2014年3月21日、お彼岸の3連休の初日、この3月のダイヤ改正で烏山線に導入されたEV-E301系に乗りに行ってきました。
烏山駅に到着し、早速充電を開始したEV-E301系 2014/3/21
EV-E301系は、一口で言えば蓄電池で走る電車で、電化区間は架線から集電、さらに蓄電池に充電し、非電化区間は蓄電池に蓄えられた電気エネルギーでモーターを回して走ることが出来ます。JR東日本が導入したこの方式の電車のは蓄電池のAccumulatorからACCUMの愛称が付けられました。
車体に付けられたACCUMのシンボルマーク
車体は総合車輌製作所が開発した次世代ステンレス車輌(Sustena)で、2両編成で烏山方がEV-E301形、宝積寺方がEV-E300形,両方とも制御電動車でいずれの車輌も後位側の台車に主電動機を2基装備しており、EV-E301形にはシングルアーム式のパンタグラフ2基を装備しています。
sustinaの表示は車内にも
客室内装はE233系と同じくユニバーサルデザインを採用し,バリアフリーの向上が図られています。座席はオールロングシートで,連結面妻部には電気の流れや,蓄電池の充電状況を示す車内情報装置が装備されています。
車内設置された情報装置の画面 充電中の表示
電源/制御系は架線からの直流1500Vを電力変換装置で600Vに降圧し、その後VVVFインバーターで三相交流に変換し,交流電動機を駆動しています。電力変換装置とVVVFインバーターの間には各車5基ずつのリチウムイオン畜電池(600V-95kWh)が接続されており,非電化区間では蓄電池で走行します。
両方の車輌の床下に5個ずつ装備されたLi-ion電池
最初はノートパソコンやビデオカメラなどに導入されましたが、最近はBoeing 787の主要電源やハイブリッド車、電気自動車と来て、ついに電車まで駆動するに至りました。
電化区間ではパンタグラフからの電気を蓄電池とVVVFインバーターに送り、充電しながら主電動機を駆動させます。
烏山駅に到着後、剛体架線の下でパンタを上げ、充電モードに
烏山駅には電力会社からの交流電源6,600Vを直流1500Vに整流する装置と充電用の剛体架線が用意されており,折り返し間合いの間にこの架線から充電がなされます。
烏山駅終端部に設置された直流1500V電源供給用の設備
全線電化すればこの設備を全線にわたり装備しなくてはなりませんし、容量も大きくなりますが,充電用なら小容量で済みますから、経済効果は高いのかと思います。
回生ブレーキ作動時に主電動機から発生した電力もVVVFインバーター装置により直流600Vに変換され非電化区間においては蓄電池の充電に用いられます。電化区間では電力変換装置によって直流1500Vに昇圧して架線側に変換することも可能です。
補助電源装置はSIV(静止形インバータ-)ヲEV-E300形に搭載しており,電化区間では架線からの電気で,非電化区間では蓄電池からの電気で稼働します。
台車は軽量ボルスタレス台車で動力台車がDT79、付随台車がTR255Dです。
運用、現在は小山車輌センターに配置された量産先行1編成が宇都宮~烏山を2往復、宝積寺~烏山を1往復しており、将来はキハ40形気動車全て置き換える予定となっています。
宇都宮~宝積寺間の東北本線は普通の電車とかわらない走りを見せ、烏山駅に進入するEV-E301系 烏山線内の最高速度はは気動車と同じ65km/hです。
E233系などとも共通性の高い運転台
ACCUMのデビューを知らせる案内表示 宝積寺 2014/3/21
JR職員から聞いた話ではなく未確認情報ですが、ACCUMは一回の充電で40kmほど走行可能とのことです。もちろん、冷房や暖房により、変化はあると思いますが、宝積寺~烏山間、20kmを普通に走るとバッテリー蓄電電力の約半分を使うことになるのですね。
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