の配置は

211系5000番台4連トイレ付(K1,2,12~20),
   5600番台低屋根4連トイレ付(K3~K11),
   5000番台3連トイレ無し(K101~K117)の配置は変わらないものの、国鉄時代に製造されたクモハ211-1、-2を含む4連、K52,K51が廃車となりました。

313系では2017年3月の踏切事故で大垣車両区のY102編成が運用離脱し、1100番台4連、B6編成が大垣区に転属していたのが2020年5月に神領区に復帰しました。よって1000番台、B1~B3編成,1100番台B4~B6編成が揃いました。1300番台2連、B401~B408(ワンマン運転非対応),B501~B524(ワンマン運転対応)は変化ありませんが、1500番台、1600番台3連、B101~B107編成、1700番台2連、B151~B153編成は大垣区へ(後日、触れます)、そして8000番台3連、B201~B206編成が静岡区へ転出しました。
中央西線の電車、中津川以南は8連に集約され、JR東海の211系の中津川以北への進入はなくなりました。

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