2023年夏と2024年冬の名古屋旅行 その44 系列名が細かい近鉄一般車 その2 1600系、1800系から1810系へ
近鉄の一般車両の中で吊り掛け方式からWN駆動方式に進化した、所謂、高性能車と呼ぶに相応しい電車が1955年3月から製造された奈良線用の800系でした。当時、奈良線はDC600Vで電化されており、車体も18.5mのスイス・カー・アンド・エレベーター社との技術提携による準張殻構造軽量車体でしたが、これを1500Vで電化された南大阪線用とし、20.72mの両開き4扉車体と組み合わせたのが1957年9月に登場した6800系でした。Rabbit Carという愛称が与えられ、その車体デザインは1960年代、1970年代の基本デザインとなりました。
一方、名古屋線は標準軌化工事が予定されていた関係もあり、新性能車の投入は遅れていました。1959年9月の伊勢湾台風の直撃で沿線は大災害に見舞われ、その復旧工事に合わせて改軌工事も進められ、20m4扉車体のWN駆動の新性能車として新製配置されたのが1600系でした。1600系はTc+Mcの2両編成5本が投入された後、編成単位の増備、Mc単独、Tc単独の増備、ク1580形からの編入などで在籍両数は44両でした。1961年製造の2次車まではモ1601(奇数番号)+ク1602(偶数番号)といったように車番が振られていましたが、1963年製造の3次車からはその後の標準となったモ1601+ク1701といった車番になり、1.2次車もその方式に改番されました。編成単位ではなく増結用としてモ1650形、ク1750形が製造され、1967年には大阪線用のWC付きク1580形3両がク1780形として編入、これらは1973年に運転台が撤去され、サ1780形となり、増結用として増備されたモ1650形3両と1601~1603Fに組み込まれ、4連化されました。
1982年京都線急行の5連化で増結用単独Mcが必要となったため、モ1651~1654は京都線へ転属、需要減で引退後は事業用車にコンバートされました。1992年から1994年にかけ1615F,モ1650形(1656~1659)、ク1750形は狭軌化改造を受け、養老線に転出しました。
1966年に1600系の出力アップ系列として1800系が登場しましたが、製造両数は10両に留まりました。後年、1800系は養老線に転出し、600系、610系に編入されました。
1967年、1800系にラインデリアを装備し、1M2T固定編成を標準とした系列として登場したのが1810系でした。
2024/1/5 近鉄富田 1926
2024/1/5 近鉄富田 1927
1810系はサ1960形、1970形の増備などもあり、3連が増えて行きましたが、昨日の記事にあるように1984年の1000系の新性能化の際にク1910形とク1100形の車両交換が行われ、さらにサ1960形(サ1961以外)は電装化されモ1050形になり、1000系2連に組み込まれ、サ1961とサ1970形は大阪線2430系に組み込まれ、1810系は全て2連となりました。1991年に車体更新が行われましたが、2000年代初頭から廃車が開始され、現在、残るは1826Fと1827Fの2編成のみとなっています。
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