E653系の「いなほ」投入とともに新型電車E129系の投入が報じられましたが,今回はE127系について触れようと思います。
V2編成 2005/3/23 新潟
新潟地区や長野地区におけるローカル運用では急行列車の運用から外れた165系・169系が普通列車として使用されていましたが、これらの車両は老朽化が激しく、また2扉のデッキ付きの構造であるために乗降に時間がかかり、列車遅延の原因となっていました。そこで急行形車両の取り替えを目的に1995年、E127系が設計・製造されました。
両地区ではセミクロスシートの近郊形115系も運用されていますが、新潟地区で使用するE127系0番台では、乗客が増加している新潟都市圏でのラッシュ対応と、2両基本編成によるワンマン運転を考慮し、敢えてロングシートを採用しました。また、基本編成がクロスシート3両の165系をロングシート2両の本系列に置き換えることで、所要車両数削減による導入・固定経費減少を図る狙いもありました。
V4編成 2005/3/25 越後石山 右の線路は新潟貨物ターミナルに続く
主回路制御にはGTO素子のVVVFインバータを採用し、主電動機は定格出力120kWのMT71型です。電動台車はDT61A、付随台車はTR246Aです。ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキ、回生ブレーキ、抑速ブレーキに加え、列車密度の低い路線での使用を考慮し、発電ブレーキを併用しています。発電ブレーキ使用時に必要となる抵抗器は制御電動車の屋根上に搭載されています。
車体はステンレス製でドアチャイム装備の両開き式片側3扉(ボタン式半自動機能装備)であり、ワンマン運転対応として運転台は半室構造とされ、ワンマン設定器、運賃箱、整理券発行機、運賃表示器、自動放送装置、ドア締切表示器、ミラーが設置されています。冷房装置は集中式を各車に1基搭載しました。
V8編成 ラッピング電車 2005/3/25 新潟
1995年5月8日に新潟近郊区間で営業運転を開始しました。当初は全編成が同年3月に導入される予定でしたが、阪神・淡路大震災の影響で一部車両(川崎重工業兵庫工場製)の納入が遅延したため運転開始時期がずれ込んだそうです。
車体帯の色は緑と黄緑の2色で、新潟支社で運用されている115系「2次新潟色」に準じています。座席配置はロングシートでモケットは一般座席は黄緑色で優先座席は赤色と黒色を採用。パンタグラフはJR東日本の直流電車では採用事例の少ない下枠交差式のPS30形とされました。客用扉間の4枚の窓のうち中間2枚は701系と異なり大型の1段下降窓です。
2連3本による6両編成 2005/3/24 田上
現在、2両編成13本(26両・「V編成」)が新潟車両センターに在籍し、新潟近郊区間を中心に運用されています。ワンマン運転は白新線・羽越本線新潟駅 - 新発田駅 - 村上駅間・越後線の新潟駅 - 吉田駅間・信越本線の新潟駅 - 新津駅間の一部列車で実施されています。またほとんどが普通列車で運用されていますが、早朝の一本のみ白新線・羽越本線で快速運用が存在します。
登場当初は全席ロングシートの居住性を考慮して新潟近郊区間に限定された運用でしたが、その後朝夕のラッシュ時間帯の一部列車で長岡方面への列車にも充当されるようになり、混雑緩和に一役買っています。
V3編成 2005/3/23 新津
V3編成は2008年9月に起きた越後線内での踏切事故に伴う列車火災事故のためクモハE127-3が焼損しました。なお、他の事故車両であるV7・V9編成は長野総合車両センターにて修復されています。
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