2013年5月13日 (月)

1975年 新潟の旅 5 長岡区・東新潟区のEF15

1975年10月の真鶴~湯河原間の撮影旅行では東海道本線で活躍するEF15を撮影し、首都圏でのEF15形式の活躍を特集しました。また、1976年3月の関西旅行では阪和線で活躍するEF15の姿も記録しました。今回は日本海縦貫線直流電化区間(信越本線)で活躍した長岡区、東新潟区のEF15です。

 

ネットでEF15をサーチすると「デンチュウの鉄道ページ」に大変素晴らしいEF15の特集ページがあります。

 

上越線、信越本線の電化と電気機関車の歴史を見てみると旧形電気の最終タイプである貨物型のEF15や旅客型のEF58が登場する前には東海道線の全線電化で上越路に活躍の場を移した旅客用EF57や貨物用EF12、EF13が活躍していました。

 

1956年頃の高崎・上越線関連の機関車の配置はデンチュウさまのページのデータによりますと

 

EF12
   高崎 1-7、10-17
   長岡 8
 
EF13
   長岡 1、2、3
   水上 4、6、11、12、14、24
 
EF15
   長岡 16-19、25-29、31-33、53、54、100、123、128
   
        高崎 30、47-52、68
 
EF16
   水上 20、21、22 (増備途中)
 
EF53
   高崎 1-15
 
EF55
   高崎 1、2
 
EF57
   高崎 1
 
EF58
   高崎 35-41、97
   長岡 42-47

 

だったようです。

 

今回はEF12形について簡単に触れようと思います。

 

<EF12形電気機関車について>

1941年から日本国有鉄道の前身である鉄道省が製造した貨物用直流電気機関車でEF10形の改良増備車として、主電動機を従来標準のMT28から新開発のMT39へ変更して出力アップを図った形式です。設計時期が近く、同様にEF56形の主電動機をMT28から新設計のMT38へ変更したEF57形の貨物機版とも言えます。1941年から1944年にかけて17両が日立製作所・日本車輌製造・汽車製造・三菱重工業で製造されました。
 1941年中に完成した1-8号機は性能はもとより出来栄えも優れ、省形電気機関車中最優秀と称えられましたが、1942年後半以降完成の9-17号機は一部機器や銅材の省略、木材等代用材の使用増加、動輪上重量維持のためコンクリートの死重搭載、車体外板の薄板化に表面ひずみ修整の省略などが実施されており、竣工時期が後になるほど出来栄え、信頼性は落ちてゆきました。 それでも戦後間もない時期は、追って投入された戦時設計として更に構造や工作が簡略化されたEF13形や、新設計の主電動機を搭載する新形式であるEF15形の初期車に比べると高い稼働率を誇り、運転・保守双方からの評判も高かったようです。

 

車体は同時期製造のEF10 34以降とほぼ同一の全溶接構造箱形デッキ付きで、外観上の相違点はナンバープレート以外にはほぼ皆無だったそうです。

 

新製当初は東海道本線の軍事列車に使用されていましたが、戦時色が強くなるにつれて貨物輸送の軸を太平洋側から日本海側に移すことになったことと、上越線水上・石打間で使用されていたEF10形の主電動機故障続発や交換設備の増強もあって、EF10形と入れ替わりで同線に転じました。しかし後期製造機は資材不足から故障や不具合も少なからず発生し、必ずしも定格出力が出せない車両も存在しました。

東海道時代は国府津機関区・沼津機関区に所属し、1942年からは1150t列車を牽引、翌1943年からは1200t列車を牽引。1944 - 1947年に大部分が水上機関区に転属。さらに1947年の上越線全線電化に伴って全機が高崎第二機関区に集結。上越線では1952年から使用機関車の客貨分離後に伴い上り列車が1250t列車化されました。その後、1958年の東北本線宇都宮電化に伴って全機宇都宮機関区と新鶴見機関区などに転じましたが、宇都宮所属機は1960年代後半、両毛線・吾妻線の電化により高崎第二機関区に戻りました。

最晩年は山手貨物線・上越線・両毛線・吾妻線等で使用され、特に吾妻線では軌道条件の制約からEF15形が入線不能であったため、長らく専用されました。

 

Ef12_1_800405
最晩年、吾妻線の貨物列車を牽引して羽根尾駅に到着したEF12 1号機
Ef12_1_4
羽根尾駅で入れ換えに従事するEF12 1号機

吾妻線の軌道強化が完了し、EF15形の同線への入線が可能となった後は老朽化もあって淘汰が進み、1982年に1・5号機が廃車されたのを最後に形式消滅となりました。

 

再び、デンチュウさまのページのEF15の1975年当時の運用データによると

 

 東新潟  信越本線(直江津-上沼垂)、白新線、越後石山-新潟操、羽越本線(新津-坂町)、上沼垂-沼垂、上越線、高崎線(大宮操まで)
  

長岡   信越本線(直江津-上沼垂)、羽越本線(新津-坂町)、越後石山-新潟操
              新潟操-上沼垂-沼垂、上越線、高崎操-大宮操、大宮操-田端操、大宮操-越ヶ谷
  

高崎第二 高崎操-新潟操、渋川-金島、高崎操-大宮操、大宮操-田端操、大宮操-越ヶ谷、赤羽線、
       田端操-大崎-新鶴見操、新鶴見操-尻手-塩浜、浜川崎-扇町、新鶴見操-高島-根岸
  

 

現在、日本海縦貫線の一部となっている上沼垂~直江津間に運用されていたEF15は東新潟区の所属機と長岡区の所属機でした。

 

1975年当時の両区の所属機のリストは

 

東新潟  37、39、49、55、57、108、113、114、115、119、       
      121、127、128、134、135、141-143、145、146、        
       155、159、163、164   
長岡   1-3、6、15、20、53、63、67、75-77、85-87、90、       
        98、100、101、110、118、129-133、137、140、        
       149-152、156、175、191

そして柏崎で写した写真ですが、

 

Ef15_751103

 

EF81 0番台最終ロットの増備で淘汰された新潟のEF15 柏崎付近 1975/11/3

 

かつてEF81の記事で使ったこの一枚と、

 

Ef15_159_751103
EF15 159号機牽引の貨物列車 1975/11/3 柏崎付近

 

の2枚です。

 

上の写真は3線区間ですが、一番手前の線路は越後線の線路かも知れません。下の写真はEF62貨物列車の写真でもご紹介した場所ですが、駅東方の跨線橋から撮ったものと思われますが、38年の月日の経過で当時、どうやって現場まで行ったか記憶が全くありません。

 

これらの日本海縦貫線で活躍していたEF15もEF81の記事で書きましたが、1979年4月から9月にかけてかけて落成したEF81の最終ロットによって淘汰されました。あれから30余年、今度はそのEF81が後継機によって徐々にその数を減らしています。

 

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