2022年11月 1日 (火)

2022年夏 名古屋遠征 JR貨物 関西本線で長らく活躍したDD51 part6

国産の本線用ディーゼル機関車としてわが国で最初に開発されたのがDD50形でした。1952年に開発が開始され、電気式が選ばれ、エンジンに関しては国内メーカーでも難しかったため、スイスのSulzer社との技術提携で三菱重工業が製作した8LDA25形(直列8シリンダー、4サイクル、単動・加給式、連続定格出力900PS/800rpm、重量8.6t)の中速エンジンが1台搭載され、片運転台方式の車両を2両背中合わせに重連とする方式となりました。エンジンで580kW/800rpmの主発電機を回し、各軸に1台鵜ずつ取り付けた主電動機を駆動、連続定格出力130kW/730rpmとなり、DD50形2両でD52形,もしくはC62形、1両に匹敵、D51形に対しては1.3両に相当しました。1953年4月に1~3号機が落成、敦賀機関区に配置され、敦賀~今庄間の急勾配区間でも好成績を残しました。1955年には4~6号機も落成、前面窓回りがより洗練されたスタイルとなりました。使用成績は芳しかったのですが、重連使用のため、単位馬力当たりの新製費が高いこと、軸重か15tを超え、丙線に入線できないこと、列車暖房装置を搭載していないことなどから新製は6両に留まりました。

DD50形の問題点を解決する形で次に開発されたのがDF50形でした。
1)軸重を14t以下に抑えるため、B-B-Bの軸配置とする。
2)Sulzer社のエンジンの過給機圧を向上させ、定格出力を1060PSとし、1両で旅客列車牽引を可能とするほか、重連運転にも対処可能なように総括制御装置を搭載する。
3)列車暖房用にSG-3形を搭載する。
4)旅客の他、貨物列車にも適用するため連続定格速度を低くし、引張力を大きくする。 といった改良が加えられ、試作1号機が1957年3月に新三菱重工業で落成、土讃線に投入されました。ドイツのMAN社のエンジンに関しても川崎重工業や日立製作所が技術提携を進めており、DF40形DF90形といった試作機も国鉄借入試用しており、MAN社のエンジンを搭載したDF50形も計画され、1958年4月に日立笠戸、川崎車輌で落成、エンジンはV6V22/30形機関、連続定格1200PS/900rpm、1時間定格1400PS/1000rpmとSulzer製エンジンより、20%強力となりました。こちらは500番台と附番されました。DF50は北海道を除いてほぼ全国的に投入されました。1963年、より高性能で廉価、保守が容易な液体式ディーゼル機関車への関心が高まり、Sulzer製エンジンの0番台、64両、MAN製エンジンの500番台、73両の計137両で製造は打ち切られました。

DD51形が登場する前に明治以来、初期の輸入蒸気機関車が入換用機関車として働いていたのを一掃する目的で開発されたのがDD13形入換用ディーゼル機関車でした。DD13形に搭載されたDMF31S(B)形ディーゼルエンジンは1937年キハ43000系に搭載されたエンジンが原形となっており、当時一般的だった気動車用のDMH17系エンジンの130mmボアx160mmストロークを180mmx200mmに拡大し、定格出力370PS/1300rpmとしたもので、国鉄と新潟鐵工所、振興造機、ダイハツ工業の4者共同設計による機関車用立形6シリンダーエンジンでした。

DD13用エンジンを6シリンダーから12シリンダーにし、排気ガスによる過給機付きとしたのがDD51形に搭載されたDML61S形エンジンで、連続出力1000PS/1500rpmとなりました。一方、機関車用の大型トルクコンバーターは西ドイツが技術を独占している状態で2つの方式、充排油式(Voith)と爪クラッチによる歯車変換方式のMekydro式がありました。DD54形では後者が使用されましたが、DD51形では機械的摩耗が少なく取り扱い・保守が容易な前者が選ばれ、国鉄と日立、川重の共同開発でDML61系1000PS級のエンジンに合ったDW2形液体変速機が開発されました。

DD51形は1962年に試作1号機が誕生し、1963年に第2次車の4号機まで、1965年0番台53号機で終了、1966年第7次車からは500番台に、1968年にはSG未搭載の800番台と606~618号機、1972年には799号機の次は1000番台、1977年、1186~1193号機で1000番台が製造終了、1978年800番台の897~899に続き、1801~1805号機が製造され649両の製造が終了しました。
1~53
501~799
801~899
1001~1193
1801~1805   計649両

最後の897号機から1805号機までの8両は成田空港ジェット燃料輸送用として製造され、パイプライン完成後は他線区に転用され旅客運用に就くことも想定されたため、SG準備工事済みでの落成となりました。

Dd51-1802-090323

2009/3/23 四日市 DD51 1802号機

Dd51-1803-050705

2005/7/5 枇杷島 DD51 1803号機

Dd51-1803ef65-1073-090213 2009/2/13 西浦和 DD51 1802号機 EF65 1073号機とともに大宮検査入場

Dd51-1803-120913-3 2012/9/13 枇杷島 DD51 1802号機

Dd51-1804-050705 2005/7/5 清洲 DD51 1804号機

今回、愛知機関区時代のDD51の写真を載せるにあたり、いろいろと勉強することがありましたが、DD51、全649両の製造に関してはこちらのサイトのデータが大変参考になりました。近い将来、DD51に関して個々の車歴等をまとめた書籍が出版されることを期待します。

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2012年11月27日 (火)

1976/3 米原へ DD50 その他

磐田でEF18を撮影した後、浜松までは各停の旅を続けましたが、このまま旅をしているといつ関西に到着出来るのかと思い、「飛び道具を使ってしまえ」ということで浜松から米原までは新幹線を使うこととしました。

米原で降りたのは、以前から新幹線で同駅を通過するたびに車窓から見えたDD50が気になっていたことと、東海道本線と北陸本線の分岐点で、自治体的には確か「坂田郡米原町」で新幹線の停まる駅では唯一の”町”だったと思いますが、鉄道の要衝として名を馳せた同駅で是非写真を撮っておきたかったからです。

まずはDD50について、

1953年から製造された我が国初の幹線用電気式ディーゼル機関車です。

エンジンはスイスのズルツァー社との技術提携により製造された、縦形(直立シリンダー)直列8気筒、直噴式で1,050ps(1時間定格)の8LDA25です。DF50形でも、三菱重工業が製造を担当した0番台に採用されています。

運転台が片側にしかなく、常に2両を背中合わせに連結して重連運転することを前提として製造されました。ちなみに、重連で使用した際の性能は、D52形・C62形蒸気機関車並みとされています。

1953年に1次車3両が新三菱重工業三原製作所で製造されました。電気部分は三菱電機が製造しました。性能上は問題ないことが確認され、1954年に2次車3両が同じく新三菱三原で製造された。1次車と2次車では車体形状が若干異なっており、2次車では前面排障器が車体と別部品になっています。

量産を見据えた設計ではありましたが、2両重連使用のため製造費が高くなり、軸重が重く、蒸気暖房装置を搭載していないために冬期の旅客列車の牽引には別に暖房車が必要となるなどの問題点があり、これ以後の製造はなされませんでした。

6両とも当初は敦賀機関区(現・敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室)に配置され、北陸本線米原駅 - 敦賀駅間で使用されました。製造当初は「日本海」「北陸」などの急行列車にも用いられましたが、1957年にDF50形が製造されてからは主に貨物列車に使用されるようになりました。また、北陸トンネルが完成する前の杉津越えでは、DF50形ともども補機としても重用されました。その後、北陸本線の電化により富山機関区を経て米原機関区(現・米原列車区)に転属し、米原駅 - 田村駅間で直流電気機関車と交流電気機関車の中継に使用されましたが、1975年3月10日のダイヤ改正のころより休車が発生し、1977年12月26日付で全車廃車となりました。

なお、4号機は1957年ごろDF40形が改造工事を受けている間、四国に渡り、土讃本線(当時)で運用されていたことがあるそうです(以上、DD50に関するWikipediaの記事を参考にしました)。
Dd50_14休車状態で、米原駅構内に留置されていたDD50 1+4

Dd50_1DD50 1号機のアップ

Dd50_2

DD50 2号機他

米原機関区時代は日本初の交直接続区間である米原~田村間の中継に使用されていますが、この区間の歴史もかえりみると興味深いものがあります。

数週間前(11月初旬)にやぶおさまの掲示板(リンク http://www.geocities.jp/yabuubu/ から)で話題になっており、その時に私も中継の歴史を整理しておりますので、その時の記事をベースに書きます。

1957年 田村~敦賀 交流電化 
    ED70登場                            1975年までに全車廃車
    E10 米原機関区に転属                   1962年廃車 
    D51も活躍
1961年
    EF70 登場                  1987年のJR化前に全機除籍・廃車
1962年 
    ED74 登場                  1968年よんさんとう改正で 日豊本線に
    ED30  試作(EF55 3の主電動機と輪軸を使用)      1976年 廃車
    (ED30は殆ど使われなかった模様で1966年には国立の鉄道技術研究所に)
    E10に代わってD50が交直接続に 
    D51も引き続き担当
1962年 米原~田村 交流電化
1968年 
    D50からD51へ 「よんさんとう」が蒸機の終わり
    DD50も交直接続役に                     1977年全車廃車
    DE10も交直接続役に
1991年 坂田~田村交直セクション => 長浜~虎姫
2002年              => 敦賀~南今庄へ

といった具合に同所における登場車輌は変化していったようです。

さらに米原駅では、米原機関区の所属のEF58 78号機が小荷物列車の牽引に備えてかウオームアップを行っていたり、

 

Ef58_78_7603

ワイパーの根元の形態が特徴的だった78号機

当駅でスィッチバックする名古屋~北陸を結ぶ特急「しらさぎ」や1975.3の改正で大阪発の雷鳥などが湖西線経由になったため)新たに設定された米原~北陸間の特急「加越」(の姿を記録しました。

 

485_481300

米原駅でスィッチバックするクハ481-300番台先頭の特急「しらさぎ」

特急「しらさぎ」、同列車は当時6往復で、5往復が金サワの485系12連 5組 4本使用
TcM'MTsTsTdM'MTM'MTc で1往復が大ムコの581/3系12連 21組 17本使用
TncM'nMnTnTsTdM'nMnTnM'nMnTnc でした。

485_481300_7603
特急「加越」 同じくクハ481-300番台先頭

一方、特急「加越」は金サワ485系7連のミニ編成 TcM'MTsM'MTc 5組 3本使用で運用されていました。食堂車はさすがにありませんが、グリーン車はちゃんと付いた編成でした。

1975年3月のダイヤ改正以降、金サワには489系と485系の交直両用特急電車が配置されていましたが485系のクハはすべて300番台で、一度撮影したらokの金太郎飴状態でした。一方、「白山」「あさま」「雷鳥」に使用される489系はTcM'MTsTsTdM'MTM'MTcの12連が13本配置され10本使用の状態でしたが、クハは製造年代によってボンネット、貫通タイプ、非貫通タイプと形態が変化し、さらに上野方はEF63協調用にボンネットでは連結器が丸だし状態、600番台、700番台ではジャンパ栓が片渡りと非常にバラエティに富んだ構成でした。

471_7603

急行「くずりゅう3号」206M 米原に到着

くずりゅう」は加越の急行版のような列車で、TcM'Mcの3連を2編成連結したモノクラス6連でした。

運転開始は1966年12月のことで、新幹線との接続もよく、米原駅始発であることから着席が保障されるため利用客からの人気が高く、1968年10月には5往復(2往復は不定期列車)に倍増されました。1969年には米原駅 - 福井駅間の列車も設定されて6往復になり、1978年には全列車が定期列車になりました。1982年11月に「加越」の増発により1往復にまで減少し、1985年に廃止されました。(以上、Wikipediaの記事を参考に記述)。

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